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Page 1 Page 2 商 (396) 川 工業建設業の管理 ( 運営機構の改革F櫛
一
(395)
一
ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争
29
章
次
論 争 に い た る ま で の ソ ビ エト 減 価 償 却 小 史
目
(
ソ ビ エト に お け る 減 価 償 却 論 争 四
序
革 命 前 ロシ ヤ に お け る 減 価 償 却
第 1章
第 1節
論 争 に い た る ま で の ソ ビ エト 減 価 償 却
要約
森
ネ ッ プ の も と で の減 価 償 却 ー ㈲
戦 後 社 会 主 義 経 済 建 設 期 の減 価 償 却 ー ⑤
国 内 戦 と 干 渉 戦 の 時 期 の滅 価 償 却 ー ②
第 2節
ω
価 償却ー ω
論 争 に い た る ま で の ソ ビ エト 減 価 償 却 理 論 と そ の計 算 方 法
ソ ビ エ ト 減 価 償 却 の計 算 方 法
第2章
第 -節
ソ ビ エト 減 価 償 却 の 理 論 (以 上 本 誌 第 四 七 巻 第 二 号 )
減 価 償却 論 争 の展開
減 価 償却 論争 の発端
一九 五 〇 年 代 の生 産 と技 術 の 発 展 ー ②
章
大 祖 国 戦 争 中 の減
要 約 (以
社 会 主 義 のも
建 設 機 械 ・設 備 の 償 却 率 に関 す る討 論 会 ー ⑤
ペ ルー ヴ シ ン論 文 と論 争 の発 端 ー ③
第 2節
第 3章
第 1節
〇
と で の道 徳 的 磨 滅 と技 術 的 進 歩 ; ω
ソビ エト エ業 におけ る減価 償 却論 争
上本 誌第 四 七巻 第五 号)
第 2節
30
叢一
学
弘面
囮
商
一
(396)
ω
ω
工業 におけ る減価 償 却 問題 ー㈲
農業 におけ る減価 償 却 問題ー ㈲
論 争参 加 者 の諸
農 業 の減 価 償 却 問 題 に関 す る諸 見 解 ー
要 約 (以 上 本 誌 第 四 八 巻 第 三 号 )
工 業 建 設 業 の管 理 ・運 営 機 構 の 改 革 ー ②
論 争 の主 要 争 点 ー ⑤
MTC の改組ー ②
ソ ビ エト 農 業 に お け る減 価 償 却 論 争
見 解ー ④
第 3節
ω
要約
ソビ ェト 農 業 に お け る減 価 償 却 論 争
諸 見 解 の意 義 ー ⑤
第3 節
ω
M T C の改組
一九 五 三 年 ソ 連 邦 共 産 党 中 央 委 員 会 九 月 総 会 の ﹁ソ 連 邦 の 農 業 を 一層 発 展 さ せ る た め の 方 策 に つ い て ﹂ の 決 定 以 降
よ り 、 ソ ビ エ ト で は 農 業 部 門 に 新 し い か な り 大 胆 な 農 業 政 策 が あ い つ い で 実 行 に う つさ れ た 。 こ の 農 業 政 策 の 成 果 と
し て、 農 業 生 産 物 は 増 加 し (
第 33表、 第 2図 参照 )、 ま た 急 速 な 技 術 的 進 歩 の も と で 、 社 会 主 義 農 業 の 固 定 フ ォ ン ド と 投
資 と を 増 加 さ せ て い った (
第 3図 、 第 34表 、第 35表、 第 36表 参照 )。 と く に 、 一九 五 〇 年 頃 よ り の零 細 コ ル ホ ー ズ の 統 合 運
動 が 進 み 、 コ ル ホ ー ズ は 大 規 模 化 し 、 経 済 的 に 強 い 経 営 と な って い た 。 そ し て 、 コ ル ホ ー ズ に は 、 高 度 の 資 格 を も っ
た多 数 の専 門技 術 者 (
耕 作者 、 家 畜飼 育者 、 トラ クター ・コ ンバイ ン手 、 電気 技 手、 建 設専 門 家、 現代 技 術 と科 学 の成 果 を たく
み に利 用 でき る コルホ ーズ 生産 の指 導 者 ・組 織者 )が 成 長 し 、 コ ル ホ ー ズ の 所 得 は 急 激 に 増 加 し て、 コ ル ホ ー ズ 農 民 の 物 質
(注 )
いま 若 干 の資 料 でも って 、 コ ル ホ ー ズ 経 営 が い か に 発 展 し た か を み て み る こ と が で き る 。 ク リ ミ ヤ 州 ジ ャ ン コイ 地 区 の コ
的 福 祉 は 向 上 し た の であ る。
(注 )
ル ホ ー ズ に お い て は 、 農 業 生 産 は つぎ の よ う に 増 加 し た。 一九 五 三年 か ら 一九 五 七 年 に わ た っ て、 耕 地 一〇 〇 ヘク タ ー ル あ
た り の牛 乳 生 産 は 五 四 ツ ェ ント ネ ル か ら 一五 七 ツ ェ ント ネ ル に、 肉 生 産 は 七 ・四 ツ ェ ン ト ネ ル か ら 二七 ・ 一ツ ェ ント ネ ル に 、
鶏5
6 生 産 は 二、 三 〇 〇 個 か ら 七 、 ○ ○ ○ 個 にそ れ ぞ れ 増 加 し た 。 ま た 一九 五 七 年 に は 、 一九 五 四 年 に 比 較 し て 、 牛 乳 製 品 は
一
ソ ビ エ ト農 業 の 総 生 産 高 の 増 加(1913年=100)
第33表
三 、 六 四 七 ト ン、 穀 物 は 一万 一千 ト ン、 肉 は 四 六九 ト ン、 野 菜 は 五 千 ト ン、 羊 毛 は 四 九 ト ンを 、そ れ ぞ れ 増 加 さ せ て 国 家 へ
引き 渡 し販売 し た。
農 業 生 産 高 の 増 加 は 、コ ルホ ー ズ 経 営 を 強 化 し 、そ の 固 定 資 産 と 労 働 日 の貨 幣 支 払 い を 増 大 さ せ た 。 一九 五 三 年 に は 地 区 コ
ル ホ ー ズ の貨 幣 所 得 は 、 二千 万 ルー ブ ル 以 下 で あ り 、 コル ホ ー ズ 員 の 一労 働 日 貨 幣 所 得 は 一ルー ブ ル 六 九 コ ∧ イ カ と評 価 さ
れ 、 耕 地 一 ヘク タ ー ルあ たり の 生 産 的 固 定 資 産 は 三 八 七 ル ー ブ ル であ った が 、 一九 五 七 年 に は コ ル ホ ー ズ の 貨 幣 所 得 は 、 四
千 二百 五 〇 万 ルー プ ル、各 労 働 日 は 三 ∼ 六 ル ー ブ ル、 固 定 資 産 は 九 二五 ルー ブ ル と そ れ ぞ れ 増 大 し た 。 ま た 、労 働 日 支 払 い の
〔出 所 〕M.M.CoKoJloB,3KoHoMliKacoUHa"HcTvaqecKoro
ceJlbcKoroxo3fiVacTBa.1962.cTp.155.
兄TH貢.(yqe6Hoenoco6He).1962.cTp.14.
増 大 は コ ル ホ ー ズ 員 の 労 働 に た いす る積 極 化 を も た ら し、 コ ル ホ ー ズ 員 一人 あ た り の 平 均 生 産 高 は 、 最 近 二 九 五 三年 ∼ 一
〔出所 〕M.M.CoKohoB,3KoHoMllKaco口vaa丑HcTHqecK_
負cTBeHHHxnpe双npH一
〔出 所 〕・9KoHoMHKaceJlbcKoxo3只
﹁
orocenbcKoroxo3flticTBa.1962.cTp.155.
畜
農
度
年
ソ ビ エ ト農 業 の 固 定 フ ォ ン ドの 増 加
(1928年=100,家 畜 を除 く)
第3図
ソ ビ エ ト農 業 の 総 生 産 高 の 増 加(1913年=leo)
第2図
物
産
総 生 産 高
作
1940
141
155
114
1953
146
148
141
1956
193
201
177
1958
218
227
205
1960
224
226
219
物
(397)
ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争 ⑳ 一 一
31
一
(398)
商
学
論
叢一
32
コ ル ホ ー ズ と ソ フ ホ ー ズ の 生 産 的 固 定 フ ォ ン ドの 増 加
第34表
(家畜 を含 む,1940年=100,年
ソフ ホー ズ とその
他 の 国 有農 業 企 業
コ ル ホ ー
ズ
195剰ig57年1195⇒196・
195・∋1955年
1194・ 年
度末 の数 値)
年
100
105
138
212
308
410
500
100
111
142
193
194
237
270
〔出所 〕M.M.CoKo」loB,9KoHoMMKacoUHaJIHcTI{qecKorocenbcKoroxo3flticTBa.
1962.CTP.159.
第35表
ソビェ トに お け る社 会 主 義農 業 企 業 の生 産 的 固 定 フォ ン ド
農 地1ヘ
ク タ
ー ル あ た りの
指
鞭 響 羅戦 語
固定 フオ ン ド
(ル ー ブ ル)
標
1940年
全 生 産 的 固 定 フ ォ ン ド 4.34
1953年i1957年
1941年
1959年
IlgS4年
14.95
24.89
100
100
100
巴午
已竺
29.849.5
そ の うち 農 業 用 使 途 の も の:
体
4.06
13.77
23.11
93.6
92.1
90.9
27.4
46.0
物
1.25
4.61
8.80
28.8
30.8
37.9
9.20
17.45
構 築 物
0.30
0.38
0.81
6.8
2.5
3.6
0.75
1.61
タ
ー
0.33
1.23
1.90
7.5
8.2
6.3
2.45
3.78
コ ンパ イ ン とそ の 他 の 農 業
機械
0.52
2.48
4.64
12.1
16.7
16.2
4.94
9.21
0.30
1.04
1.74
7.0
7.0
6.5
2.26
3.54
そ の うち機 械 化 され た もの
0.16
0.59
1.04
3.6
3.9
3.3
1.17
2.07
そ の 他 の 設 備
・器 具
0.16
0.53
0.83
3.6
3.5
3.2
1.05
1.65
産 用家 畜
0.42
0.99
0.87
9.7
6.6
2.7
1.96
1.72
蜂
0.64
2.00
2.74
14.9
13.3
11.6
3.99
5.45
全
建
土
ト
物
地
と
改
ラ
運
構
ク
送
手
使 役 用 家 畜,畜
、禽
築
良 用
段
鳥,蜜
〔出 所 〕OpraHll3auH只coばllanHcTHqecKHxcenbcKoxo3flticTBeHHblxnpeAnpHflTHrt.
(Kypc刀eKqH亘).1963.cTp.173.
第36表
ソ ビ エ
ト農 業 に お け る 投 資(比
較 価 格 に よ る,10億
ル ー ブ ノレ)
農 業 へ の総 投資額
度
年
国家投資
コル ホー ズ投 資
全
体.
年
平
4.087.37
xo3fificTBo.1962.cTp.24.
ΦeKTHBHocTbKaflHTanbHbTxBJIo)KeHH茸BceJlbcKoe
サ
〔出 所 〕3KoHoMHqecKa兄9Φ
り"
必
4
1954∼1959
4
6.2611.64
14.2726.52
ロ
5.38
12.25
1ふ
1946∼1953
ロ
3.29
ハ
O PO
9● 4
0
1918∼1945
均
一
(399)
ソ ビエ トに お け る 減 価 償 却 論 争 ⑭
一
33
九 五 七 年 ) 約 二倍 に増 加 し た (︽ 巳 Φ田 o日 o 国 こ 勺o昌 o口出oロ国法× 百℃o碧 田
oo治●O×9 0 ×oω埠陣o↓塁 .一⑩Oc。・20・ω6弓O〃Φ一・
︾ )。
司苔 Φコ自莞 ↓ ω×昆 o言巽 ぺ ×o奏 oωo国・ω民9 0り
§臣
こ の た め 、 コ ル ホ ー ズ は ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ ンを 購 入 し 所 有 す る こ と が で き る よ う に な り 、 ま た 従 来 のM T C か
ら の作 業 援 助 を 受 け る 場 合 よ り も 、 コ ル ホ ー ズ 所 有 の ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ ン に よ る コ ル ホ ー ズ 経 営 の 方 が 、 農 業 生
産 を より 効 果 的 に発 展 さ せる こと の でき る見 通 し が ついた。 こ の結 果 、 コル ホー ズ制 度 確 立 以来 、 大 量 の トラ ク ター
や コ ン バ イ ンを 所 有 し 多 数 の 専 門 技 術 者 を 擁 し て 、 コ ル ホ ー ズ に た い し て作 業 援 助 を お こな い 、 コ ル ホ ー ズ の農 業 技
エ ム ほテ ハ コ エ ス
術 の 進 歩 、 各 種 農 作 物 の 耕 作 ・栽 培 法 の 改 善 に と っ て 、 ま た 、 政 治 部 を 通 じ て の コ ル ホ ー ズ 員 の 政 治 意 識 の 高 揚 に と
っ て、 大 き な 役 割 を 果 た し てき た M T C ︽5 日国臣 宇壱 輿 ぎ 冨 匡Φ 3 窪 長 国 機 械 ト ラク ター ステー シ ョ ン︾ は 、 そ の歴 史
的 使 命 は 終 わ った と さ れ 、 改 組 さ れ る こ と に な った 。 コ ル ホ ー ズ に た い し て 生 産 的 ・技 術 的 サ ー ビ ス を し て い た M T
C は 、 コ ル ホ ー ズ 農 業 が い ち じ る し く 発 展 し 、 技 術 的 装 備 も 向 上 し 、 生 産 条 件 が 変 化 し た 新 し い情 勢 の 要 求 に合 致 し
た 形 態 と は な ら な く な った の で あ る 。
エ ル テ ハ エ ス
こ こ に、 一九 五 八 年 二 月 二 六 日 の ソ 連 邦 共 産 党 中 央 委 員 会 総 会 で は 、 M T C の 所 有 し て い る ト ラ ク タ ー や コ ン バイ
ンな ど の農 業 ⋮
機械 を コ ル ホ ー ズ に 売 却 し 、M T C は 、P T C ︽需 客。5 ロo,
苫 ×臣 垣o
良 5 自 。置 § 修 理 技術 ステー シ ョ ン︾
(1 )
に 編 成 が え す る こ と が 決 定 さ れ 、 つ い で 三 月 二 九 日 付 の ソ 連 邦 閣 僚 会 議 の ﹁コ ル ホ ー ズ 制 度 の よ り 一層 の 発 展 と M T
C の改 組 に つ い て﹂ の 決 議 に よ っ て 、 M T C の 改 組 は 法 制 化 さ れ る に い た った 。 こ のM T C の 改 組 は 、 農 業 生 産 の 集
コルホー ズ はMT C との契約 にも
約 化 に つい て の マル ク ス ーー レ ー ニ ン主 義 の教 訓 を 実 行 し 、 社 会 主 義 か ら 共 産 主 義 への 移 行 期 に お け る 全 人 民 的 所 有 と
(
2×注)
コ ル ホ ー ズ ‖ 協 同 組 合 的 所 有 の 二 つの 所 有 形 態 の 発 展 の 弁 証 法 を し め し た も の で あ る と い わ れ る 。
(
注 ) M TC の改組 によ って改 革 さ れ る とこ ろ の内 容 の主要 点 は、 つぎ のご とく であ る。 ①
34
叢一
学
法
珊
商
一
(400)
M TC はPT C と呼 ば れ る独
とつ いてMT C の所 有 す るト ラク ター や コ ンバイ ンなど の農業 機械 によ って作業 援 助を うけ て いる現 行 制度 を廃 止す る。②
MT C の所 有 し て いた トラ クター や コ ンバイ ンな ど の農 業機 械 を コルホー ズ に売 却 す る。③
従 来 のMT C の援 助作 業 にた いす
立 採 算制 の国有 企業 に改組 す る。 PT C の主要機 能 は、 コルホー ズや ソ フ ホー ズ の機械 の修 理、 農業 機械 ・部 品、 肥料 な ど
の販売 、 土地改 良 ・灌 溜 工事 の作 業、 利 用頻 度 の少 な い機械 の賃貸 など をお こ なう。 ④
る コルホー ズ の現物 支 払 いは廃 止さ れ、 同時 に義 務納 入制も 廃 止さ れ る。 今後 の国 家 調達 制度 は国家 計 画 にも とつ く買 付 の
労 働 生産 性 の向 上、 ◎
原 価引 き 下げ 、 ⇔
社 会 主義 拡 大再 生産 に必要 な蓄
新 し い国 家買 付価格 は地 域別 お よび 品質 別 の格 差 の つ いた単 一価 格 であ る。 こ の単 一価 格 の決 定 に
中 位 の地 域的 生産 条 件 、⑰
方 法 に統 一さ れ る。⑤
あ た って は、 θ
﹁ソヴ ェト農 業 政策 史 ﹂ 三 = 頁 参照 )。
積 の創造 な ど を考慮 し、 コルホー ズ の支 出 を補 填す るよ う に定 めら れ る。以 上 が改革 の主要 内 容 であ る (大崎 平 八郎 教 授著
ジ ャ ン コ イ 地 区 の 党 書 記 シ ェブ チ ェ ン コ ︽ 日 。田 窪 容 忘・
︾ は 、 つぎ の資 料 に よ っ てM T C 改 組 の 必 要 性 を 説 明 し て
い る。 そ れ に よ る と 、 M T C の 改 組 直 前 の 一九 五 八 年 初 期 に は す で に 、 コ ル ホ ー ズ は 種 々 の 型 の農 業 機 械 を 所 有 し て
い た し (一二 九種 のト ラク ター そ のう ち 一四 四種 は無 限 軌道 車 、 一二五種 の穀 物 車、 二 一種 の玉葱 収 穫車 、 一八種 の秣 収 穫 コ ンバ
イ ン、 = = 一
種 のトラ ク ター播 種機 お よ び 二千 種 以 上 の用具 ・備 品 )、 地 区 コ ル ホ ー ズ は 、 ト ラ ク タ ー 、 コ ン バ イ ン お よ び 各
種 の 農 業 用 機 械 を 、 一、 一八 〇 万 ル ー ブ ル を 買 入 れ 、 コ ル ホ ー ズ の 動 力 資 源 は 約 三 倍 に な り 、 耕 地 一 ヘク タ ー ル あ た
り の 生 産 的 固 定 資 産 は 、 八 〇 〇 ル ー ブ ル か ら 一、 五 〇 〇 ル ー ブ ル に 達 し よ う と し て い た 。 だ が 、 生 産 の 増 加 と 経 済 の
発 展 の 可 能 性 に つ い て 同 じ よ う な 条 件 に あ る 一九 五 七 年 の 地 区 コ ル ホ ー ズ の 二 つ の指 標 は 、 第 37 表 よ り 明 ら か な ご と
く、 地 区 コルホ ーズ に はま だ未 利 用 の大 き な リ ザー ブ が 存在 す る こと を し めし て いる。 こ のた め、 M TC 改組 と コル
ホ ー ズ への 技 術 の 販 売 は 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 の リ ザ ー ブ の よ り 十 分 な る 利 用 と 、 労 働 生 産 性 の 向 上 の 一層 の引 き 上 げ と 、
(3 )
農 業 生 産 物 原 価 の 引 き 下 げ の た め に 、 ま す ま す 有 利 な 条 件 を つく る 、 と いう の で あ る 。 そ し て こ の こ と は 、 の ち に 考
察 す る と こ ろ の 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 へ減 価 償 却 の 考 え 方 を 導 入す る 契 機 を つく った 。 ソ ビ エト エ業 に お け る 減 価 償 却 論
そ の う ち 耕 地 … … … ・… … … ・・… … … … … … …
4,508
5,892
1,308
921
228
158
昔cTBa>1958.No.3cTp.63.
《 ∂KoHoMHKaceAbcKoroxo3兄
21.9
・… … … … … … … … ・… …
ト ネ ル)・
ェ ン
… … … … … … … … …
ェ ン ト ネ ル)…
牛 乳(ツ
ー ブ ル)…
(ル
一
7,447
農 場100ヘ
630
1,ユ38
ー ブ ル)…
ク タ ー ル あ た り の 貨 幣 所 得(ル
1ヘ
ク タ ー ル あ た り の
6,478
耕 地1ヘ
49.6
肉(ツ
ク タ ー ル あ た りの 生 産 固 定 資 産
… … … … … ・・… ・… … …
ク タ ー ル)…
総 農 地(ヘ
(401)
ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争 ㈲
一
35
第37表
名 称 コル ホー ズ
「祖 国 」 コ
ル ホ ー ズ
「 ミ チ ウー リ ン 」
〔出 所 〕H.皿eBuem《o,PocTocHoBHblxcpeAcTByKpennAeTgKoHoMllKYKonxo30B.
争 が 盛 り 上 って い た 時 期 に 、 コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 問 題 が 討 究 せ
ね ば な ら ぬ 課 題 と な って き た 。 こ う し て 、 ソ ビ エト 農 業 部 門 に ま で 減 価
償 却 論 争 は 、 そ の 対 象 ・範 囲 を 拡 大 さ せ た 。
こ こ に 、 一九 五 八 年 の M T C の 改 組 に と も な う ソ ビ エ ト 農 業 制 度 の 一
大 改 革 を 与 えら れ た 現実 の条 件 と しな がら 、減 価 償 却 論 争 はさ ら に進展
し た。
(1 ) コ唱畠 戸P 8 寓唱 弓ロ S 朝。。 召 貝P
(2 ) 日 Φ田 ⑳臣 。 国 二 勺8 ↓ R 吉 臣 ぴ一
× △㊥⑳碧 ↓・d 胃 需 冒 莞 ↓ 畏 。出o§ 塁
Φω・
×o担×8 00コ・
︽ ω×g o苦民×恥 9 ﹄ぴ采 oつo ×oω国誉 弓器 ︾ お 凱。。・20.ω 6↓勺.魯 ●
差 、6昌
農業 におけ る減価 償 却 問 題
(3 ) 日 窃 吉 畏 。 国 こ ↓皇
②
M T C の改 組 は 、 ソ ビ エト 農 業 と く に コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 問
題 を 新 た に提 起 せ し め る に いた った 。 で は 、 コル ホ ー ズ に お い て 減 価 償
却 の問 題 が、 ど のよ うな 形 態 で惹起 さ れ た の であ ろう か。 この事 柄 を 理
解 す る た め に は 、 コ ル ホ ー ズ 経 営 の つぎ の 特 質 を ま ず 理 解 し て お か ね ば
な ら な い。 第 一の 特 質 は 、 最 近 に お け る コ ル ホ ー ズ の 固 定 フ ォ ン ド 組 成
状 態 の変 化 で あ り 、 第 二 の 特 質 は 、 最 近 ま で の コ ル ホ ー ズ 生 産 に お け る
減 価 償 却 概 念 の欠 如 で あ る。
定フ オ
定 ン
健 フ
npeAnPHfiTliPt.
〔出 所 〕3)KOHOMHKaCeJlbCKOXO3flthCTBeHHblX
(yge6Hoenoco6He).1962.cTp.187.
第 一の 特 質 に つ い て 説
明 を く わ え よ う 。 一般 に 、
農業 に おけ る固定 フ ォ ン
ド に属 す るも のとし て、
ト ラ ク ター 、農 業 作 業機 、
使 役 家 畜 、畜 産 家 畜 、 農
具、 輸 送 手 段、 生 産 用 建
(多
物 ・施 設 ・設 備 、 土 地 改
良 施 設 、開 拓 用 植 林
年 性植 物)な ど が あ る (
第
4図参 照 )。 と こ ろ が 、 コ
ルホー ズ では従 来 工業 技
術 的装 備 は、 国 家 に よ っ
てM T C を 通 じ て お こ な
備 に お い て M T C に 立 脚 し て い た と い う 従 来 の 農 業 制 度 の特 徴 を 反 映 し て い た の で あ る 。 し た が って 、 一九 三 九 年 に
な か った の で あ る 。 こ の よ う に 、 農 業 用 機 械 器 具 の 比 重 が 比 較 的 低 い と い う こ と は 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 の機 械 技 術 の装
自 動 車 輸 送 施 設 、 副 業 設 備 に 限 ら れ 、 農 業 用 機 械 器 具 は 、 総 固 定 フ ォ ン ド の構 成 の な か で わ ず か な 比 率 し か し め て い
わ れ て いた の で、 コル ホーズ の固 定資 産 は、 毎年 急 速 に増 加 し て いた と は いえ 、そ の増 加 は主 とし て建物 、 畜 産 家畜 、
宅 営定
住経固
区 獣 燥勺
物
植
非 生産
産
主 定
その他 の 郭
生産 的 固定
フ オン ド
年'M
多
学
コ ル ホ ー ズ と ソ フ ホ ー ズ の 固 定 フ ォ ン ドの 組 成
第4図
36
叢一
ぞム
ロ冊
商
(402)
(403)
ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争 ㈲
37
(1 )
は 、 コ ル ホ ー ズ の 総 固 定 資 産 の う ち 、 使 役 家 畜 は 一七 ・三 % 、 畜 産 家 畜 は 二 五 ・三 % 、 生 産 用 建 物 は 三 〇 ・六 % で あ
る が 、 農 業 用 機 械 器 具 は 、 わ ず か 七 ・二 % を し め て い た に す ぎ な い の で あ った 。 ま た、 一九 五 八 年 の M T C 改 組 時 点
に お け る コ ル ホ ー ズ の 固 定 資 産 の 構 成 は 、 玄田産、
用 動 物 ・禽 鳥 が 一二 ・八 % 、 生 産 用 建 物 が 六 一 ・七 % 、 多 年 性 植 物 が
(2 )
二 ・六 % 、 農 業 用 機 械 器 具 、 設 備 、 輸 送 手 段 が 二 二 ・九 % で あ った 。
と こ ろ が 、 す で に 考 察 し た ご と く 、 M T C の 改 組 と 農 業 機 械 の コ ル ホ ー ズ への 売 り 渡 し は 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 に お け
る 急 速 な 技 術 的 装 備 と 総 合 的 機 械 化 の 広 範 な 可 能 性 を も た ら し た と 同 時 に 、 投 資 総 額 に お け る機 械 ・器 具 の獲 得 の た
め の コ ル ホ ー ズ 費 用 部 分 は 、 い ち じ る し く 増 加 し た の で あ る 。 コ ル ホ ー ズ に お け る 拡 大 再 生 産 の重 要 な 条 件 は 、 経 営
(3 )
の集 約 的 管 理 で あ る。 レ ー ニ ン は い う 。 ﹁肥 料 に た いす る 支 出 の資 料 と 農 具 と 機 械 の 価 額 に か ん す る資 料 は 、 農 業 の
、
、
集 約 化 の 程 度 の も っと も 正 確 な 統 計 的 表 現 と し て 役 立 つ﹂ と 。 か く し て 、 投 資 総 額 に お け る 技 術 獲 得 の た め の コ ル ホ
ー ズ の 費 用 部 分 は 、 ロシ ヤ 共 和 国 の コ ル ホ ー ズ 全 体 に つ い て、 一九 五 七 年 の 一八 ・七 % か ら 一九 五 八 年 の 五 八 ・四 %
に増 加 し た の であ る 。中 央 非 黒 土地帯 の コ ルホー ズ では、 投資 総額 に おけ る トラ ク ター 、 農業 機 械 、 器具 、 設 備 獲 得
の 費 用 部 分 は 、 一九 五 八 年 に は 五 〇 ・五 % で あ り 、 中 央 黒 土 地 帯 の コ ル ホ ー ズ で は 五 九 ・四 % 、 リ ペ ック 州 の コ ル ホ
(4 )
ー ズ で は 六 九 ・四 % と な った 。 一九 五 八 年 か ら 一九 五 九 年 に か け て ソ ビ エト の 全 コ ル ホ ー ズ は 、 国 家 か ら ト ラ ク タ ー 、
38 表 よ り 明 ら か な ご と く 、 大 き く 変 化 し た の で あ る 。
コ ン バイ ン お よ び そ の他 の 農 業 機 械 を 三 二 億 ル ー ブ ル購 入 し た の で あ る 。 こ の 結 果 、 コ ル ホ ー ズ の 生 産 的 岡 定 フ ォ ン
ド の価 値 、組 成 およ び構 造 は、 第
M T C の 改 組 と 農 業 機 械 の コ ル ホ ー ズ への 売 却 と い う 農 業 改 革 は 、 コ ル ホ ー ズ に お け る 固 定 フ ォ ン ド の 構 成 に変 化
を も た ら し た が 、 こ の構 成 変 化 は 同 時 に コ ル ホ ー ズ 経 営 に た いし て い ろ い ろ な 影 響 を 与 え た。 と り わ け コル ホ ー ズ は 、
自 分 の所 有 と な った ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ ン お よ び そ の 他 の 農 業 機 械 を 、 国 有 企 業 の ソ フ ホ ー ズ の そ れ と 同 様 に 、 減
ほ
﹂
7
ほ
3
5
﹄
4
5
26
泊
4.2
46.7
4
旧
0
o
o
1
100
的 固 定 フ ォ ン ド
一
20
100
1.0
叢
0.2
全 生 産
学
1.2
物
植
性
年
aHanH3aHCnOnb30BaHHHOC}IOBHb!X
〔出 所 〕H.H.XMe」leBcKH貴,MeToAHKa
3.8
24.9
100
3.5
24.6
5.6
14.5
多
3.4
52.2
造
商
トラ ク ター,発 動 機,農 業 用 機
械,お よ び そ の 他 の 労 働 用 具
29.6
物
営
備
設
・
具
・
物
築
畜
産'家
6.4
送
畜
役
畜
9.6
6.8
手
12.1
構
家
使
13.8
7.9
28.1
1957年11959年
1959年
段
器
一
生 産 的 固 定 フ ォ ン ドの 組 成
1959年
運
て
ヴ ラデ ィー
ミル 州 の 全
コル ホ ー ズ
につ い て
リペ ツ ク州
の 全 コル ホ
ー ズ につ い
ロ シ ヤ共 和 国 の 全 コ
ル ホー ズにつ い て
38
善!L
酊圃
(404)
第38表1957年
一1959年 に お け る ロ シ ヤ 共 和 国 の コ ル ホ■
一
・
一ズ の
生 産 的 固 定 フ ォ ン ドの 構 成 の 変 化(総 計に対する%,年 度末の もの)
ΦoH丑oBBKonxo3ax.1964.cTp.24.
価 償 却 を し な け れ ば な ら な く な った 。
こ こ で 第 二 の 特 質 に つい て 説 明 を つぎ に く わ え よ う 。 M T
C 改 組 前 に は 、 コ ル ホ ー ズ の 固 定 フ ォ ン ド の組 成 中 た と え 農
業 用 機 械 器 具 の 比 重 は 比 較 的 低 か った に せ よ 、 外 に 比 重 の 高
いと こ ろ のそ の他 の 固 定 フ ォ ン ド と 共 に、 所 謂 固 定 資 産 で あ
る 以 上 償 却 対 象 物 で あ る こ と は 、 一般 の 場 合 と か わ ら な い は
ず で あ った 。 と こ ろ が 従 来 、 コ ル ホ ー ズ で は 、 会 計 年 度 末 に
生産 物 の原 価計 算 にさ いし て 固定 フ ォンド の消耗 額 を簿 記 上
に 反 映 す る こ と は な く 、 し た が って 、 固 定 フ ォ ン ド の 消 耗 を
直 接 に計 算 す る こ とも な いの で、 減価 償 却 によ る控 除 と いう
こ と は な か った の で あ る。 マ ルグ リ ス ︽≧ 飴噌 ぺ§ △︾'
︾ は、
﹁ソ ビ エト 国 民 経 済 各 部 門 に お け る 簿 記 計 算 ﹂な る 書 物 の 一九
五 九 年 の 第 三 版 増 補 版 で、 コ ル ホ ー ズ 会 計 に お い て は ﹁固 定
資 産 の 減 価 償 却 は い ま ま で 簿 記 勘 定 に よ って お こ な わ れ る こ
(5 )
と は な か った ﹂ と の べ て い る 。 し か し そ の か わ り 、 コ ル ホ ー
(
※)
ズ に お け る 固 定 フ ォ ン ド の 更 新 と 現 状 回 復 は 、 ﹁不 分 割 基 金 ﹂
・ こう し て・ 同 疋フ ・ンド の覆
計 算 と 減 価償 却
の 控 除 と いう 形 式 に よ って 貨 幣 所 得 の 中 か ら お こ な わ れ て い
た の で離
一
(405)
一
ソ ビエ トに お け る 減 価 償 却 論 争 ⇔
39
(注 )
控 除 と が コ ル ホ ー ズ 会 計 に は 欠 如 し て い た こ と は 、 従 来 の コ ル ホ ー ズ 生 産 が農 業 技 術 の 点 に お い て 主 と し て M T C に
不 分 割 基 金 ︽ 出o恒o﹄属呂ぴ忌 ■o出垣 ×o自×oωo︾ と は 、 農 業 ア ル テ リ の主 要 な 共 同 フ ォ ン ド の 一つ で 、 ア ル テ リ 員 の問 に分 配 さ
依 存 し て い た こと にあ る の であ る。
※
れ る こ と な く 、 コ ル ホー ズ の共 同 経 営 に お け る 拡 大 再 生 産 の確 保 と 、 コ ル ホ ー ズ 員 へ の文 化 ・厚 生 上 の サ ー ビ ス の改 善 と に
コ
役 立 てられ る。 不分 割 基金 の増加 は、 コルホー ズ の共 同経営 の発展 のも っとも重要 な指標 であり 、 この基金 には、 コルホ ー
コルホ ーズ 員 の加 入料 、②
国 家 か ら 無 償 で う け と っ た財 産 お よ び 貨 幣 資 金 の 五 っ
ア ル テ リ の貨 幣 所 得 か ら の毎 年 の控 除 、
ズ の労 働 手 段 、 建 物 、 輸 送 手 段 、 多 年 性 植 物 な ど が 含 ま れ る 。 こ の 基 金 の 形 成 源 泉 は 、 ω
コ ル ホ ー ズ 員 の 労 働 の コ ル ホ ー ズ 生 産 各 部 門 へ の直 接 投 下 、 ⑤
ル ホ ー ズ へ の加 入 の さ い に社 会 化 さ れ る財 産 の価 値 の 25 % な いし 50 % の繰 入 、 ㈲
ω
が あ る 。 コ ル ホ ー ズ 生 産 の発 展 、 労 働 生 産 性 の向 上 、 コル ホー ズ 所 得 の増 加 は 不 分 割 基 金 を 増 大 さ せ、 そ れ に も と つ い て投
二頁 ∼ 一 = 二頁 )。
コ ル ホ ー ズ 生 産 物 の原 価 計 算 は 、 い ま ま で は 十 分 に確 立 し て い な か った が 、 原 則 と し て は つぎ の方 法 で な さ れ て い た と い
資 が 増 加 す る (︽ 民官 ↓臣 障 翼 o国o苦田 Φo臣 啓 △自畠 碧 ダ お O。。.⇔弓唱'品 N∼ お ω.
︾邦 訳 、 =
(注 )
わ れ る 。 す な わ ち 、 コ ル ホー ズ 生 産 物 の原 価 は 、 コ ル ホ ー ズ の 費 用 と コ ルホ ー ズ に奉 仕 し たM T C の費 用 と を 加 算 し た も の
で あ った 。 後 者 の M T C の費 用 は 、 ト ラ ク タ ー 作 業 価 値 に よ って 決 あ ら れ 、 前 者 の コ ル ホ ー ズ 自 身 の 費 用 は 、 現 物 形 態 と貨
幣 形 態 で 考 慮 さ れ る 。 こ れ ら の費 用 の う ち 直 接 費 と し て、 農 作 物 の栽 培 や 家 畜 の飼 養 管 理 の 経 費 、 種 子 ・栽 培 用 材 料 .肥 料
な ど の経 費 、 生 産 物 の保 管 ・加 工 ・輸 送 の た め の経 費 が あ る 。 間 接 費 に は 、 部 門 共 通 費 と 経 営 共 通 費 が あ る 。 部 門 共 通 費 は
耕 種 部 門 や 養 畜 部 門 の 部 門 全 体 に 関 係 す る 経 費 で あ り 、 経 営 共 通 費 は 管 理 ・経 営 の費 用 、 経 営 共 通 の輸 送 費 、 出 張 費 、 防 火
対 策 費 、 通 信 費 な ど が あ る (こ れ ら 間 接 費 は 、 生 産 物 の生 産 の た め に 直 接 支 出 さ れ た 労 働 日 に 比 例 し て 、 各 種 の生 産 物 に 配
賦 さ れ る )。最 後 に 、 コ ル ホ ー ズ 員 の所 得 の算 定 基 準 と な り コ ル ホ ー ズ の労 働 の 評 価 基 準 で あ る と こ ろ の労 働 日 の 原 価 (こ の
コ ル ホ ー ズ の労 働 の評 価 は コ ル ホ ー ズ 原 価 計 算 の最 も 複 雑 な 問 題 の 一つ で あ る ) が く わ わ っ て 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 物 の原 価 計
算 は完 了す る。
コ ル ホ ー ズ 固 定 資 産 の減 価 償 却 は 、 ﹁ソ フ ホ ー ズ の た め に 定 め ら れ た 減 価 償 却 の基 準 に し た が っ て決 め る の が 合 理 的 で あ
る ﹂ (︽ 切碧 8× ↓.ロこ O肩 臣 類ω恥月類拍 oo月国9 国o↓国ぷo⇔民o﹃o oo自・n民o・
×oωm国o弓ロo嵩出oワo 類℃自 ω8 恒3 国P 一Φ切Φ・
︾ 磯 辺秀 俊氏 、
倉 田貞 氏 共 訳 ﹁集 団 農 場 の経 営 ﹂ 二 五 四 頁 )と か 、 ﹁固 定 資 産 の減 価 償 却 は 、 ソ フ ホ ー ズ で 適 用 さ れ て い る 率 で計 算 さ れ 費 用 ・
40
「一 一
叢
一
商
学
ぞ!」fi冊
(406)
に 含 め ら れ るL(︽ ≧ oづ﹃累自国o >二切ぺ×﹃ロ﹄↓⑳℃△民国啓 望西o↓ 匂d o↓噂曽 担泣× 鵠飴℃oお鵠08 ×oω﹄陣6↓o目国 ∩∩∩㊥.od↓o噂oP ロゆ噂Φ喝①∩o,
冒 臣 oo 国ω溜 目 ρ 9 0べ o↓噂・ω⑩P︾ )べ き で あ る が 、 生 産 費 勘 定 で計 算 さ れ る こ と は な く 、 勘 定 記 帳 と は 別 に 増 加 額 で 計 算
民ρ ↓需 ↓ぴ⑳、目m需 冨 Oo↓壁 属o⑦ 国賃 § 沓ρ 一巴 Φ.自 ㊥・ω。。N・
︾ )と か いわ れ て
さ れ て い た と か、 ﹁固 定 資 産 の減 価 償 却 は い ま ま で簿 記 勘 定 に よ っ て お こ な わ れ る こ と は な か った 。 そ れ は 原 価 計 算 に さ い
し て見 積 ら れ て い た﹂ (︽ ≧ 名 蔓 § o P 、↓皇
※ ρ︾ 邦 訳 、 二 五 四頁 ) で あ る 。 こ の た め 、 農 業 機 械 や ト ラ ク タ ー 、 コ ン バ イ ン以 外 の従 来
い る。 だ が 、 は っき り し て い る こ と は、 ﹁今 日 ま で ︹M T C 改 組 前 ー 森 ︺、 コ ル ホ ー ズ の 生 産 に減 価 償 却 の考 え を 欠 いて い た
こ と﹂ (︽ 切知n8× ↓.戸 、↓皇
か ら 比 較 的 多 量 に所 有 し て い た そ の 他 の 固 定 資 産 の 会 計 は 、 放 漫 であ っ て 、 た と え ば 、 コ ル ホ ー ズ に お け る 固 定 資 産 の 総 額
の中 に は耐 用 年 数 を 過 ぎ たも の や 、 役 に た た な く な った 資 産 で廃 棄 さ れ る べ き も の も は い っ て い た 。 ま た コ ル ホ ー ズ 生 産 に
お け る 減 価 償 却 概 念 の欠 如 は 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 物 の 原 価 計 算 を も 不 完 全 な も の に し て い た。
だ が いま や コ ル ホ ー ズ 自 身 の所 有 と な った ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ ンを 含 め て 、 す べ て の コル ホ ー ズ の 固 定 資 産 は 、
減 価 償 却 を し な け れ ば な ら な く な って き た 。 コ ル ホ ー ズ 生 産 への 減 価 償 却 概 念 の導 入 は 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 物 の 原 価 を
科 学 的 に 算 定 し 、 新 し い国 家 買 付 価 格 で あ る 地 域 別 ・品 質 別 の格 差 の つ い た (
必 要 な場合 には季 節 差 の ついた)単 一価 格
の た め の経 済 的 に 基 礎 づ け ら れ た 価 格 形 成 の 資 料 を 提 供 し な け れ ば な ら な い し 、 さ ら に こ の こ と は 、 コ ル ホ ー ズ 経 営
(7 )
の 費 用 を そ の 所 得 に よ って 支 弁 し 、 収 益 を 高 め る よ う に さ せ る こ と 、 つま り コ ル ホ ー ズ に 独 立 採 算 制 を 確 立 さ せ な け
れ ば な ら な いま で に い た った 。
か く て 、 パ ァ ハ モ フ ︽ コ買 o呂o国 ﹀・
︾ は つぎ の よ う に い う 。
﹁コ ル ホ ー ズ が 自 己 の 技 術 を 利 用 す る 条 件 のも と で は 、 固 定 資 産 の減 価 償 却 と ト ラ ク タ ー 、 コ ン バイ ン お よ び そ の他 の農 業 機
械 の修 繕 に つ い て の問 題 が 新 た に 生 じ て い る 。 か つ て の よ う に 、 M T C に 大 部 分 の技 術 が 存 在 し て い た 時 に は、 減 価 償 却 控 除 は
遂 行 さ れ な か った 。 技 術 の 修 繕 費 は 、 ト ラ ク タ i 活 動 の ヘク タ ー ル あ た り の 一定 の控 除 率 の 範 囲 で 予 算 か ら ま か な わ れ て い た 。
独 立 採 算 制 を と る コ ル ホ ー ズ 、 ソ フ ホー ズ お よ び P T C に 農 業 技 術 が 集 中 し て い る 今 日 で は 、 固 定 資 産 の更 新 と 修 繕 の た め の 減
価 償 却 基 金 を 創 造 す る こ と が 必要 で あ る 。 こ の 基 金 は、 農 業 企 業 の 投 資 の重 要 な 源 泉 の 一つ で あ り 、 独 立 採 算 制 を 強 化 し 、 そ し
(407)
ソ ビ エ トに お け る減 価 償 却 論 争
41
(8 )
﹁す ぐ に ︹M T C 改 組 直 後 ー 森 ︺国 営 企 業 と 同 様 に 磨 滅 を 組 織 的 に算 定 計 算
て機械 の高度 の生産 的 利用 とそ の正 し い保全 とを助 け る であ ろう 。
L
ま た 、 マ ルグ リ スも い う 。 コル ホーズ は、 1
す る現 実的 な減 纏
却控 除 率 を設定 す る必要 が あ る:・
已
し、 固 定 資 産 の更 新 と大 修 繕 の 堅 実 な 源 泉 を 創 く る こ と が 必 要 で あ る 。 こ の た め 、 コ ル ホ ー ズ に と って は ソ フ ホ ー ズ の 減 価 償 却
率 に応 じ で、 固定 フ・ ンド の再 生産 を護
こ の よ う に し て、 コ ル ホ ー ズ の新 し い 発 展 段 階 に お い て 、 コ ル ホ ー ズ 固 定 資 産 の 減 価 償 却 率 の 作 成 、 固 定 フ ォ ンド
の 計 算 の改 善 、 当 座 修 繕 や 大 修 繕 の 改 善 な ど は 、 重 要 な 意 義 を も つに い た った 。 コ ル ホ ー ズ に お い て 減 価 償 却 問 題 が
惹 起 さ れ て き た 経 過 は 、 以 上 の ご と く で あ る。
農 業 に お け る 減 価 償 却 率 の 作 成 は 、 す で に考 察 し た 工 業 部 門 に お け る 場 合 と 同 様 に (
第 3章 第 2節 ②参 照 )、 そ れ と 関
連 し て 解 決 せ ね ば な ら ぬ 問 題 と し て 、 固 定 フ ォ ン ド の 総 棚 卸 し と 時 価 に よ る 評 価 替 え の実 施 に 関 す る 問 題 と 、 固 定 フ
ォ ン ド の科 学 的 某 礎 を も った 新 し い分 類 に 関 す る 問 題 と を 、 農 業 部 門 に お い て も 解 明 せ ね ば な ら ぬ 課 題 と し て 登 場 し
て き た 。 こう し た な か で 、 一九 六 〇 年 九 月 一日 付 の ﹁コ ル ホ ー ズ に お け る 岡 定 フ ォ ン ド の 再 評 価 に つ い て﹂ な る ソ 連
邦 閑 僚 全 議 決 議 が 発 表 さ れ た 。 こ の 決 議 に よ る と 、 す べ て の コ ル ホ ー ズ に た い し て 一九 六 二 年 一月 一日 の 状 態 で 全 固
定 フ ォ ン ド (た だし 使役 家畜 と畜産 家 畜 は 再評価 さ れ な い。 な ぜなら ば、 す べ て の家畜 は 一九 五九 年 一月二 日 に購 入価 格 で再 評価
(
10二注)
コ ル ホ ー ズ に お け る固 定 フ ォ ン ド の 再 評 価 と 磨 滅 の 決 定 と 同 時 に 、 な お 河 川 経 済 団 体 や 管 下 農 業 団 体 の周 定 フ ォ ン ド (灌
さ れ るか ら) を 時 価 に よ って 再 評 価 し 、 そ の磨 滅 率 を 決 定 す る こ と を 課 し た の で あ る 。
(注 )
ロdこ × 自 o碧 ↓o悼烏 o陣 目⑳唱Φo熔 出×0 8 ロo。↓O二 〇ふ︾ )。
溜 用 、 給 水 用 、 乾 燥 用 制 度 .設 備 な ど )も 再 評 価 さ れ る こ と に な った (︽ 切餌Oロ臣
臣 匡× ■8 肩呂 ×g ×oω畠 ・ω×05 宅民臣 8 自 日 o﹃o ×8 菖 ⇔闘 飴二 ・)O戸.苔 ふ
こ こ で 注 意 す べき こ と は 、 今 日 ま で ソ ビ エト に お い て は 固 定 フ ォ ンド の 再 評 価 は 、 あ る 一部 の 地 域 に お い て、 ま た は あ る
減 価 償 却 論 争 の展 開 に よ っ て 国 有 企 業 の 固 定 フ ォ ン ド の再 評 価 は 、 一九 五 六 年 一二 月 二 五 日 付 の決 議 (第 3 章 第 2 節 ② 参 照 )
特 定 の産 業 に限 ら れ て、 そ し て 特 別 の歴 史 的 背 景 と 事 情 の な か で実 施 さ れ た (第 1章 第 2 節 ④ の注 参 照 ) にす ぎ な か っ た が 、
叢
一
42
商
学
ヨム6侃
(408)
に よ って 決 定 さ れ、 コ ル ホ ー ズ の そ れ は こ の 一九 六〇 年 九 月 一日 付 の決 議 に よ っ て決 定 さ れ た 。 こ の た め 、 こ こ に国 有 企 業 、
コ ル ホ ー ズ 協 同 組 合 企 業 に 関 係 な く す べ て の 企 業 が、 そ し て ま た 工業 部 門 、 農 業 部 門 に 関 係 な く す べ て の 部 門 に わ た って 、
ソ ビ エト で初 め て の全 国 家 的 規 模 に よ る 再 評 価 が 実 施 さ れ る こ と に な った こ と で あ る 。
つ い で に、 コ ルホ ー ズ の 再 評 価 の 輪 郭 を 知 る た め に、 再 評 価 業 務 の 内 容 を 多 少 と も 触 れ る と つぎ の ご と く で あ る 。 こ の 再
評 価 の 業 務 は 、 そ の 組 織 化 に と って 重 要 な 環 であ る 地 区 で な さ れ る 。 コ ル ホ ー ズ に た い す る 不 断 の 指 導 と援 助 は、 地 区 実 行
委 員 会 で お こ な わ れ る 。 こ の 地 区 実 行 委 員 会 の も と に 、 地 区 の 代 表 実 行 委 員 、 国 家 統 制 監 査 実 行 委 員 、 ま た 固 定 フ ォ ンド の
再 評 価 の経 験 を も っ た ソ フ ホ ー ズ お よ び 工 業 企 業 の労 働 者 の代 表 委 員 か ら な る専 門 委 員 会 を 形 成 す る。 そ れ ぞ れ の 地 区 の 実
行 委 員 会 に と っ て の コ ル ホ ー ズ の 固 定 フ ォ ンド の 再 評 価 の 実 施 に関 す る 準 備 と計 画 は 、 つぎ の ご と く で あ る 。 ① 一九 六 一年
四 月 ∼ 五 月 ま で に、 再 評 価 の準 備 と し て コ ル ホ ー ズ の 固 定 フ ォ ン ド の 基 礎 資 料 を 整 理 す る 。 ② 同 じ 一九 六 一年 四 刀 ∼ 五 月 の
う ち に 、 建 物 の価 値 指 標 集 、 目 録 を 集 め る 。 ③ 一九 六 一年 六 月 ま で に、 再 評 価 委 員 会 と こ の 業 務 に た ず さ わ る 人 々 に よ っ て、
再 評 価 に関 す る指 令 を 研 究 す る 。 ④ 一九 六 一年 六 月 ∼ 七 月 ま で に、 固 定 フ ォ ン ド の個 々 の対 象 物 の 実 験 的 再 評 価 を お こ な い、
そ の物 理 的 磨 滅 を 決 定 す る。 ⑤ 一九 六 一年 八 月 ∼ 一 一月 ま で に 、 再 評 価 を 実 施 し 、 す べ て の 固 定 フ ォ ン ド の磨 滅 を 決 定 す る。
⑥ 一九 六 一年 = 月 に は、 固 定 フ ォ ンド の 再 生 産 価 値 と物 理 的 磨 滅 の決 定 の 正 確 性 を 具 体 的 に点 検 す る 。 ⑦ 一九 六 二年 一月
二 五 日 ま で 、 固 定 フ ォ ン ド の 再 評 価 と磨 滅 決 定 の結 果 の報 告 書 を 点 検 し 、 地 区 実 行 委 員 会 に よ っ て確 認 さ れ る。 ま た 、 再 評
価 を実 施 す る た め に、 コ ル ホ ー ズ は 自 分 の と こ ろ で も 委 員 会 を つ く る 。 委 員 会 は 、 コ ル ホ ー ズ 幹 部 代 表 、 監 査 委 員 代 表 お よ
び農 学 士 、 技 術 .建 築 家 、 機 械 技 師 、 会 計 士 か ら な る専 門 家 代 表 で形 成 さ れ る 。 こ の 委 員 会 は 、 地 区 実 行 委 員 会 の 指 導 の も
と で、 コ ル ホ ー ズ の 固 定 フ ォ ンド の再 生 産 価 値 と 物 理 的 磨 滅 を 決 定 す る の であ る 。 ま た 、 コ ル ホ ー ズ の こ の 委 員 会 は 、 使 役
家 畜 、 畜 産 家 畜 、 禽 鳥 、 養 蜂 を 除 い た 固 定 フ ォ ンド の総 棚 卸 し を 、 一九 六 一年 度 の 棚 卸 し と兼 ね て 再 評 価 の た め に、 一九 六
一年 八 刀 一日 の状 態 で お こ な わ な け れ ば な ら な い (た だ し 、 貨 幣 資 産 の年 度 棚 卸 し は 一二月 に 実 施 )。 コ ル ホ ー ズ に お け る 固
定 フ ォ ン ド の 再 評 価 と 磨 滅 の決 定 に関 す る 訓 令 は 、 ソ連 邦 中 央 統 計 局 に よ って 、 一九 六 一年 四 月 一日 ま で に作 成 、 発 表 さ れ
こ O ・。唱8 需 莫 m 。畠 畠 臣
× 合畠 這畠
瓢
昌 m這 召 胃 塁 ×
・ ま Φ↓ 国 曾臣 臣 婁
× 自 の碧 ↓畠 員 ゆ陣 ロoU8 偏 艮 の 09 畠 口宮 ×
ロ こ 0 9 噂8 焉 臣 ⑳ R き 臣 ■H
× ■o昌 o匂。 民o艮 8 0戸 尾 ぷ3
国 8 自 9 。×8 書 3 ・。窪 出臣
軍
国 6呂 ×8 貰 ・ ﹂⑩8 ・2 ρ 一一 。弓 ● 賠 ∼ 悼Φ◆冒 ぼ 莞
国 8 匂d×8 巽 二 巴 ⑩・Z 。・ 。
。 3 ∨ や∼ 一・。.出 蓑 胃 塁
員﹄
る 必 要 が あ る 。 そ し て 、 コ ル ホ ー ズ の 再 評 価 に た いす る 適 時 な 系 統 的 な 管 理 ・指 導 は、 国 家 統 計 局 が 責 任 を も つ の で あ る
(︽ ed陣日 自 g
切 蓉 奏 8 9
国 ◆臣 笛 。匡 由 蓉 目 8 良
'
一
(409)
}
ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争
43
曾 長 畠
g 自 8 8 ' ωぎ 目 苦翼 e 9 自 良 。弓。 ぎ ω忌 ⇔畠 p 一⑩Φ↑・Z 9 口 9 三 〇心∼ S Φ. × 。皇 窃
卜.
二 (買
。肩 飴 5 。田 ↓● 。。
閑o﹄×Oω陣× ロゆ噂Φo貝Φ国閑ぺ o口=o臣 哲 × ÷o国垣畠 ・ 切ゆo↓出鵠× o↓旬↓国3 民×民
. 戸Φ窪 ・Zo◆ ﹄ n↓唱・ Φ膳∼ $ .
︾ )。以 上 が コ ル ホ ー ズ の 再
評 価 の業 務 日 程 であ る。 な お 、 コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 率 の作 成 に と っ て の ス ケ ジ ュウ ル は 、 十 分 に知 る こ と が でき な
い の で あ る が 、 す で に み た 国 有 企 業 のそ れ と こ の コ ル ホ ー ズ の 再 評 価 の 日 程 にそ って 、 調 査 、 研 究 、 討 議 さ れ て い っ た と 推
定 され る。
以 上、 主 とし て コルホ ーズ に おけ る減 価 償 却 問 題 を考 察 し てき た が、 こ の問 題 は、 早く から減 価 償 却 概念 が導 入さ
れ て い て 、 工 業 国 有 企 業 の減 価 償 却 問 題 と 同 様 に す で に 論 争 の 対 象 と な って い た と こ ろ の 国 有 企 業 の ソ フ ホ ー ズ の減
価 償 却 問 題 と の 関 連 の も と で 、 究 明 さ れ て いき 、 ソ ビ エト 農 業 に お け る 減 価 償 却 論 争 を 展 開 さ せ た 。 以 下 、 ソ ビ エ ト
(注 )
農 業 に おけ る 減価 償 却 問 題 を解 明 し て いく こ と にし よう 。
(注 ) 農 業 に お け る 減 価 償 却 問 題 と 一口 に い っ て も 、 そ の内 実 は 複 雑 であ る が 、 と り わ け 早 急 に解 明 し な け れ ば な ら ぬ事 柄 と し
て つぎ の も の が あ る 。 そ の 一つ は、 M T C 改 組 に と も な い、 コ ル ホ ー ズ の 所 有 と な った ト ラ ク タ ー 、 コ ン バ イ ンお よ び そ の
他 の嘉 業 機 械 を、 ど の よ う に減 価 償 却 す る か の 問.
題 で あ る 。 そ の 二 は 、 一九 五 六 年 六 月 三〇 日 付 の ﹁果 実 、 苺 、 葡 萄 の 生 産
と 調 達 の増 大 に つ い て﹂ の ソ連 邦 閣 僚 会 議 と ソ連 邦 共 産 党 中 央 委 員 会 の合 同 決 定 に と も な い、 果 実 園 、 葡 萄 園 の栽 培 は増 加
し た が 、 こ う し た 背 景 のも と で 、 果 実 園 の減 価 償 却 は ど う あ る べ き か の 問 題 を 提 起 さ せ て き た こ と で あ る 。 ま た 同 時 に、 多
年 桂 植 物 の減 価 償 却 の問 題 も 登 場 し てき た 。 こ う し た これ ら の 問 題 は 、 工 業 にお け る 減 価 償 却 問 題 と は か な り 性 質 の異 な る
内 容 を も って いる の で あ る 。
訳 ﹁集 団 農 場 の経 営 ﹂ 二 四 〇 頁 。
⇔。自 日 o弓。 ×8 頴蹄8 塁 ︾
(1 ) 切①口8× ↓.
ロニ OU弓o臣 ω釦貝民笛 8 貝鵠①自因⇔↓国垣Φ百緊o﹃0 6ゆ白ぴ∩×o×oω出民否↓ロ6出国o﹃o ロ噂o寓ω9 戸o↓ロP ↑Φ09 磯 辺 秀 俊 ・倉 田貞 共
♂ 自 8 。ロ"︽ ω民。9 § 臣
8 曽 切臣 × 合。日 畠 ロ 次。自×。ω飴×二 ⑩O﹄・⇔↓噂﹄ ω・
\
(2 ) 日 Φo・器 畏 o S "勺8 ↓ 9 出8 ロ¢× 名 o碧 畠 望苔 m9 器 ↓ 裟 oぎ § 遷
出・
=こ ≧ 。↓。寝 臣 臣 9 5 餌 国昌 9 ぴ8 ロ①出§
ed忌 こ ○呈 ㍉ o苦・鵠 3 廿・N。。∼ N⑩.
一⑩朝◎。・Zρ ω 臼 唱.8 ・
(3 ) 自窪 臣
(4 ) ×湾 莞 切舞 嵩
44
↑
(5 )
管
宮 苫 胃
﹀ こ 切き ﹃9 ↓6育 § 砕 さ 。↓ .
切 。§
9 穎
日 唱。自 。﹁二
ωp
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臼. n↓や
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9
・ ω。。ド
輿 05 § § ︾
お O。。・之 ρ
﹁コ ル ホ ー ズ
8 自 舞 oヴo ×oω担腎 ↓器 ︾
二 ⑩。"・・ ε
ロ 69 ●n苔 ζ ×8 ≧ 自 9 ・ ︽ bdo昌 R 匡
切 蓉 自 。ω9 .富
(6 ) 武 田 孟 教 授 ﹁コ ル ホ ー ズ 簿 記 の 特 異 性 ﹂ 会 計 第 七 八 巻 第 六 号 参 照 。
切名 8 羨
§ oO目 ω呂 §
㊥飴2 3
(7 )
コ ①×oぎ 切 ﹀ニ コ 窪 o↓。勺記 。 起 o⑳﹄窪 匡
b。.
﹀ こ × 。ω忌 。↓器 臣 曇
(8 )
ω。。N∼ ω。。ω・
一一 n鴫唱 ・ ﹄o◎・
≧ 。㊥q § 。 ﹀ こ ↓§
葵 P ⇔昌
(9 )
目 需 oロ①巽 o o畠 o田 目 × 曾 出碧 国 ×9 ×8 畠 ・ ︽ ω蓉 9 苦国9
﹁経 済 学 の 諸 問 題 ﹂ 誌 、
切器 9 寓 切こ × 自 m碧 ↓9 長 急
﹁農 業 経 済 ﹂ 誌 、
(10 )
却問題に関する讃 解
お Φ一・Z ρ N O↓づ・ 声Oふ
③ 藁 の竃
ソ ビ エト 農 業 に お け る 減 価 償 却 問 題 の解 明 は 、 主 と し て 、
︽ ヲ。苫 器 9
戸 ︾、 ビ ィノク ゥル
﹁コ ム ニ ス ト ﹂ 誌 を つう じ て 、 ゴ ル カ ァ エ バ
とソフホ
﹁統 計 通 報 ﹂ 誌 、
論
ω・︾ 、 ブ ー ニチ ︽ 田 臣 三 ]◆
︾ 、 パ ァ ハ モ フ ︽ コ巽 o哀。ロ ︾・
︾ 、 イ バ ノ ブ ︽ S 。d臣 o切国.
︾ 、 ユ ド ブ ス キ ー △ ○戸畠 戻 忌 匂d・
︾、
バが
ゴ ル カ ァ エ バ ︽ 弓o苫 器 認 皿 ︾
の見解
﹁経 済 学 の 諸 問 題 ﹂ 誌 一九 五 六 年 第 八 号 に 公 表 し た
﹁コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 基 金 に つ い て ﹂ な る 論 文 で あ
き た の で あ る が 、 そ れ 以 前 に コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 問 題 の 改 善 を 強 調 し た 論 文 が み ら れ る。 そ れ は ゴ ル カ ァ エ
す で に 明 ら か に さ れ た よ う に 、 農 業 に お け る 減 価 償 却 問 題 は 一九 五 八 年 の M T C 改 組 を 契 機 に 関 心 の ま と に な っ て
13
︹
に よ って お こ な わ れ た 。 以 下 、 こ れ ら の 見 解 を 考 察 し て い く こ と に し よ う 。
バ ァシ レ フ ︽ b
o①§ 自 moロ 垣 弓 ・
︾ 、 二 ー キ チ ン ︽ コ葵 寓§ 国 ・垣 ◆
︾ 、 バ バ ヤ ン ︽ 切呂 窒 顕 ud・
︾ 、 コ ー チ ネ フ ︽ ×o塁 ⑦切 P ・
︾ら
︽b
d臣 05 唱 ﹀・bd・
︾ 、 ア マ ン マ メ ド ブ ︽ ﹀法臣 家egΦ匂畠 ﹀・
︾ 、セ ヌ ケ ェ ビ ィ チ ︽ ∩畠 器 塁 鵡 ﹀・
︾ 、ル ク ヤ ノ フ ︽ ロ∨×●臣 畠 ︾ ・
︾、
コ ル ス ノ ブ ︽ ×o育 ぺ国ood 恒 S ・
︾ 、 ロ ー ザ ァ ︽ ロoω恥 コ・
︾ 、 ツ ィ ブ ル ス キ ィ ス ︽ 員沓Oぺ旨ぴo×国n P
ー ズ に おけ る 会 計 と財 務 ﹂ 誌 、
学
商
一
(410)
(4ユ1)
ソ ビエ トにお け る減 価 償 却 論 争㈲ 一
一
45
(1 )
国 有 企 業 に お い て は 固 定 資 産 の更 新 の た め の減 価 償 却 基 金 は 存 在 し 、 一
る。 この論 文・
で は、 コ ル ホ ー ズ への 減 価 償 却 概 念 の導 入 の 必 要 性 、 そ の 導 入 の 結 果 改 善 を 必 要 と す る コ ル ホ ー ズ 会 計
コ ル ホ ー ズ への 減 価 償 却 概 念 の 導 入
制 度 に つ い て 、 つぎ の よ う に の べ て い る 。
旬
(
定 の 制 度 と し て の 減 価 償 却 は す で に 歴 史 を も っ て い る 。 し か し 、 ﹁ど う いう わ け か 、 コ ル ホ ー ズ は例 外 で あ る 。 コ ル
(2 )
ポー ズ の生産 物 原 価 には 生産 手 段 の磨滅 はな ん ら 反映 さ れな い。﹂こ のた め ﹁コル ホー ズ に お いて は、 固 定資 産 の減価
償 却 計算 が存 在 しな いと いう こと は 、 生産 物 の生産 費 を 正し く計 算 し、 社 会 経済 の個 々の部 門 の収 益性 を決 定 す る こ
(3 )
と を 乱 し 、 さ ら に 、 固定 資 産 の 正 し い 評 価 、 そ の 利 用 と 状 態 、 更 新 の 記 帳 を 乱 す の で あ る 。﹂た し か に 、 コ ル ホ ー ズ に
減 価 償 却 概 念 が 欠 如 し て い る た め に 、 た と え ば 家 畜 小 屋 や 物 置 場 な ど の建 設 、 多 年 性 植 物 の 栽 培 、 灌 概 お よ び そ の他
の業 務 に た いし て 、 ま た 固 定 資 産 の大 修 繕 に た いす る コ ル ホ ー ズ 員 の 労 働 参 加 の 貨 幣 的 評 価 の 統 一的 方 法 も な か った
の であ る。 いま ま でに は コル ホー ズ に は計 算 と報 告 書 の資 料 から 、 固 定資 産 は生 産 物 の生産 にど の程度 参 加 し た か、
固 定 資 産 は ど れ だ け 磨 滅 し た か 、 そ し て 、 い か な る 固 定 資 産 が ど れ だ け の部 分 大 修 繕 に よ って 再 生 さ れ た か と い う こ
と を 、 決 定 す る こ と は で ぎ な か った の で あ る 。 コ ル ホ ー ズ 会 計 制 度 に お け る こ の 資 料 の欠 如 は 、 固 定 資 産 と そ の価 値
の 実 際 の 状 態 を 不 明 確 に し て い る だ け で な く 、 コ ル ホ ー ズ の 全 経 営 の 実 際 の状 態 の 決 定 を 困 難 に し て い た 。 か く て 、
(4 )
﹁農 業 指 導 を 実 質 的 に 改 善 す る た め に は 、 わ が 要 員 の 注 意 を 、 経 済 の 諸 問 題 に 、 生 産 に お け る 労 働 支 出 の 切 り 下 げ に
向 け さ せ な け れ ば な ら な い﹂ と いわ れ た。 こ う し て 、 ゴ ル カ ァ エ バは 主 張 す る。
﹁わ れ わ れ は、 コ ル ホ ー ズ が 穀 物 、 ト ウ モ ロ コ シ、 肉 お よ び そ の 他 の 農 業 生 産 物 に 、 ど の く ら い の費 用 を 要 し た か を 計 算 す る
必 要 が あ る 。 こ う し た 原 価 を 、 コ ル ホ ー ズ や M T C の生 産 的 固 定 資 産 の減 価 償 却 計 算 な し に決 定 す る こ と が で き る か 。 も ち ろ ん
で き な い 。 コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 控 除 は、 現 在 ソ フ ホ ー ズ で お こ な わ れ て い る 率 に よ って な さ れ え る と わ れ わ れ は 考 え る 。
あ る 同 志 は 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 の特 徴 に応 じ て 特 別 の 減 価 償 却 率 を コ ル ホ ー ズ の た め に 作 成 す る こ と を 、 要 求 し て い る 。 し か し、
46
叢一
商
学
払
嗣
(412)
(5 )
コ ル ホ ー ズ 生 産 過 程 と 、 そ れ と ほ と ん ど 同 じ であ る ソ フ ホー ズ 生 産 過 程 と を 区 別 す る特 徴 点 と は 何 か 。 そ の よ う な特 徴 は な く 、
し た が っ て 、 コ ル ホ ー ズ の た め の特 別 の減 価 償 却 率 を 作 成 す る 必 要 は な い 。﹂
M T C 改 組 前 か ら こ う し て す で に コ ル ホ ー ズ への 減 価 償 却 概 念 の導 入 を 強 調 し だ の で あ る。
塁
寓餌 臣 ロ胃 苧
×雪 胃 9 臣 広① ロ
き 民。臣 担︾ 、 ② 主 要 家 畜 育 成 の 減 価 償 却 基 金 ︽ 飴蓉 肩 民ω貸 き 臣 =障
恥
コ ル ホ ー ズ の減 価 償 却 会 計 の 設 立
コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 基 金 の設 定 の た め に は 、 ゴ ル カ ァ ヱ バ に よ れ
(
ば 、 勘 定 計 画 と 会 計 手 続 き に 特 別 の再 検 討 を 必 要 と し な い と い う 。 そ し て 、 減 価 償 却 基 金 と し て 、 ① 投 資 の 減 価 償 却
基 金 ︽皇 唱 望 器 長 o臣 匡陣 官 日
倉 葺 塁 甘 冒 昌 。田 § Φ 。畠 8 寓。弓
。 3 芦 餌︾ 、 ③ 自 動 機 械 大 修 繕 の 減 価 償 却 基 金 ︽ § 毛 這 8 長 。臣 望邸 宮 買
国但 ×碧 胃 § 臣 匡陣 需 ぎ 胃 。9 0臣 宮×
自臣 胃酔02 。胃 o胃 o日塁 ︾、 ④ 自 動 機 械 更 新 の 減 価 償 却 基 金 ︽皇 。
苫 器 貴 き 臣 .忌 甘 日 田 9 8↓碧 8担9 属o畠 ぎ ξ 日臣 ︾ 、
︽ 皇 名 目 8長 。塁 田陣 甘 目
の 五 つを 形 成 す る 必 要 が あ る と い う 。 減 価 償 却 基 金 の資 金 は 、 農 業 銀 行 の 投 資 の 当 座 勘 定 に 記 入 さ れ る 。
⑤ 自 動 機 械 を 除 い た 固 定 資 産 大 修 繕 の減 価 償 却 基 金
⇔
需碧 目 ︾
(
第 39表 参 照 )
。 さ ら に 、 生 産 的 固 定 資 産 の減 価 償 却 控 除 と そ の 磨 滅 の 計 算 手 続 き と
ま た 、 コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 計 算 の た め に は 、 固 定 資 産 の 運 営 場 所 別 に あ る いは 経 営 部 門 別 に 、 減 価 償 却 控 除
(6 )
の 月 間 の 一覧 表 を 作 成 せ よ と い う
し て 、 つ ぎ の 方 法 を あ げ て い る (第 40 表 参照 )。 (こ の 表 の内 容 を ゴ ル カ ァ エ バ は 十 分 に 解 説 し て い な い の で、 外 国 の ソ ビ エト 研
究 者 と し て の わ れ わ れ に と っ て は 、 そ の 内 容 を 推 測 す る ほ か に な い。 た だ 、 ゴ ル カ ァ エ バ に よ れ ば 、 減 価 償 却 控 除 と そ の磨 滅 の 計
算 手 続 き の方 法 と し て 、 こ の表 の と お り に し た が う て お こ な う 方 法 と 、 1 のb 、 3 のb お よ び 7 の方 法 を 表 か ら 取 り 除 き 、固 定 資 産
ブー テ
︽切菖 二 ・
︾ の見 解
の磨 滅 の計 算 資 料 を 、 別 個 の経 営 計 算 よ り え ら れ る よ う に す る 第 二 の方 法 が あ る 、 と指 摘 し て い る )。
幻
一九 五 八 年 二 月 M T C の 改 組 と 同 時 に 、 す で に 以 前 か ら 潜 在 化 し て いた コ ル ホ ー ズ の減 価 償 却 は 、 新 し い条 件 の も
︹
一
47
ソ ビエ トにお け る減価 償 却 論 争㈲ 一
(413)
195・ … 年 に お け る 「あ け ぼ の 」 コ ル ホ ー ズ の 畑 作 ブ リガ ー ダ ーNo.1
第39表
に つ い て の 固定 資 産 一 覧表
1
動↓
は
た
ま
10
月
菱仕
数量 金
使 役家 畜
屋
外
86∼95
価 却 年
(
減 償 率
番号
に よ る1月1
日の在 高
一額
資 種 名 利所
定 の , ,場
固産 類 称用
棚卸
バ ラ ンス価 値
業務 の遂1減 価 償 却 金額 関 連 勘 定
行1(ル
6,000
No.13
さ と うき
び肥 料 の
運
送
一
10
ー ブ ル)
50
勘
定
〔出所 〕3.ropbKaeBa,06aMopTH3a叫HoHHblxΦoH丑axBKoJlxo3ax.《BonpocbI
gKoHoMHKH》1956.No.8cTp.149.
第40表
取
引
の
内
組 織 的 方 法 に よ る減 価 償 却 と磨 滅 の 計算
容
w}一
1.a)減
日
一
勘
定
の 借
勘
方
費 用勘 定
価 償 却控 除
定
の
、一
貸
一
方
一___一
「不 分 割 基 金 」,「 減 価 償 却
基金」補助勘定
b)磨
2.大
滅 の控 除
「不 分 割 基 金 」,「 固 定 資 産
の減 価 償 却 」 項 目
修 繕 生産
勘 定12,「
「生 産 的 固 定 資 産 の 磨 滅 」
現物=貨 幣決 済
大 修 繕費 」 補 助
勘定
3.a)完
b)磨
成大 修繕 の 記 入
「不 分 割 基 金 」,「 減 価 償 却
勘 定12,「
勘定
滅 の 記入
基金」補助勘定
「生 産 的 固 定 資産 の磨 滅 」
4.除
去 固定 資産 の記 入
5.固
定 資産 撤 去 の費 用
「不 分 割 基 金 」,「 大 修 繕 」
項目
「生産 的 固定 資産 の除 去」
「生 産 的 固 定 資 産 」
同上
6.撤
去 また は販 売 か らの
材料 の獲 得
7.除
去 生産 的 固定 資産 の
磨 滅金 額 の記 入
大 修 繕費 」 補 助
現 物=貨
現 物=貨 幣決 済
幣決済
「生 産 的 固 定 資 産 の 撤 去 」
「生 産 的 固 定 資 産 の 磨 滅 」
「不 分 割 基 金 」
〔出 所 〕3・ropbKaeBa,06aMopTH3all}oHHblxΦoH及axBKo調xo3ax.《Bonpocbi
gKoHoMHKH》1956.No.8c叩.150.
と で 早急 に解 決 しな け
﹁コ ル
れば な ら ぬ 問題 とな っ
た。 とり わ け、
ホ ー ズ に 販 売 さ れ る機
械 の減価 償 却 と評 価 に
つ い て﹂ の 問 題 は 、 緊
急 課 題 と な った。 こ の
テ ー マを 取 り 扱 った ブ
ー ニチ の論 文 が 、 ﹁コ
(7 )
ム ニ ス ト﹂ 誌 一九 五 八
年 第 四 号 に発表 さ れ た。
こ の 論 文 で は 、 コル ホ
ーズ に売却 さ れ る機 械
の評 価 と コルホー ズ の
減 価 償却 率 に つい て、
コル ホ﹂ ズ に売
つぎ の よ う に の べ て い
る
(A)。
叢
一
48
学
法両
冊
商
一
(414)
却 さ れ る機 械 の 評 価
現 在 、 コ ル ホ ぷ ズ に は す で に ト ラ ク タ ー 、 農 業 機 械 、 自 動 車 な ど の 機 械 ・設 備 の 価 値 は 、 二 四
〇 億 ル ー ブ ル に な って い る が 、 M T C 改 組 の 結 果 、 コ ル ホ ー ズ へ販 売 さ れ る 機 械 ・設 備 の 評 価 の 問 題 が 、 い ま ま で に
な い大 き な 意 義 を も つよ う に な って き た 。 さ て と こ ろ が 、 M T C に は 、 異 な った年 度 に お い て 獲 得 し た と こ ろ の、 し
た が って 、 異 な る 取 得 価 値 を も つと こ ろ の ト ラ ク タ ー が 、 集 中 し て い る 。 そ こ で 、 ブ ー ニチ は い う 。
﹁種 々異 な る価 格 でそれ を販 売 す る こと は正 しく な い。す べて の農業 機 械 は、 それ が 生産 さ れ た時 期 と関 係 な し に、 現 在 の価
(8 )
格 の見 地 か ら評 価 され る必要 があ る。 この こ とは、異 な る取 得価 格 をも っ同種 のト ラク ター は、 同 一の現 在 の (再 生産 の)価 格
でも って販 売 され る必要 があ る こ とを、意 味 す る。﹂
そ し て 、 ブ ー ニチ は こ の 再 生 産 価 格 の 旦ハ
体 的 内 容 を 以 下 説 明 す る 。 ま ず 、 現 在 で は 工 業 で す で に 生 産 さ れ て いな い
労 働 手 段 、 ま だ は輸 入設 備 の 再 生 産 価 値 は 、 類 似 し た 現 在 の労 働 手 段 の価 格 を 基 礎 に し て、 性 能 、 生 産 性 、 技 術 H 経
済 的 指 標 に お け る 差 異 を 修 正 し な が ら 、 つま り 道 徳 的 磨 滅 に よ る 構 造 の 陳 腐 化 を 考 慮 し な が ら 、 決 定 さ れ る 。 旧 式 の
労 働 手 段 の 再 生 産 価 値 の 決 定 に 利 用 さ れ る 機 械 の技 術 11 経 済 的 指 標 が 多 種 多 様 に 異 な る 場 合 に は 、 支 出 ノ ル マは 統 一
(注 )
貨 幣 指 標 を と る よう にな る。
コペイ カ と評価 され る)
﹁∩↓ω1出﹀↓S ﹂(͡
弓﹀ )型 ト ラ ク タ ー は 、 一馬 力 に 二 二〇 グ ラ ム の燃 料 を 支 出 す る (そ れ は 七 ・七 コ ペ イ カ と 評 価 さ れ る ) 現 在
(注 ) ブ ー ニチ は つぎ の よ う な計 算 例 を あ げ て い る 。 一馬 力 に 三 一五 グ ラ ム の 油 を 支 出 す る (そ れ は =
あ る 類 似 の ﹁員↓-朝ど 型 ト ラ ク タ ー と 、 ﹁員↓19 ﹂型 ト ラ ク タ ー の現 在 価 格 (一万 六、 六 〇 〇 ル ー ブ ル )と を 基 礎 に し て 、 つぎ
の 公 式 で計 算 さ れ る 。
bd"‖ 。目・× s
S
od戸⋮ ⋮ 湿 餅 O 潜 寅 ↑汁 陪 O 〒Ψ ﹀ 、ー θ 珊 肝 臨 官 商
u
ロ憶⋮ ⋮ 施 諒 ● 踊 難 酔 姉 麺 ↑汁 苗 挑 一Ψ 、 、 ー O 制 肝 臨 官 高
S ⋮ ⋮ \\↑4 万 o ぐ・パ S 面 粛 澄 市 荊 溺 六 ↑汁 7Ψ 、 、 ー O 恨 同 漂 辻 O薄 輩 噛 油 (体 議 冴 署 諭 )
一
(415)
ソ ビエ トに お け る 減 価 償 却 論 争 ⑭
一
49
S ⋮ ⋮ \\↑4 育 ○ ぐ・パ O 曲 餅 O †Ψ 、 、 ー S 恨 同 漂 廿 O蕩 挙 爆 誼 (瞳 讃 冴 謂 貢 )
-p
言 ⋮Y §
こ の 公 式 よ り 、 ﹁∩↓ωー=︾弓国﹂(︼↓︾)型 ト ラ ク タ ー の再 生 産 価 値 は 、 つぎ の よ う に な る 。
一
三 略匡
(︽ × o呂 苦∨ロ国⇔↓・ 戸⑩凱◎
。・ 乞 o. ︽ o壱 . ωP ︾ )。
古 い構 造 の 機 械 は 、 能 力 、 修 繕 管 理 費 、 生 き た労 働 の 費 用 な ど の多 く の指 標 に お い て、 現 在 の 類 似 し た 機 械 の そ の
指 標 と 異 な る場 合 があ る。 こ の た め、 旧式 機 械 の再 生産 価 値 を決 定 す る には、 多 数 の指標 に ついて の現在 の類 似 し た
機 械 の資 料 を 集 め る 必 要 が あ る。 な お 、 道 徳 的 に 陳 腐 化 し た 労 働 手 段 の 再 生 産 価 値 の計 算 の 基 礎 に は 、 試 験 的 機 械 ま
た は 見 本 的 機 械 で は な く て 、 現 在 の 工 業 の 基 礎 と な って い る機 械 を 、 適 用 す る こ と が 必 要 で あ る 。
M T C 改 組 の政 策 で は 、 機 械 だ け で な く M T C の 建 物 も コ ル ホ ー ズ へ売 却 す る こ と が 許 さ れ て い る。 こ の た め 、 こ
う し た 建 物 の 評 価 は 、 建 物 の 平 方 メ ー ト ル 数 、 使 途 、 耐 久 性 、 建 物 の 階 数 、 設 備 な ど の 資 料 を 基礎 に し て 得 た 一平 方
(9 )
メ ー ト ル の 現 在 価 値 を も っ て、 決 定 さ れ る。 こ の方 法 で 評 価 す る に は 、 固 定 フ ォ ンド の全 般 的 棚 卸 し に よ って な さ れ
る ソ連邦 国 家 建 設委 員 会 の計 算 を 利 用 す る こ と が合 理 的 で あ る。
つぎ に 、 ブ ー ニチ は コ ル ホ ー ズ に 販 売 さ れ る 労 働 手 段 の 磨 滅 の 決 定 に つ い て 説 明 す る 。 た と え ば 、 さ き の ﹁∩↓㌣
エ︾↓寓﹂(一↓﹄ )
型 ト ラ ク タ ー は 、 も し も 磨 滅 し て い な け れ ば 、 一万 一、 六 一八 ル ー ブ ル で 販 売 さ れ る 必 要 が あ る が 、
(注 )
す で に利 用 さ れ て いた な らば 、 そ の価 格 から 磨 滅 額 だけ 差 し引 く 必要 が あ る。
(注 ) こ こ で ブ ー ニチ は計 算 例 を あ げ る 。 い ま 、 ト ラ ク タ ー が 販 売 さ れ る ま で に 八年 間 活 動 し た とす る。 そ し て 、 道 徳 的 磨 滅 を
考 慮 し た こ の ト ラ ク タ ー の 標 準 平 均 耐 用 年 数 が 一二年 であ る と す る と 、 ト ラ ク タ ー の磨 滅 は つぎ の よ う に な る 。
Φ
ρ旦 串 ק )
論
学
50
叢一
商
一一
(416)
誉
。。-。9 ω)の覆
辱
し い切P 旦
斗
ק )
こ の数 値 は 、 対 象 物 の実 際 の組 成 状 態 に よ って 試 験 さ れ な け れ ば な ら ぬ 。 ト ラ ク タ ー の 状 態 の 調 査 に よ り て 、 そ れ が さ ら に 七
年 は活動 す る こ・が でき る こ・が明 ら か にな ・た時 には、そ の有 効 率 は、 ξ
と な る。
対 象 物 の撤 去 価値 の比率 が大 き い時 には、 磨滅 の決 定 には つぎ の公式 を適 用 す る。
〒 十 ×(
§㌔ )
国 ⋮ ⋮ 違 惜 書 O踊 薄 堺
匂d⋮ ⋮ 鴻 覗 O 尋 邊 避 遜 (柏 鮮 )
O⋮ ⋮ 磁 麟 書 颯 難 酔 峠 畑 ↑汁 脹 賂 圃 螢 ○ 齢 溌 惜 誉 O 汁 & S 弔 避 ヨ 遍 溢 巫
ロ・
⋮ -劃 肝 酪 官 薗 行 汁 ぐ・叫 小津 惜 書 o 難 培 官 薗 o 洋 闇
誉 。了 巳。)
]・なる (会
§ § 三 員
累・ §
こ P︾).
ト ラ ク タ ー の実 際 の耐 用 年 数 が 八 年 、 平 均 耐 用 年 数 が 一二 年 、 撤 去 価 値 が 二 〇 % で あ る と す る と 、 ト ラ ク タ ー の磨 滅 は 、 Oω
・。。
斗 十
こ う し て 磨 滅 の 正 し い決 定 の た め に は 、 ト ラ ク タ ー の実 際 の 耐 用 年 数 、 標 準 耐 用 年 数 、 残 り の 耐 用 年 数 、 撤 去 価 値
の 諸 資 料 を 必 要 と す る。 中 央 機 関 は た だ ち に ト ラ ク タ ー の各 種 型 別 の こ れ ら の 資 料 を 検 討 す る 必 要 が あ る 。
ま た 、 コ ル ホ ー ズ へ販 売 さ れ る 機 械 が 、 過 去 に お い て 修 繕 を う け な か った 機 械 か 、 ま た は 大 修 繕 を う け た 機 械 な の
か 、 あ る い は 最 後 の 大 修 繕 後 に ほ と ん ど 活 動 し な か った 機 械 な の か 、 な ど に よ って 、 そ の 販 売 価 格 は 変 化 す る 。 こ の
販 売 価 格 を 決 定 す る に は 、 二 つ の大 修 繕 の 標 準 的 間 隔 、 最 後 の 大 修 繕 後 の機 械 の 実 際 耐 用 期 間 、 大 修 繕 価 値 を 知 る 必
〇 〇〇 ル│ブ ル差 し引 く 必要 があ る 三
例 をあ げ て い◎
M T C の機 械 や そ の 他 の労 働 手 段 が 、 コル ホ ー ズ に 販 売 さ れ る や い な や 、 コ ル ホ ー
、 そ の販 売価 格 から 三
コル ホーズ の減価 償 却 率
ラ クタよ
要 が あ る (ブ ー ニチ によ れば 、大 修 繕間 隔 が 二年間 、 最後 の大 修 繕後 の耐 用期 間 が 一年 、大 修 繕価 値 が 四、○ ○ ○ ルー ブ ル であ る
販雫
B
(
(417)
一一一 ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争 胸 一 一
51
ズ に お け る 減 価 償 却 問 題 が 発 生 し た 。 従 来 、 M T C に お い て も 固 定 フ ォ ン ド の減 価 償 却 控 除 は お こ な わ れ て いな か っ
﹁ソ同 盟 共産党 第 二〇回 大会 ﹂ 日本 共産 党 中央 委 員会 訳
た し 、 M T C は 国 家 予 算 の資 金 で 運 営 さ れ て い た の で 、 独 立 採 算 制 企 業 で も な か った (二〇 回党 大会 指令 では、M T C は
一九 五 六年 から独 立 採算 制 への切り かえ に着手 す る こ とがう ち ださ れー
boこ × o。o口℃ooぺ o ロo唱m巴 駕
寓 ↓○ 臣
×oω麺青 ↓ロo臣 匡 陣 官 oぶ弩 ・ ×o客家累目 3 . お 鵠 ・2 0・卜 ⇔弓 ・ぱ ∼ ぼ ・
︾
な ど に み ら れ る よ う に こ の問 題 は 究 明 さ れ て い た。 し か し 、わ ず か 二年 後 に 急 にM T C は改 組 さ れ る こ と に な り 、 M T C の独 立
︽ は o自民 頴匡×
第 ミ分 冊 一八 〇 頁 参 照 i ー そ の 後 の 論 調 も 、 ﹁M T C の独 立 採 算 制 への 移 行 の 問 題 に よ せ て﹂ な る ド ル ジ ヌ イ の コ ム ニ ス ト誌 上 の論
文 1
ー
採 算制 移行 問 題 は たち消 え とな った)。 し か る に 、 コ ル ホ ー ズ は 協 同 組 合 独 立 採 算 制 企 業 で あ る。 こ の た め 、 コ ル ホ ー ズ
の 滅 価 償 却 計 算 は 、 他 の費 用 計 算 と 同 様 に 、 生 産 物 原 価 、 収 益 性 、 新 機 械 の効 果 を 決 定 す る う え で 、 重 要 と な る 。 ブ
ー ニチ は つぎ の よ う に強 調 す る 。
﹁は じ め の う ち は、 ソ フ ホ ー ズ の減 価 償 却 率 や コ ル ホ ー ズ に現 存 す る 基 準 を 利 用 す る こ と を 、 コ ル ホ ー ズ に推 薦 す る こ と が で
き る 。 し か し、 原 則 的 に そ れ ら は 多 く の 点 で 改 善 さ れ て お ら ず 、 よ って 再 検 討 を 必 要 とす る 。 こ の検 討 は 工 業 、 建 設 業 、 運 送 業 、
ソ フ ホ ー ズ に お け る減 価 償 却 率 の至 急 な 検 討 (ソ連 邦 政 府 の 決議 に よ る も の) と と も にな さ れ る こ と が 良 い 。 コ ル ホ ー ズ の 固 定
フ ォ ンド の 減 価 償 却 率 は、 基 本 建 設 と大 修 繕 に と っ て の労 働 手 段 の種 類 別 に作 成 さ れ る 必 要 が あ る 。 こ の 率 は 耐 用 年 数 を 減 少 さ
ヨ
せ る こ と に よ っ て農 業 機 械 の道 徳 的 磨 滅 を 考 慮 す る 必 要 が あ る ︹こ の点 に つ い て の ブ ー ニチ の 主 張 の論 拠 は、 前 節 ㈲ の 孤 参 照 ー
(
11)
︹
森 ︺。﹂
つづ け て、 ブ ー ニチ は 、 新 減 価 償 却 率 の作 成 と 関 連 し て 、 農 業 に お け る 固 定 フ ォ ン ド の 分 類 を 正 確 に す る こ と 、 ま
た 、 現 在 コル ホ ー ズ で 利 用 さ れ て い る 労 働 手 段 の 価 格 は 、 再 生 産 価 値 と 一致 し て お ら ず 、 こ の た め 保 険 支 払 い額 の 不
正 確 な ど を も た ら し て い る た め 、 コ ル ホ ー ズ の 固 定 フ ォ ン ド の再 評 価 を 実 施 す る こ と を 強 調 す る 。 さ ら に 、 こ れ か ら
お こ な わ れ る コ ル ホ ー ズ の 減 価 償 却 控 除 の う ち に は 、 コ ル ホ ー ズ に か わ っ てP T C が 引 き 受 け て お こ な っ た 修 繕 業 務
学
'
して い る 。
ら 撤 去 さ れ た こ と を しめ
1・CXT3・1"CT3HATIil・
42.4
34.6
〔}ll所〕A.RaxoMoB,HeKoTopbienpo6"eMbi
aMOpTH3aUHHBCenbCKOMXO35111CTBe.
《BorrpocblgKoHoMmKn》1958.No.11
CTP.48.
の う ち に,物
社 会 主 義 農 業 企 業 に お け る減 価 償 却
察 し て いる。
A
(
(1
2)
のた め に コル ホーズ が支払 う部 分 (
大 修 繕 のた め の減 価 償却 に相 当 す る
部 分) を 含 ん で い る こ と を 、 ブ ー ニチ は 指 摘 し て い る 。
三
フ の論 文 が 嚢
され補
こ の弧
珊文
皿
パ ァ ハモ フ︽ コ良 § 畠 P ︾ の 見 解
︹
﹁経 済 学 の 諸 問 題 ﹂ 誌 一九 五 八 年 第 一 一号 に ﹁農 業 に お け る 減 価
償 却 の若 干 の問 題﹂ な る 三
で は ま ず 、 社 会 主 義 農 業 企 業 の 生 産 的 固 定 フ ォ ン ド は 、 一九 五 七 年
に は 一九 五 三 年 に 比 較 し て 七 二 % 増 加 し 、 そ の う ち 、 M T C が 五 六
% 、 ソ フ ホー ズ が 二倍 以 上 、 コル ホー ズ が五 五 % そ れ ぞれ 増 加 し た
こ と 、 そ れ と と も に 、 第 41 表 よ り 明 ら か な ご と く 、 た と え ば 陳 腐 化
し た ト ラ ク タ ー は つぎ つぎ と M T C か ら 撤 去 さ れ 、 そ の後 は 農 業 用
機 械 製 造 業 に お け る 技 術 的 進 歩 の も と で 生 産 さ れ た 大 量 の 新 し い技
の支 出 計 算 の た め に 、 減 価 償 却 控 除 は 不 分 割 基 金 で お こ な わ れ 、 そ れ に よ っ て資 金 と 労 働 の補 償 お よ び 拡 大 再 生 産 を
な 状 態 に あ った の か を 明 ら か に す る 。 第 一に 、 コル ホ ー ズ に つい て の そ れ は 、 す で に み た ご と く (
本 節 ②参 照 )、 ﹁特 別
パ ァ ハ モ フ は ま ず 、 今 日 ま で の社 会 主 義 農 業 企 業 の 減 価 償 却 は ど の よ う
修 繕 .大 修 繕 の 改 良 な ど の 問 題 を 、 ソ ビ エト 農 業 の 新 し い発 展 段 階 で 惹 起 し た と 考 え 、 こ の諸 問 題 を つぎ の よ う に 考
る 固 定 フ ォ ン ド の 増 大 を 背 景 に し て実 施 さ れ たM T C 改 組 は 、 周 定 資 産 会 計 の改 善 、 新 し い減 価 償 却 率 の 作 成 、 当 座
術 に よ っ て充 足 さ れ て い る 、 と いう こ と を 指 摘 す る 。 そ し て 、 農 業 用 機 械 製 造 工 業 に お け る 技 術 的 進 歩 と 農 業 に お け
Cか
れ ら は す べ てMT
り,そ
上 で あ
に,50%以
トラ ク タ ー は
した
理 的 に も道 徳 的 に も磨 滅
も と も
型 も,「CT3HAT;,li型
「CXT3」
30.2
去
∼1957年
こ の 表 は,1956年
49.1
%
15.3
単 位1,000個
25.4
1957《年}こお け る 撤
15.9
%
39.5
単 位1,000個
去
に お け る撤
1956年
ら の撤 去
陳 腐 化 した トラ ク タ ー のMTCか
第41表
52
叢一
≡ム
fi冊
商
一
(418)
∼
∼
0
6
0︾ 5
-⊥ 万
O
∼
8
3∼83
<yHHBepcan》
369
5∼59
KOM6a敵lblcaMOXOAH
ble《C-4》
249
11∼25
∼
362
∼
OV 7`
3
1←
<CXT3》
∼
《CT3-HATH》
3∼60
∼
7∼14
986
nδ
776
0
《Be刀apyCb》
寸1
14
1,681
23,200
6∼17
4
1,170
775
9臼
141
9,200
《K2王n-35》
-⊥
9,200
QV
1,005
6
A
U
1ふ 9ρ
3,414
19,500
9μ
0
19,800
7・ ーエ 0
0◎ QO 4
1,790
ハ
U
3
17,000
《 八T-54》,
2∼61
ち新
う
の
ぞ更
1,226
3∼14
1,410
6∼75
2,043
25,000
1,572
耕つ
軟に
(ル
)
ク) ル と カ
へ の( ル イ
ユ て 討ブ ペ
地 い一
合 一コ
機 械 の 平 均 季 節 作 業 高 を 適 用 した 。
お け るMTCの
封
償
価
減
一
ク
ク)
ヘル
イ ンの 型
に
∼1957年
新 の た め の 年 間 減 価 償 却 控 除 額 の 決 定 に と っ て は,1956年
の で,更
季 高地
の業耕
間 作軟
年節 (
ト ラ ク ター と コ ン パ
32,700
<qT3-C-80》
ル ー フ ル
取得 価 値
の補 償 の
期
間
(年 数)
罐灘
額 一
金タ
第42表
(419)
ソ ビエ トに お け る 減 価 償 却 論 争 ㈲ 一
一
53
〔
出所 〕A.HaxeMoB,HeKoTopHenpo6neMblaMopTH3aHnHBcenhcKoMxo3fiti-
cTBe.《BofipocbigKoHoMHKM》1958.No.11cTI).51.
ソ フ ホ ー ズ で は 各 種 の 型 に 従 っ た トラ ク ター の作 業 高 計 算 は お こ な わ れ な い
(14 )
確 保 す る﹂ の であ って 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 に は 減 価 償 却 概
念 は 導 入 さ れ て いな か った の で あ る 。 第 二 に 、 ソ フ ホ ー
ズ に お い て は 、 ﹁減 価 償 却 計 算 は 二 つの 方 法 で な さ れ る 。
一つは 、 建 物 、 構 築 物 、 什 器 な ど の バ ラ ン ス価 値 に た い
す る 比 率 で な さ れ る 方 法 と 、 他 の 一つ は 、 ト ラ ク タ ー や
コ ン バ イ ン の作 業 活 動 ヘク タ ー ル に つ い て と 、 自 動 車 の
走行 距離 キ ロメー ト ル に ついてな さ れ る 方法 と であ る。
ソ フホー ズ にお け る固 定 フ ォンド の減価 償 却 控 除 は、 バ
ラ ン ス価 値 の 七 ・五 % で お こな わ れ 、 そ の う ち 大 修 繕 に
は 四 ・七 % 、 投 資 源 泉 に は 二 ・.
八% が割 り当 てら れ て い
(15 )
る。 こ の 率 は 同 盟 共 和 国 ソ フ ホ ー ズ に よ って 差 が つ い て
(注 )
る﹂ の で あ った 。 だ が 、 パ ァ ハ モ フ は こ の 減 価 償 却 計 算
規 定 は も は や 古 く な った と いう 。
(注 ) 減 価 償 却 計 算 規 定 が 古 く な っ た と い う こ と を 、 こ の規
定 に従 って 計 算 し た ト ラ ク タ ー と コ ン バ イ ン の減 価 償 却
資 料 に よ っ て 、 つぎ のよ う な 説 明 を し て い る 。 第 42 表 よ
り 明 ら か な ご と く 、 ﹁切伶ロ唱 ∨∩ぴ﹂ ト ラ ク タ ー に っ い て の
更 新 の 減 価 償 却 率 は、 い ち じ る し く 高 く 、 軟 耕 地 ヘク タ
ー ルあ たり の 減 価 償 却 控 除 金 額 の 六 二% を し め て い る 。
数 量につ い ての もの であ る。
方 お よび 州 別 の 各 型 の トラ ク ター50∼100の
こ の 資 料 は,地
7∼04
3∼18
3∼24
3∼20
軟 耕 地1ヘ ク タ ー ル の 修 繕 費(ル
ー ブ ル と コ ペ イ カ)
15
ユ8
15
19
間(年 数)
期
平 均 耐 用
一
トラ ク ター
《yHHBepcaJI》
7∼21
3∼16
2∼65
3∼87
軟 耕 地1ヘ ク タ ー ル の 修 繕 費(ル
ー ブ ル と コ ペ イ カ)
7
10
11
10
間(年 数)
期
平 均 耐 用
叢
トラ ク タ ー
《CT3-HATH》
7∼70
3∼47
3∼46
6∼43
軟 耕 地1ヘ
ク ター ル の 修 繕 費
(ル ー ブ ル と コ ペ イ カ)
州
州
方
18
21
20
21
間(年 数)
期
平 均 耐 用
学
トラ ク ター
《CXT3》
クラ ス ノ ダル ヴォ ロネ ジ イヴァ ノ ヴォ
アル タ イ
一A一
一 一 、・,w一
一
一=
一
・
一
一
一 ‥一
一一
臼一_}^「
チ^一
方 地
地
51
≡ム
fiss
商
一
(420)
第43表
〔出 所 〕A.r[axoMoB,HeKoToPbieロPo6JleMblaMoPTn3auuuBcenbcKoMxo3fitic-
TBe.《BonpocslgKoHoMHKH》1958.No.11cTp.52.
そ の 結 果 、﹁切Φ畠 昌 6ぴ﹂ト ラ ク タ ー は 六 年 間 で 減 価 償 却 さ れ る の
で あ る が 、 ﹁望 出苦用 ㊥8 自﹂ ト ラ ク タ ー は 八 年 間 で あ る 。 ﹁× は コ ー
﹁○↓ωーエ ︾↓ 国 ﹂、 ﹁百× 吋ω﹂ の 古 い
ω朝﹂ ト ラ ク タ ー も 減 価 償 却 率 は 高 い 。 そ し て 反 対 に 、 ﹁は ↓19 ﹂、
﹁已 ↓ω1∩lc。O﹂ ト ラ ク タ ー や
型 の ト ラ ク タ ー に つ いて の 更 新 の 減 価 償 却 控 除 率 は い ち じ る し
(︽ 曽 目Ooo匡 ω民8 0呂国×国・ お m。。.
く 低 い の で あ り 、 こ の こ と は こ の機 械 の利 用 期 間 を 延 期 さ せ る
Z O. 一戸 n↓℃.望 艀
︾ )。
こ と にな る 、 と い う の で あ る
第 三 に、 M T C に お い て は 、 ト ラ ク タ ー お よ び コ ン バ イ ン
の 大 修 繕 に つい て の部 分 的 計 算 は お こ な わ れ て い た が 、 更 新
の た め の 減 価 償 却 控 除 は な さ れ て い な か った 。 ト ラ ク タ ー 、
コ ン バイ ン お よ び そ の他 の 農 業 機 械 のM T C バ ラ ン ス か ら の
除 去 は、減 価 償 却 会 計 に 基礎 をお いた も の でな く 、 固定 フ ォ
ン ド の 物 理 的 磨 滅 の 程 度 を み な が ら お こ な った 。 こ う し て 、
﹁M T C に お い て は 、 減 価 償 却 控 除 が お こ な わ れ な いと い う
(16 )
こ と と 関 連 し て 、 多 く の 機 械 は よ り 長 期 に わ た って 利 用 さ れ 、
そ の ため、 ト ラ クタ ー の作 業 原価 を高 め た ので あ る﹂ と いわ
(注)
れ る。
(注 ) 第 43 表 は 、機 械 が 長 期 に わ た って 利 用 さ れ 、ト ラ ク タ ー の 作 業
原 価 を 高 め た こ と を し め す 資 料 で あ る 。こ の資 料 か ら 、﹁6×↓ω﹂
ル方
ダ
ノ
ス
一
フ
ク地
、
肪cKoMxo3fitic_
〔出所 〕A.naxoMoB,HeKoTopHenpo6neMblaMopTH3aUHHBce
2∼49
2,000
2,000
2,000
1,410
1,871
1,364
954
804
1∼42
1∼07
1∼47
2∼10
軟 耕 地1ヘ ク ター ル に つ
い て の減 価 償 却 控 除
(ル ー ブ ル と コ ペ イ カ)
一
一
ラク
2,000
1956∼1957年 の1ト
ター の 作 業 高
(軟 耕 地 ヘ ク タ ー ル)
2,000
計 算)
(年 間 の 磨 滅8%の
リ一 ニ ン
州
アル タイ タ シュケ ン トカ
地
方
州
ソ連 邦
平 均
(421)
ソ ビ エ トに お け る減 価 償 却 論 争
55
第44表
年 閥減 価 償 却額
TBe・<BQfipocbl9'KoHoMHKH》1958.No.11cTp.52.
ト ラ ク タ f の 最 大 の 耐 用 年 数 は 、 一八 年 か ら 二 〇 年 で あ り 、 結 局 こ の ト ラ ク
タ ー は 物 理 的 に も 道 徳 的 に も 磨 滅 す る こ と 、 ﹁O↓ωー民 ︾ ↓寓 ﹂ ト ラ ク タ ー は 、
機 械 の 道 徳 的 磨 滅 の 例 で あ る こ と を 、 知 る こ と が で き る と パ ァ ハモ フ は いう
(︽ bdo自 o(ぴ︼ 実 o胃 崔国民類. 冶 団。。・ 乞o・ ]一 ひ壱 ◆ ■ .
︾ )。
さ ら に、 現 在 では、 す ぺ て の型 の ト ラ クタ ー の磨 滅率 は年 八% 、穀 物 連
結 コ ン バ イ ン も 八 % 、 白 動 式 コ ン バ イ ン は 一〇 % と し て 決 定 さ れ て い る 。
し かし、 ・
﹁こ の よ う な 機 械 の磨 滅 率 は 見 積 り に す ぎ な い 。 そ れ は 技 術 利 用
条 件 の も と で 変 化 し 、 ま た 変 化 し な け れ ば な ら な い。 年 問 の操 業 率 に よ る
(17 )
(注 )
技 術 の 利 用 は、 国 家 の そ れ ぞ れ の 地 方 に お け る 自 然 ‖気 候 条 件 と も 関 係 す
る の で あ る ﹂ と いう 。
(注 ) 異 な る 地 帯 のM T C に お け る 水 圧 式 操 縦 装 置 を も っ ﹁員↓,忠 ﹂型 の非 常 に
普 及 し て い る ト ラ ク タ ー (ト ラ ク タ ー の価 格 は 二万 五 、 ○ ○ ○ ル ー ブ ル) に
関 す る 軟 耕 地 ヘク タ ー ル の ト ラ ク タ ー 活 動 に た い す る 更 新 の た め の減 価 償 却
控 除 額 は、 第 44 表 の ご と く で あ る 。 こ の表 の資 料 に よ って 、 パ ァ ハモ フ は 、
技 術 の 利 用 と各 地 方 の 自 然 H 気 候 条 件 と の 関 連 を 説 明 す る 。 す な わ ち 、 カ リ
ー ニ ン州 の M T C に お け る 軟 耕 地 一ヘク タ ー ル に つ い て の 減 価 償 却 控 除 は 、
ク ラ ス ノ ダ ル地 方 のM T C よ り も 二倍 、 ま た ソ ビ エト の 全 M T ℃ の 平 均 値 よ
り も 約 一 ・五 倍 も 大 き い。 こ の よ う な 差 異 は 、 こ れ ら の 地 方 の ト ラ ク タ ー 利
用 の特 徴 を し め し て い る 。 カ リ ー ニ ン州 の 条 件 の も と で は 、 ト ラ ク タ ー は 一
年間 に五 ヵ月間 利 用 さ れる とす れ ば、 クラ スノダ ル地方 では、 ト ラク ター は
七 ∼ 八 ヵ 月 間 に わ た って 利 用 さ れ る こ と にな る 。 し た が っ て、 ク ラ ス ノ ダ ル
叢
一
56
学
商
[
輪
6刷
(422)
地 方 で は 、 一つ の ト ラ ク タ ー の 作 業 高 が カ リ ー ニ ン州 に お け る よ り も 二 倍 も 大 き いめ で あ る 。 し か し 、 ト ラ ク タ ー 作 業 高 に
比 例 し た 更 新 の た め の減 価 償 却 控 除 率 は 正 確 に決 定 さ れ て い な い の で あ る 。 北 方 や 中 央 の コル ホ ー ズ に お い て は、 農 地 は 原
則 と し て 小 さ な 職 区 に 区 分 さ れ て い る 。 こ の た め 、 こ の耕 地 で の 一ト ラ ク タ ー ま た は 一コ ン バイ ンの 作 業 高 は 、 農 地 が 大 き
な 職 区 に 区 分 さ れ て い る 南 方 地 方 の コ ルホ ー ズ に お け る そ れ よ り も 、 小 さ い の で あ る 。 ま た 、 ト ラ ク タ ー は畝 ご と 反 復 す る
耕 作 活 動 を と り 、 さ ら に 一つ の 職 区 か ら 他 の 職 区 へと し ば し ば 移 動 し な け れ ば な ら ず 、 こ の こ と は そ の 磨 滅 を 大 な ら し め る
こ と に な る 。.
こ こ で パ ァ ハモ フ は、 ﹁作 業 高 で は な く て 、 ト ラ ク タ ー や コ ン バイ ン の活 動 利 用 時 間 に よ って 、 更 新 の た め の 減 価 償 却 控
除 率 を 差 別 す る 必 要 が あ る ﹂ と い う 。 ト ラ ク タ ー 利 用 時 間 測 定 の 基 準 は 、 一五 馬 力 ト ラ ク タ ー の使 い古 し て 役 に た た ぬ機 械
の 更 迭 数 が よ い 。 一九 五 七 年 の資 料 に よ る と、 国 家 の す べ て のM T C に つ い て の 一五 馬 力 の ト ラ ク タ ー で の 使 い 古 し て役 に
た た ぬ機 械 の 更 迭 数 は、 一六 五 で あ り 、 ク ラ ス ノ ダ ル地 方 で は 、 二 〇 六 (一二 五 % )、 ア ル タ イ 地 方 で は、 一五 二 (九 二 % )、
カ リ ー ニ ン州 で は、 二 二七 (八 三 % )であ る 。 い ま 平 均 値 と し て減 価 償 却 率 八 % を と る な ら ば 、 ク ラ ス ノ ダ ル地 方 で は ト ラ ク
タ ー の高 い磨 滅 の た め、 こ の率 は 一〇 % と な り 、 カ リ ー ニ ン州 で は 六 ・六 % と な る 。 コ ル ホ ー ズ お よ び ソ フ ホ ー ズ に お け る
技 術 利 用 の自 然 11経 済 的 条 件 に応 じ た 減 価 償 却 率 の こ の よ う な 差 別 化 は 、 す べ て の 農 業 機 械 の 実 際 の磨 滅 を 正 し く 反 映 す る
こ と にな る で あ ろ う 、 と 主 張 す る (︽ bd。昌 on窪 翼 自 。§ § 二 ΦO。。.Z。.= n昌 . 日 ∼ mω︾ )。
ソ ビ エト 農 業 に お け る 減 価 償 却 の 現 状 を 分 析 し た あ と 、 パ ァ ハモ フ は 、 こ う し て技 術 利 用 の自 然 的 、 気 候 的 、 経 済
修 繕 の問 題
ま ず 、 農 業 企 業 に お け る 修 繕 工 場 の 現 状 は ど う な って いる だ ろ う か 。 た し か に 、 修 繕 工場 の 建 設
的 諸条 件 に応 じた 減価 償 却 率 を 、農 業 機 械 の ため に設 定 す べき で あ ると 提案 す る。
B
(
(一九 五八年 )、 P T C 、 M T C お よ び ソ フ ホ ー ズ に お い て
投 資 は い ち じ る し く 増 大 し 、 一九 五 四 年 か ら 五 六年 に か け て 、 こ の 投 資 は 二 五 〇 億 ルー ブ ル 以 上 に な り 、 M T C と ソ
フホ ー ズ にお け る修 繕 工場 は 二 、 四〇 〇 建 設 さ れ た。 今 日
は 、 一七 〇 万 修 繕 単 位 能 力 の あ る 修 繕 工場 が 一万 三 、 ○ ○ ○ あ り 、 そ のう ち 一二 〇 万 修 繕 単 位 能 力 の あ る 修 繕 工場 は
六 、 ○ ○ ○ あ り 、 そ の 外 に 、 ソ 連 邦 農 業 省 の 組 織 と し て 年 間 二 六 〇 万 修 繕 単 位 能 力 の あ る 独 立 採 算 制 修 繕 工場 が 四 七
一
(423)
ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争
57
(18 X 注 )
二あ る の であ る。 し かしな がら 、 修繕 企 業 の配置 網 が 不均 等 であ った り、 農 業 機械 や用 具 の修繕 に季 節 的 に大 き な 変
動 が あ った り し て 、 修 繕 企 業 の 能 力 が 十 分 に 利 用 さ れ て い な い 現 状 に あ る。
(注 ) あ る 地 方 、 州 、 共 和 国 に お い て は 、 修 繕 工 場 が 過 剰 に配 置 さ れ て いる の に 、 他 の 地 方 、 州 、 共 和 国 で は そ れ は 不 足 し て い
る の で あ る 。 ま た、 一〇 〇 以 上 の ト ラ ク タ ー を も つM T C と ソ フ ホー ズ に 四 〇 〇 修 繕 単 位 能 力 の あ る 工 場 を た て たり 、 逆 に
六 〇 ほ ど の ト ラ ク タ ー を 管 理 し て い る 企 業 に 二 五 〇 修 繕 単 位 能 力 のあ る 工場 を 割 り 当 て た り し て い る 。 大 き な 修 繕 工 場 が 、
月 か ら 二月 に か け て な さ れ る 。 こ の時 期 に は 、 工 場 、 設
わ ず か し か 機 械 を も って い な い 小 さ な M T C や ソ フ ホ ー ズ に 建 て ら れ た り 、 ま た そ の 逆 の こ と が お こ な わ れ て い る 。 さ ら に
M T Cお よ び ソ フ ホ ー ズ に お い て は 技 術 の修 繕 は 、 原 則 と し て =
(︽ ロd昌 廿oo法 翼 05 家国苔 ・ お 伽c。・ 20・ ご
備 お よ び労 働 は、 全 労 働 日 に わ た って 仕 事 過 重 とな る 。 一年 の他 の 時 期 に は 、 工 場 へ小 さ な 注 文 が 偶 然 的 にあ る にす ぎ な い。
こ れ ら の こ と は、 多 く の 修 繕 工 場 の能 力 を 十 分 に活 用 さ せ な い よ う にし て いる
oも ・mω・
︾ )。
つぎ に 、 コ ル ホ ー ズ と 新 し いP T C と の 関 係 は ど う な る の だ ろ う か 。 コ ル ホ ー ズ と P T C と の相 、
互関 係 は、 独 立 採
算 制 の 原 則 に 立 脚 し な け れ ば な ら な い。 コル ホ ー ズ と P T C と の 決 済 方 法 は 、 ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ ンの 修 繕 価 値 に
よ っ て 決 定 さ れ る 。 コ ル ホ ー ズ は 、 ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ ン の 技 術 的 状 態 を み な が ら P T C へ修 繕 に だ す 。 機 械 の 修
(19 )
繕 実 施 に さ き だ っ て P T C と コ ル ホ ー ズ の 技 術 要 員 は 、 機 械 の 破 損 一覧 表 を 作 成 し 、 コ ル ホ ー ズ が P T C に 支 払 う 機
械 の修 繕 見 積 価 値 を 決 定 す る 。
さ ら に、大 修 繕 と 当 座修 繕 に つい て触 れ る。 周知 のよ う に、 修 繕 には、 減 価 償却 基 金 でな さ れ る大 修 繕 と 生産 費 で
(20 )
(注 )
な さ れ る 当 座 修 繕 と が あ る 。 ﹁し か し な が ら 、 大 修 繕 と 当 座 修 繕 と いう こ の 区 別 は 完 全 な も の で は な く 、 実 際 M T C
に お い て は ほ と ん ど 明 確 で な い﹂ の で あ る 。 し か も 大 修 繕 と 当 座 修 繕 と の 区 別 は 、 機 械 の よ り 完 全 な 利 用 と 費 用 の引
き 下 げ を さ ま た げ て い る 。 さ ら に 、 コ ル ホ ー ズ へ の技 術 の 販 売 と 関 連 し て 、 コ ル ホ ー ズ に お け る 修 繕 作 業 の 費 用 は、
い ち じ る し く 増 大 し て き て い る 。 大 修 繕 ・当 座 修 繕 の現 状 を 考 察 し た あ と 、 パ ァ ハ モ フ は つぎ の よ う に 提 案 す る 。
5,500
1∼
42
1
83
4,430
4,650
0∼
91
1∼
53
1952
3,382
4,450
0∼
83
1∼
77
1952
5,743
4,620
0∼
50
1∼
62
1953
5,680
3,920
1∼
13
1∼
17
1953
5,670
5,340
1∼
07
1∼
51
1953
4,183
3,490
0∼
52
1∼
72
1954
2,823
3,680
0∼
38
1∼
51
ユ954
2,662
2,920
0∼
42
1∼
39
0∼
96
1
¶■
¶上
1
1
¶﹂
i⊥
4■
-且
1 1 1 1 1 2 2 2 2 4
1
1一
2,555
一
5,650
1950
1957
叢
論
学
1950
の 活 動 年 度
商
一
当座 繕
5 7 2 1 4 1 3 4 9 1
大修副
ターの 経 営 番 号
XO351HC一
〔出 所 〕A・naxoMoB・HeKoTopbienpo6neMbraMop'rM3alluHBc㌫cK皿
座 修繕
ー ブ ル)
トラ ク ター
.54.
・N・.11cTp
叩 ・・hlgK・H・MMくu》1958
TBe・<B・
軟 耕 地1ヘ
クター ルの 費 用
(ル ー ブ ル と コ ペ イ カ)
一 修 繕 費(ル
トラ ク
「丑T-54」
58
(424)
第45表
大 修 繕1当
﹁技 術 の修 繕 の た め に は、 予 備 品 、 原 材 料 の 購 入 お よ び P T C への
支 払 い の た め の貨 幣 資 産 を 準 備 し な け れ ば な ら な い。 コ ル ホ ー ズ に お
い て は、 農 業 生 産 に 季 節 性 が あ る た め 、 貨 幣 収 入 の 大 部 分 は 農 業 生 産
物 が 販 売 さ れ る 秋 に は い って く る 。 そ の他 の時 期 に は 財 務 費 用 が 発 生
す る 。 :::し た が っ て、 コ ル ホ ー ズ に お い て は 、 ま た ソ フ ホー ズ に お
(21 )
い て も 、 一つ の源 泉 す な わ ち 減 価 償 却 基 金 か ら 、 大 修 繕 と 当 座 修 繕 の
融 資 を得 る こと は、 非常 に合 理的 であ る ことを し めし て いる﹂
。
パ ァ ハモ フ の 提 案 は 、 減 価 償 却 控 除 に よ っ て修 繕 資 金 を 不 断
に蓄 積 し 、 こ の資 金 を 大 修 繕 と 当 座 修 繕 と の 区 別 を 考 え る こ と
な く 支 出 す れ ば よ い と いう の で あ る 。 こ の 方 が 技 術 修 繕 費 用 を
削 減 さ せ る こ と に も な る と いう 。 そ し て 、 こ の 場 合 、 減 価 償 却
控 除 は修 繕 と更 新 と も共 に、 固定 資 産 の減価 償 却 勘 定 で会 計 処
理 を し 、 こ の減 価 償 却 控 除 は 、 コ ル ホ ー ズ の 不 分 割 基 金 の控 除
(22 )
内 で あ る い は そ れ を 越 え て ー コ ル ホ ー ズ 員 総 会 の 決 定 に よ るー
お こな わ れ る こ と に な る 。
トラ ク タ ー、 コ ンバイ ンの減 価 償却
パ ァ ハモ フ の 主 張
℃06匡 呂 05 家国民国・一⑩朝。。.Zo・ご ︹昌 .忠 .
︾ )。
の 費 用 は 、 大 修 繕 の費 用 を さ え 上 回 っ て い る の で あ る (︽ ロロo〒
証 明 し て い る 資 料 が 第 45 表 で あ る 。 一連 の ト ラ ク タ ー の当 座 修 繕
修 繕 と の費 用 は 、 一定 の額 で わ ず か に 区 別 が つ い て い る 。 そ れ を
(注 ) ミ レ ロ フ スキ ー M T C に お い て は 、 ト ラ ク タ ー の大 修 繕 と 当 座
C
(
一
(425)
ソ ビエ トに お け る減 価 償 却 論 争
59
を 具 体例 で考察 し てみ よう 。
随ま
竺
Φ戸]〒
∨\
套
。。。+やぶ↓ω。-三 Nふ-Φ3Φe 舞
﹃・
ω畿 篭 淘蛍 ♪、 。。O﹄訣 立命議 ♪ 堂 斗▽ざ か) 代砕 か 。
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違 耐 官 薗 ⋮ ωニ ト。ε ↑ー 寸 さ 代 叫 か 。 臼 e 湖 鵬 、 癒 摺 樹
δ
出 ①‖
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(
第 1章 第
凶。↑⋮龍
↓6
oり ・↑OO
︹卑 適 蓮 ︺ 癖 酋 澄 惜 書 ⋮ 洪 ﹄
団排 瀬 叢 熊 師 θ 母 ぴ ﹁垣 ↓ふ ︽﹂ 陪 7Ψ > >ー 、 司 畑 柏 鱗 ⋮ ↑N礼 " 晋 砥 富 薗 ⋮ Nぷ OOOや ー
∨ や 、 醸 識 薗 面 ⋮ 誤 \ ωピ ↑ー ∨ \y
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画)砕 が D 洪 d 誠 圧 鈎 き か。
ト ・バ ・ ‡
11 認 ﹄ 叉 (ぷδ U叉
こ の 計 算 例 で 引 用 し た 公 式 は 、 わ れ わ れ に と って は す で に 何 回 と も な く 遭 遇 し て い る 周 知 の 公 式 で あ る
2 節参 照 )
。 し か し 、 注 意 す べき こ と は 、 こ の 公 式 に は 従 来 か ら 利 用 さ れ て い た 大 修 繕 価 値 で な く 、 大 修 繕 価 値 と 当 座
(注 )
修 繕 価 値 を 一緒 に し た 修 繕 価 値 を 算 入 し て い る こ と で あ る 。 し か も 、 こ の 修 繕 価 値 は 、 ト ラ ク タ ー の部 分 ・⋮の 修 繕 費
を 基 準 に し て 算 定 し て い る の で あ る。 パ ァ ハモ フ の 主 張 は 、 さ ら に つづ く 。 上 述 の 公 式 を 利 用 し な が ら 、 ト ラ ク タ ー
し た と孝 えら れる ) に つい て の償 却 率 を 算 定 す る と 、 工宥 ㎏ 甑 瀧
。
の作 業 高 (
軟 耕 地 ヘクタ ー ル)
ー 一、 五 〇 〇 ヘク タ ー ル (パ ァ ハモ フは特 に数 値 を明 記 し て いな いが、前 後 の文意 の内 容 か ら して、
ト・
フク ター の作業 古向を 一、 五 ・・ ヘク ター ルと整
H 望 ↑ー ∨ や e u λ べ さ (舞業 接 ↑♪ 、 、ー ミ "O 咋) と な る 。 そ し て そ の う ち 、 一ルー ブ ル ニ ニ コ ペ イ カ (二 二% ) は 更
新 へ、 四 ル ー ブ ル 三 ニ コ ペ イ カ (
七 八% ) は修 繕 へふ り む け ら れ る 。 パ ァ ハ モ フ は 、 前 者 の 三 二 ・五 % の 償 却 率 よ り も 、
(23 )
後 者 の 軟 耕 地 一 ヘク タ ー ル に つ い て の 償 却 率・
の 方 が機 械 の 型 、 風 土 ‖気 候 の 地 域 差 な ど を 考 慮 し た 正 確 な 率 で あ る と
いう の で あ る 。
(注 ) 統 計 資 料 に よ る と、 当 該 時 点 に お け る ト ラ ク タ ー の総 修 繕 費 の う ち 、 部 分 品 の 取 り 替 え の費 用 は 四 八 ∼ 五 〇 % で あ る と い
う 。 こ の こ と か ら 、 逆 に 総 修 繕 費 と 、 そ し て ま た軟 耕 地 一ヘク タ ー ル に つ い て の 修 繕 費 を 決 定 す る こ と が で き る 。 第 4
6表 は、
仏両
冊
一
叢
学
商
一
(426)
60
③
住 宅 お よ び文 化 生 活 のた め の簡 易 的 タ イプ の建 物
住 宅 およ び 文化 生 活 の た め の大 規 模 な 建物
「丑T-54」
トラ ク ター
の 年間 の 費 用金 額
に
晶て
分い
部 っ
ω
大 規 模 な構 築 物
活 動年 数
㈲
小 規 模 な簡 易 的 タイ プ の梅 築 物
プ の生産 的 建物
⑥
第46表
(単 位 は ル ー プル と コ ペ イ カ)
軟 耕 地1ヘ
ク ター ル あ
た りの 修 繕 費
「一
修 繕 全体
について
ア ル タ
ク ラ ス ノ
カ リー
イ地 方
ダル地 方
ニ ン州
{__
2〃
3,296∼69
2,650
'
6,860
3〃
2,305∼58
4,810
3∼4ユ
2∼56
4〃
4,811∼20
10,020
7∼11
5∼36
5〃
2,083∼51
4,350
3∼08
2∼32
1年
度
1,275∼26
1∼88
1∼42
4∼86
3∼68
6〃
4,649∼28
9,720
6∼87
5∼19
7〃
1,830∼08
3,820
2∼71
2∼04
8〃
5,084∼56
10,580
7∼51
5∼61
9〃
2,341∼76
4,860
3∼44
2∼59
10〃
6,382∼29
13,250
9∼40
7∼09
11〃
1,275∼26
2,450
1∼73
1∼31
3∼28
8∼52
5∼96
12∼40
5∼41
12∼12
4∼74
13∼11
6∼05
16∼41
3∼04
15∼90
⑦
6,163∼84
12,810
9∼11
6∼85
13〃
2,285∼26
4,760
3∼38
2∼54
5∼91
14〃
3,938∼40
8,210
5∼82
4∼39
10∼21
15〃
3,ユ65∼73
6,610
4∼68
3∼54
8∼22
16〃
5,084∼84
10,550
7∼50
5∼63
13∼15
[出 所 〕A.naxoMoB,HeKoTopbienpo6neMblaMopTn3all,HllBce調hcKoMxo3兄
貴cTBe.《BogPocbrgKoHoMHKH》
1958.No.11cTp.56.
D
(
ア ル タ イ 地 方 、 ク ラ ス ノ ダ ル地 方 お よ
び カ リ ー ニ ン州 に お け る ﹁﹄↓ム ﹄﹂ ト
(︽ ロO口唱O︹法 ω×O国O寓出×国.お Ooo・
経済的
ラ クター の修 繕費 をし めし たも の であ
る
Zo・一一 3 ℃・留 ∼ 9 .
︾ )。
固 定 資 産 の分 類 と 再 評 価
に基 礎 を も っ た減 価 償 却 率 の 作 成 の た め
には 、 固定 フ ォンド は 正し く 分類 さ れ な
け れ ば な ら な い 。 パ ァ ハモ フ は 、 ソ フ ホ
物
簡 易 的 タイ
ー ズ と コ ル ホ ー ズ に と って の 固 定 資 産 を
(24 )
標 準 的 タイ
②
つぎ の よ う に 分 類 す る こ と を 提 案 し て い
る。
ω
プ の生 産的 建
機械 設備 、 発 電 設備 、電 気 設備 、 木 工設 備 、熔 接
設備 、 お よ びそ の他 の設 備
㈲ 器具
⑨ 什器
⑭ 機械運送
12〃
一
(427)
ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争
一
61
馬力 運 送
トラクター
コン バイ ン
そ の他 の農 業 機械 お よ び 用具
(26 )
、
イ バ ノ ブ ︽S認ぎ 国 団・
︾ と ユド ブ ス キ ー ︽δ 戸呂 艮 嵩
パ ァ ハ モ フ は 提 案 し て い る。
幻
︹
畜産家畜
禽烏
蜜蜂
多 く の実 のな る漿 果 の植 付
ー ズ へ の導 入 の た め の諸 提 案 と に つ い て 、 つぎ の よ う に の べ て い る 。
(25 )
経済 ﹂誌 一九 五 八年第 五号)。 こ の論 文 で は 、 減 価 償 却 概 念 欠 如 の も と で の コル ホ ー ズ の 実 状 と 、 減 価 償 却 概 念 の コ ル ホ
(27 )
バ ノ フ と ユド ブ ス キ ー の ﹁コ ル ホ ー ズ の 固 定 フ ォ ンド の磨 滅 の 補 償 に つ い て﹂ な る 論 文 を あ げ る こ と が で き る (
﹁
農業
は 、 主 と し て コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 の考 察 が 、 お こな わ れ る よ う に な って い った 。 そ の 最 初 の論 文 と し て、 イ
ソ ビ エト 農 業 に お け る 減 価 償 却 の諸 問 題 は、 パ ァ ハ モ フ に よ って 整 理 さ れ 明 ら か に さ れ た が 、 そ の 後 の関 連 論 文 で
切︾ の 見 解
は 修 繕 労 働 者 に た い し て 、 利 潤 控 除 に よ っ て つく ら れ た 基 金 か ら プ レ ミ ア ムを 支 給 す る 必 要 が あ る 、 と いう こ と も 、
の で、 今 後 は 、 と く に P T C の労 働 者 が ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ ン の よ り 良 い質 の 修 繕 を お こな った 場 合 に は 、 P T C
最 後 に 、 従 来 の修 繕 節 約 に た いす る M T C ト ラ ク タ ー 運 転 手 のプ レ ミ ア ム支 給 制 度 に は 、 欠 点 が 多 く 存 在 し て い た
は 、 そ の再 生 産 価 格 と いち じ る し く 背 離 し て い る の で 、 再 評 価 す る 必 要 が あ る 、 と いう 。
,
定 資 産 の価 格 を 基 礎 に し な け れ ば な ら な い が 、 コ ル ホ ー ズ 、 ソ フ ホ ー ズ 、 お よ びP T C に お け る 固 定 資 産 の 現 存 価 格
ま た 、 パ ァ ハ モ フ は 、 固 定 資 産 の 磨 滅 を も と に 正 し い減 価 償 却 率 を 設 定 す る に は 、 現 在 の 再 生 産 価 格 と 一致 し た 固
使 役 家畜
⑯
⑰
⑱
⑲
⑳
⑫
⑬
⑭
⑮
論
学
;器
704
489
3,350
3,340
3,500
540
4,830
6,660
6,100
606
5,360
4,640
5,260
602
5,420
5,280
5,350
6,510
8,370
8,180
ン し
、 フ ヤ
ニ
ェ
名 名
一 カ
ニ
レ
ア
し
㌘
ン
ヌ
イ
名 名
ン
ニ
レ ヴ
バ 一酒
ス
名
称 ■ 称 称 ヅ 称 称
400
3,210
一
リ
1,434
1,142
2,730
4,650
㍑
3,070
3,300
裟
7,260
力 噺 ア ク プ
〇B
〇BcKH茸,OBo3MePtleHHHH3HocaoclloBHblxΦoH八
〔出所 〕E.KBaHoB,B.K)八
(1956年 に お け る も の)
第47表
1不
分害
蹴
固 定 資産
金
不分割基
貨幣⇒
固定当
100ヘ
ク ター ル あ
た りの 計 算
コル ホー ズの労 働員 あ た り
の 計 算(ル ー ブ ル)
ズ
ー
ホ
ル
コ
62
叢一
商
一
(428)
KoJlxo30B.<∂KoHoMnKacenbcKoroxo3兄ticTBo》1958.No.5cTp.78、
A
(
固 定 フ ォ ンド と 貨 幣 所 得 と 不 分 割 基 金
コル ホ ー ズ の 強 化 と 新 技
術 の導 入 の 結 果 、 M T C 改 組 前 に お い て す で に コ ル ホ ー ズ の 固 定 フ ォ ン
ド は いち じ る し く増 加 し て いた。 コルホー ズ にお け る生産 的 固定 資 産 の
増 加 は 、 コ ル ホ ー ズ 的 所 有 か ら 全 人 民 的 所 有 への 移 行 に と って の 重 要 な
前 提 で あ る。 固 定 フ ォ ン ド の 増 加 は 、 コ ル ホ ー ズ 経 済 強 化 の重 要 な 要 因
この
で あ る 。(いま、ヴ リ ュホ ベッ キー地 区 とクラ スノダ ル地 方 におけ る コルホーズ
の岡定 資産 、貨 幣 所 得、 不分 割 基金 の関連 は、第 釘表 のご とく であ る。 ー
表 よ り つぎ の こ と が 判 明 す る 。 第 一、 コ ル ホ ー ズ 労 働 員 一人 あ た り と 一〇 〇 ヘク
タ ー ル あ た り の固 定 資 産 額 は 、 貨 幣 所 得 額 と不 分 割 基 金 額 よ り 、 多 く の 場 合 大 き
い。 例 外 は あ る が 、 そ れ は別 の要 因 に よ って 影 響 を 受 け た も の で あ る 。 第 二 、 固
定 資 産 を 多 額 に も って い る コ ル ホ ー ズ で は 、 コ ル ホ ー ズ 員 の労 働 支 払 い も 大 き い。
カ リ ー ニ ン名 称 コ ル ホ ー ズ で は、 労 働 日 の貨 幣 評 価 は 六 .七 ルー ブ ル で あ る が 、
ク ル プ ス カ ヤ 名 称 コ ル ホ ー ズ と ヴ ジ ョ ン ヌ イ 名 称 コ ル ホ ー ズ で は、 そ れ は 二 一・
四 ル ー ブ ル で あ る )。 さ ら に 、 ﹁固 定 フ ォ ン ド の 計 画 的 再 生 産 の 重 要 ・
な前 提
(28 )
は 、 そ の磨 滅 の 正 確 な 計 算 と 磨 損 し た 労 働 手 段 の 完 全 な あ る い は 部 分 的
な 補 償 を 財 務 的 に 確 保 す る 減 価 償 却 基 金 を つく る こ と ﹂ で あ る 。 し か し 、
い ま ま で に は 、 コ ル ホ ー ズ に お け る 労 働 手 段 の 減 価 償 却 計 算 と そ の磨 滅
の 計 算 は 、 お こ な わ れ な い で 、 ﹁基 本 建 設 、 大 修 繕 、 農 業 機 械 ・財 産 の
27.0
3,813.8
662.4
ヴ リュ ホ ベ ッ キ ー
4,439.5
3,151.3
799.1
ヴ ィ セル コ フ ス キー
8,928.0
6,029.3
1,625.6
12,601.8
8,460.1
2,268.3
名
ン
ァ し
工
ニ い
一 パ
ニ
工
ビ
ソ
称ヅぎ ぎぴ
一ク
リ
、、、
3,300.0
26.8
2,698.0
ヴ リュ ホ ペ ッ キ ー
ト
%
26.0
21,231.6
20 20 18 18 18
17.4
ヤ 13,490.2
"レ ー ニ ン 名
(1956年 に お け る も の)
第48
12.7
ー ヴ ル)
レ ク 新
∂KOHOMHKaceAbcKoroxo3flticTBo》1958.No.5cTp.80.
KoJlxo30B.《
竺幣所得}固定警
ー ヴ ル)
"共 産 主 義 へ の
区
地
コ ル ホ ー ズ
・H双 ・B
・・・・ ・・…HH⇒
田 ・HnvaH・
・H・B,B.K)A・B・KMn,Oee・M・
〔幽 所 〕E.H・
(1,000ノ
レ
ー ヴ ル)
(1,000ノ レ (1,000ノ レ
貨 幣所 得 か ら不 分割 基
金 へ の控 除
貨 幣 所得 固定 資産
(429)
ソ ビエ トにお け る減価 償 却論 争胸 一
一
63
(29 )
(注 )
獲 得 の た め の資 金 の主 要 源泉 は、 不 分 割 基 金補 充 の ため の コル ホー ズ の所 得
×o弓o ×8 拍時o↓き .
▽ お 凱。。・Zo・0 3 0.。。P)。
を も た ら し 、 投 資 の計 画 化 を 困 難 な ら し め る の で あ る (︽ ω蓉 ぎ 苦国苔
8自 ?
に 過 ぎ な く な る 。 こ の こ と は 、 固 定 資 産 の 拡 大 再 生 産 テ ンポ の 誤 ま っ た見 通 し
他 方 、 ク リ ミ ヤ 地 区 レ ー ニ ン名 称 コ ル ホ ー ズ で は 、 わ ず か 六 ・七 % を 確 保 す る
不 分 割 基 金 控 除 は 二 〇 ・八 % の 固 定 フ ォ ンド 年 間 増 加 を 確 保 す る こ と に な る が 、
ル ホ ー ズ へ適 用 し て み る な ら ば 、 ソ ど エト 地 区 レ ー ニン 名 称 コ ル ホ ー ズ で は 、
し め し て い る 。 も し 、 いま ソ フ ホ ー ズ の 平 均 減 価 償 却 率 (六 % )を 、 こ れ ら の コ
貨 幣 所 得 か ら 不 分 割 基 金 への控 除 額 は 、 二 つ の コ ル ホ ー ズ と も ほ と ん ど 同 額 を
の レ ー ニ ン名 称 コ ル ホ ー ズ よ り も 二 ・五 倍 大 き い固 定 資 産 を 所 有 し て いる が 、
が 明 ら か に な る 。 ク リ ミ ヤ 地 区 の レー ニ ン名 称 コ ル ホ ー ズ で は、 ソ ビ エ ト地 区
控除 と固定 資産 額 との比率 は、第 4
8表 の ご と く で あ る 。 こ の 表 よ り つぎ の こ と
(注 ) ク ラ ス ノ ダ ル 地 方 に お け る 個 々 の コ ル ホ ー ズ の 貨 幣 所 得 か ら 不 分 割 基 金 への
控 除 で あ った ﹂ の で あ る 。
`
だ が 、 農 業 機 械 の コ ル ホ ー ズ への 販 売 と 関 連 し て、 M T C 改 組 後 、 コ ル ホ
ー ズ の 固定 フ ォ ン ド は さ ら に 大 き く 増 加 し 、 こ の た め コ ル ホ ー ズ の 減 価 償 却
基 金 の創 造 が 、 早 急 に 必 要 と な った 。 な ぜ な ら ば 、 ﹁農 業 機 械 の完 全 な 補 償
(30 )
のた め の特別 基 金 がな いと、 多 く の コルホ ーズ にお け る固 定資 産 の腐 蝕 を も
た らす.
こ と に な る ﹂ か ら (イ バ ノ フ と ユド ブ ス キ ー は 、 M T C 改 組 前 の ク ラ ス ノ ダ
ル 地 方 に お け る コ ル ホ ー ズ の 固 定 資 産 の構 成 資 料 を し め し な が ら (第 49 表 参 照 )、 農 業
運 送手 段
発動機
用具 お よ び
農 業 機械 ・
6.7
17.5
10.7
46.7
5.6
10.6
14.2
55.6
4.2
10.8
7.7
66.9
ス
サ
カ
ー
区
地
ン
ビ
一
フ
ン 名 称,,
`レ ー ニ
コ
`共 産 主 義 へ の 道,,
ヴ ィ セル コ フ ス キ ー
プ ラ ス トゥ ノ フ ス キ ー
一
41.0
星,'
叢
12.3
コ
9
16.4
㊤
9
9.4
5。 0
13 11
66.2
一ほ
・4
具備
使役家畜 司 胴 舗 U ㏄
禽 鳥 ・蜜 蜂
畜 産 家 畜
7.5
い
学
13.0
`赤
∈)KoHoMHKaceJlbcKoroxo3fithcTBo》1958.No.5cTp.81.
KoJlxo30B.《
3.2
ヤ
ミ
リ
ク
レ ー ニ ン 名 称
`共 産 主 義 へ の 道"
(1956年 に お け る も の)
第49表
建 構多
年
築性
植
物物物
器設
ズ
ホ ー
ル
コ
64
≡6
冊
商
一
(430)
固 定 フ ォ ン ドの 種 類(%)
〔出 所 〕E.HBaHoB,B.K)1110BCKmu,OBo3MellleHvaHH3HocaocHoBHblxΦoH丑oB
械⋮
機、 設 備、 器 具 など が小 量 であ る から、 コルホーズ で は いまま で に減 価 償 却 が
コ ル ホ ー ズ の減 価 償 却 の た め の諸 提 案
イ バ ノ ブ と ユド ブ ス キ ー
そ れ ほど問 題 にな らな か った のであ る、 と主 張 し て いる)。
B
(
は 、 ま ず ソ フ ホ ー ズ に お け る 既 存 の減 価 償 却 率 の欠 点 に つ い て指 摘 す る 。
ソ フ ホー ズ で採 用 さ れ て いる減価 償 却 率 は、 非常 に低 く 、労 働 手段 はそ
の耐 用 期 間 を 不 当 に 長 く 見 積 ら れ て いる 。 た と え ば 、 ト ラ ク タ ー 、 コ ン
バ イ ンお よ び そ の他 の 農 業 機 械 の た め に 、 二 〇 年 ∼ 二 五 年 の 耐 用 期 間 が
設 定 さ れ て い る が 、 経 済 的 に合 日 的 的 で あ って 、 し か も 道 徳 的 磨 滅 を 考
慮 に い れ る な ら ば 、 そ れ は 約 一〇 年 ∼ 一五 年 で な け れ ば な ら な い。 戦 後 、
ソ フ ホ ー ズ 省 に よ って 、 減 価 償 却 率 は 第 50 表 の ご と く 認 め ら れ た 。 し か
し 、 こ の率 も 道 徳 的 磨 滅 を 考 慮 し て いな い だ け で な く 、 物 理 的 磨 滅 も 十
分 に 反 映 し て お ら な い よ う な 低 い も の で あ る 。 そ こ で 、 こ の際 、 ソ フ ホ .
ー ズ 、 コ ル ホ ー ズ お よ び P T C の す べ て の農 業 企 業 の た め の、 新 し い 統
一減 価 償 却 率 を 作 成 す る 必 要 が あ る 。 そ し て こ の新 し い 減 価 償 却 率 は 、
﹁生 産 的 使 途 お よ び労 働 手 段 の 耐 用 期 間 を 考 慮 し た 新 だ な 分 類 に 応 じ て、
固 定 フ ォ ン ド の 個 々 の 種 類 別 に 差 別 化 さ れ る 必 要 が あ る 。 こ の場 合 、 そ
れ は 物 理 的 耐 用 期 間 だ け で な く 、 道 徳 的 磨 滅 の 期 間 を も 考 慮 す べき で あ
る 。 農 業 機 械 の償 却 期 間 の決 定 に 際 し て は 、 農 業 機 械 製 造 企 業 の 生 産 力
(31 )
を も と に し た そ の 取 り 替 え の 可 能 性 を 考 え る 必 要 が あ る 。﹂
(3
2)
農 業 機械 の磨 滅 は、 土地 の起 状 、粘 性 、 豊 饒 、 当該 地 方 の特殊 条 件 や 、 各 部門 の操業 度 な ど によ っ
右 に の べ た よ う な 観 点 に た って 、 イ バ ノ ブ と ユド ブ ス キ ー は つぎ の よ う な 提 案 を お こ な って い る 。
第 一の提 案ー
て 影 響 さ れ る 。 こ の た め 、 こ れ ら の要 因 を 考 慮 す る に は 、 平 均 的 ・標 準 的 活 動 条 件 の も と で計 算 さ れ た 統 一減 価 償 却
コルホ ーズ にお け る農 業 機 械 の大 修 繕 、 土 地改 良 作 業 、 貯水 池 の建 設 、 さ ら に新 し い農業 機 械 や 部
率 を 、修 正 でき るよ う にす る こと 。
第 二 の提 案 ー
第 二 の提 案 と関 連 し て、修 繕 ・建 設作 業 お よ び新設 備 の た め のP T C への支払 いは、 減価 償 却 基 金
品 の購 入な ど は、 P TC を と お し てす べて お こな わ れ る こ と。
第 三 の提 案i
7.0
基 本建 設
0.5
〇BCKH蕗,O
〔出 所 〕E.HBaHOB,B.K)八
∂KOHOMHKa
{1}OHnLoBKOnXO30B.《
ロΩ
大 修 繕
O
そ の うち
"ロ
総 減 価償 却 率
"
7.5
BO3MellleHHHH3HOCaOCHOBHblX
cenbcKoroxo3flticTBo》1958.
No.5CTP.83.
1950年11954年11956年
第 三 の提 案 の結 果、 国 家 が農業 銀 行 の投 資 勘 定 を つう じ て、
償 却 控 除 残 高 の少 額 の とき は償 却 基 金 の不 足 かあ る いは大 修繕 の支 出 超 過 を、
額 のとき は大 修 繕 の不完 全 と磨 損 し た機 械 の取り 替 え の不 十分 さ を 、逆 に減 価
る。 農 業 銀 行 の投資 勘 定 に よ る減価 償 却 資 金 の配分 は、減 価 償 却 控 除残 高 の多
コルホー ズ の固 定 フ ォ ンド の取 り替 え や 保 全 を管 理す る こと が でき ゐよ う にな
第 四 の提案 -
勘 定 で 計 算 さ れ る こ と に な る。
る 必 要 は な い。 こ の た め 、 P T C への 支 払 い の た め の資 金 の み が 、 農 業 銀 行 の
(一般 には 小規模 な 修繕 に限 ら れる) の た め の 費 用 は 、 農 業 銀 行 の勘 定 で 処 理 さ れ
蓄 積 す る よ う に す る 。 こ の 場 合 、 コ ル ホ ー ズ 自 身 が お こな う 労 働 手 段 の 修 繕
で お こ な わ れ る 。 し た が っ て、 コ ル ホ ー ズ は 、 農 業 銀 行 勘 定 に よ って 減 価 償 却 基 金 を 取 り 扱 い、 貨 幣 資 金 を 義 務 的 に
第50表
(431)
ソ ビエ トにお け る減 価 償 却 論 争㈲ 一
一
65
66
叢一
学
弘
鯛
一一 商
(432)
国家 に知 ら せ る こと が でき る の であ る。
(33 )
そ し て 、 こ れ ら の 提 案 (そ の ほか には、農 業機 械 ・設備 の新 し い分 類 と再 評価 と を多 く の論者 と同様 に強調 し て いる )は 、 工
業 部 門 に お け る 新 減 価 償 却 率 の 作 成 と 関 連 さ せ つ つ、 吟 味 さ れ る べき で あ る 、 と イ バ ノ ブ と ユド ブ ス キ ー は 主 張 す る 。
コ ル ス ノ フ ︽ ×名 n
苫 8 戸 国︾ の 見 解
﹁固 定 資 産 の減 価 償 却 ﹂ と いう 論 文 を 、 コ ル ス ノ ブ は 、 ﹁コ ル ホ ー ズ と ソ フ ホ ー ズ に お け る 会 計 と 財 務 ﹂誌 (一九 五
η
︹
(34 )
(35 )
八年 第 二 号 ) に 発 表 し た 。 こ の論 文 の 目 的 は 、 コ ル ス ノ ブ 自 身 の べ て い る よ う に 、 ﹁実 践 に た ず さ わ って い る コル ホ
ー ズ 員 に た いし て 固 定 資 産 の 減 価 償 却 の 技 術 と 経 済 的 本 質 と を 理 解 さ せ る こ と に あ る﹂ と い わ れ る 。 そ し て、 減 価 償
却 の経 済 的 本 質 と 減 価 償 却 計 算 原 理 に つ い て つぎ の よ う に の べ て い る (こ の論文 を 発表 し た理 由 は、 す で に指 摘 し たよう に、
コル ホー ズ 員 へ減価 償 却 の基礎 知 識 を与 え る こ とにあ る ので、 そ の内容 は、 わ れわ れ が いま ま で に考 察 し てき た事柄 と重複 す る も
減価 償 却 の経 済 的本 質
コ ル ホ ー ズ が 、 全 種 類 の 生 産 手 段 (コ ンバイ ンや トラ ク ター をも含 む ) の 所 有 者 で あ り ま
のが多 い。し か し、 われ わ れ の理解 を より 一層 ゆ た かなも のにす る た めにも 、論 文 内容 を簡 単 に説明 しよ う)。
A
(
た 管 理 者 と な った 、 新 し い条 件 の も と で は 、 コ ル ホ ー ズ の 固 定 資 産 の 合 理 的 利 用 、 殴 損 ・磨 滅 か ら の そ れ の 維 持 は 、
と く に 重 要 な 政 策 と な っ た。 コ ル ホ ー ズ 生 産 に お い て は 、 コ ル ホ ー ズ の あ ら ゆ る費 用 を 把 握 す る原 価 計 算 が 適 用 さ れ
ね ば な ら な い が 、 そ の 費 用 の 一要 素 と し て 固 定 資 産 の 減 価 償 却 が あ る 。 生 産 過 程 に お い て 周 定 資 産 は 、 た え ず 磨 滅 し 、
そ し て 物 理 的 磨 滅 が 大 き く な る と 、 生 産 か ら 撤 去 さ れ る 。 固 定 資 産 の磨 滅 価 値 は 、 コ ル ホ ー ズ の 費 用 で あ り 、 そ し て
生 産 物 の 原 価 に 含 ま れ る 。 同 定 資 産 の撤 去 に い た る ま で 、 コ ル ホ ー ズ は 、 陳 腐 化 し た 固 定 資 産 の か わ り の新 し い固 定
(36 )
資 産 の 獲 得 の た め に 必 要 な 資 金 を 蓄 積 す る 必 要 が あ る 。 こ の蓄 積 は 、 減 価 償 却 控 除 に よ って お こ な わ れ 、 減 価 償 却 基
金 と な っ て あ ら わ れ る。 以 上 が 、 コ ル ス ノ フ の 減 価 償 却 の経 済 的 本 質 に つ い て の説 明 で あ る。 減 価 償 却 のA B C を 説
,
減 価 償 却 の計 算 技 術
て
建 物 ・構 築 物 な ど に つ い て は 、 現 存 の 公 式 (
=11 [
(﹁﹁
∩十n勺十
コω
∩
心・
)
∩ー
百コ○]×声
。。ξ
十
薮
こ の 問 題 に つ い て の コ ル ス ノ ブ の説 明 は 、 す で に 考 察 し て き た 内 容 と 多 少 重 複 す る の で ・
明 し た に す ぎ な いが 、 道 徳 的 磨 滅 に つ い て全 く 触 れ て いな い の に は 問 題 が あ ろ う 。
!人
め
減価償却率に 三
箇 条 書 に し て簡 単 に の べ る こ と に し た い。
⑩
曹
藷 慧 )に 三
て算 出 す る。 膓
ク7
、 コン バイ ン、 自 動竃
つい ては、 ソ フ ホー ズ でお こ
宙 藤 樽 蝉 コ∩ー 囲荷 蹄融 O規 爺 官 蔵、 0勺ー 汁 蒋謙 富高 " ωロー 書描 晋踊 藁 丙 肝か回袖 購鰍 O糞 婚 O雌 邊 ・ 口Oー蒔 婚 管 ▽識 ▽ ざ汁
9 占 ㍑
いて、 計 算 さ れ る部 門 、 補 助生 産 にお い ては、 減価 償却 も こ の同 じ期 間 に つい て計算 さ れ る必 要 が あ る。 減価 償 却 が
盲直
一カ 月 間 に つ い て 計 算 さ れ る 場 合 は 、 年 度 償 却 の ユ ー2 の償 却 率 を 、 四 半 期 の場 合 は 、 ⊥ 4 の 償 却 率 を 採 用 す れ ば よ
減 価 償却 期 間 に つい て
生 産 物 の 原 価 計 算 が 、 年 一回 の 計 算 で あ る 場 合 に は 、 原 価 要 素 と し て の 減 価 償 却 は 、
れ な か った と す る と 、 減 価 償 却 は 、 生 産 高 に 応 じ て 計 算 さ れ る 必 要 が あ る 。 こ の こ と は 、 原 価 要 素 と し て の減 価 償 却
産 高 が 、 九 月 に 年 度 生 産 高 の 一〇 % 、 一〇 月 に 三 〇 % 、 一 一月 に 四 〇 % と そ れ ぞ れ 変 動 し 、 六 月 に は 全 く 生 産 が な さ
場 合 に は、 減価 償 却 率 は、各 期 間 の生産 高 に応 じ て差別 化 され る 必 要 が あ る。 た と えば 、 コル ホーズ の罐詰 職 場 の生
'
い。 一年 間 に 生 産 高 が い ち じ る し く 変 動 し た り 、 あ る い は 一定 の 月 間 に お い て の み 生 産 が な さ れ る よ う な 季 節 生 産 の
年 度 償 却 率 に従 って 、 年 一回 の 計 算 を す れ ば よ い。 原 価 が 年 一度 だ け で な く 、 よ り 短 期 間 (
月間 、 四半 期 、半 年間 )に お
㈲
畜 産 家 畜 に つ い て は 、 いま ま で 減 価 償 却 さ れ る こ と は な か った 。
(37 )
減 価 償 却 さ れ る。 し た が って 、 馬 の 労 働 年 齢 を 二 〇 年 で あ る と す る と 、 年 度 減 価 償 却 率 は 五 % (一〇〇︰NO"O)と な る 。
て、自 動 車 は、走 行 距 離 をも と に し て、 算出 す る。 使 役家 畜 に つい ては、 そ の取 得価 値 を 補 償す る に必 要 な 金額 だ け
な っ て い る よ う に 、 ト ラ ク タ ー は 、 年 間 に遂 行 さ れ た作 業 高 を も と に し て 、 コ ン バ イ ン は 、 年 間 の 収 穫 高 を も と に し
ソ ピェ トに お け る減 価 償 却 論 争⇔ 一
(433)
一
67
学
商
減 価 償却 控 除 に つい て
(38 )
いま 、 生 産 物 が 一〇 〇 ル ー ブ ル で 販 売 さ れ た と す る 。 そ し て 、 こ の 生 産 物 の 原 価 が
は 、 生 産 物 の 原 価 に等 し く 含 ま れ な け れ ば な ら な い こ と を 意 味 す る 。
内
(
労 働支 払 いを含 ん で) 九 一ル ー ブ ル で あ り 、 そ の う ち ニ ルー ブ ル が 減 価 償 却 部 分 で あ る と す れ ば 、 九 ル ー ブ ル は 利 潤 、
そ の他
(40 )
コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 率 と そ の 計 算 方 法 は 、 ソ フ ホ ー ズ の そ れ と 同 一で よ く 、 そ れ を 援 用 す れ
再 び パ ァ ハ モ フ︽ コ良 § 8 P ︾ の 見 解
い る に す ぎ な い と いえ る (
第 2章 参 照)。
田
︹
大 修 繕 と 当座 修 繕
周 知 の よ う に 、 固 定 資 産 の 減 価 償 却 率 に は 、 機 械 の 価 値 の完 全 な 更 新 と そ の 大 修 繕 と が 考
用 を か け、 修 繕 資 金 の正 し い利 用 を さ ま たげ る﹂ と強 調 す る。 そ し て、 大 修 繕 と 当 座修 繕 と の区 別 の根 拠 は、 固 定資
(42 )
に 、 ﹁大 修 繕 と 当 座 修 繕 の 融 資 の こ う し た 人 為 的 区 別 は 、 企 業 活 動 を 複 雑 に し 、 そ の計 算 の た め に 不 必 要 な 時 間 と 費
直 接 の 生 産 費 と し て 取 り 扱 わ れ る 企 業 の 流 動 資 金 に よ って 融 資 さ れ る 。 パ ァ ハモ フ は 、 前 論 文 で も 主 張 し て い た よ う
慮 さ れ て い る 。 こ の た め 、 現 存 方 法 に よ る と 、 固 定 資 産 の 大 修 繕 は 、 減 価 償 却 基 金 に よ って融 資 さ れ 、 当 座 修 繕 は 、
A
(
下 、 パ ァ ハモフ の主 張 とそ の理由 を考 察 し よう。
こ の 論 文 で パ ァ ハモ フ は 、 前 論 文 に お い て 主 張 し て い た 点 を 、 よ り 詳 細 な 主 張 理 由 を 説 明 し な が ら 強 調 し て い る 。 以
パ ァ ハモ フ は 、 再 び 、 ﹁コ ル ホ ー ズ に お け る 技 術 の 減 価 償 却 ﹂ と い う 論 文 を 発 表 し た (﹁
農 業 経済 ﹂誌 一九 六 〇年 第 三号 )。
(" )
以 上 、 コル ス ノ ブ の減 価 償 却 の計 算 技 術 に つ い て の 説 明 は 、 ソ ビ エト 大 百 科 事 典 の 減 価 償 却 (率)の 項 目 を 解 説 し て
ば よ い。 固 定 資 産 の 取 得 価 値 と 耐 用 年 数 と が 正 確 で あ り さ え す れ ば 、 コ ル ホ ー ズ の減 価 償 却 も 正 確 で あ る 。
⇔
額 は 、 特 定 の使 途 を も って い る の で 、 国 有 企 業 の 場 合 と 同 様 に 、 農 業 銀 行 の 勘 定 で保 管 さ れ る 必 要 が あ る 。
(39 )
.
八九 ルー ブ ルは (
減価 償 却 を除 いた)費 用 の補 填 、 そ し て ニ ルー ブ ル は 減 価 償 却 と な る 。 こ の ニ ル ー ブ ル の減 価 償 却 控 除
68
叢一
込
fima
(434)
産 の修 繕 間 隔 の 期 間 で あ っ て 、 ソ連 邦 ゴ ス プ ラ ン の 指 令 に よ る と 、 大 修 繕 と は 修 繕 間 隔 期 間 一年 以 上 の も の と な って
い る 。 と こ ろ が 、 ト ラ ク タ ー の 当 座 修 繕 の 修 繕 間 隔 期 間 は 、 耕 作 ヘク タ ー ル に つ い て み る と 第 51 表 の ご と く な る 。 こ
の 資 料 か ら 、 ト ラ ク タ ー の年 間 作 業 高 は 、 あ ら か じ め 予 定 さ れ た計 画 修 繕 問 隔 よ り も 、 ま た 実 際 の修 繕 間 隔 よ り も 低
い 、 と いう こ と を 知 る こ と が でき る 。 し た が っ て 、 そ の 経 済 的 内 容 か ら す れ ば 、 ト ラ ク タ ー の 当 座 修 繕 は 、 大 修 繕 と
異 な る こ と が な い。 よ っ て、 ﹁こ の 種 の修 繕 の 費 用 は、 大 修 繕 と 同 様 に 、 減 価 償 却 率 に 含 め な け れ ば な ら な い。 固 定
,
qT3-C-80
2,000
1,770
,IIT-54
KAn-35
``6enapyCb"
1,250
1,430
955
500
820
493
500
1,030
593
一
1150
KOnxo3aX・<3K・H・MHRaCeAbCKOroXo3flticTBa》
1960◆No.3CTP.54.
し かし 今 日 で は、 多種 多 様 な作 業 のた めに 利 用さ れ るト ラ ク ター
(たとえ ば 一般 用
クター 、 コ ンバイ ンを連結 し た収 穫 用 トラ ク ター)が 、 組 成 中 重 い比 率 を し め て い た 。
し て 畑 仕 事 の た め に 利 用 さ れ る ト ラ ク タ ー (た とえば、 開 墾用 ト ラ クター 、播 種 用 トラ
そ し て ま た 、 最 近 の ト ラ ク タ ー の組 成 も 大 き く 変 化 し て い る。 い ま ま で は 、 主 と
て お ら ず 、 ト ラ ク タ ﹁ は よ り 早 く 補 償 さ れ な け れ ば な ら な い と 考 え る﹂ と いう 。
(44 )
業 に お け る 技 術 的 進 歩 の 急 速 な 発 展 の も と で は 、 こ の年 数 は 道 徳 的 磨 滅 を 考 慮 し
す べ き で あ る と 指 摘 し て いる 。 パ ァ ハモ フ は こ の 点 に つ いて は 、 ﹁農 業 機 械 製 造
い て の方 法 論 的 指 令 で は 、 ト ラ ク タ ー と コ ン バ イ ン の た め の 耐 用 年 数 を 一〇 年 に
旬
耐用年 数 と 減価 償却 率 農業 機 械 の減価 償 却 控 除 率 を作 成 す るた め の主要
(
な 基 礎 は 、 経 営 に お け る 農 業 機 械 の 耐 用 年 数 で あ る。 現 在 、 減 価 償 却 率 作 成 に つ
る、 と パ ァ ハモ フは力説 す る。
ー ズ と ソ フ ホ ー ズ に お け る こ れ ら の 資 金 の 広 範 な 利 用 の 条 件 を つく る ﹂ こ と に な
(43 )
フ ォ ン ド の 大 修 繕 と 当 座 修 繕 の 一 つ の融 資 源 泉 へ の統 一は 、 資 金 形 成 と 修 繕 費 の計 算 を い ち じ る し く 軽 減 し 、 コ ル ホ
,AMopTH3aUHflTexHHKH'B
〔出 所 〕A.naxoMoB
ソフ ホー ズに お
け る年 間作 業 高
実際修繕
閥 隔期 間
計 画修 繕
間隔期間
トラ ク ター
の 型
作 ヘ クタール)
第51表(耕
(435)
一 ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争
69
11
3,134
4,178
18.0
20,861
83.5
12
20,000
28,580
114.0
6
14,605
一
9.7
1,701
叢
,430
8,453
34.0
8
3
3,701
5,290
21.0
9
5,439
7,778
31.0
46.8
13,150
学
新格部値こ
8,147
5,917
9,206
一A
・
10
'2
5
裁 す耀 用
54 タ 一用
匹 ト タ利度
丑 型 ク の年
41.7
11,639
2
10,770
4
7
2,421
3,436
ユ3.8
15,398
69.5
7.6
1,902
1,331
1
「一
」
・
一
一一-一
一
ヤ 「-w-w
∂KoHoMuKacenbc〔出 所 〕A.naxoMoB,AMopTn3aUuaTexHHKHBKo刀xo3ax.《
全 費 用 の うち トラ ク
部 品70%と
し ター の
て 計 算 した 場 価 格 に
合 の 修繕 価値 た い す
る%
(ル ー ブ ル)
新 しい 価
格に よる
部 品 の価
値(ル ー
ブ ル)
全 費 用 の う ち ト ラ クAT-54
型 トラ
部 品70%と
し ター の
て 計 算 した場 価 格 に
クター
合 の 修繕 価 値
(ル ー ブ ル)
しい 価
に よる
品 の価
(ル ー
ル)
70
ぞムi澗
商
一
(436)
第52表
Koroxo351蕗cTBa》1960.No.3cTp.56.
ト ラ ク タ ー 、 高 速 度 の自 動 式 シ ャ シ ー ) も 、 大 き な 役 割 を も っ て き て い る 。
﹁こ の よ う に し て 、 ト ラ ク タ ー の 利 用 度 が 高 く な る こ と は 、 同 時 に 、 機
械 の 物 理 的 磨 滅 と 道 徳 的 磨 滅 と を 増 加 さ せ 、そ の耐 用 年 数 を 縮 小 さ せ 輪 ]
と い う こ と に な る 。 パ ァ ハ モ フ は 、 こ う し て 、 ト ラ ク タ ー の耐 用 年 数 は 、
()、
γ )
そ のほ か の要 因 も考 慮 し て、 八年 であ る べき だ、 と主 張す る。
(注 ) そ の ほ か の 要 因 と し て 、 パ ァ ハモ フ は 、 部 品 の価 格 を と り あ げ る 。 一九
五 六 年 ∼ 一九 五 七 年 に お け る M T C で の ト ラ ク ター 修 繕 に お い て は、 総 修
繕 価 値 に し め る 部 品 の 費 用 部 分 は 五 二 ・六 % で あ った 。 今 日 で は、 部 品 の
価 格 は 二 倍 も 高 く な り 、 こ れ と 関 連 し て 、 ト ラ ク タ ー の修 繕 価 値 に し め る
部 品 の比 重も 七〇 %高 く なり 、 この ため全体 とし て、修 繕 価値 は いち じる
し く 増 大 し た 。 ト ラ ク タ ー や そ の他 の農 業 機 械 の修 繕 と運 営 に つ い て の 国
立 科 学 調 査 研 究 所 ︽ 弓8 エ国↓S︾ の資 料 に よ る と、 員 ↓ー9 型 ト ラ ク タ ー の
部 品 の費 用 額 、 修 繕 額 は、 第 52 表 の ご と く で あ る 。 こ の 資 料 は 、 ト ラ ク タ
ー の 利 用 年 度 六 年 、 八 年 、 一二年 に最 高 の 修 繕 費 用 の支 出 が あ り 、 反 対 に、
五 年 、 七 年 に は 修 繕 費 用 は低 い、 と い う こ と を し め し て い る 。 機 械 の 修 繕
価 値 を 最 小 限 に と ど め る こ と は望 ま し い。 よ って 、 修 繕 価 値 の七 〇 % を も
し め る 部 品 の 費 用 も 最 小 限 にす る 必要 が あ り 、 垣 ↓1恕 型 ト ラ ク タ ー に っ い
て は、 六 年 ∼ 八年 後 に少 額 の部 品 費 に よ る 修 繕 が な さ れ る の で 、 こ の ト ラ
ク タ ー の 耐 用 年 数 は 八 年 と す る こ と が 理 想 で あ る 、 と い う こ と にな る
(︽ ω宍8 0苦国×民 8 ﹄ぴ采 96 ×8 ぬ陣3 0
。飴・一Φ8 ・之9ω 6↓喝・m凱◆
︾ )。
ト ラ ク タ ー の 減 価 償 却 率 に つ い て の パ ァ ハ モ フ の 考 え を 、 つぎ に 考 察
し よ う 。 考 え は 前 論 文 と 同 じ で あ る。 構 築 物 や 建 物 の た め に 、 そ の取 得
価 値 に た いす る減 響
却 率 が採 用 さ れ て いる が (コ・- 罪
。・"ミ
8 曇
嶺 尊
この方 竃
上 フク タよ
適用す
れ ば 、 ﹁ト ラ ク タ ー の操 業 度 が 低 い場 合 に は 、 コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 基 金 控 除 は 不 当 に 過 剰 と な り 、 反 対 に 、
不 足藁
﹂ こと にな る・ そ こ で・ 従 来 から お 妄
わ れ て いた よう に 、軟 耕 作 作 き
ヘク ター ル
技 術 の 利 用 度 が高 い コ ル ホ ー ズ に お い て は 、 修 繕 と 磨 滅 に よ る 撤 去 機 械 の 取 り 替 え の た め の 、 減 価 償 却 基 金 に お け る
取 得 価 値 控除 の資 霞
あ たり の減価 償 却 率 を 、 ト ラ ク ター のた め に は、 適 用 し た方 がよ いと主 張 す る。 そ し て、 当座 修 繕 も 大 修繕 と同 様 に、
\ぐ ﹀ ぷ " ㊦ 柵 端 停璃 摺 Ca
ぷ S柵端 冴蜴 吋︾ 洪 良 ↑汁 がO づ
減 価 償 却 率 に 含 め な け れ ば な ら ぬ 、 と いう パ ァ ハ モ フ の 自 説 を も 考 慮 に い れ る と 、 ト ラ ク タ ー の 減 価 償 却 率 は 、 つぎ
のよ う に な る。
・ぐ ﹀ 由 刈 秩 温 別 C汁 伊 O d 砕 ぐ♂ 惜 嘩 き
曇舞堺 (
器 謡 戴 纏 蝦聾燕 鞭耀 当漕 噛菖 薗).
H
。
。
(∩ O ︾ 挑 唇
母 か 。 ー 口 " ﹃寸 d ^ 汁 く 。
)
な お 、 こ の償 却 率 は 、 地 域 ・地 帯 別 に 、 ま た ト ラ ク タ ー の 型 別 に 、 で き れ ば 差 別 し た 方 が よ い、 と パ ァ ハ モ フ は い
姶 ↑ コ ン バイ ン に と っ て は 、 軟 耕 作 作 業 の か わ り に収 穫 作 業 ヘク タ ー ルを 採 用 し て 、 ト ラ ク タ ー の 減 価 償 却 率 計 算 方
式 や 天 蓋 式 の農 業 機 械 、 用 具 を あ げ る こ と が で き る 。
建 物 や 構 築 物 と 同 じ 償 却 方 法 が 適 用 さ れ る (ト ラク ター 、穀 物 収稽 用 コ ンバイ ン矛除 いた)農 業 機 械 、 用 具 と し て は 、 連 結
却 率 を 採 用 す る 。 そ の 方 が 、 償 却 計 算 に つ い て の コル ホ ー ズ の 会 計 担 当 者 の 仕 事 を 軽 滅 さ せ る か ら で あ る。 こ う し て 、
(48 )
る と こ ろ の 農 業 機 械 や 用 具 に は 、 作 業 度 に 応 じ た 償 却 率 を 設 定 す る と 非 常 に複 雑 に な る の で 、 取 得 価 値 に た いす る償
法 を 利 用 す れ ば よ い。 だ が 、 農 業 活 動 の 短 い期 間 (
播 種期 、 収 穫期 、 開墾期 )に の み 利 用 さ れ 、 ま た い ろ い ろ な 種 類 の あ
(437)
ソ ビエ トに お け る減 価 償 却 論 争 ㈲
一
71
1,825
1,955
40.5
42.5
2.9
39.0
33.1
13.0
10.9
1.7
2.4
3.6
2.2
3.2
た
倍
か
合
し
何
場
較
は
の1958年
比
と
1953年
倍
し
た
合
何
場
較
論
4,502
は
学
69.1
比
770
547
18.3
13.2
29.9
・・…'■
一
1,250
と
4,211
1957・
度
年
か
1,338
の1958年
93.3
一 ・・・…
4,125
1937年
9.4
…
・・・・・…'・'
3.9
14.0
1953・
78.2
一 ・・・…'・
3.1
289
1950・.・
32.6
1958…
59
428
■■■・・・・・・・・・・…
47
3,061
令・・・・・・・・…
1,534
123.7
….…..........._
243.5
・■■・・・・…s
一+・・・…i・
1937…
ル
ブ
一
1,000ル
(1,000)
ク タ ー
ル)
粥
不分割螂 貨幣囎 不分割齢1鱗
農 地(へ
農 地100ヘ
ク
ター ル の平 均
1コ ル ホ ー ズ の 平 均
年度 末 に
お け る コ
ル ホー ズ
の 数
72
叢一
商
一
(438)
第53表
〔出 所 〕n.Jlo3a,Co3双aHHeΦoH及aaMopTB3aUMHBKonxo3ax.<BofipocblsKOHo-
MHKH》1960.No.3cTp.140.
こう し た 農業 機 械 や 用 具 は、 減 価 償却 控 除 率 作 成 のた め の方 法
論 的 指 令 (一九 五九 年 )に よ って 、 つぎ の よ う な 分 類 と 耐 用 年 数 を も
つべき であ ると さ れ て いる。
鋤 、耕 作 機 、 土 地耕 作 機 、
ト ラ ク タ ー 牽 引 機 、 そ の他 の
てん さ い収 穫 機 、 じ ゃが いも 掘 取機 、
八 年 ∼ 一〇 年 の 耐 用 年 数 の も の 1
播 種 機。
八年 の耐 用年 数 のも のー
綿 収 穫 機 、あ ま 収 穫機 。
六年 ∼ 八 年 の 耐 用 年 数 の も のー
農 業 機 械。
こ の 指 令 に つ い て パ ァ ハモ フ は 異 議 を の べ る。 こ の 分 類 で は 、
一グ ル ー プ に各 種 の ⋮
機械 を 混 同 さ せ て い る 。 た と え ば 、 特 殊 発 動
機 を つけ て い る 収 穫 機 と そ れ を つけ て い な いも の と が 混 同 さ れ て
い る し 、 畑 仕 事 の ほ と ん ど 全 シ ー ズ ン に わ た っ て利 用 さ れ る 土 地
耕作 機 (
鋤、 ま ぐわ 、耕 作 機) と 、 播 種 期 と い う 短 い期 間 の み 利 用 さ
れ る播 種 機 と が 混 同 さ れ て いる。 ま た、 畜 産 部門 の機械 化 と この
分 野 の 今 後 の技 術 的 進 歩 を 考 慮 し て 、 畜 産 用 機 械 を 一グ ル ー プ に
(49 )
独 立 さ せ る こ と が 望 ま し い。 こ う し て 、 パ ァ ハモ フ は つぎ の よ う
な分 類 と耐 用年 数 を提 案 す る。
一
73
ソ ビ エ トに お け る減 価 償 却 論 争 ⇔ 一
(439)
第54表
ス タ ヴ ロ ポ リ地 方
1957年1・958年
固 定 資 産(畜 産 家 畜 を 除 く,
100万 ル ー ブ ル)1,149・2
ベ ル ゴ ル ド州
ア ル タ イ地 方
1957年1958年
五,597.4
1,116.5
1957年llgSS年
2,215.9
661.1
1,010.7
1,266.3
237.9
497.1
内 訳:ト ラ ク ター,そ の 他
の 機 械 団,.農 業 機 械 お よ び
用 具,器 具,設 備,運 送 手
段:100万
ル ー ブ ル340.9
674.1
458、4
固 定 資 産(畜 産 家 畜 を 除 く)
額 に 対 す る%29.7
42.1
41.1
57.2
134.1
71.4
182.8
固 定 資 産 価 値(畜 産 家 畜 を
除 い た もの)に 対 す る%5.6
8.4
6.4
8.2
トラ ク タ ー,そ の 他 の 機 械 団,
農 業 機 械 お よ び 用 具,器 具,
設 備,運 送 手 段 の 減 価 償 却
金 額(100万 ル ー ブル)
91.2
138.2
62.0
固 定 資 産 価 値 に 対 す る%
13.6
10.9
12.4
固 定 資産(畜 産 家 畜 を 除 く)
の 減 価 償 却 金 額 に 対 す る%
68.0
75.9
固定 資産 の減価 償 却金 額
(100万 ル ー ブ ル)64・0
35.9
49.0
41.4
89.3
8.8
6.2
「69・5
〔出所 〕n.Jlo3a,Co3AaHHeΦoH八aaMopTH3aUHHBKo皿xo3ax.
《BonpOCbI
9KoHoMHKH》1960.No.3cTp.142.
七年 ∼ 八年 の耐 用 年 数 のも の1
具 。
耕作 機 と用
播 種機 。
特 殊発 動機 を も っ
そ の他 の
農業器
畜 産 用機 械 。
八年 ∼ 九年 の耐 用 年 数 のも の1
八年 の耐 用年 数 のも の1
た収 穫 機。
八年 の耐 用年 数 のも のー
八年 ∼ 一〇 年 の耐 用年 数 のも のー
農 業 機械 、 用具 。
一〇年 ∼ 一二年 の耐 用年 数 のも のー
具 (馬力 によ るも の)。
(
右 にみ た農業 機 械 お よ び用具 の分類 は、 前 論文 で
提 案 し て いた固定 資 産 の分類 の00項 目 ﹁そ の他 の農業
機械 お よ び用 具﹂ のさら に細 目 にわ たる内 訳 であ る)。
﹁経 済 学 の 諸 問 題 ﹂誌 (一九 六〇年 第 三号 )上 に、
(50 )
ロー ザ ァ の論 文 ﹁コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却
基 金 の 創 設 ﹂ が 発 表 さ れ た 。 こ の論 文 で ロー ザ
ァは 、﹁コ ル ホ ー ズ は 減 価 償 却 基 金 を 創 設 で き る
第55表
4.4
6.5
23.1
23.2
23.1
76.0
78.4
52.2
ア ル
3.5
3、8
7.0
18.3
ル
ゴ ル
ト
州
4.4
4.2
6.1
21.8
20.7
24.8
62、9
67、6
45.2
20.6
23.3
61.6
62.3
48.0
ゴ ー
リ キ
ー
州
6.7
7.0
8.2
40.1
40、9
43.5
51.2
45.1
42.0
ン 州
6.1
7.3
7.0
36.8
42.0
32.8
43.6
37.5
41.1
ベ
ニ
リ ー
カ
固定 資産 の減 価 償 却 金額(%)
固 定 資産 減 価 償
却額 に対 す る大
修 繕 の費 用(%)
学
4.4
地 方
74
商
ス タ ヴ ロ ポ リ地 方
タ イ
叢一
ヨム
ロ1田
(440)
貨 幣 所得 に 対 す る%
不 分割 基 金 控 除
に 対 す る%
一A
1956年11957年11958年
1956年1957年11958年1956年11957年11958年
56年
〔出 所 〕n.Jlo3a,Co3AaHMeΦoH丑aaMopTH3aunHBKonxo3ax.《BonpocbigKoHo-
MHKH》1960.No.3CTP.142.
(51 )
十 分 な 可 能 性 を も っ て い る ﹂ こ と を 具 体 的 資 料 に よ って実 証 す る 。
一九 五 九 年 ソ 連 邦 共 産 党 中 央 委 員 会 一二 月 総 会 は 、 社 会 経 済 の 発 展 に 応
じ て 、 コ ル ホ ー ズ 員 の総 会 決 定 に よ って 貨 幣 所 得 か ら コ ル ホ ー ズ 不 分 割 基
金 への控 除 を 増 大 さ せ る 必 要 の あ る こ と を 強 調 し た 。 第 53 表 は 、 コ ル ホ ー
ズ の 貨 幣 所 得 と 不 分 割 基 金 の 増 大 に つい て の資 料 で あ る。 コル ホ ー ズ の 強
化 は 、 零 細 コ ル ホ ー ズ の統 合 と コ ル ホ ー ズ の 生、
産 手 段 の 増 大 に よ って お こ
な わ れ 、 そ の 結 果 は 、 単 位 面 積 の 総 生 産 物 と 商 品 生 産 物 の量 を 増 大 さ せ る
と いわ れ て い る 。 不 分 割 基 金 は 、 生 産 手 段 の 拡 大 の た め の 重 要 な 源 泉 と な
って い る の で あ る 。 ロー ザ ァは 、 こ こ で つぎ の よ う に いう 。
﹁
今 日、 不 分割 基 金 は、磨 損 し た対 象物 の取 り 替 え と拡大 再 生産 のため の、 生産
(52 )
的 固定 資産 の源 泉 とし て役 立 って いる。 し かし、 現存 計算 方 法 のも とで は、 不 分割
基 金 の 資 金 が ど の よ う に支 出 し た か を 、 決 定 す る こ と は で き な い の で あ る 。﹂
こ の た め 、 国 有 企 業 に存 在 す る 減 価 償 却 基 金 と 同 様 な 計 算 方 法 を 、 コ ル
ホ ー ズ に も 創 設 す る 必 要 が あ り 、 そ れ は 可 能 で あ る と いう 。
第 54 表 は 、 コ ル ホ ー ズ の 固 定 資 産 と そ の減 価 償 却 額 の増 加 に つ い て の 資
料 で あ る 。 こ の 資 料 よ り 、 ス タ ヴ ロポ リ 地 方 、 ア ル タ イ 地 方 、 ベ ル ゴ ル ド
州 の コ ル ホ ー ズ の 固 定 資 産 の 減 価 償 却・
額 は いち じ る し く 増 加 し た こ と を 、
ま た、 ト ラ ク ター、 農 業機 械 な ど の固定 資 産 も 増 大 し て いる こと を、 知 る
(441)
一
ソ ビ エ トに お け る 減 価 償 却 論 争
75
こ と が で き る。
第 55 表 は 、 コ ル ホ ー ズ の 貨 幣 所 得 に お け る 固 定 資 産 の 減 価 償 却 の 比 率 と 貨 幣 所 得 か ら の 不 分 割 基 金 へ の 控 除 に お け
る 減 価 償 却 の 比 率 を し め し た も の で あ る 。 こ れ ら 二 つの 比 率 は 、 地 方 、 州 に よ って ひ ら き が み ら れ る が 、 ソ 連 邦 の 全
コ ル ホ ー ズ の 平 均 値 は 、 前 者 の 比 率 六 ・八 % 、 後 者 の 比 率 二 九 ・六 % で あ る 。 し た が っ て 、 一九 五 八 年 の 時 5
1⋮で は 、
ゴ ー リ キ ー 州 と カ リ ー ニン 州 に つ い て の 二 つの 比 率 は 平 均 値 以 上 で あ る こ と が わ か る 。
以 上 の 第 54 表 と 第 55 表 の 資 料 か ら 、 コ ル ホ ー ズ に お い て 減 価 償 却 基 金 を つ く る こ と の で き る 十 分 な 条 件 が あ る 、 と
ロー ザ ァは 主 張 す る 。
ソ フホ ーズ 、 コルホ ーズ の会計 担 当 者 の見解
苫 m日 § 名 目 ω貸 § ・匂需 ↓
﹁コ ル ホ ー ズ と ソ フ ホ ー ズ に お け る 会 計 と 財 務 ﹂ 誌 に 発 表 さ れ る よ う に な っ て き た 。 こ う
ソ ビ エト農業 にお け る減価 償却 問 題 が解 明 さ れ て いく な か で、 ソ フ ホー ズ や コ ルホー ズ に お いて実 際 に経 理 を 担当
コ
珊
︹
し て いる実 務 家 の見解 も、
﹁コ ル ホ ー ズ に お け る 畜 産 家 畜 の 減 価 償 却 を 再 建 す る ﹂ (︽ ロd塁 。×吉
P " 勺69 臣 匡
自国 ぎ 雲 匡 窪 。胃 国ω貰 国見 望逼。↓ 国
民 8 ロ×8 恥×二 ⑩曾 . 2ρ一 自 ℃・膳べ∼ ﹄P︾ )。
P o。こ 曽 8 ↓畠 。・・胃 ぴ § 名 § ,
ツ ィ ブ ル ス キ ィ ス ﹁減 価 償 却 の 計 算 問 題 に よ せ て ﹂(︽ 口呂 ぺ目 良 碧 ﹀・コ こ 民 切。昌苫 逗
し た 実 務 家 の 見 解 と し て つぎ の も の を あ げ る こ と が で き る 。
①
ビ ィノ ク ヴル
国 曾臣 臣 o記 ℃ロ 民o自 8 爵 出 8 巽 8 9 ・S Φρ ZoμO 自 勺'N一∼ N︹。・
︾。
②
(︽ ﹀累菖 家皇 窪 畠
・・ ぎ 自 8 翼 ●望器 弓 寓 ◆臣 臣 ⇔胃 od 民o目 8 爵
﹁減 価 償 却 率 は 現 実 的 か ﹂
国 8 匂ロ×8 9 .お Φゲ Zo・一 口 や 命⑩∼ 凱ρ︾ )。
ア マ ン マメ ド ブ
8 長 8 目 呂 胃 目 od出角 o 舞 o目
③
◆目 ◎碧 匡 国 次o自 8 貰
こ れ ら 実 務 家 は 、 実 際 の 会 計 実 践 の 経 験 に も と つ い て 意 見 を の べ て い る 。 た と え ば 、 ツ ィ ブ ル ス キ ィ ス は 、 第 56 表
豚
Noユ3
群
2
家 畜 小 屋
2.7
40,000
1080∼00
豚
2.7
40,000
1080∼00
一
No.13
1350∼00
叢
論
学
若 い家 畜
50,000
;;1=麗1=cl
2.7
屋
.《yqeTMΦHHaH「出 所 〕A・n・1-IH6y孤bcKHc,1《BonpocyyqeTaaMopTva3aUraH
No.13
舎
小
度
年
内容
搾 乳 群
牛
3
㌫ 副 篇半副車
一
一一
の名 称 と
No.
337∼501337∼50
1
相
手
勘
定
支出項
目また
は経 済
部門
半 期
そ の う ち,四
除
控
却
償
価
減
固定資
産 のバ
ラ ンス
価値
年度
減価
償却
率
(%)
固定 資産
度 の 減 価償 却 控 除 計算 帳 簿
第56表1961年
76
商
一
(442)
石 造,生 産 用
使途 の建物
等 友
cblBKoJlxo3axHcoBxo3ax》1960.No.iOcTp.22.
のよ う な減 価 償 却控 除 計 算 帳 簿 を 提案 し たり 、 ア マン マメド ブは、 ソ フホ
ー ズ に お け る 現 存 の減 価 償 却 率 は 低 い の で 、 経 営 活 動 の結 果 を 歪 曲 さ せ て
い る と し 、 償 却 率 の改 善 を 強 く 要 求 し て い る 。
(53 )
幻
セ ヌ ケ ェビ ィ チ ︽ nゆ畏 窃目 ︾ ︾ の 見 解
︹
﹁多 年 性 植 物 の 新 減 価 償 却 控 除 率 ﹂ な る セ ヌケ ェビ ィチ の論 文 が 、 ﹁
農
業 経 済 し 誌 (一九 六 一年第 四号)上 に 発 表 さ れ た 。 こ の論 文 で セ ヌケ ェビ イ チ
多年 性 植 物 の分類
コルホー ズ 、 ソ フホー ズ 、道 路 団 体 、灌 概 組 織 、
は 、 多 年 性 植 物 の減 価 償 却 に つ い て つぎ の よ う に の べ て い る。
A
(
公 益 部 門 の管 轄 下 に あ る 灌 木 や 果 樹 は 、 ソ ビ エト で は 固 定 フ ォ ン ド の組 成
の な か に含 ま れ る の で あ る 。 こ れ ら 多 年 性 植 物 は 、 物 的 富 の 生 産 と 労 働 者
(54 )
の 生 活 条 件 の 改 善 への 参 加 程 度 に﹄
15 じ て 、 つぎ の よ う に 、 セ ヌ ケ ェビ ィチ
住 民 が消費 す る果 実 、 茶葉 な ど を 確 保す る た めに、 栽 培さ れ て いる
に よ って 分 類 さ れ て いる 。
ω
風 水 の侵 蝕 か ら 地 盤 を 護 った り 、 霜 枯 れ 、 早 魅 、 乾 風 か ら 農 作 物 を
果 樹 園 、 灌 木 、 ぶ ど う 園 、 オ レ ンジ や 茶 の 園 。
②
汽 車 や 自動 車 の運 転 速度 を早 め、 そ の運 営費 を削 減 す る ため に役 立
護 る と こ ろ の 農 業 用 植 樹 ・植 林 。
③
って い る と こ ろ の 、 道 路 、 鉄 道 、 砂 利 道 路 に 沿 っ た地 帯 の 植 樹 ・植 林 。
ω
灌 概 組 織 の 生 産 性 、 経 済 性 、 耐 久 性 を 高 め る た め に 役 立 って い る と こ ろ の、 運 河 、 人 工 貯 水 池 の 岸 辺 の 地 帯 の
(これ は、 国有 森林 基
農 民 の 生 活 と 衛 生 条 件 の 改 善 に 役 立 ち 、 し か も ソ フ ホ ー ズ や コ ル ホ ー ズ の住 宅 地 帯 の 緑 化 に も な る と こ ろ の、
植 樹 ・植 林 。
㈲
木 材 を 生 産 す る 目 的 で 、 ス テ ップ 地 帯 や 耕 作 を し な い 土 地 の 砂 地 や 谷 間 に 植 林 さ れ た 森 林
公 園 や 辻 公 園 の植 樹 (これ は、 生産 的 フ ォ ンド で はな く消 費 フ ォ ンド に属す る )。
㈲
金 となり 、 そ の栽培 に ついやさ れ た費 用 の計 算 は、 ソ フホー ズ の固 定資 産 バラ ンスで お こな われ る)。
釦 - 讃 簸 謬 六叫 皿●罫 けヨ 誼併 醤
ロ自 ー 違 識 宙 面
b08 ー 唱 芯 田肝 瞭 官 薗
出u。 ー 蹄 愉誕 扉 θ 浮3 δ箆諭 扉 酋 樹
され蔑 苧
コ・・ぷ
翼
叩 ק
却 控 除 率 は、各 種 の多 年 性植 物 の経 済 的 に合 目的 的 な 耐 用期 間 を も と にし て決 定 さ れ る こと にな る。 この た め には、
の価 格 (
再生産価値)によ る更 新 と修 繕 に と って十 分 な も の でな け れば な ら な いと さ れ て いる。 し た が って、 新 減 価 償
ソ連 邦 ゴ スプ ラ ン の方 法 論 的 指 令 に よ ると 、多 年 性 植 物 の耐 用期 間 中 に蓄 積 さ れ る べき減 価 償 却 控 除 額 は、 現 時 点
の準 備 が、 農 業植 林 ・森 林 全 同 盟 科 学研 究 所 によ ってす す めら れ て いる。
(55 )
の 二 ・五 % の減 価 償 却 率 に 従 って 償 却 さ れ て い た の で あ る 。 だ が 、 現 在 、 多 年 性 植 物 の た め の新 し い減 価 償 却 率 作 成
今 日 ま で 、 す べ て の多 年 性 植 物 は 、 そ の 耐 用 期 間 や そ の 特 性 に 関 係 な く 、 そ の 価 値
多 量 の資 料 を 集 め 、 そ れ を分 析 し な け れば な ら な い。 各 種 の果樹 園 や灌 木 の更新 の た め の減 価 償 却 控 除率 は、 つぎ の
多 年 性 植 物 の減価 償 却 率
公式で算出され ることを、 ソ連邦ゴ スプ ランによ そ 藁
吟
(
ソ ビエ トに お け る減価 償却 論 争㈲ 一
(443)
一
77
学
(コ ペ イ カ)
(コ ペ イ カ)
第57表
減 価 償 却 控 除 率 1ツ ェ ン トネ ル あ た
(再 生産 価 値 に対 りの 生 産 物 原 価 中 の
す る%)
減価 償 却 控 除額
貴cTBa》1961.]No.4cTp.91.
(注 ) 果 実 の な る 植 物 の 残 存 価 値 は 、 一 ヘク タ ー ル あ た り 六 〇 ∼ 七 〇 ルー
ブ ル と し て決 定 さ れ て い る 。 イ ー ・ヴ ェー ・ミ チウ ー リ ン名 称 園 芸 場
の ため の明瞭 な 基準 を 与 え、 ま た固定 フ ォ ンド の こ の種 のグ ループ の更 新
程度 を より 正確 に考 慮 し、 そ の バラ ンス評 価 価格 を 調整 し、 来 る べき 撤去
﹁新 し い差別 的減 価 償却 控 除率 は、 農業 生 産 にお け る多年 性植 物 の参 加
ケ ェビ ィ チ も こ の 差 別 的 減 価 償 却 率 に 賛 成 し て 、 つぎ の よ う に いう 。
地帯 に 応 じ て差 別 さ れ て いるも のを推 薦 し て いる こ と にな る。 セ ヌ
い る。 第 58 表 を 一見 す れ ば 、新 し い減 価 償 却 控 除 率 は 、樹 木 の種 類 と
新 し い 減 価 償 却 控 除 率 と し て 第 58 表 の よ う な 基 礎 的 指 標 を 推 薦 し て
る。 農 業 植 林 ・森 林 全 同 盟 科 学 研 究 所 の 資 料 に よ る と 、 防 禦 森 林 の
は 、樹 木 が 毎 年 成 長 増 加 す る の で 、自 己 の 価 値 を 大 き く す る か ら で あ
計 算 が 複 雑 で あ る。 な ぜ な ら ば 、 固 定 フ ォ ンド の こ の 種 のグ ル ー プ
ま た 、 森 林 の た め の 減 価 償 却 率 は 、 建 物 や 機 械 の そ れ と 異 な って 、
全 同 盟 科 学 研 究 所 、 農 業 植 林 ・森 林 全 同 盟 科 学 研 究 所 お よ び ソ ビ エ ト
連 邦 農 業 省 の資 料 に よ る と 、 更 新 の た め の減 価 償 却 控 除 率 は、 第 57 表
HCneHHtiUOMHOrOneTHHMHaCa)K双eH朋M.《DKOHOMHKa
ど う 園 の 回 復 ﹂ な る 論 文 (﹁
農 業 経済 ﹂誌
一九 六 一年 第 三号 ) に よ って 考 察 さ れ て い る 。 だ が 本 稿 で は 、 そ の内 容 の 紹 介
(58 )
な お 、 多 年 性 植 物 の 減 価 償 却 問 題 の う ち 、 ぶ ど う 園 の そ の 問 題 は 、 ル ク ヤ ノ フ ︽ ロ旙 苫 き 。P ︾ の ﹁
減 価 償却 と ぶ
の 必 要 性 を 明 ら か に す る 。﹂
/
〔出 所 〕A.CeHKeBHq,HoBHeHopMblaMopTH3allvaoHHblxoTq-
のご と く で あ る 。
7.5∼9.9
(5
7)
漿 果 の 生 ず る草 木 お よび
灌 木(す
ぐ り属,す
ぐ り,
え ぞ い ち ご)
ー ブ ル)
3.7∼5.5
1.5∼2.0
種 の あ る 植 物(さ
くら ん
ほ,す
も も,せ
い よ うさ
く ら,あ
ん ず)
40∼80
2.0・
(ル
ceAbcKoroxo3兄
30∼60
・v2.4
同一 科 また は同 一種 内 の
異 種 の 植 物(り ん ご,な
し,ま る め ろ)
78
叢一
論
6鳴
商
一
(444)
ク ル 生 値 一)
ヘ 一再 価 ル ル
ー タ の産 ( ブ
, ,の
一)
掃建 充 用 ルル
清 再補 費( ブ
減 価 償 却控除率
年 植 保数 )
用 一の年 年
耐数 林 護(
6 0
5 6
2.001.30
5=60
0 0
0
0 5
1.50
4・=20
再 評価 に つ いて の論文
を 割 愛 さ せ て いただ く こと にす る。
幻
︹
一九 六 〇 年 九 月 一日 付 の ﹁コ ル ホ ー ズ に お け る 固 定 フ ォ
ン ド の再 評 価 に つ い て ﹂ な る ソ 連 邦 閣 僚 会 議 決 議 に よ って、
コ ル ホ ー ズ は 固 定 フ ォ ンド を 再 評 価 し な け れ ば な ら な く な
った と いう こ と は す で に 考 察 し た (
本章 第 3節 ② 参照 )。 決 議
が 公表 さ れ てか ら 、 コル ホー ズ の固 定 フ ォンド の再 評 価 の
意 義 や 手 続 や 日 程 な ど に つ い て解 説 し た 論 文 が 発 表 さ れ て
(︽ ロ恥§ 自 mo。 は 'づ二 〇 器 需 o貝Φ臣 ⑦ 9 出畠 臣 ×
バ ァ シ レ フ ﹁農 業 企 業 に お け る 固 定 フ ォ ン ド の 再 評
い る 。 こ う し た 論 文 と し て つぎ の も の が あ る 。
①
価 に つい て﹂
寓 8 0巨×8 良 ・一⑩詔 ◆Zo.Q。 自 唱・﹃∼ 一N.
︾ )。
◆8 這 ロ目 0 8 自 舞 o×8拍誉 ↓器 臣 法 × 昌 9 昌 臣 ↓§ ×・ 之山Φ弓 頴
■属日 胃 匡 ロ 苔 白×8 蓑
◆ 墨鵠①鶉O匡
ロロ ×O白×OωO× 国 ⇔Ooo×Oωロ×' 一〇ΦO・
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員 こ ○ 器 ℃のo暑 臣 Φ o窪 o田 ひ貝 ■o日 ood
ー キ チ ン ﹁コル ホ ー ズ の固 定 フ ォ ンド の 再 評 価 に
禺
N︽∼ NΦ・︾ )。
バ バ ヤ ン ﹁コ ル ホ ー ズ の 固 定 資 産 の当 面 の 再 評 価 に
p 一一 〇↓や
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つ い て ﹂ (︽ 出 臣 胃 目
②
③
170UO
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し や,に
か
自cTBa》1961.No.
《 二)KoHoMllKace刀bcKoroxo3只
roJeTHuMHaca》K双eHH牙M、
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あ
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え
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22070
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か
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し ら か ば,ぼ
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色 の地
地 質 一 南 方 黒 土,栗
乾 燥 ス テ ツ プ地 帯
2=94
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0.71
50
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ら
85
150
ら
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ま
だ い じ ゆ,に
80
2=38
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0、58
130
1.25
80
ま
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2==30
180
0.28
100
1.00
し
か
通 の黒 土
地 質 一 漸 崩,普
林地帯
ス テ ッ プ地 帯 と ス テ ッ プ=森
繕 。)
更
新 匡
植 林1に 対 す
る 合 計(ル ー
ブル と コペ イ
再 生産 価 値 に
対 す る%
グ ル ー プ
植 林 の
(445)
ソ ビエ トに お け る減 価 償 却 論 争⑭ 一
一
79
第58表
〔幽 所 〕A.CeHKeBHq,HoBb1eHopMblaMopTli3auHeHHblxoTqHcJleHH□rroMHo-
4CTP.92.
学
よ せ て ﹂ (︽ 切豊 o臣
コー チ ネ フ
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(再 評
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×oω愚 o畠 P 戸OΦゲ
︾ ・、 ×艮
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︾ )。
﹁コ ル ホ ー ズ に お け る 固 定 フ ォ ン ド の 再 評 価 を い か に 組 織 化 す る か ﹂ (︽ ×o臣 9
20・ 心 O↓唱・一〇︽∼ 一〇Φ.
︾ )。
④
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O↓O. OΦ・
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一分 冊 九 九 頁 。
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﹁ソ 同 盟 共 産 党 第 二 〇 回 大 会 ﹂ 日 本 共 産 党 中 央 委 員 会 訳
弓 O唱ぴ×陶Φ切① ω二
6↓唱● ︼命O∼ 一〇〇.
↓自苦 民 P
づ O唱ぴ民陶O切① ωこ ↓ ①苦 葵 P
切 ぺ出誠ぷ 目 二 ↓ 恥苦 民 P
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切 菖 民ぷ コ こ ↓ O哀 ︼宍P
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切 ∨国国山 ﹃[ 、 ↓ 四客 × P
(以 上 は 、 主 と し て 論 文 の
こ れ ら 論 文 の内 容 は 、 す で に 多 少 と も 考 察 し て あ る の で 、 こ こ で は こ れ 以 上 触 れ な い こ と に し て 、 割 愛 す る
価 問 題 は、 別 の 機 会 に ゆ ず る )。
))))))))))))
(×o目 臣
以 上 が 、 ソ ビ エト 農 業 に お け る 固 定 フ ォ ンド の新 減 価 償 却 率 作 成 に つ い て の諸 見 解 で あ る
形 態 で 発 表 さ れ た も の を 究 明 し た にす ぎ な い。 書 物 も あ る が
121110987654321
一ΦΦド )、 そ の 考 察 は 割 愛 し た )。
80
叢一
ユ
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商
一
(446)
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(447)
ソ ビエ トに お け る減 価 償 却 論 争 ⇔
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(449)
ソ ビエ トに お け る 減 価 償 却 論 争 ㈲
83
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(57 )
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諸 見 解 の意 義
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(58 )
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戸邑
. 2。.
以 上 わ れ わ れ は 、 M T C 改 組 後 の ソ ビ エ ト農 業 に お け る 新 減 価 償 却 率 作 成 に 関 す る 諸 見 解 を 考 察 し て き た 。 こ れ ま
で の 諸 見 解 に よ って 、 ソ ビ エ ト 農 業 に お け る 減 価 償 却 の 意 義 と 内 実 お よ び そ の制 度 や 手 続 な ど が あ き ら か に さ れ てき
た 。 M T C 改 組 後 、 コ ル ホ ー ズ は ト ラ ク タ ー 、 コ ン バ イ ンな ど の農 業 機 械 を み ず か ら 所 有 す る こ と に な った 。 こ の た
め 、 減 価 償 却 概 念 を コ ル ホ ー ズ 生 産 へ導 入 し 、 コ ル ホ ー ズ に お け る 減 価 償 却 制 度 を 確 立 さ せ る と い う 問 題 が 、 ソ ビ エ
ト 農 業 に お け る 減 価 償 却 問 題 のう ち 、 と り わ け 重 要 な 緊 急 課 題 と な った 。 そ し て 、 こ の 緊 急 課 題 に た いし て多 数 の 論
(注 )
者 が 、 主 張 や 提 案 を し た の で あ る 。 こ の 主 張 、 提 案 、 見 解 は 、 つぎ の点 に そ の 意 義 が あ る よ う に 思 わ れ る 。
(注 ) た と え 、 コ ル ホ ー ズ 生 産 に は 減 価 償 却 を欠 如 し て い た と は い え (コル ホ ー ズ が M T C の 技 術 援 助 を う け て いた も と で は 、
減 価 償 却 の 欠 如 は む し ろ当 然 で あ り 、 そ の条 件 の も と で は 、 欠 如 し て い た こ と が妥 当 で あ っ た と い え る )、経 済 的 に基 礎 を も
ち 科 学 的 に組 織 化 さ れ た 会 計 制度 が 、 農 業 部 門 に 現 存 し て い た こ と は 、 そ れ 自 体 す で に 資 本 主 義 と 比 較 し て の 社 会 主 義 経 済
制 度 の優 越 性 を し め し て いる と い え る 。
資 本 主 義 のも と で は 、 農 業 簿 記 の普 及 が 叫 ば れ 、 ま た 、 一部 に は 導 入 さ れ 実 施 さ れ て い る 。 し か し , わ が 国 に お い て 農 業
簿 記 の ﹁導 入 を 強 行 し て い る の は 、 農 家 は ﹃租 税 源 泉 ﹄ で あ り 、 ま た 、 低 米 価 低 賃 金 経 済 構 造 の基 底 を な す と こ ろ の食 糧 生
産 経 営 で 、 か っ﹃労 働 力 給 源 ﹄で あ る こ と で 、 独 占 の支 配 は、 税 収 奪 と労 働 力 収 奪 に 具 現 し 、 こ の た め の 合 理 化 手 段 と し て 、
三 七 一頁 )。 こ う し た 農 業 簿 記 の 上 か
農 家 簿 記 の 記 帳 を 要 求 し 、 こ の 資 料 に よ って農 民 自 身 に 源 泉 の 枯 渇 を 防 止 す る 方 途 を み い だ さ せ る た め 、 記 帳 を 要 求 し 、 普
及 を 強 化 し て い る の で あ る ﹂(﹁現 代 経 営 会 計 講 座 - 戦 後 日 本 の 経 営 会 計 批 判 ﹂ 第 四 巻
ら の 導 入 と 普 及 の た め 、 ﹁建 物 、 大 農 具 、 家 畜 等 の ﹃減 価 償 却 ﹄ も 、 な お 工 業 に 比 し て 、 そ の償 却 期 間 が 長 く 、 費 用 計 上 が
比 較 的 過 少 に な さ れ て い る 。 こ れ が 租 税 収 奪 に お い て 農 家 負 担 を 過 重 にす る。 農 産 物 価 格 の決 定 に際 し て も 、 ﹃自 家 労 働 ﹄
叢
84
一
商
学
芸ム
6冊
(450)
の評 価 、 ﹃減 価 償 却 ﹄ 率 の決 定 が 、 社 会 的 に っ ね に価 値 以 下 的 に な さ れ て い た ﹂ (前 掲 書 三 七 七 頁 )。 こ う し た 減 価 償 却 率 の
価 値 以 下 的 評 価 や 自 家 労 賃 の ゼ ロ的 評 価 な ど を 基 礎 に し た と こ ろ の、 独 占 資 本 の税 収 奪 と 低 米 価 、 労 働 力 収 奪 に と って 都 合
の よ い、 農 業 簿 記 の存 在 が 、 資 本 主 義 のも と で は要 求 さ れ て い る の で あ る 。
社 会 主 義 の も と で は 、 ソ ビ エト の ソ フ ホ ー ズ や コ ル ホ ー ズ に、 中 国 の 人 民 公 社 な ど に 、 そ れ ぞ れ 経 済 的 に基 礎 を も ち 科 学
的 に組 織 化 さ れ た 全 人 民 、 農 民 に 奉 仕 す る 会 計 制 度 が 存 在 す る 。 ソ ビ エト に お い て は、 社 会 主 義 農 業 の発 展 と 農 業 集 団 化 の
成 功 の過 程 で 、 ソ フ ホ ー ズ 、 コ ル ホ ー ズ 、 M T C に 、 そ れ ぞ れ の経 営 の特 徴 に応 じ た 適 切 な 会 計 制 度 が 確 立 し て い っ た の で
あ る 。 コ ル ホ ー ズ 会 計 制 度 に つ い て 、 マル グ リ ス ︽ ≧ o℃蔓 自肖 ﹀●
︾ は、 つぎ のよ う にの べて いる。 コルホー ズ とM TC の
出 現 は 、 新 し い会 計 制 度 を つく った 。 コ ル ホ ー ズ 的 ・協 同 組 合 的 所 有 と コ ル ホ ー ズ にお け る 生 産 と 所 得 の分 配 の特 徴 に立 脚
し た 会 計 制 度 は、 財 産 と 費 用 の 三 っ の 測 定 ー 労 働 測 定 、 現 物 測 定 、 貨 幣 測 定 ー と い う い ま ま で に知 ら れ て いな か っ た新 し い
(︽ 芦 ロ肩 ぺ目 o >こ 切司肖 飴自 o唱∩臣 陣 苫 o↓ o OOO勺ム 已 臣 長 国 弓o⇔ぺ宕 習 吋。ロΦ臣 o弓o ペロO畠 ロー
ぺ吉 弓・お 零 .之。・一〇・n昌 ・お ・
︾ ) と。 そ の後 、 ソ ビ エト 農 業 会 計 制 度 は 一層 精 密 化 さ れ て き た の
独 特 の方 法 を つく り 出 し た
o臣 ぬ. 切ぺ肖 ロ自 ⇔℃舞 §
で あ る が 、 ソ ビ エト 農 業 制 度 の 一大 改 革 で あ る M T C の 改 組 と い う 新 し い段 階 の も と で 、 ソ ビ エト 農 業 制 度 は 、 再 検 討 さ れ
る こ と に な っ た の で あ る 。 そ の 再 検 討 の た め の 一つ の 争 点 が 、 コ ル ホ ー ズ への減 価 償 却 概 念 の 導 入 で あ り 、 農 業 に お け る 新
減 価 償 却 率 の 作 成 の 問 題 で あ った の で あ る 。
M T C の 改 組 前 、 M T C は コ ル ホ ー ズ 生 産 の機 械 化 に と って 重 要 な 役 割 を 果 た し て い て 、 近 隣 の コ ル ホ ー ズ の 生 産
技 術 を 指 導 し 、 一定 の契 約 の条 件 に 従 っ て コ ル ホ ー ズ を 援 助 し て い た。 そ し て 、 コ ル ホ ー ズ は 年 々春 に M T C と 作 業
契 約 を 結 ん で 、 そ の 一年 間 の M T C が コ ル ホ ー ズ に 援 助 す る 作 業 の 種 類 や 作 業 の 量 を 決 定 し た 。 農 作 物 収 穫 後 、 コ ル
ホ ー ズ は 現 物 で M T C へ作 業 代 償 支 払 い を し て い た 。 こ の M T C へ の現 物 支 払 量 は 、 M T C が ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ
(1 )
ンな ど で お こ な った 作 業 面 積 と 当 該 圃 場 で の収 穫 高 と に よ って 決 定 さ れ て い た 。 M T C へ の こ の 支 払 い は 、 す で に ②
の注 で考 察 し た よ う に、 コル ホー ズ にと っては 原価 要 素 と し て 認識 さ れ、 コルホ ーズ の生産 物 原 価 に算 入 さ れ て いた。
そ し て、 コ ル ホ ー ズ の 生 産 物 原 価 は 、 M T C への 支 払 い部 分 と 種 子 ・肥 料 の 経 費 、 栽 培 ・飼 養 の 経 費 な ど の 直 接 経 費
(451)
ソ ビ エ トに お け る減 価 償 却 論 争 ㈲
85
と 各 種 の 間 接 費 お よ び コ ル ホ ー ズ 員 の 労 働 日 の 原 価 か ら 構 成 さ れ て い た 。 いま 、 コ ル ホ ー ズ の 生 産 物 原 価 の う ち 、 M
T C への 支 払 い と コ ル ホ ー ズ の直 接 費 、 一部 の間 接 費 は 、 C 部 分 (
原 材料 費 や固定 資産 の減価 償 却費 な ど の部分 )に 相 当 す
るし 、労 働 日 の原価 は 、V 部 分 (
賃 金 の部 分 )に 相 当 す る 、 と 考 え る な ら ば 、 M T C への 支 払 い部 分 は 、 た と え M T C
の 所 有 の ト ラ ク タ ー や コ ン バイ ン で あ る に せ よ 、 コ ル ホ ー ズ に と って は 、 ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ ンな ど 農 業 機 械 の 減
価 償 却 費 部 分 に該 当 す る こと にな る。
と こ ろ が 、 M T C の 改 組 後 、 コ ル ホ ー ズ が ト ラ ク タ ー や コ ン バ イ ンを は じ め と す る ほ と ん ど の 種 類 の農 業 機 械 を 所
有 す る よ う に な る と 、 コ ル ホ ー ズ は 生 産 物 原 価 の 計 算 に さ い し て 、 C 部 分 の う ち の減 価 償 却 費 を コ ル ホ ー ズ 自 身 で 厳
格 に 算 定 し な け れ ば な ら な く な る 。 こ の こ と の た め に は 、 コ ル ホ ー ズ へ減 価 償 却 概 念 を 導 入 し 、 コ ル ホ ー ズ の 固 定 資
産 の た め の新 減 価 償 却 率 を 作 成 し 、 そ の 率 に も と つ い て 固 定 資 産 を 減 価 償 却 控 除 し な け れ ば な ら な い。 こ う し た 減 価
償 却 控 除 は 、 国 有 農 業 企 業 で あ る ソ フ ホ ー ズ で は 従 来 か ら お こ な わ れ て い た 。 し た が って 、.コ ル ホ ー ズ で も 減 価 償 却
控 除 を 実 施 す る よ う に な る と 、 農 業 生 産 物 の 原 価 計 算 の う ち のC 部 分 の 計 算 は 、 ソ フ ホ ー ズ も コ ル ホ ー ズ も ほ と ん ど
(注 )
同 一の 計 算 方 法 に な る こ と に な る の で あ る 。
(注 ) ま た 、 そ れ だ け で な い。 コ ル ホ ー ズ の労 働 の 評 価 基 準 で あ り コ ル ホ ー ズ 員 の収 入 の算 定 基 準 で あ る 労 働 日 を 廃 止 し 、 ソ フ
ホ ー ズ と 同 様 な 労 働 に た い す る 支 払 い 形 態 に近 づ い て 、 ゴ ル ホ ー ズ が 労 働 時 間 に も とつ く 賃 金 支 払 い 方 法 を採 用 す る こ と に
な れ ば (M T C の改 組 後 、 こ う し た提 案 が み ら れ る )、 生 産 物 の 原 価 計 算 の う ち の V 部 分 の 計 算 に お い て も 、 ソ フ ホ ー ズ と コ
ル ホ ー ズ は 同 一の計 算 方 法 を と る こ と にな る 。
こ う し て 、 コ ル ホ ー ズ が ほ とん ど の 種 類 の 農 業 機 械 を 所 有 し 、 コ ル ホ ー ズ の特 徴 の 一つで あ った 労 働 日 を 廃 止 し 、 ソ フ ホ
ー ズ と 同 一の 原 価 計 算 方 法 を 採 用 す る こ と にな る と 、 コ ル ホ ー ズ 経 営 と ソ フ ホ ー ズ 経 営 と は 、 内 容 的 に は 同 じ で あ る こ と に
な る 。 異 な る の は 、 ソ フ ホ ー ズ は 全 人 民 的 所 有 で あ り 、 コル ホ ー ズ は コ ル ホ ー ズ 的 ・協 同 組 合 的 所 有 で あ る と いう 、 所 有 形
態 の差 異 と いう こ と にな る 。 そ こ で 、 コ ル ホ ー ズ 的 所 有 を全 人 民 的 所 有 へと し だ い に接 近 さ せ 、 将 来 は 単 一の 共 産 主 義 的 所
叢
学
商
有 に融 合 さ せ る た め の 条 件 と し て 、 コ ル ホ ー ズ 経 済 を 一層 繁 栄 さ せ、 ﹁コ ル ホ ー ズ 内 部 の諸 関 係 ﹂ を 改 善 さ せ る こ とが 必 要
と な る 。 つま り 、 生 産 の社 会 化 の 程 度 を た か め 、 基 準 作 業 量 のき め 方 、 労 働 組 織 、 労 働 に た い す る支 払 い を 国 有 企 業 の水 準
と 形 態 へ近 づ け 、 月 間 保 障 支 払 い 制 へ移 行 し 、 社 会 的 サ ー ビ ス (公 共 給 食 、 保 育 所 、 幼 稚 園 、 日 常 生 活 施 設 そ の他 ) を 広 く
発 達 さ せ る よ う に し な け れ ば な ら な い 。 社 会 主 義 か ら 共 産 圭 義 への 移 行 の 過 程 に お い て は 、 ま た 、 農 業 と 工 業 と の 有 機 的 結
合 を 一段 と深 め 、 農 村 と 都 市 と の い ろ い ろ な 点 で の 差 異 を解 消 さ せ な け れ ば な ら な い。 工 業 か ら お く り だ さ れ て き た高 度 の
技 術 で 装 備 さ れ た 最 新 の 農 業 機 械 設 備 を 、 コ ル ホ ー ズ 員 大 衆 自 身 に よ っ て運 営 ・管 理 さ れ る こ と が で き る の は、 コ ル ホ ー ズ
農 民 の労 働 の 質 、 労 働 資 格 の向 上 を し め し て い る の で あ り 、 農 民 の 労 働 が 工 業 労 働 者 の 労 働 と 質 的 に 同 一に な り え る 条 件 を
し め し て い る の で あ る 。 さ ら に、 コ ル ホ ー ズ と ソ フ ホ ー ズ と の間 の 、 ま た こ れ ら 両 者 と 地 元 の 工業 企 業 と の間 に 、 各 種 生 産
共 同 組 織 が つく ら れ て い く な か で 、 農 業 は 工業 企 業 の合 理 的 な 専 門 化 と 協 業 化 のも と で 農 産 物 の 工 業 的 加 工 と有 機 的 に結 合
す る 。 こ う し て 、 農 民 の労 働 は 工 業 労 働 者 の労 働 の 一変 種 とな り 、 さ ら に ま た 一方 、 農 村 、 コ ル ホ ー ズ 村 に お け る 都 会 風 の
居 住 地 、 公 共 サ ー ビ ス、 厚 生 施 設 、 文 化 .医 療 諸 機 関 の 建 設 と 、 他 方 、 都 市 に お け る緑 地 帯 の 建 設 は 、 つ い に は 文 化 ・生 活
条 件 に お い て 農 村 住 民 は 、 都 市 の住 民 と同 じ よ う にな る (以 上 の諸 点 は、 ソ ビ エト 連 邦 共 産 党 綱 領 第 二部 の う ち 、 ﹁農 業 の
発 展 と農 村 に お け る 社 会 的 諸 関 係 の 発 展 ﹂、 ﹁共 産 主 義 に む か う 途 ⊥ の コ ル ホ ー ズ と ソ フ ホ ー ズ 、 農 村 の 社 会 的 諸 関 係 の改 造 ﹂
の項 を と く に 参 照 の こ と )。
以 上 のよう な ソ ビ エト経済 発 展 の今後 の見通 し との関連 で、農 業 におけ る減 価償 却 問 題 を位 置づ け てみ る と、 こ の減価 償
却 論 争 は 、 社 会 主 義 か ら 共 産 主 義 への 漸 次 的 成 長 転 化 を 助 け る た め に 理 論 的 に解 決 し な け れ ば な ら な い 農 業 に お け る 会 計 問
題 の 一つで あ る 、 と いえ る の で あ る 。
こ う し た意 義 を も って いる コルホ ーズ に おけ る減 価 償 却 問 題 に た いし て、 多 数 の論者 がす で に考 察 し た よう な 諸 見
論 議 を発 展 さ せ た のであ る。
要
約
(1 ) 的 場 徳 造 氏 著 ﹁コ ル ホ ー ズ ﹂ 青 木 文 庫
㈲
= 一五 頁 以 下 参 照 。
解 を発 表 し、 総 体 と し て、 す でに先 行 し て展 開 さ れ て いた 工業 部 門 に おけ る減価 償 却 論 争 と の関 連 で、 農業 部 門 で の
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≡
…ム
,i冊
(452)
以上 、 ソ ビ エト農 業 にお け る減 価 償 却 問 題 に ついて の諸 見解 を考察 し た。 こ の考察 から 農 業 部 門 で の減 価償 却 論 議
の経 過 を つぎ の諸 点 に要 約 でき る であ ろう。
一九 五 八年 三 月 にはM TC の改 組 が お こな わ れ た。 こ の ため、 従 来 の ソビ エト農 業 制 度 は大 き な 改 革 をう け た。
こ の改 革 と平行 し て論 議 は進 展 し た。
解 明 さ れ ね ばな ら ぬ ソ ビ エト農 業 にお け る減 価 償却 問題 は、 多 数 輩出 し てき た。 だ が とく に、 コル ホー ズ 生産
への減 価 償 却概 念 の導 入を め ぐ って論 議 は展開 し た。
そ し て、 こ の コル ホー ズ に おけ る減価 償 却 問 題 に ついて の論 議 は、 コル ホー ズ の経 営 内 部 の諸 関 係 を ソ フホー
論 議 の最 後 の段階 で は、社 会 主義 から 共 産 主義 への漸 次 的移 行 期 にお け る減 価 償却 の意 義 と位 置 づけ に つい て
ズ の水 準 と形 態 に し だ いに接 近 さ せ る方 向 で、農 業 に おけ る減 価 償 却 の政 策、 制 度 に ついて の討 議 を 発展 さ せ た。
①
②
③
④
の問 題 が、 今 後 一層 究 明 さ れな け れ ば な ら ぬ課 題 と し て明 ら か にさ れ てき た。
ソ ビ エト農 業 にお け る減 価 償 却 論 争 の進 展 過程 は、 以 上 のご とく であ った。 わ れ わ れ は、 つぎ に、 工業 部 門 と農 業
部 門 でお こな われ た減価 償却 論 争 の成 果 を基 礎 にし て作 成 さ れ た新 し い減 価 償却 率 を究 明 しよ う。 ︹未 完 ︺
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ソ ビエ トにお け る減 価 償 却 論 争㈲ 一
一
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