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カリフォルニア・レーズンの健康維持における有用性

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カリフォルニア・レーズンの健康維持における有用性
【付記】
カリフォルニア・レーズンの健康維持における有用性
カリフォルニア・レーズン協会
健康栄養アドバイザー
栢野 新市 氏
畿央大学(奈良県)健康科学部 健康栄養学科 栢野新市教授は、 9 月 2 日に開催された「カリフォ
ルニア・レーズン協会 2014~2015 年対日プロモーション活動計画発表会」において、アメリカの食品
科学専門誌「Journal of Food Science 」に投稿されたカリフォルニア・レーズンの 5 本の研究論文から
「レーズンの摂取が血糖値、インスリン、および血管危険因子に及ぼす影響」、および「レーズンの口腔衛
生」の 2 つの総説についてスライドとしてまとめ紹介しました。
まず、「レーズンの摂取が血糖値やインスリン、および血管危険因子に及ぼす影響」から、レーズンの特
長的な栄養成分には<ミネラル・食物繊維>があり、レーズンには成分検査で数値が検出される食物繊
維の総量( 3.7 ~ 5.1g/100g 中)に加え、ぶどうが乾燥する工程で生成される食物繊維成分 イヌリンが
100g 中 5.7g 含まれることに注目。冠動脈性心疾患、脳卒中、高血圧、糖尿病、肥満などの予防や
改善、血糖値や糖尿病に対する効果 、血中脂質の低減化、肥満予防などの効果が期待できる食物繊
維が、カリフォルニア・レーズンには多 く含まれていることを解 説。また、レーズンは豊 富なファイトケミカル
を含み、中 でも抗 酸 化 能 を有する多 様なポリフェノール類を含み、血 液の抗 酸 化 性を上 昇させ疾 病 予
防効果が期待できることも説明しました。
インスリンに与える影響として、レーズンは低~中 GI 値(グリセミック・インデックス値)および II 値(イン
スリン・インデックス値 )を示し、血圧に与える影響としては、レーズンに含まれる食 物繊 維、カリウム、ファ
イトケミカルが血圧を低下させる可能性があることを説明 。また、体重および肥満に与える影響としては、
レーズンに含まれる食物繊維が満腹感を高め食欲を減退させる可能性があること、また LDL の酸化感
受 性が有 意に低下 し、血 液の抗酸 化 性が有 意に上 昇したことから疾 病リスクを軽減する可 能 性も示 唆
しました。
また、口 腔 衛 生 領 域 では、虫 歯の原 因を説 明したうえでレーズンの効 果を解 説 。虫 歯の原 因として、
口腔内の低 pH ( 5.5 以下)によって虫歯菌の作り出す酸が増殖し歯のエナメル質を溶解すること、歯へ
の食物の付 着により歯の表面のエナメル質の溶 解 を促す、または歯表 面の細菌のバランスが崩れ悪 玉
菌 が増 加 することで虫 歯 が進 行 するなどを説 明 しました。そのうえで、レーズンの糖 分 の主 成 分 はブドウ
糖と果糖であり、実験では pH6 を下回ることはなく、虫歯菌の餌となるショ糖はほとんど含まれていないこ
とを解 説 。さらに、クッキーやバー製 品 と比 較 して、レーズンは口 腔 内 での滞 留 時 間 が短 く、歯 に付 着 し
やすい他の食物の残渣を除くレーズンの働きについても説明、加えて、レーズンの特徴成分であるオレア
ノール酸 、オレアノールアルデヒド、およびぶどうが乾 燥する工 程 で生 成されるヒドロキシメチルフルフラー
ルが虫歯菌の生育を阻害する働きがあることを解説しました。
栢野教 授は、このようにカリフォルニア・レーズン協会 本部が行った複数の臨 床 試験結 果を用い解説、
上記 2 本の論文の結論として、レーズンの摂取はインスリン、血圧、肥満、疾病リスクに有用な影響を与
える大きな可能性を持ち、口腔衛生への有用性として、レーズンは虫歯の原因とはなりにくく虫歯の生育
を阻害する働きを持つと結びました。
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