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9.バリアフリー (1)道路及び広場
せお福祉まちづくり計画 2011.1 住民が見た福祉のまちづくり「ユーカリが丘」 9.バリアフリー (1)道路及び広場 ニュータウン内の主要な幹線道路、準幹線道路は、街路樹付きの歩道のある歩車分離方 式で整備されています。その多くの道路は、開発当初の道路構造令*1 に基づき設計・整備 されているため、歩道全体を持ち上げるマウントアップ形式*2 です。そのため、交差点に は段差があり、住居への車両乗り入れ部等の歩道切り下げにより波打ちの歩道となってい ます。最近に整備された国道 296 号の歩道は、民地とのすりつけ等の関係から道路との段 差の無いフラット形式*2 で整備され、同時に側溝の暗渠化も行われたことにより、広い歩 行空間が確保され、歩きやすくなりました。 新しい街区の道路の交差点には、舗装材や色彩の変化を付けたイメージハンプがありま す。電信柱等は、歩行の妨げにならないよう、歩道がある道路では植栽帯の中に、歩道が 無い道路では宅地内に切り込んで建てられています。 ユーカリが丘駅周辺には、視覚障害者誘導用ブロック(通称:点字ブロック)が整備さ れています。ただし、整備された時期や設置者の違いにより、数タイプ見られます。また、 同駅周辺は、 「喫煙禁止区域」や「自転車等放置禁止地区」です。歩道への放置自転車、看 板のはみだし等が無く、良く管理されています。 *1 道路構造令;道路構造令は、道路の構造の一般的技術基準を定めたものです。昭和 33(1958) 年に初めて公布・施行された道路構造令で第四種の道路(市街地道路、設計速度 50km/時) には歩道を設けることと、自動車交通に対し歩行者の交通安全上の配慮から歩道を車道より一 段高くすることを定められました。 *2 歩道の構造形式;歩道の構造形式には、①フラット形式(歩道と車道の高さが同一で、縁 石で歩道と車道を分離) 、②セミフラット形式(歩道が 5cm 程度車道より高く、縁石の上端が 歩道より高い) 、③マウントアップ形式(歩道と縁石の上端の高さが同一)の3種類がありま す。長らく③マウントアップ形式が採用されてきましたが、現在は一般的に②セミフラット形 式を標準として歩道整備がされています。 《ちょっと一言》 ~自宅周辺道路のバリアの点検~ バリアフリーの基本は、連続性です。自宅から最寄りの山万ユーカリが丘線の中学校駅までの 車いすでの移動しやすさを確認してみました(この項の最後に、写真をまとめて付けました。)。 自宅から歩道に出るためには、手すりはありますが数段の階段があります(写真①)。車両乗り 入れ部の切り下げが植樹帯の幅の中で処理されているため、歩道部は波打ち状態ではありませ んが、マンホール等の周辺が凸凹であったり、街路樹の根により歩道が膨らんだりしています(写 真②)。マウントアップ方式の歩道高さからの交差点部のすりつけのため、きつい勾配です(写真 ③)。最近整備された幹線道路の交差点は、緩いスロープのすりつけです(写真④)。駅に向かう 途中に歩行者専用道があります。街路との間に段差があり、市販のすりつけブロックが置かれて います(写真⑤)。中学校駅は一段下がっていますが、手すり付きのスロープが設置されていま す(写真⑥)。ただし、ユーカリが丘駅には、エレベーターがありませんので、車いす利用者は、介 助を受けなければユーカリが丘駅では、外に出ることができません。 《もう一言》 最近、義母(当時 84 歳)と車いす(介助者が押すタイプ)利用で東京(後楽園球場まで野 球見物)に向かいました。ユーカリが丘駅ばかりでなくどこの駅員も後楽園の方々も利用者支援を当た り前と対応していただきました。感謝! 幹線道路/歩道幅の広い街路樹付きの歩道です 準幹線道路/幹線道路と比べ歩道幅は尐し狭く なりますが、同じく街路樹付きの歩道です (小学生の集団下校状況です) ニュータウン内は、従来型のマウントアップ形式 最近、整備された国道 296 号線の歩道/フラッ の歩道/住居への車両乗り入れ部等で歩道を切 ト形式の歩道で、民地とのすりつけと同時に側溝 り下げるため、波打ちが見られます の暗渠化も行われました 幹線道路の歩道は、自転車の通行も可です。自転 新しい街区の道路の交差点には、舗装材や色彩の 車と歩行者の接触等、安全への配慮が必要です/ 変化を付けたイメージハンプ*が整備されてい 右上の青い標識には「この歩道は自転車もとおれ ます ます」と記されています *イメージハンプ;安心して歩ける道づくりのための手法の一つ。ハンプは、車のスピードを制限する ために路面を盛り上げたもの。イメージハンプは、路面を盛り上げずに舗装材や色の違いにより注意喚 起を図るタイプ。 ユーカリが丘駅北口のペデストリアンデッキ・エ ユーカリが丘駅南口広場一階の視覚障害者誘導 レベーター前の視覚障害者誘導用ブロック 用ブロック/複数タイプの点字ブロックが見ら 写真の上部に「喫煙禁止区域」のマークが見られ れます/手前の点字ブロックは景観配慮型。判別 ます しにくい色です ユーカリが丘駅南口の商業ビルの二階の視覚障 京成ユーカリが丘駅切符売り場前の視覚障害者 害者誘導用ブロック 誘導用ブロック 佐倉市設置の自転車等放置禁止地区の看板 歩道の無い道路では、電信柱が歩行の妨げにならな いよう宅地内に切り込んで建てられています/手 前はごみステーション ~自宅周辺道路のバリアの点検~ 【自宅から最寄りの山万ユーカリが丘線中学校駅まで】 写真①;手すりはありますが数段の階段がありま 写真②;マンホール等の周辺が凸凹であったり、 す 街路樹の根により歩道が膨らんだりしています 写真③;マウントアップ形式の歩道のため、きつ 写真④;最近整備された幹線道路の交差点は緩い いすりつけ勾配です スロープでのすりつけです 写真⑤;歩行者専用道と街路との間に段差があ ⑥中学校駅は一段下がっていますが、手すり付き り、市販のすりつけブロックが置かれています のスロープが設置されています せお福祉まちづくり計画 2011.1 住民が見た福祉のまちづくり「ユーカリが丘」 9.バリアフリー (2)公園 ユーカリが丘ニュータウン内には、大規模な公園が 3 ヶ所あります。最近に開園した宮 の杜公園は、調整池を活用した公園のため高低差がありますが、手すり付きのスロープが 整備されています。また、男女トイレの他、多目的トイレも設置されています。 (従来からある公園は、佐倉市の管理下にあることから、段差、トイレ等はそのままです。 ) 最近開園した「宮の杜公園」/調整池を活用した 同じく「宮の杜公園」の上段部のスロープ/右側 公園のため段差があります。その段差解消のため のマンションは「ビオ・ウイングユーカリが丘」 に階段の他にスロープがあります 「宮の杜公園」のトイレ/男女トイレと中央部に 公園も環境共生型を目指し、風車やソーラーパネ 多目的トイレがあります ルによる発電により、公園灯等へ電気供給してい ます せお福祉まちづくり計画 2011.1 住民が見た福祉のまちづくり「ユーカリが丘」 9.バリアフリー (3)建物・商業施設 近年にユーカリが丘ニュータウン内に開業したスーパーやコンビニ、自動車販売店等の 多くがバリアフリー構造の店舗となりました。 ユーカリが丘駅に直結したペデストリアンデッキの全面供用に併せて開業(平成 11(1999)年)した商業ビル「ユーカリプラザ」は、ハートビル法*適合ビルです。同ビル内 の店舗、映画館(シネマコンプレックス)内もバリアフリー構造です。 平成 21(2009)年に開業したユーカリが丘線中学校駅近くの商業ビル「ビオトピア・プラ ザ」のスーパー入口には、 「介添えなどを希望するお客さまへ」の看板があります。そこに は、 「介添え等のサービスのご希望のお客様は、左側のインターホンで係員をお呼び出しく ださい」と記されています。また、貸出用の車いすも用意されています。 このビルの2階には、女性専用のフィットネスクラブ、介護・福祉用具の販売・レンタ ル店が入居している他、在宅療養支援診療所(内科)と小児科、調剤薬局が最近相次いで 開業しました。 *ハートビル法;平成 6(1994)年にデパートやスーパーマーケット、ホテル等、不特定多数の人 達が利用する建築物の出入口、階段、トイレ等を高齢者や身体障害者が円滑に利用できるよう 「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビ ル法)」が制定されました。現在は、 「ハートビル法」と平成 12(2000)年に制定された「交通 バリアフリー法」が統合され、 「バリアフリー新法」 (平成 18(2006)年施行)となっています。 駅前の商業ビル「ユーカリプラザ」/入口の左手 ビルの入口に見られるハートビル法適合ビルの にハートビル法適合ビルの看板 看板 ユーカリが丘線中学校駅近くのビオトピア内の 店舗入口にある「介添えなどを希望するお客さま 商業施設の入口/入口左手に「介添えなどを希望 へ」の看板/左側に案内図、中央にインターホン、 するお客さまへ」の看板 右側に案内文(その上段に点字)