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【バリアフリーとユニバーサルデザインとの関係】
【バリアフリーとユニバーサルデザインとの関係】 ① 目指す目標は共通している 「バリアフリー」の理念は、社会の変化とともに、 「障がいのある人が社会生活をして いく上でのバリア(障壁)となるものを除去する」という意味から、 「障がいのある人だ けでなく、すべての人の社会参加を困難にしている物理的、社会的、制度的、心理的な すべてのバリア(障壁)を除去する」という意味へと発展してきており、その目指すべ き目標は、 「ユニバーサルデザイン」の考え方と共通しているといえます。 ② 発想の起点が異なる 「バリアフリー」は、社会に存在するさまざまなバリア(障壁)を取り除いていこう という考え方であるのに対し、 「ユニバーサルデザイン」は、はじめから高齢者・障がい のある人なども含めて、できるだけ幅広い人々を想定し、計画・実施することにより、 バリアを最初から限りなく少なくしていこうとする考え方です。 障がいや高齢と一口にいっても、実態はさまざまで、程度の差があります。また、誰 もがケガなどで一時的に障がいを持つこともあるし、言葉のわからない見知らぬ土地で は移動制約者となります。また、当然のことながら、人は誰もが歳をとり、加齢ととも に、身体機能は低下していきます。 (図1参照) ユニバーサルデザインは、 「すべての人が人生のある時点で何らかの不都合を持つ」と いうことを発想の起点としている点で、これまでのバリアフリーの概念と異なります。 ③ バリアフリーの課題 これまでのバリアフリーの理念による取り組みは、高齢者や障がい者のみを対象にし ている傾向があるとの指摘があること、また、高齢者や障がいのある人等を特別視し、 専用の設備や環境を与えることにより、新たなバリア(障壁)が生じたり、行動範囲を 限定化・特定化し、障がいのある人自身からも心理的負担を感じるとの指摘もあります。 特定の人々を意識した特別の対応ではなく、誰もができるだけ、同じ場や状況のもと で、生活し活動するという視点に立った社会をつくっていく必要があります。