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自主防災組織を 活性化させるために 自主防災組織を 活性化させるために

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自主防災組織を 活性化させるために 自主防災組織を 活性化させるために
自主防災組織を
活性化させるために
〜自主防災組織活性化特別推進事業における
現地研修事例集〜
自主防災組織活性化特別推進事業は、県が平成26年度から開始し、各市町村から推薦され
た自主防災組織に県内の防災対策有識者やアドバイザーを派遣し、自主防災組織の活性化を図
ることを目的としています。平成26年度は10市町村から推薦された10の自主防災組織に対し、
防災マップ作成や災害図上訓練(DIG)、避難所運営ゲーム(HUG)などの研修を実施し
ました。
この事例集をもとに、各地域の自主防災組織の防災に関する様々な取り組みがより活性化す
ることを願っています。
また、平成27年度、28年度においても、当研修を実施する予定ですので、研修を希望する
自主防災組織につきましては、是非市町村へお問い合わせ下さい。
山梨県総務部防災危機管理課
目 次
防災活動に役立つ代表的なホームページのご紹介・・・ 1
Ⅰ編 自主防災組織・研修事例紹介
1 甲州市・一ノ瀬高橋2区
・・・ 2
2 山梨市・小原西3区
・・・ 4
3 南アルプス市・今諏訪区
・・・ 6
笛吹市・尾山区
Ⅱ編 手法紹介
デ
ィ
グ
1 災害図上訓練(DIG)
① 地 震 編
・・・ 8
② 風水害編
・・・ 10
ハ
グ
2 避難所運営ゲーム(HUG)
・・・ 12
本編の前に…
参考:防災活動に役立つ代表的なホームページのご紹介
○やまなし防災ポータル
○山梨県土砂災害警戒情報システム
http://bosai.pref.yamanashi.jp/
http://www3.pref.yamanashi.jp/dosya/warninfo.html
山梨県や県内市町村のさまざまな防災情報が、
登録すると、県内の希望する市町村の気象情報
このサイトに集約されています。
が、携帯電話やスマートフォンに配信されます。
また、地域別の雨量や主要河川の水位、土砂災害
の危険度などを閲覧できます。
○消防庁「eカレッジ」
(防災・危機管理)
○内閣府「防災情報のページ」
http://open.fdma.go.jp/e-college/
http://www.bousai.go.jp/
地域や家庭、学校などでの防災学習に役立つ分
政府の防災に関する各種の計画や制度、大規模
かりやすい教材や学習プログラムが、多数あります。
災害に係る対策、啓発資料などが集約されてい
(入門コース、一般コース、専門コースなど)
また、
「チャレンジ!
ます。
防災48」のコーナーでは、
各種の教材カードや災害の写真・映像が収録され
ています。
1
Ⅰ.研修事例紹介
〜雪害をふり返り、住民が
災害時の対策を考える〜
一ノ瀬高橋2区(甲州市塩山)
人口:24世帯42人
平成26年2月の豪雪時には、2週間以上孤立。
市役所のある塩山の中心部から車で1時間程度かかるため、
災害が発生してしばらくの間、住民同士による安否確認や
対処が必要となる。
○研修内容:「災害を想定した住民同士での話し合い・ヒアリング」
「住民・市職員・県職員お互いの役割について」
研 修
ワーキングでは、土砂災害警戒マップ等により自宅の危険度の確認や、アンサーバック機
能付きの防災行政無線の使用方法の講習、自治体の防災対策の説明、実災害が発生した際に
どう行動すべきかの検討などを実施。
成 果
ヒアリングの結果、平成26年2月14日からの大雪の1週間前、7日に1m近い積雪があっ
た際は部落内に重機があったため対処できたが、14日の大雪時には重機は無く、身動きが
とれなくなってしまったことが判明。
対処法として、甲州市役所が市内の建設会社と協議し、甲州市にて大雪注意報が発令され
た場合には、重機を1台借用し、集落内へ移動させることを、試験的に行うこととなった。
その後、集落内に重機を1台、冬季に配備することが決定した。
2
▲土砂災害警戒マップ等にて、自宅の危険度を確認する
住民と職員
▲アドバイザーによる検討結果のふりかえり
孤立対策
雪害を振り返る
できたこと
できなかっ
たこと
食糧は十分に
備蓄していた
煙草がなくな
った
停電が無く、
通常どおり電
気を使用した
生活が送れた。
灯油を外に備
蓄していたた
め、補給が困
難であった
携帯・有線電
話が使用でき
た。
住民によるス
キーを使用し
た安否確認
上水道も使用
可
7日の大雪時
には除雪機が
集落内にあり、
住民が操作で
きた
スコップで除
雪できる状況
ではなかった
アンサーバッ
ク機能のある
防災無線まで
辿りつけなか
った
食糧の投下場
所まで辿り着
けなかった
14日には、集
落に除雪機が
なかった
雪害から得られた教訓(自助)
携帯のバッテ
リーを購入
スノーシュー
を購入
安全な住民宅
へ身を寄せる
12月には麓に
下りる
発電機を個人
で購入したい
次の災害を認識する
停電したら
電気炊飯器
ではご飯が
炊けない
暖房器具が
使用できな
い
水道が使用
できない
電話が使用
できない
土砂災害が発生したら
昭和34年の
台風では、
建物内に土
砂が入った
集落が川・
沢に挟まれ
ている
土石流危険
植林により、
渓流、土砂
樹木が多く
災害危険区
なっている
域に指定
斜面は花崗
岩が風化し
た真砂土で
構成
土砂災害警
戒区域に家
屋がある
住民と行政が
互いに顔の見
える関係構築
ワーク
ショップ
災害に備える(共助、共助と公助の連携)
誰がどこの安
全なお宅へ身
を寄せるか、
あらかじめ決
めておく
どうしようも
ない場合は、
ヘリで救出し
てもらう
衛星携帯電話、
防災行政無線
のアンサーバ
ックの使い方
を習得
衛星携帯電話
を、住民宅で
保管する
発電機を購入 大雪注意報発
し、集落の住 表を目安に、
民全員が最低 除雪機を配置
限生活できる してもらう
避難場所を確 (甲州市、東
京都)
保
※研修の討議で出された様々なご意見をカードに記入し、体系化しました。
3
〜自主防災組織を充実させる第
一歩(地域に起こりうる災害を学び、
具体的な対処方法について話し合う)〜
小原西3区(山梨市)
人口:606世帯1577人
小原西3区は、地震以外での被災の可能性が低い。
当研修では、地震での被害を中心に、地域防災について学
んでもらい、自主防災組織をより充実したものにできるよ
うにと実施した。
○研修内容:「地震災害から、我が身や家族、地域の人々の命を守る
ために今できること」(講義)
「防災マップ作成、災害図上訓練」(演習)
研 修
第一部の講義では、資料や動画などで過去の災害の様子や、家具の固定など自分でできる
防災対策、耐震化に役立つ自治体の制度などを学習。
第二部の演習では、住宅地図を用いて、防災マップの作成を行い、そのマップを用いて安
否確認の方法や消火、救助、要援護者支援の手順などを検討し、各班毎に発表、意見交換を
行った。
成 果
これまで、当地域において自主防災組織は編成されていたものの、具体的な行動連携等の
シミュレーションはされておらず、やや形式的な組織であった。また、防災訓練も主に組長
が集まり、初期消火訓練や救護訓練、防災機材展示、機器操作訓練を毎年繰り返し実施して
きた。
今回の研修を通じ、以下のような反省や課題が明らかとなった。
<反省>
① これまでは、全ての家屋と住民が無事であることを前提として訓練を行っており、家
屋被害と人的被害についてはあまり考えていなかった。
② 組内における安否確認や助け合い(共助)について、具体的には考えていなかった。
<課題>
① 家屋の火災や倒壊、それによる生き埋めなど、確実に起こる可能性の高い被害を想定
し、「救助」「消火」「救護」等の訓練体系の構築や訓練の実施。
② 「救助資機材」や「人材」、空家や空き倉庫を活用した「備蓄」の配備マップの作成。
③ 要援護者の住居点検や家具の固定などの対策の実施
など
4
研修の様子
① まずは講義でイメージをつかみます
② 要援護者などを地図にマークします
③ 示された課題についてグループで検討します
④ 最後にグループ毎に発表を行います
感 想
今回の訓練の参加者から、
「意義のある研修であった」、
「私たちだけではもったいない。
地域に広く教えて欲しい」「被災が前提だと、何とかしようと皆で考える」「人の情報は
大事だし、日頃の関係づくりが大事だ」等々、好感の声を多くもらいました。
役員会においても、被災ありきの訓練への方向転換が議題となりましたが、一歩ずつ
できることに取り組んで参りたいと考えておりますので、宜しくご支援をお願い申し上
げます。
(小原西3区 区長 鶴田睦雄氏 からのお便りより抜粋)
5
∼子どもから大人まで簡単にできる∼
手書きでつくる防災マップづくり!
地域や自宅周辺の防災マップを作成し、災害時に役立つモノや支援が必要な人等の位置や
対処方法等を確認して、災害に備えよう!
1.防災マップとは
皆さんの住む地域の指定避難所や災害時に役立つもの(防火水槽や防災倉庫等)、災害時要配慮者(乳幼
児や高齢者等)が住んでいる家、危険な箇所等を、地域に住む皆さんが主体となって書き込んだ地図が「防
災マップ」です。
防災マップづくりを進める中で、自分たちのまちの再発見、防災に関する地域の課題が見つかるとともに、
多くの住民の方の参加による地域コミュニティの活性化、災害に強い地域防災力が生まれていきます。
地域に住む皆さん自身が、地域の防災情報を共有して、災害時には、あわてず冷静にすばやく適切な対応
ができるように備えることが大切です。
2.防災マップ作成の手順
⑴ 防災マップ作成前の準備
○自治会及び自主防災組織の役員が集まり、運営体制、運営側の役
割分担及び実施スケジュールを打合わせる。
○作成に必要な資料や物品を準備する。
・A3サイズの用紙
・文房具(鉛筆やサインペン等)
・指定避難所や消火栓、防火水槽、防災倉庫等を表示した地図
※ A3サイズの用紙(カレンダーの裏でも OK)や文房具は参
加者に準備してもらっても良いでしょう。
地図は参加者が手書きで作った防災マップとの答え合わせ
をする時に使用します。
⑵ 防災マップ作成作業の進め方
①手づくりハザードマップの作り方や実施スケジュールを説明する。
② A3サイズの用紙に自宅付近の地図を手書きで作成してもらう。 ③次のような項目を作成した地図に図示してもらう。
・自宅から30秒以内で行ける安全な場所にマーク
企画・運営及び作成に必要
・指定避難場所や指定避難所にマーク
な物品の調達にあたっては、
・バケツで水を汲むことができる川(場所)にマーク
必要に応じて、県及び市町
・消火栓・防火水槽・ホース格納庫・防災倉庫にマーク
村等に支援をお願いしよう!
・自治会(区)の災害対策本部が置かれる場所にマーク
・自治会長(区長)と自主防災会会長の家にマーク
・情報班リーダー及び避難誘導班リーダーの家にマーク
・避難支援が必要な乳幼児・高齢者・障がいをお持ちの方の家にマーク など
※このほかにも地域の住民で情報共有しておくべき事項を図示してもらいましょう。
④自宅から指定避難場所及び指定避難所までの、安全と思われる避難路を図示してもらう。
⑤指定避難所や消火栓、防災倉庫等を表示した地図を配布し、答え合わせをしてもらう。
⑥4~5人のグループになり、地域のなかで災害のときに役立つ人・モノ・場所について、地図に書き込
んだり、地域のどこが弱いのか、逆に強みはどこかなどを話し合う。
⑦参加者全員で意見交換をしよう。
6
3.実施状況
※写真①、③、④:南アルプス市今諏訪自主防災会
写真②:笛吹市御坂町尾山区自主防災会
①まず、参加者に対して、作業の流れを説明しましょう。
②A3サイズの用紙に自宅付近の地図を書いてもらいましょう。
③グループになり、防災に関する地域の課題等を話し合
いましょう。
④みんなで地域の防災情報を共有しましょう。
イメージ図 例
NPO 法人
災害・防災ボランティア未来会
代表 山下 博史
分からないことや、間違い
があっても大丈夫。
あとで確認することが大切!
様々な疑問から現実が見え
てくる!
この手法で防災マップを作るメリットとして、まず、自宅周辺の地図を自分で
考えながら書くことで、
「隣近所は誰が住んでいるんだろう? その家族構成は(支
援が必要な人はいるだろうか)?」、「指定避難所って何処にあるんだろう? そ
こまでの安全と思われる避難経路は?」、「災害の弱い場所、強い場所は何処だろ
う?」等、自分の住んでいる地域の実情を再確認(再発見)することができます。
次に、子どもから大人まで紙と鉛筆さえあれば簡単にできるため(費用もほと
んどかかりません)、地域に広がりやすいです。このため、家族単位から地域単
位と幅広く、地域の防災情報等を共有することができます。
防災マップづくりは、市販されている地図や都市計画図を利用して行う方法も
あります。
どのような方法で行うかは、その地域の実情に合った手法で行うことが大切です。
7
Ⅱ.手法紹介
訓練手法紹介
∼災害図上訓練 DIG 編∼
ここでは、災害図上訓練 DIG について紹介しま
をセロハンテープで台に固定し、その上から透明
す。DIG(ディグ)とは、参加者が地域の地図を
シートをかぶせて、セロハンテープで固定します。
使って防災について考える訓練です。
作業の前に、地域に起こりうる災害のあらまし
Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲ
を、映像・写真も交えて紹介しておくことが大切
ーム)の頭文字を取って命名されました。DIG と
です。ここでは、地域の災害対策を考える際の条
いう単語は「掘る」という意味を持つ英語である
件として、以下のような地震のケースを想定します。
とともに、「探求する」「理解する」といった意味
(※研修の際に使える災害時の写真や映像の資料
を持っています。このことから、DIG という言葉
集としては、例えば、消防庁のホームページ(チ
には「災害を理解する」「まちを探求する」「防災
ャレンジ!
意識を掘り起こす」という意味も込められています。
(条件例(地震))
DIG では、参加者が地域の大きな地図(住宅地
図等各戸の位置が分かるもの)を囲み、みんなで
書き込みを加えながら、楽しく話し合い、ゲーム
感覚で災害時の活動や対応を考えるものです。
防災48)があります)
日時:9月1日(水)午前10時00分
震度:震度6強
天候:晴れ
風:北西5m /s
映像や写真では、震度6強の揺れのイメージや
● DIG では次のような道具を使います。
・地図(地域の詳細がわかる1/2500~5000程度)
地震が起こったときに、まちはどのような被害に
なるか、地震により建物の中や建物自体はどのよ
・透明シート(地図の上に敷きます)
うに揺れるかをイメージしてもらいます。こうい
・セロハンテープ(地図と透明シートを固定します)
ったイメージを頭に入れてもらい、作業を始めま
・油性ペン(地図上に書き込みをします)※8色セットが
おすすめ
しょう。
・災害ハザード(危険箇所)マップ(役場で作成した
もの)
・ふせん(メモ、地図上の表示や意見を書き出すのに
使います)
・丸形カラーシール(地図に貼ります)※数色あると良い
・模造紙(意見を整理して発表するために使います)
それでは実際に作業を始めていきましょう。
(地図が複数枚ある場合)1枚の大きな地図になる
ように、セロハンテープで貼り合わせ、その地図
8
① 道路や河川、公園など、自然やまちの特徴に
ついて、グループで話し合いながら油性ペンで
地図に書き込みや色を塗っていきます。
<記入例>
・鉄道:
黒色の太い油性ペンでなぞって下さい。
・大きな道路:
洪水危険箇所など)や、災害時に役立つところ
(避難所、消防署など)を、グループで話し合い、
地図に書き込みます。また、以下の凡例も参考
に、色別の丸形シールを貼って下さい。
比較的広い道路から順番に茶色の油性ペン
<凡例>
でなぞって下さい。これにより地域の境目が
・防災活動を行う機関、施設● :
目立つようになります。
・狭い道路:
消防車が入れないような狭い道路をピンク
色の油性ペンでなぞって下さい。この線が目
市町村役場、消防署、消防団詰所、警察署、
学校、医療機関、ヘリポートなどの防災活動
を行う施設。
・地域防災に役立つ施設や資材●:
立つところは、火事が起きたときに延焼の可
防災倉庫、重機を所有している企業、防火
能性があり、消火しにくく、避難路の確保も
水槽、消火栓、プール、食料等の販売店等。
難しい地域といえます。
・広場、公園、建物がない広場:
広場や公園など、建物がない広い場所(学
校、神社、田畑、空き地など)は、敷地のま
・避難所、一時避難場所● :
指定避難所、地域の自主避難所、最初に集
まる一時避難場所など。
・頼りになる人がいる場所◯:
わりを緑色の油性ペンでなぞって下さい。ど
自 治 会・ 自 主 防 リ ー ダ ー、 消 防 署・ 団
こにどれくらいの広さの場所があるかを把握
(OB)、医療・看護関係者(OB)、自治体職
することが重要です。
・用水路、河川など:
員(OB)、福祉関係者、建設・工事関係者等。
・災害の時に手助けが必要な人がいる家● :
用水路、河川などは青色の油性ペンでなぞ
一人暮らしの高齢者、寝たきりの人、障がい
って下さい。水道(消火栓等)が使えなくな
のある人、妊婦、乳幼児のいる母親、外国人等
ったとき、火を消すための水や、手洗い、洗
濯等に使う水が手に入る場所がわかります。
・鉄筋コンクリート造の建物:
火災の時に燃え広がりの防止になりそうな
鉄筋コンクリート造の建物(ビル、マンショ
ン、デパートなど)は、建物のまわりを紫色
の油性ペンでなぞって下さい。鉄筋コンクリ
ート造の建物が連続してあれば、それ以上燃
え広がることを防げるかもしれません。
③ 最初に提示した条件をもとに、地震などによ
り地域で起こりそうな被害を考えていきます。
付箋(メモ)に「被害が起こりうる場所」、「ど
んな被害が起きるか」を予想して書き、当て
はまる場所に貼って下さい。
<起こりそうな被害の凡例>
・通行止め:
地震発生時に通行止めになりそうな場所に
赤色の油性ペンで × 印を書いて下さい。また、
② 地域の危険なところ(燃えやすい木造建物の
密集地、ハザードマップ中の土砂災害危険箇所、
あてはまる場所と通行止めを付箋(メモ)に
書いて貼って下さい。
9
・がけ崩れ:
がけ崩れ等が起こりうる場所を赤色の油性
ペンで囲んで斜線を入れて下さい。また、あ
てはまる場所に「がけ崩れ」と付箋(メモ)
に書いて貼って下さい。
・建物が倒れる被害など:
建物が倒れたり、橋などが壊れたりするな
どの被害が発生しそうな場所を赤色の油性ペ
ンで印をつけて下さい。また、あてはまる場
所に被害の状況(建物倒壊等)を付箋(メモ)
に書いて貼って下さい。
⑤ 最後にグループごとにまとめた意見を発表し、
他のグループの意見との比較を行います。
・火災:
火災が発生したら、燃え広がることが予想
される範囲(木造の家が混み合っているとこ
ろ)を赤色の油性ペンで囲んで下さい。また、
あてはまる場所に「火災の延焼」等と付箋(メ
モ)に書いて貼って下さい。
・その他:
その他、想定される被害について、赤色の
油性ペンで × 印をつけて下さい。また、あて
はまる場所に被害の状況を付箋(メモ)に書
いて貼って下さい。
④ 地図が完成したら、次のような事例について
グループで話し合い、意見をまとめます。
<検討項目>
・安否確認の方法
・避難ルートの確認(避難所まで)
・避難行動要支援者の避難支援
・情報の伝達・収集方法について
風水害の場合
・避難所運営について
続いて、風水害(豪雨災害)を想定した場合の
・けが人、生き埋め者、初期消火、外国人等へ
紹介をします。
の対応について
など
準備する道具や地図については、地震の場合と
同じです。作業の前に、過去に大きな被害をもた
らした洪水災害や、土砂災害の事例などを紹介し、
映像や画像も交えてイメージしてもらいます。
それでは、作業を始めていきましょう。
① 地図に書き込んだ情報については、地震の場
合に書き込んだ情報に、
次の情報を加えましょう。
・大きな川:
大きな川を青色の油性ペンでなぞって下さ
10
い。このとき川の水が流れる方向も矢印で記
ともあるので、マンホールの場所に赤色の油
入して下さい。
性ペンで丸い印をつけて下さい。(マンホー
・水門、遊水池等水害を防ぐのに役立つ施設●:
ルの位置については事前に調査しておきます。
)
「水門・遊水池など」台風や大雨が降った
時、水害を防ぐのに役立つ施設。
③ 地図が完成したら、地震の際に考えた事例に
② 起こりそうな被害の検討を行います。
加え、時間的に余裕がある場合の避難と、時間
これまでの体験や事例を踏まえて、大雨が降
的に余裕が無い場合(急な大雨など)の避難に
ったときに、地域で起こりそうな被害を考えて
ついてグループで話し合い、意見をまとめます。
もらいます。考えたものを青色と赤色の油性ペ
ンで地図上に書き込んで下さい。また付箋(メ
モ)の貼り付けを行って下さい。
<起こりそうな被害>
・浸水しそうな地域:
④ 最後にグループごとにまとめた意見を発表し、
他のグループの意見との比較を行います。
これまでの作業で考えた内容をグループごと
に話し合い、整理した内容を模造紙にまとめて
大雨が降ったときに、地盤が低く、浸水す
下さい。なお、まとめる内容に「地域の特性」、
「地
ることが予想される地域を青色の油性ペンで
域に起こりうる被害」、「災害時の対処方法(自
囲んで下さい(洪水ハザードマップがあれば、
主防災組織(班別)、等)」「避難のときの注意」
参照して下さい)。
を含めると良いでしょう。
・がけ崩れや土石流がおきそうな場所:
大雨が降ったときに、がけ崩れや土石流な
どの土砂災害が発生しそうな場所を、赤色の
油性ペンで囲んで下さい(土砂災害ハザード
マップがあれば、参照して下さい)。
・水があふれ出そうな側溝や水路:
大雨が降ったとき、水があふれそうな側溝
や水路を青色の油性ペンでなぞって下さい。
・道路を流れる雨水:
大雨が降ったとき、道路に川のような水が
流れることがあります。急勾配のある道路で
流れが強く、流れる水で流されるような危険
がある場所を地図上で見つけ、青色の油性ペ
ンでその場所を記入して下さい。この時に、
道路の勾配を考えて、水の流れる方向も記入
して下さい。
また、マンホールのふたが空いてしまうこ
(ご参考)
災害図上訓練DIGの実施に役立つホームページ
①静岡県
「災害図上訓練DIG ~災害を知る、まちを知る、人
を知る~」
(http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/
e-quakes/manabu/dig/)
DIGの実施に必要な情報がふんだんに盛り込
まれています。
また、資料編には実施するときに便利なワード
版等の各種資料が掲載されており、適宜修正して
使用することができます。
「家庭内DIG~地震がきても、わが家で暮らす方法~」
(http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/chosa/
kateinaidig.html)
大地震が起きたとき、自宅で命を落とさない、
ケガをしないためにはどうしたらよいか。地震の
あと、電気やガス、水道が止まることを想定して、
ふだんからどんな備えをしたらよいか等を、家族
で話し合いながら学ぶのに役立ちます。
②消防庁
「防災危機管理eカレッジ」
(http://open.fdma.go.jp/e-college/)
一般コース(地域防災の実践)の中で、DIG
の手法を映像や音声付きで、わかりやすく解説し
ています。
11
訓練手法紹介
∼ HUG 編∼
ハ
グ
ここでは、HUG(避難所運営ゲーム)※ につい
てはなりません。
て紹介します。HUG とは、避難者の年齢、性別、
避難所運営マニュアルをすでに作成している場
国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカード
合は、その検証に使用することもできます。
(図1)を、避難所の体育館や教室、敷地内に見
次に、ゲームの進行方法を説明します。
立てた平面図(図2)にどれだけ適切に配置でき
主催者は前段階として、災害の種類と規模、被
るか、また避難所で起こる様々な出来事(課題や
害の想定を設定してください。
問題点)(図3)についてどう対応していくかを
模擬体験するゲームです。
(※ HUG は、平成19年に静岡県が開発した防災ゲ
ームです。授産所製品として製造・販売していま
す。(「みんなのお店・わ」(054-272-3730))県
の地域県民センターでも貸し出しができます。)
例
・きょうは、1月○○日(水)
・午前8時に大地震発生 M 8.0
・ここは○○小学校(避難所)
・現在時刻は午後1時
・震源 ○○市南東30キロメートル地点
・停電、断水、ガス遮断、電話は時々通じる、メール
は送れて届く、下水道は不明
・耐震化してあるため、校舎、体育館に大きな被害は
なく、応急危険度判定の結果、利用できる。
・午後4時ころから雨、だんだん強くなってきている。
・気温は5~10度。
・強い風も吹いている。
・校庭に100人程度の避難者がいるが、続々と避難し
てきている。
図1 避難者カード(突風さん家族の例)
・老人、乳幼児、妊婦、外国人、車椅子の姿が見える。
・車で避難してきている人もいる。
① グループ内で、カード読み上げ係とプレーヤ
ーに分かれて下さい。読み上げ係は進行や助言
役にもなりますので、ゲームを経験したことが
ある方にすると良いでしょう。
図2 敷地図(A1 サイズ推奨)
図3 イベントカード
② カードをグループ(家族単位等)毎に読み上
げてから机の上に出し、プレーヤーは体育館に
避難所運営に必要なことは、組織づくりや部屋
どう配置するかを相談します。(通路や地区名
(居住スペース)割り、名簿の作成、避難所運営
を体育館の用紙に書き込むことも自由です。)
本部の設置、取材への対応、物資の受け入れ、炊
カード1枚は1.5m ×2.0mに相当し、面積が3.0
き出し、ペットへの対処、トイレ、ボランティア
㎡とします。これは避難者1人あたりの標準的
の受け入れなど多種多様です。
な必要面積です。
時間経過とともに避難者は次々に入って来ます
し、次々に発生する問題などに対処していかなく
12
③ プレーヤーは渡されたカードを、敷地図等に
場所や状況を考えながら配置したり、問題に対
今年度は富士川町において HUG の研修を実施
処していきます。
しました。その様子を紹介します。
ゲーム本番は基本的に立って行いましょう。
動作の自由度が増し、会話が活発になります。
実施日時:平成27年1月23日(金)
実施内容:HUG(避難所運営ゲーム)
④ カードを250枚全て配置したら終了です。
(※時間がない場合は、途中で止めてもかま
いません)
対象自主防災会:富士川町鰍沢中区上北自主防
災会
講師:NPO 法人災害・防災ボランティア未来会
代表 山下博史 氏
⑤ ゲーム終了後には、意見交換の時間を設けま
す(30分程度)。用意したメモ用紙を全員に配
布し、グループで意見をまとめ、発表してもら
います。質問に対して、他グループからも意見
を求めます。この質問を何回か繰り返して、他
のグループとの比較検討を行います。 以上でゲームは終了です。
※企画・運営及び実行に必要な資料や物品(特に
カード)の調達にあたっては、必要に応じて、
県および市町村等に支援をお願いしましょう。
▲避難所の光景(東日本大震災)
(Memo:避難所の運営で大切なこと)
避難所を開設する際に、もし何も手を打たなければ、殺到した避難者は、避難所となる学校の体
育館や教室などに無秩序に場所を取り、結果として、誰が何人避難してきているかさえ分からない
ような状態になってしまいます。
こうした事態を避けるために、県や市町村では避難所運営マニュアルを作成し、自主防災組織や
避難者自身が避難所を運営するよう促しています。
しかし、マニュアルを読んだだけでは、分かったような気になりますが、なかなか身につかない
ものです。
避難者の居住区毎にレイアウトすることや、様々な障がいを抱える要配慮者への対処方法等を、
このゲームを体験しながら、実践的に学び合うことができます。
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自助・・・
自分と家族の安全は、
自分で守る
(防災の基本)
自 助
自分と家族
安全安心を支える
ネットワーク
共 助
地域・
自主防災組織・
消防団など
共助・・・
公 助
行 政 機 関
公助・・・
自主防災組織など地域
国・県・市町村や警察、
住民が相互に助け合う
消防などの公的機関に
こと
よる防災活動
平成27年3月
山梨県
(総務部防災危機管理課・Tel 055-223-1432)
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