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蛋白質核酸酵素:HIVプロテアーゼ阻害剤の臨床応用

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蛋白質核酸酵素:HIVプロテアーゼ阻害剤の臨床応用
HIVプ ロテアーゼ阻害剤の臨床応用
知場伸介 ・新谷 誠 ・上野貴将 ・林 秀也
これまで困難をきわめてきたHIV感 染症も,HIVプ ロテアーゼ阻害剤と逆転写酵素阻害
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剤2剤 の3剤 併用療法を基盤とした抗HIV療 法によって,治 療が可能な疾患になりつつあ
る。しかし,こ のような3剤 併用療法も理想的な治療法にはほど遠く,薬 剤コストの高騰,
飲みにくさ,薬 剤耐性ウイルスの出現などの問題点が指摘されている。このような課題を
克服すべく,HIVプ ロテアーゼ阻害剤2剤 併用などの,こ れまでより強い併用療法の開発
や,既 存薬と耐性が交差しない新しい抗エイズ薬の開発が検討されている。
【HIVプ
は じめ に HIV(human
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 】【多 剤 併 用 療 法 】【薬 剤 耐 性 ウ イ ル ス 】
immunodeficiency
virus)は,
25.6%も
の 減 少 をみ る に至 っ た の で あ っ た2)。 この よ う
エ イ ズ(後 天 性 免 疫 不 全 症 候 群)の 病 原 ウ イ ル ス で,ヒ
に 劇 的 な 治 療 の 改 善 を も た ら した の は,HIVプ
トCD4陽
ー ゼ[→ 今 月 のKey
性 細 胞 に 感 染 す る。 エ イ ズ は治 療 の 困 難 な感
染 症 で あ り,多
くの場 合,死
世 界 中 に はすで に3,000万
に 至 る恐 ろ しい 病 で あ る。
人 以 上 のHIV感
毎 日新 た に16,000人
がHIVに
に よ る死 者 は1997年
度 で は推 計230万
で は1,170万
染 者 が お り,
感染 してい る。エ イズ
人 に 及 び,累 計
素 阻 害 剤2剤
Words(p
との3剤
3剤 併 用 療 法 は,従
.780)]阻
害 剤 と逆 転 写 酵
併 用 療 法 に よ る と こ ろが 大 き い。
来 の化 学 療 法 で は 困 難 で あっ たエ イ
ズ発 症 率 や 死 亡 率 の 低 下 を 実 現 し,す で に 米 国 で は 標
準 治 療 法 の 地 位 を獲 得 して い る3)。 しか し,こ の よ う な
人 に達 す る1)。
3剤 併 用 療 法 も,薬 剤 耐 性 ウイ ル ス の 出 現 や,重 篤 な 副
こ に き て エ イ ズ 治 療 に大 き な希 望 が 生 ま
作 用,飲
に最 初 のHIVプ
残 して い る 。 こ の よ うな3剤
しか し,こ
れ た 。1995年
ロテ アー ゼ 阻 害 剤 が承 認
み に くさ,高
され る と,歩 調 を 合 わ せ る か の よ う に米 国 で の エ イ ズ
す る た め,HIVプ
額 な薬 剤 費 な ど,多
くの 課 題 を
併 用 療 法 の 問 題 点 を克 服
ロ テ ア ー ぜ阻 害 剤2剤
の 併 用 な ど併
に よ る死 亡 者 数 が 劇 的 に減 少 した の で あ る。 米 国 に お
用 療 法 の 改 善 や,既
い てHIV感
染 の 統 計 が 開 始 され た の は,奇
エ イ ズ 薬 の 開 発 が 検 討 され て い る。 以 下,HIVプ
の 抗HIV薬
ジ ド ブ ジ ン(AZT;3'-azido-3'-deoxy-
thymidine)が
承 認 さ れ た1987年
た。 しか し,1995年
に は1.3%の
Chiba,Makoto
and Biotechnology Clinical
744
Application
ア ー ゼ 阻 害 剤 を 含 む 多 剤 併 用 療 法 の 現 状 を概 観 し,本
急 激 に拡 大 し
Shintani*,Takamasa
of
HIV
Protease
ロテ
剤 の 臨 床 応 用 上 の 課 題 に つ い て 考 察 す る。
に前年比
Ueno,Hideya
埼 玉 県 戸 田 市 新 曽 南3-17-35)[Pharmaceuticals Division,Japan 存 薬 と耐 性 が 交 差 し な い 新 し い抗
微 増 に とど ま り,1996
年 は つ い に 年 齢 に よ る補 正 後 の死 亡 率 で,実
バ イ オ 事 業 部(〒335-0026 し くも最 初
で あ る が,そ れ 以 降,
エ イ ズ に よ る死 亡 者 数 は年 率 平 均16%で
Nobuyoshi
ロテア
Energy Co.,Niizo-minami,Toda,Saitama Inhibitors
Hayashi,(株)
ジ ャパ ン エ ナ ジ ー 医 薬
and Biotechnology 335-0026,Japan]
・バ イ オ 研 究 所,*医
Laboratory,*Pharmaceuticals
薬 ・
HIVプ ロテ アーゼ阻害剤の臨床応用
表1血
21
ら,血 漿 中 ウ イ ル ス量 は 有 用
漿 ウ イ ル ス 量 と 予 後5)
な治 療 マ ー カ ー と考 え られ る
よ う に な っ た6)。実 際,1997
年 の ア メ リカ 医 学 会 誌 に 発 表
され た 治 療 ガ イ ド ラ イ ン3)で
は,改 訂 の 科 学 的 根 拠 を血 漿
ウ イ ル ス 量 か ら説 明 し,血 漿
中 ウ イ ル ス 量 を診 療 開 始 の 判
断 基 準 に 採 用 して い る。
1.抗HIV剤
の薬効評価
Ⅱ
.薬 剤耐性と多剤併用療法
HIV感
染 症 治 療 の 目標 は,日 和 見 感 染 症 に代 表 され
Database Center for Life Science Online Service
る 免 疫 不 全 症 状(エ
イ ズ 症 状)発
症率 や死亡 率の低 下
これ まで 開 発 され た抗HIV剤
は,い ず れ も単 独 投 与
と,体 中 か らの ウ イ ル ス の排 除 で あ る。 しか しHIVプ
で は 治 療 効 果 が 得 られ に くい 。 単 独 投 与 に よ る治 療 は,
ロテ ア ーゼ 阻 害 剤 な ど抗HIV剤
初 期 に 優 れ た 抗 ウ イ ル ス 効 果 を 示 して も,長 期 に は効
の薬 効 評 価 にお い て は,
代 替 マ ー カ ー で あ る 血 漿 中 ウ イ ル ス 量(HIV
の 減 少 やCD4陽
果 が 持 続 され に くい た め,延
RNA)
性 細 胞 数 の上 昇 が指 標 と して 用 い られ
っ た7)。 この お も な 原 因 の一 つ とし て,薬 剤 耐 性 ウ イ ル
ス の 出 現 が 考 え られ て い る8,9)。HIV遺
て い る。
HIVに
命 効 果 は ご くわ ず か で あ
感 染 す る と,長 い 潜 伏 期 を経 て,血
漿 中ウイ
伝 子 の複 製 酵 素
で あ る 逆 転 写 酵 素 は,校 正 機 能 を もた な い た め複 製 の
ル ス 量 が 増 加 し,CD4陽
性 細 胞 数 は減 少 す る。CD4陽
信 頼 性 が 低 く,1回
性 細 胞 数 が200個/μ1以
下 に な る と,カ リニ肺 炎 な どエ
変 異 が 導 入 さ れ る10∼12)。
一 方,HIVの
の複 製 で1塩
基 あた り3×10-5個
の
感 染 者 の体 内 で
イ ズ 特 有 の 日和 見 感 染 が 発 症 す るよ うにな り,50個/μ1
の 複 製 は非 常 に速 く,1日
以 下 で は エ イ ズ 脳 症 や サ イ トメ ガ ロ ウ イ ル ス 感 染 症 な
新 た に産 生 され て い る と推 定 され てい る13∼15)。104塩基
ど治 療 困 難 な 疾 患 が 出 現 す る よ うにな る4)。Mellorsら
のHIVの
は,未 発 症 のHIV感
染 者180人
に1010個
もの ウイ ルス粒 子 が
遺 伝 子 で は,そ の す べ て の塩 基 に お い て 毎 日
の 自 然 経 過 を10年
以
変 異 が 発 生 す る計 算 で あ る。 この よ う に し て,HIVは
上 観 察 し,未 発 症 患 者 の 血 漿 中 ウ イル ス 量 か ら,エ
イ
感 染 者 の 体 内 で は遺 伝 的 変 異 株(quasispecies)と
ズへ の 進 行 を 予 測 し う る こ とを 示 した5)。表1に
う に,血
示す よ
漿 中 ウ イ ル ス 量 が 高 い感 染 者 ほ ど予 後 は 悪 い。
彼 ら は,統 計 モ デ ル を 用 い て 血 漿 中 ウ イ ル ス量 が3倍
に な る ご と に 致 死 率 が1.55∼1.57倍
に増 加 す る(p〈
配 的 に な り,薬 剤 耐 性 が 成 立 す る。
ウ イ ル ス の 耐 性 獲 得 を 防 ぐた め に は,異
な る薬 剤 を
併 用 して 変 異 ウ イル ス が生 き残 る確 率 を減 らせ ば よい16)。
0.001)と 結 論 した5)。 また 後 述 の 多 剤 併 用 療 法 で も,血
実 際,逆
漿 中 ウ イ ル ス 量 と治 療 効 果 に良 好 な 相 関 が あ る こ とか
dideoxyinosine)ま
転 写 酵 素 阻 害 剤2剤[AZTとddI(2',3'-
cytidine)]を
た はAZTとddC(2',3'-dideoxy-
併 用 す る と,AZT単
エ イ ズ 発 症 率,CD4陽
て に お い て,よ
略号
AZT:3'-azido-3'-deoxythymidine
ddI:2',3'-dideoxyinosine
ddC:2',3'-dideoxycytidine
HTV:human
immunodeficiency virus
IDV:indinavir
NFV:nelfinavir
RTV:ritonavir
SQV:saquinavir
して
存 在 し,薬 剤 に よ る 選 択 圧 が 働 く と耐 性 ウ イ ル ス が 支
独 に比 べ て死 亡 率,
性 細 胞 数 半 減 へ の移 行 率 の す べ
り優 れ た 治 療 効 果 を 示 した17∼19)。しか
し,す で にAZTの
投 与 を受 け た 患 者 で は,併 用 療 法 の
効 果 は 限 定 的 で あ っ た 。 またAZTの
た 患 者 で も,CD4陽
投 与 を受 け なか っ
性 細 胞 数 の改 善 効 果 は長 期 間 は維
持 さ れ な か っ た 。 こ の よ う に 逆 転 写 酵 素 阻 害 剤2剤
に
よ る 併 用 療 法 に も限 界 が あ る こ とが わ か り,作 用 点 の
異 な るHIVプ
ロ テ アー ゼ 阻 害 剤 に 期 待 が よせ られ た。
745
Database Center for Life Science Online Service
22
746
蛋 白質 核 酸 酵 素 Vo1.43
No.6(1998)
HIVプ ロテア ーゼ阻害剤の臨床応用
表3各
種HIVプ
23
ロテ アー ゼ 阻害 剤 の耐 性 に関 与 す る変 異
Ⅲ
.プ ロテアーゼ阻害剤 による
多剤併用療法
1.プ
ロテア ーゼ 阻害剤 と薬
剤耐 性
HIVプ
ロテアーゼ阻害剤 と
して 現 在 承 認 され て い るの は,
saquinavir,ritonavir,indinavir,nelfinavirの4剤
で
あ る(表2)。
HIVプ
ロテアーゼ阻害 剤 の
Database Center for Life Science Online Service
作 用 機 序 は,HIVウ
来 のHIVプ
イル ス 由
ロ テ アー ゼ を 阻 害
す る こ と に よ り,感 染 性 ウ イ
ル ス粒子 の成 熟 を阻害 す る も
の で ある。宿 主細胞 に侵入 し
たHIVは,逆
転 写 酵 素 とイ ン テ グ ラ ー ゼ に よ り宿 主 の
ゲ ノム に組 み 込 まれ,プ
ロ ウ イ ル ス とな る。 そ の後,宿
間 で 共 通 して い る も の も多 く,交 差 耐 性 や 多 剤 耐 性 を
示 し や す い 。 お も な 薬 剤 に つ い て,耐
性 に か か わ る変
主 の転 写 ・翻 訳 系 の 働 き に よ り プ ロ ウ イ ル ス か ら ウ イ
異 を表3に
ル ス 蛋 白 質 が つ く られ る が,ウ
切 断 部 位 で の変 異 も見 つ か って お り25),今 後 の抗 エ イ ズ
必 要 なウイル ス 蛋 白質 は,不
Pol,Env)と
は,そ
イル ス粒 子 の再構 築 に
活 性 な前 駆 体 蛋 白 質(Gag,
示 す 。 耐 性 に か か わ る 変 異 に は,基 質 側 の
薬 開 発 の う え で 考 慮 す る必 要 が あ る。
して つ く られ る。 これ ら不 活 性 な前 駆 体
の ま ま細 胞 表 面 へ 移 行 し,会 合 し て ウ イ ル ス 粒
子 を形 成 す る。HIVプ
あ り,Gagお
ロ テ ア ー ゼ は この 過 程 に必 須 で
よびGag-Pol前
駆 体 蛋 白 質 か ら一 連 の 蛋
2.HIVプ
ロテ アー ゼ 阻害剤 の 多剤 併 用療法 の実際
HIVプ
ロテ アー ゼ 阻 害 剤 と逆 転 写 酵 素 阻 害 剤 との 併
用 療 法 は,表2に
示 し た よ'うに,血
漿 ウイ ル ス 量 を24
白 質 を切 り出 し,感 染 性 ウ イル ス 粒 子 を構 築 す る20)。し
週 以 上 の 長 期 にわた って 検 出 感 度 以 下 に減 少 させ,HIV
た が っ て,HIVプ
感 染 者 の エ イ ズ 発 症 率 や 死 亡 率 を大 幅 に 改 善 さ せ る こ
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 の 存 在 下 で は ウイ
ル ス は感 染 性 を もて ず,抗
ウイ ルス作 用 を示 す結果 と
と逆 転 写 酵 素 阻 害 剤2剤
な る21)。
HIVプ
とが で き る 。 そ の 結 果,現
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 は,い ず れ も臨 床 試 験 に お
下,す
したが(初 期 値 の70%∼1%),そ
に つ い て,逆
観 す る。
A.saquinavir(SQV)
ロ テ ア ー ゼ は,ア
SQV(Roche社)は
ミノ 酸99個
プ チ ドの ホ モ ダ イ マ ー で あ る が,耐
性 にかか わ る変異
が報 告 され た コ ドン は そ の う ちの27に
高度 の 耐 性 を示 す に は,1個
分 で,2∼4個
か ら な るポ リペ
及 ぶ24)。 一般 に,
の ア ミノ酸 の 置 換 で は不 十
以 上 の ア ミ ノ酸 の 置 換 が 必 要 で あ る 。 ま
た耐 性 に か か わ る変 異 に はHIVプ
ロテア ーゼ阻害 剤の
イズ
ロテアーゼ阻害剤
転 写 酵 素 阻 害 剤 との 併 用 療 法 の 結 果 を概
は り長 期 投 与 に よ り速 や か に 耐 性 株 が 出 現 した22,23)。こ
HIVプ
併 用 療 法 は,エ
で に承 認 され て い る各HIVプ
の た め 臨 床 応 用 は,逆 転 写 酵 素 な ど と の 併 用 に よ り行
な わ れ て い る。
と の3剤
ロテ アー ゼ 阻 害 剤
治 療 の 標 準 治 療 法 と位 置 づ け ら れ る に 至 っ て い る。 以
い て 単 剤 投 与 で 血 中 ウ イ ル ス 量 を低 下 さ せ る効 果 を示
の効 果 は一 過 性 で,や
在HIVプ
最 初 に 報 告 さ れ たHIVプ
ー ゼ 阻 害 剤26)で ,1995年12月FDA(Foodand
Administration;食
品 医 薬 局)に
Drug
よ り逆 転 写 酵 素 阻 害
剤 との併 用 を条 件 に承 認 された 。SQVは,AZT未
者 に対 し て は,AZTと
の 併 用 で,16週
ス量 を 最 大1/10(-1.010g)に
胞 数 を70個/mm3増
ロテ ア
経験
に は血 中 ウ イル
減 少 さ せ,CD4陽
性細
加 さ せ た27)。 し か しAZT経
験者
747
24
蛋 白質 核 酸 酵 素 に対 す る,AZT,ddCと
Vol.43
の3剤
No.6(1998)
併 用 投 与 で は,投 与 後
16週 で の 血 中 ウ イ ル ス 量 は 最 大2/5(-0.610g)に
少 さ せ る に す ぎ ず,CD4陽
mm3に
性 細 胞 数 の 増 加 も30個/
と どま った28)
。 実 はSQVは,経
口 吸 収 率 が4%
率 で 腎 結 石,腎
は,HIV感
防 す る た め,1日1.5l以
る。 腎 結 石,腎
ロー ル 可 能 で,服
と し てP450-3A4)に
の シ トク ロ
よ っ てSQVが
分 解 され る こ とに あ る。 そ こ で,分
急速 に
解 を緩 和 す る た め,
用 す る場 合 に は,ddI製
阻 害 す る た め,空
す る必 要 が あ る。
D.nelfinavir(NFV)
ロテ ア ー ゼ 阻
分 摂 取 と鎮 痛 薬 で コ ン ト
用 中 止 に 至 る こと は少 ない 。ddlと 併
高 脂 肪 食 と同 時 に服 用 す る よ う定 め られ て い る。 現 在,
節 で 述 べ る よ う に,HIVプ
上 の 水 分 摂 取 が 推 奨 され て い
性 癖 痛 は,水
経 口 吸 収 率 を改 善 させ た 新 製 剤 で の 治 験 が 行 な わ れ て
い る ほ か,次
剤 中 の 制 酸 剤 がIDVの
腹 時 に1時
NFV(Agouron社)は,1997年
に承 認 さ れ た ば か り
で あ り,臨 床 成 績 の 蓄 積 は まだ 少 な い。NFVは,単
れ て い る。SQVの
投 与 で 血 中 ウ イ ル ス 量 を最 大1/8(-0.910g)に
他 のHIVプ
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 と比 較 して 軽 微 で あ る。
B.ritonavir(RTV)
せ た が,d4Tと
経 口 吸 収 率 は 良 好 で,単
で 血 中 ウ イ ル ス 量 を減 少 さ せ るが,逆
独投与
転写 酵素 阻害剤
能 で あ る 。1日3回
こ とが 報 告 され て い る。RTVと
逆 転 写 酵 素 阻 害 剤 との
HIVプ
で,RTV群(600mg1日2回,543例)の
4.8%,エ
性細
下 の 病 状 の 進 ん だ 症 例 に 対 し7ヵ 月 の 時 点
死亡 率 は
イズ へ の 進 行 は13%で
の各8.4%,27%に
比 べ,有
あ り,偽 薬 群(547例)
意 に改 善 してい る29,30)。し
減少 さ
併 用 で は,16週
で
減 少 した33)。副 作 用 に つ い
て は,下 痢 の 報 告 が あ る が,止
明 な 延 命 効 果 を有 す る
胞 数100以
の3剤
最 大1/4000(-3.610g)に
との 併 用 は さ ら に効 果 的 で,著
併 用 療 法 の フ ェー ズⅡ/Ⅲ の 中 間 成 績 で は,CD4陽
独
の 併 用 で は 最 大1/100(-2.Olog)に
減 少 させ た32)。AZT,3TCと
RTV(Abbott社)の
吸収 を
間以 上 間隔 を あけて服用
害 剤 の 併 用 に よ る薬 物 相 互 作 用 の 積 極 的 利 用 が 検 討 さ
副 作 用 は,消 化 器 障 害 が 主 で あ るが,
結
石 に よ る 血 尿 の 発 症 は 重 大 な 問 題 で あ る。 腎 結 石 を 予
口吸 収 率 が 低 い 原 因 は,腸
管 吸 収 直 後,肝
性 痺 痛 を ひ き起 こす 。 と くに わ が 国 で
染 者 の 多 くは 血 友 病 患 者 で あ るた め,腎
しか な く,こ れ が 治 療 上 の 大 きな 障 害 に な って い る。 経
ムP450(主
Database Center for Life Science Online Service
減
痢 剤 で コ ン トロ ー ル 可
食 事 中 の 服 用 で あ る。 現 在,他
の
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 が 利 用 で きな い 症 例 で の 拡 大
治 験 が 進 行 中 で あ る。
この よ うにHIVプ
療 法 は,エ
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 を含 む3剤 併 用
イ ズ 治 療 に 大 き く貢 献 し て い る が,解
決 し
な けれ ば な ら な い課 題 も多 い。 と くに,治 療 効 果 の 面
の 向 上 は不 可 欠 で あ る。3剤 併 用 療 法 は,臨 床 試 験 にお
か し,RTVの
副 作 用 は 強 く(下 痢 や 嘔 吐 な どの強 い 消
い て も患 者 の10∼20%は
化 器 障 害),上
記 治 験 に お い て も23%が
場 で は“ 治 療 失 敗” は 患 者 の約 半 数 に達 す る34)。耐 性 ウ
副 作 用 に よ り脱
治 療 に 失 敗 し,現 実 の治 療 現
落 して い る。 副 作 用 の ほ と ん ど は 服 用 開 始 時 に 集 中 し
イ ル ス の 出 現 の ほ か,HIVプ
て い る こ とか ら,実 際 に は食 事 とと もに服 用 し,300mg
副 作 用 や 飲 み に くさ が 関 係 し て い る こ とは間 違 い な い 。
1日2回
ま た,現
か ら徐 々 に600mg1日2回
まで 投 与 量 を上 げ
る方 法 が とられ て い る。 またRTVは,P450-3A4の
性 を抑 制 す る た め,ス
カ ー な ど,多
活
テ ロ イ ド薬 や カ ル シ ウム プ ロ ッ
くの 薬 剤 の 薬 物 代 謝 を阻 害 し血 中 濃 度 を
ロテ アー ゼ 阻 害 剤 の 強 い
在 の治療 法 で は免疫 機 能 の回復 にまで至 って
い な い こ と に も留 意 す る 必 要 が あ る 。 これ らの 点 を 解
決 す る試 み も,HIVプ
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 を 中 心 に検 討
さ れ て い る。
上 昇 さ せ る。 この た め併 用 注 意 や 禁 忌 薬 が 多 く,投 与
Ⅳ
.治 療の向上を目指 して
に お い て は服 薬 内 容 の 確 認 が 不 可 欠 で あ る。
C.indinavir(IDV)
IDV(Merck社)は,わ
ず か42日
間 の 審 査 でFDAよ
でHIV
併 用 で は,24週
RNAが
の 時 点 で,92%(24/26)の
AZTと3TCの2剤
IDVは,2割
748
患者
検 出 さ れ な く な っ た(検 出 感 度500コ
ピ ー/ml)31)。 一 方,IDV単
独 群 で は50%(13/26),
併 用 群 で は皆 無(0/26)で
療 効 果 の 向 上 に つ い て は,2つ
が 行 な れ て い る 。 ひ とつ は,さ
り承 認 され た こ とで 有 名 で あ る。IDVとAZT,3TCと
の3剤
現 在,治
あ った。
が代 謝 され ず に尿 中 に排 泄 され るた め,高
検 討 で,具
や,そ
の方向の検討
ら に強 力 な 併 用 療 法 の
体 的 に はHIVプ
ロテアーゼ阻害剤 問の併用
れ に基 づ く4剤,5剤
の併 用 療 法 で あ る。 も うひ
とつ は,薬
剤 と して の 欠 点 の 多 い既 存 のHIVプ
ー ゼ 阻 害 剤 に代 わ る
,新 規HIVプ
開 発 で あ る。
ロテア
ロ テ ア ー ゼ阻 害 剤 の
HIVプ ロテアーゼ阻害剤の臨床応用
表4 KNI-764耐
性 株 に 対 す る 主 要HIVプ
25
ロテ ア ー ゼ の 交 差
耐性
図1 薬 物 相 互 作 用 に よ るKNI-272の
KNI-272をritonavir(a)お
与 し た 場 合 の 血 漿 中 のKNI-272濃
KNI-27210mg/kgの
Database Center for Life Science Online Service
血 漿 中 濃 度 推 移
よ びindinavir(b)と
ラ ッ トに経 口投
み(○),KNI-272
10mg/kg十ritonavir
7
mg/kg(△),KNI-27210mg/kg十ritonavir70mg/kg(●)。(b)
KNI-272
50mg/kgの
ある。
度 の 推 移 を 示 す(n=3)。(a)
み(○),KNI-27250mg/kg十indinavir
mg/kg(△),KNI-272
50mg/kg十indinavir
は,IC95(0.1μM)を
示 す 。
25
2.新
規 なHIVプ
HIVプ
ロテ アー ゼ 阻害 剤の 開発
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 を含 む3剤
治 療 に 失 敗 し た 症 例 で は,使
100mg/kg(●)。?
併 用療法 に よる
用 し た 薬 剤 に 対 す る耐 性
ウ イ ル ス が 出 現 し て い る こ とが 多 い 。 そ の 場 合,耐
性
が 交 差 し な い 別 の 薬 剤 に ス イ ッ チ す る必 要 が あ る。 し
か し い ま の と こ ろ,既 存 の 抗 エ イ ズ 薬 に よ る こ の よ う
1.プ
ロテ ア ー ゼ 阻 害 剤2剤
HIVプ
の 併用
な 救 済 治 療(salvage
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 を 含 む新 し い併 用 療 法 と し
て,HIVプ
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤2剤
の併 用療 法が 注 目さ
れ て い る。 最 も開 発 が 進 ん で い るの がSQVとRTVの
併 用 療 法 で,速
報 の 段 階 で あ るが,投
も,今 後,耐
性 獲 得 パ タ ー ン の 異 な る 薬 剤 を数 多 く開
にお
低 下 させ て お
ら も この よ う な観 点 か ら,新
764)は,HIV野
ウ イル ス効 果 が 得 られ た理 由 と して,①
す(EC5。=26nM),ジ
利 用 に よ るSQV血
RTVは
の 併 用,②
強 いHIVプ
ロ
薬物 相互 作 用の積極 的
中 濃 度 の 大 幅 改 善,③SQVと
耐 性 の 交 差 性 が 比 較 的 低 い こ と,が 報 告 され て
い る。 と く に,②
は,薬
理 作 用 の増 強 も し くは薬 物 の
投 与 量 の 低 減 が 期 待 さ れ る た め,が
んや エイ ズの治療
規HIVプ
ロテアーゼ阻害
剤 の 開 発 を推 進 し て い る 。 た と え ば,JE-2147(KNI-
り35),現 時 点 で 最 も高 い抗 ウイ ル ス効 果 を 示 す 。 高 い抗
テ アー ゼ 阻 害 剤2剤
い 効 果 を示 し た
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 につ い て
発 し,併 用 療 法 の 選 択 の 幅 を 広 げ る必 要 が あ る。 筆 者
与 開 始12週
い て 血 中 ウ イ ル ス 量 を1/500∼1/1250に
therapy)で,高
とい う報 告 は な い 。HIVプ
生 株 に対 し 強 い 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 示
害 剤 で あ る。 表3に
ペ プ チ ド系HIVプ
ロテ ア ー ゼ 阻
示 す よ う に,既 存 のHIVプ
ロ テア
ー ゼ 阻 害 剤 とは 耐 性 ウ イ ル ス の 変 異 パ ター ンが 異 な り37),
JE-2147に
対 す る耐 性 は 交 差 し な い(表4)。
イヌ での
薬 物 動 態 的 検 討 で も良 好 な 血 中動 態 を示 す た め,新
なHIVプ
た
ロテ アー ゼ阻 害剤 として注 目されて いる。
薬 の分 野 で積極 的 に試 み られ るよ うにな って きた。具
体 例 を示 す と,筆 者 らが 開 発 中 のHIVプ
害 剤KNI-272を,RTVやIDVと
ロテアーゼ阻
同 時 に ラ ッ トに投 与
おわ りに
抗 エ イ ズ 薬 の 開 発 を 目指 し て世 界 中 で 行 な
す る と,単 独 で 投 与 した 場 合 と比 較 し て,KNI-272の
わ れ た 基 礎 研 究 の 重 厚 さ は,か
血 中 濃 度 の 維 持 が 大 幅 に 改 善 さ れ た(図1)36)。
か し そ れ 以 上 に 注 目 す べ き は,臨
のHIVプ
これ ら
ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 は,薬 物 代 謝 酵 素 シ トク ロ
ムP450-3A4と
合,P450-3A4に
相 互 作 用 す る た め,同
時 に投 与 した 場
よ る 薬 物 代 謝 が 阻 害 さ れ,KNI-272
の 血 中 濃 度 が 維 持 さ れ る と考 え られ た 。
この よ う な観 点 か ら,さ
ま ざ ま に組 み 合 わ せ たHIV
プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 の 併 用 療 法 が,現
在 臨床 試験 中で
つ て ない もので あ る。 し
床 試験 の結果 が研究
者 間 で オ ー プ ン か つ リア ル タ イ ム に議 論 さ れ て きた 点
に あ る。 ま さ に エ イ ズ が 人 類 に と っ て の 緊 急 課 題 で あ
る が ゆ えで あ ろ う。 そ の結 果,HIVプ
ロテアーゼ阻害
剤 の併 用療 法 が 加速 的 に進 歩 した こ とは間違 い ない。
HIVプ
ロテ アー ゼ 阻 害 剤 を含 む多 剤 併 用 療 法 によ り,エ
イ ズ 患 者 を死 の 縁 か ら救 い 出 す 希 望 が 生 ま れ た こ と は
749
26
蛋 白質 核 酸 酵 素 確 か で あ る。 とは い え,現
Vol.43
No.6(1998)
在 利 用 で きるHIVプ
ー ゼ 阻 害 剤 が もつ 問 題 点 は 多 く,よ
ロテア
うや く治 療 薬 と し
12)Mansky,L.M.,Temin,H.M.:J.Virol.,69,50875094(1995)
13)Ho,D.D.,Neumann,A.U.,Perelson,A.S.,Chen,
て の潜 在 的 な ポ テ ン シ ャ ル が 確 認 さ れ た に す ぎ な い と
W.,Leonard,J.M.,Markowitz,M.:Nature,373,
123-126(1995)
い え よ う。 今 後 エ イ ズ 治 療 の 確 立 に 向 け て,併 用 に用
14)Wei,X.,Ghosh,S.K.,Taylor,M.E.,Johnson,V.
い る薬 剤 の種 類 を 豊 富 に し て,独
立 の併 用 療 法 が 複 数
A.,Emini,E.A.,Deutsch,P.,Lifson,J.D.,
Bonhoeffer,S.,Nowak,M.A.,Hahn,B.H.,Saag,
組 め る よ う に し,治 療 法 を選 択 で き る よ う に す る こ と
が重 要 で あ る。 と くに現 在 のHIVプ
の場 合,副
ロテアーゼ阻害 剤
M.S.,Shaw,G.M.:ハTature,373,117-122(1995)
15)Perelson,A.S.,Neumann,A.U.,Markowitz,M.,
作 用 や 飲 み や す さな どに 問 題 が あ るた め,薬
剤 をス イ ッチで きず耐性 ウ イル スの 出現 に十分対 応 で
Leonard,J.M.,Ho,D.D.:Science,271,1582-1586
(1996)
16)Caliendo,A.M.,Hirsch,M.S.:Clin.Infect.Dis.,
き な い こ とが 予 想 さ れ る。 耐 性 が 交 差 し な い新 規 な薬
剤 を,早
急 に充 実 さ せ る こ と が 必 要 で あ る。 また,本
稿 で はふ れ な か っ た が,耐
18,516-524(1994)
17)Hammer,S.M.,Katzenstein,D.A.,Hughes,M.
D.,Gundacker,H.,Schooley,R.T.,Haubrich,R.
性 ウ イル スの モニ タ リング
H.,Henry,W.K.,Lederman,M.M.,Phair,J.P.,
Nill,M,Hibsch,M.S.,Merigan,T.C.:New
Database Center for Life Science Online Service
は,併 用 の効 果 を上 げ る た め に も重 要 で あ る。 耐 性 ウ
Engl.J.Med.,335,1081-1090(1996)
イ ル ス の 安 価 で 迅 速 な モ ニ タ リ ン グ シ ス テ ム を,新 薬
の 開 発 と あ わ せ て 開 発 す る こ と も忘 れ て は な ら な い 。
18)Katzenstein,D.A.,Hammer,S.M.,Hughes,M.
D.,Gundacker,H.,Jackson,J.B.,Fiscus,S.,Rasheed,S.,Elbeik,T.,Reichman,R.,Japour,A.,
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文
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29)Cameron,D.W.,Heath-Chiozzi,M.,Kravcik,S.,
MillsR.,Potthoff,A.,Henry,D.:in
Program and
Abstracts of the Third Conference on Retroviruses
and Opportunistic
Database Center for Life Science Online Service
Treatment
of
HIV-infection,Abst.
37)Mimoto,T.,Kato,R.,Takaku,H.,Misawa,S.,
Fukazawa,T.,Nojima,S.,Terashima,K.,Sato,
H.,Shintani,M.,Kiso,Y.,Mitsuya,H.,Hayashi,
H.:ibid,Abst.336
38)Eberle,J.,Bechowsky,B.,Rose,D.,Hauser,U.,
von
der
Helm,K.,Gurtler,L.,Nitschko,H.:
S、Res.、Hum.Retrovirus,11,671-676(1995)
AID
hington,D.C.(Jan.28-Feb.1,1996)
Was
39)Schmit,J.C.,Ruiz,L.,Clotet,B.,Raventos,A.,
32)Gathe,J.,Burkhardt,B.,Hawley,P.,Conant,M.,
Peterkin,J.,Chapman,S.:in
Program
and
Abstracts of the XI International Conference on
AIDS,Abst.MoB413,Vancouver
(July 7-12,
1996)
33)Markowitz,M.,Cao,Y.,Hurley,A.,O'Donovan,
R.,Peterkin,J.,Anderson,B.,Smiley,L.,Keller,
A.,Johnson,P.,Johnson,D.,Ho,D.D.:ibid,Abst.
LB.B.6031
Tor,J.,Leonard,J.,Desmyter,J.,De
Clercq,E.,
Vandamme,A.M.:AIDS,10,995-999(1996)
40)Patick,A.K.,Mo,H.,Markowitz,M.,Appelt,K.,
Wu,B.,Musick,L.,Kalish,V.,Kaldor,S.,Reich,
S.,Ho,D.,Webber,S.:Antimicyob.Agents.
Chemother.,40,292-297(1996)
41)Partaledis,J.A.,Yamaguchi,K.,Tisdale,M.,
Blair,E.E.,Falcione,C.,Maschera,B.,Myers,R.
E.,Pazhanisamy,S.,Futer,O.,Cullinan,A.B.,
Stuver,C.M.,Byrn,R.A.,Livingston,D.J.:J.
Virol.,69,5228-5235(1995)
42)Shintani,M.,Sato,H.,Mimoto,T.,Hayashi,H.,
Yusa,K.,Mitsuya,H.:in
of
the
Aspects
Program
6th
European
and
Treatment
and
Conference
of
Abstracts
on
Clinical
HIV-infection,Abst.
335,Humburg(Oct.11-15,1997)
43)Lalezari,J.,Haubrich,R.,Burger,H.U.,Beattie,
D.,Donatacci,L.,Salgo,M.P.:in
Abstracts
of
the
XI
Program
International
and
Conference
on
AIDS,Abst.LB.B.6033,Vancouver(July.7-12,
1996)
34)Deeks,S.:in
Program
and Abstracts of the 37th
Interscience Conference on Antimicrobial Agents
and Chemotherapy,Abst.LB-2,Tronto(Sept.28Oct.1,1997)
35)Cohen,C.,Sun,E.,Cameron,W.:in
Program and
Abstracts of the 36th Interscience Conference on
Antimicrobial Agents and Chemotherapy,American Society for Microbiology,Abst.LB7b,New
Orleans(Sept.15-18,1996)
36)Sato,H.,Shintani,M.,Fukazawa,T.,Terashima,
K.,Mimoto,T.,Hayashi,H.,Sugimoto,K.,Ninomiya,S.,Mitsuya,H.:in
the
and
334,Humburg(Oct.11-15,1997)
Infections,Abst.LB6a,
30)Cameron,D.W.,Heath-Chiozzi,M.,Kravcik,S.,
Mills,R.,Potthoff,A.,Henry,D.:in
Program and
Abstracts of the XI International Conference on
AIDS,Abst.Mo.B.411.,Vancouver(July
7-12,
1996)
31)Gulick,R.,Mellors,J.,Havlir,D.,Eron,J.,Gonzalez,C.,McMahon,D.,Richman,D.,Valentine,
F.,Jonas,L.,Meibohm,A.,Chiou,R.,Deutsch,P.,
Emini,E.,Chodakewitz,J.:in
Program
and
Abstracts of the Third Conference on Retroviruses and Opportunistic
Infections,Abst.LB7,
Washington,D.C.(Jan.28-Feb.1,1996)
of
Aspects
27
6th
European
Program
Conference
and
on
Abstracts
44)Salgo,M.P.,Beattie,D.,Bragman,K.,Donatacci,
L.,Jones,M.,Montogomery,L.:ibid,Abst.Mo.
B.410
45)Williams,P.E.O.,Sampson,A.P.,Green,C.P.:
Br.J.Clin.Pharmacol.,34,155-156(1992)
46)Norvir(ritonavir)package
tories,North
insert,Abbott
47)Crixivan(indinavir
sulfate)package
Merck,West
insert,
Point(Feb.,1996)
48)Viracept(nelfinavir
Agouron
Labora-
Chicago(Feb.,1996)
mesylate)package
Pharmaceuticals,La
insert,
Jolla(1997)
49)Perry,C.M.,Benfield,P.:Drugs,54,81-87(1997)
Clinical
751
Fly UP