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公立保育園の民間移管に関するQ&A(No.2)
公立保育園の保護者の皆様へ 広島市からのお知らせ 公立保育園の民間移管に関するQ&A(No.2) これまで、保護者の皆様への情報提供として、7月中旬に「公立保育園の民間移管に関する Q&A」をお配りし、8月下旬には「私立保育園の保育状況についての情報提供」をお配りし ました。このたびは、さらに保護者の皆様からお問い合わせのあった具体的な内容を含め、保 護者の皆様の疑問にお答えするため、「Q&A(No.2)」としてお知らせします。 民間移管される園の選定について Q1 建物の老朽化が進んでいる保育園ほど民間移管される優先度が高いのでしょうか? A1 民間移管の対象園を選定する際には、建物の老朽度は重要な判断材料の一つですが、それ以 外にも園の規模や地域の保育需要、近隣の保育園の設置状況など総合的な判断が必要と考えて います。 Q2 公立の中には借地に建てられている施設もありますが、民間移管後も継続して借地でき るのでしょうか? A2 借地の保育園を民間移管することについては、地権者の了解などの課題があると考えていま すが、具体的には、今後作成するガイドラインの中で示したいと考えています。 建物の老朽化と建て替えについて Q3 保育園のような建物が安全に使用できる年数はどの程度とされているのですか? A3 建築基準法や児童福祉法等の中では建築物の耐用年数等についての表記はありませんが、参 考になるものとして、公営住宅法の中で住宅の耐用年数は耐火構造(鉄筋コンクリート等) の住宅は70年、準耐火建築物(鉄骨造等)の住宅で45年、木造の住宅で30年と表記し てあり、保育園の建物も同等の耐用年数が目安と考えられます。 しかしながら、建物が安全に使用できる年数は、建物の保全状況や使用状況等によって耐 用年数より長くなる場合や短くなる場合があります。 Q4 公立全園について、築年数と耐震強度を教えてください。 A4 公立保育園の築年数については、別紙1のとおりです。 広島市では、平成18年1月に施行された「建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を 改正する法律」や平成10年3月に策定した「災害に強いまちづくりプラン」に基づき、市有 建築物の耐震化に取り組んでいますが、保育園については、現時点では耐震診断を実施してい ません。 なお、「災害に強いまちづくりプラン」では、建築物の機能・役割や建物の建築年代の被害 率や地盤の液状化可能性の程度などから耐震診断の優先度を9ランクに分けて評価しており、 現在、優先度の総合評価の高い「Ⅰ」から「Ⅲ」までの防災拠点となる施設等のうち、区役所 や広島市民病院、学校の屋内運動場、消防出張所について耐震診断及び耐震補強を行っていま す。保育園も、その機能・役割や地盤の液状化可能性等から、優先度の総合評価が「Ⅳ」から 「Ⅵ」に分けられています。今後、耐震化対象施設の中で優先順位をつけながら順次計画的に 耐震診断・改修工事を実施し耐震化に取り組んでいきたいと考えています。 Q5 私立が老朽化した建物を建て替える場合の方法、国や自治体の補助金制度(金額)を具体的 に教えてください。 A5 私立保育園が建て替えをする場合、国の施設整備交付金の採択を受け、本市から民間社会福 祉施設整備費補助金を受けるのが一般的です。 補助金の制度ですが、基本的には建替の総事業費の2分の1と国の定める算定額を比較し、 少ない方の額を基準に算定しますが、これを同額と仮定した場合、国が総事業費の2分の1を、 本市が総事業費の4分の1(国の算定額の2分の1)を助成し、あわせて総事業費の4分の3 を助成することになります。 また、老朽化に伴う建替の場合は、国・市負担分(4分の3)に加えて国・市負担分の6分 の1(総事業費の8分の1)以内の額を本市が加算しますので、あわせて最大で総事業費の8 分の7を助成することとなります。 Q6 民間移管された私立では、移管後、どの程度の期間内に建て替えが行われるのでしょうか? また、建て替え工事中も良好な保育環境を維持確保するために、行政としてどのような支援を 考えていますか? A6 建て替えの時期については、施設の老朽度や待機児童の状況等建て替えの必要性を総合的に 判断して決定することになります。 建替工期は、1年程度必要ですが、これまでの建て替えでは、仮園舎用地として、市の未利 用地等を無償貸付するなどの支援を行ってきており、今後とも同様の支援を行いたいと考えて います。 Q7 「保育園のあり方について(案)」の中で、民間移管の目的の一つとして民間移管園の改築 による保育環境の改善をあげていますが、どのような点がよくなるのですか? A7 建て替えにあわせ、これまでより広い面積を確保することにより、子ども一人あたりの面積 が広くなり、ゆとりのある保育を行うことができます。また、現在は多くの園で遊戯室も保育 室として使用しているため、この部屋を確保するとともに、現在は整備されていない一時保育 (保育園に入園していない児童を、保護者の傷病・入院等の緊急時の対応として保育園が預か るもの)の部屋など子育て支援のスペースを確保することが可能になります。 この他にも、駐車場がない園、または少ない園については、建て替えにあわせ駐車場のスペ ースを多く確保することができると考えています。 保育に係る経済的負担について Q8 私立で、保育環境整備に関わる負担金があればその内容と金額を教えてください。 A8 全ての保育園の状況は把握していませんが、夏期に使用する大型プールの水道料などを、実 費費用として徴収している保育園があると聞いています。 なお、このような保育環境整備に係る負担金の徴収については、保護者の理解のもとに行う 必要があると考えています。 Q9 保育環境整備以外にも個別負担が発生している事例(スモックやカバン、教材費などの費用) があります。広島市の個別負担に関する考え方を聞かせてください。 A9 スモックやカバンなどの個別費用については、各設置者が保育園の運営方針に基づいている もので、保護者に趣旨や内容を説明し、保護者の理解を得て、負担金額も常識の範囲内である ことが必要であると考えています。 Q10 民間移管後、保育料以外にお金がかかるのではないですか? A10 民間移管後に、保護者の負担が増えることは基本的にはあってはならないと考えています。 そうしたことについては、ガイドラインの中に示したいと考えています。 保育の内容等について Q11 1回目のQ&Aの中で、民間移管で保育内容や行事等は基本的に変わらないと説明されてい ますが、その根拠を教えてください。 A11 公立・私立を問わず、保育は児童福祉法や国が定める保育所保育指針に基づいて行われてお り、基本的な保育内容は変わりません。その原則のうえで、例えば異年齢児保育の実施や行事 の内容について私立保育園としての特色ある取組がなされていますが、民間移管に当たっては、 在園児への影響に配慮し、移管の条件として、「保育内容、行事等保育環境の急激な変更は行 わないこと」を項目に入れることを考えています。 Q12 第4回保育園のあり方検討委員会における市の説明では、「公立の保育理念等の継続は半永 久的なものではなく徐々に民間に移行すればよい」と説明されています。これは私立になって も保育内容や行事等は基本的に変わらないという保護者への説明と矛盾するものではありませ んか? A12 移管の条件として、「保育内容、行事等保育環境の急激な変更は行わないこと」を項目に入 れることを考えていますが、公立保育園にはない、私立保育園の良さを保育園運営に取り入れ るという観点から、一定期間が経過した後に、移管先法人が持つ保育理念や保育方針に基づく 保育内容や行事等への変更を保護者への説明・理解のもとに行うことは差し支えないと考えて います。 Q13 移管後、夏休みなど保育園が休みになることははないですか?また、開園時間が変わること はないですか? A13 最低限、移管前の公立保育園の休園日や開園時間(11時間開園及び延長保育実施園につい ては延長保育)を継続します。移管実施園によっては、移管前よりも早朝から開園することも 可能となります。 給食について Q14 公立の調理員は市の職員となっていますが、私立においても自園の職員となっているのです か?また、現状で給食の外部委託を行っている園はありますか?あれば園数を教えてください。 A14 私立においても調理員は、原則として自園の職員となっていますが、保育所における調理業 務の委託については、平成10年2月28日付け厚生省児童家庭局長通知により、調理業務の 委託についての基本的な考え方、施設内の調理室の使用、栄養面での配慮など一定の事項に留 意の上、調理業務の委託を認めています。この通知により、調理業務の委託(食品衛生法に基 づく許可を受けて調理業務を委託)を行っている園は5園です。 Q15 給食の外部委託を行っている私立について、食材の生産地や購入方法、衛生管理、労働実態 について、広島市が把握している内容を教えてください。また、義務づけられている内容があ れば教えてください。 A15 私立保育園の食材の生産地等は把握していません。 義務づけられている内容ですが、施設の管理者が業務上必要な注意を果たし得るような体制 等により、施設職員による調理と同様な給食の質が確保されること、入所児童の処遇の確保に つながるよう十分配慮すること、施設内の調理室で調理すること、受託事業者に対して保育園 における給食の重要性を認識させること、毎回検食を行うこと、献立等について栄養面での指 導を受けられる体制にあるなど栄養士による必要な配慮がなされていることなどが必要とされ ています。 Q16 広島市の給食の外部委託に関する考えを聞かせてください。 A16 保育園の給食については、児童の発達段階や健康状態に応じた離乳食・幼児食・アレルギー 等への配慮など、安全・衛生面・栄養面での質の確保が図られるべきものです。特に食育の推 進が求められている状況の中で、献立内容・調理の工夫や児童に対する働きかけなど給食の果 たす役割は大きくなっています。 給食に関する国通知では、調理業務についても保育園が責任をもって行えるよう保育園職員 により行うことが原則であり望ましいこととされており、例外的に、管理体制や食育の推進な どに必要な配慮がなされ、保育園職員による調理と同様な給食の質が確保される場合には、調 理業務を委託することは差し支えないとされています。 本市の保育園の給食については、この国の考え方に基づいて、今後とも給食の質が確保され るよう適切に実施していきたいと考えています。 Q17 民間移管すると給食が外部委託されることがあるのでしょうか?。 A17 移管の条件として、「保育内容、行事等保育環境の急激な変更は行わないこと」を項目に入 れることを考えています。民間移管後の保育園の運営については、保護者・法人・市の三者で の話合いの場を設ける等の仕組みをガイドラインの中で示したいと考えています。 保育の質の確保について Q18 公立・私立に適用される職員の配置基準を教えてください。私立の実態はどのような方法で 確認されているのかを教えてください。 A18 公立・私立とも児童福祉施設最低基準に基づく配置をしています。私立の実態は、毎月5日 までに提出される職員配置状況調書で確認しています。 (児童福祉施設最低基準における職員配置基準) ○ 保育所には、保育士、嘱託医及び調理員を置かなければならない。ただし、調理業務の 全部を委託する施設にあっては、調理員を置かないことができる。 ○ 保育士の数は、乳児おおむね3人に対して1人以上、満1歳以上満3歳に満たない幼児 おおむね6人に対して1人以上、満3歳以上満4歳に満たない幼児おおむね20人に対し て1人以上、満4歳以上の幼児30人に対して1人以上とする。 Q19 公立・私立双方の職員数などを職種別(保育士、調理員等)に教えてください。 ① 正規、非正規雇用の人数または割合 ② 男性・女性の人数または割合 ③ 正規雇用の継続勤務年数別の人数または割合 ④ 正規雇用の年齢構成 ⑤ 正規雇用、非正規雇用の給与額 A19 別紙2及び別紙3のとおり。 Q20 前回、私立保育園の情報提供の中で、「保育の質の確保は経験年数による保育士個人の技量 のみに頼るのではなく、保育士一人ひとりが保育園の保育方針や目標について共通認識を持ち、 保育園全体で組織として保育に取り組むことが重要」と説明されています。組織としての取り 組みの1つである障害児保育研修の参加が公立752人に対し、私立228人(2006年度) と低い理由を教えてください。また、参加率をどのように引き上げるのか、具体的な施策を教 えてください。 A20 本市においては、すべての保育園の保育士を対象とする専門研修(広島市保育園連盟に委託 実施)及び発達障害など心身に障害を持つ児童の保育についての研修(本市が実施)並びに私 立保育園の職員を対象とする勤続年数や職位に応じた研修(広島市私立保育園協会に委託実施) を行い、保育士等職員の資質の向上に努めています。 ご指摘の障害児保育研修に参加する私立保育園の職員数が少ないことについては、詳細には 把握しておりませんが、代替保育士の確保が困難であるといった声を聞いています。今後、こ れらの研修については、出来るだけ多くの保育園職員に参加していただけるよう、より効果の 高い研修の実施や各保育園の職員が業務に支障がなく研修を受講できるような体制づくりに努 めたいと考えています。 多様な保育サービスの充実について Q21 「保育園のあり方について(案)」の民間移管の基本的な考え方の中で、一時保育、延長保 育の充実なども民営化の目的とされています。一時保育、延長保育は民営化園だけでなく、全 ての私立で行われていくと考えてよいですか?財政的に余裕のない私立にはどのような支援を 行うのですか?具体的に示してください。 A21 一時保育、延長保育については、広島市新児童育成計画で平成21年度の目標(一時保育実 施園:50園、延長保育実施園:103園)を掲げサービスの充実に取り組んでおります。 延長保育については、既に私立保育園でほぼ全園(70園)で実施しています。 一時保育については、現在39園の私立保育園で実施しており、当面は目標達成に向けて保 護者ニーズや地域バランスを踏まえ、一層の拡充を図っていきたいと考えています。さらに、 将来的にも一時保育の実施園の拡充を図っていきます。 なお、事業の実施にあたっては、一時保育事業、延長保育事業ともに、事業に要する経費に ついて補助しています。 Q22 一時保育、延長保育の実施にあたって、保育にあたる職員の資格、経験年数や役職、保育室 の広さや人員配置など、義務として定められている内容を具体的に教えてください。 A22 一時保育については、事業担当保育士を配置することとしていますが、施設の実態に応じ、 適宜、その保育士以外の保育士の協力を得て実施することは差し支えありません。また、専用 の部屋を確保して実施することを原則としていますが、入所児童との交流を行う等弾力的な処 遇を行うことや事業の実施に支障がない場合は専用の部屋を設けないことも差し支えありませ ん。 延長保育については、公立・私立保育園とも、広島市延長保育実施要綱に定める定数の保育 士を配置しなければならず、このうち1人は常勤保育士でなければなりません。なお、保育室 の広さは、通常保育時間内での基準に準じます。 Q23 「保育園のあり方について(案)」の私立保育園の特性の中で、「私立保育園は職員の勤務 体制など柔軟な施設運営が可能であることから、延長保育や一時保育などに柔軟かつ迅速に対 応できる」と説明されています。「職員の勤務体制など柔軟な施設運営が可能」とは職員の雇 用を運営側の意向で決めるのが容易だということです。職員の不安定な雇用は保育の継続、子 どもの安全面に問題はないのですか? A23 「職員の勤務体制など柔軟な施設運営が可能」とは、法人の判断により、柔軟に年度中途等 においても職員採用ができるということであり、必ずしもそのことが不安定な雇用に繋がるも のではないと考えています。 なお、移管先法人の選定にあたっては、安全対策についても配慮したいと考えています。 民営化による子どもへの影響について Q24 他の自治体の民営化園では園児が骨折する事故が発生しています。全国の民営化園で起きた 事故とその原因を教えてください。また、私立に対して義務づけられている安全対策について 教えてください。 A24 他都市の一部の民営化園で事故があった事実については承知していますが、数多くの民営化 園のごく一部の事例であり、民営化で起こった事故であっても、民営化と事故との因果関係は 必ずしも明確ではないと考えています。 公立・私立を問わず、保育園に義務づけられている安全対策としては、児童福祉施設最低基 準において、消火用具や非常口その他非常災害に必要な設備を設けること、非常災害に対する 具体的計画を立て、これに対する不断の注意と訓練をするよう努めなければならないこと。こ の訓練のうち避難及び消火に関する訓練は毎月行わなければならないことが規定されています。 また、他都市や他施設であった事故の事例や季節ごとに想定される事例についても、各公立・ 私立保育園に通知を行い、安全対策について配慮を求めています。 Q25 移管後に事故が起こった場合、子どもの精神状態が不安定になった場合、その責任は移管先 の私立が負うのですか? A25 第一義的な対応は移管先法人が行うことになりますが、民間移管により、子どもに悪影響を 及ぼさないよう最大限の配慮を行うことは、市の責任であると考えています。民間移管により 子どもに悪影響を及ぼさないよう、保護者・事業者・市の三者で連携を図るとともに、十分な 引継ぎを行います。 Q26 民間移管には、子どもたちにとって良い点があるのですか?あれば具体的にどういう点なの か教えてください。 A26 公立保育園の多くは建物の老朽化が進んでおり、また、定員を大幅に超えて受け入れている ため、入所児童の処遇向上の観点から、この改善が求められています。民間移管により生じた 財源を活用し、新しく建て替えることにより、子どもたちにとってより安全で快適な環境を提 供することができます。 保育内容については、公立・私立を問わず基本的に同じですが、一部の私立保育園では、異 年齢児保育や文化・スポーツなどを取り入れた特色ある保育活動を行っているほか、3歳以上 児の完全給食やアレルギー代替食を実施しています。 さらに、各保育園の判断により、備品の購入や施設の修繕等について、保護者ニーズに迅速 に対応することができることなどが、民間移管の子どもたちにとって良い点であると考えてい ます。 「保育園のあり方について(案)」の中で説明している拠点園について Q27 「保育園のあり方について(案)」の今後の公立保育園の役割の中で、公立の拠点園が周辺 園の指導等を行うとされていますが、私立に対してどのような指導を行うのか具体的に示して ください。また、私立がその指導の内容を実行できなかった場合はどうなるのですか? A27 拠点園の役割として、保育内容に関する調査研究、障害児保育等についての助言・指導、認 可外保育施設の支援の3つをあげています。このうち障害児保育等についての助言・指導につ いては、拠点園に発達障害児等障害児保育の豊かな経験とノウハウを有する保育士を配置し、 拠点園以外の公立保育園及び私立保育園からの依頼に応じ、個々の事例に応じた具体的な助言・ 指導等を行うことを考えています。 これは、市全体の保育の質を向上させるための助言・指導であり、ただちにその指導内容の とおり実行できなければならないというものではありません。 Q28 拠点園は新たな業務を担うことになりますが、現在の職員体制で行うのであれば保育士の本 来の保育業務が損なわれることを心配しています。また、新たな人員配置をするのであれば人 件費は増えるのではないでしょうか?どのような職員体制で行うのか、増員を行うのであれば 増加する人件費について教えてください。 A28 拠点園には、拠点園としての役割を果たすために必要な保育士を配置します。そのために必 要な保育士の人件費については、民間移管により生じた財源の中で賄いますので、公立保育園 全体としては、人件費の増加には繋がりません。 なお、拠点園の具体的な職員体制については、今後検討することとしており、拠点園の体制 強化による人件費の増がどの程度となるかは未定です。 移管先法人の選定について Q29 1回目のQ&Aの中で、社会福祉法人を「極めて公共性の高い」と説明されていますが、そ れはどのような点ですか? A29 社会福祉法人は、社会福祉法に基づき、その設立目的が社会福祉事業を行うこととされてい ることから、「極めて公共性が高い」法人であると言えます。 このため、業務の停止命令や法人役員の解除勧告ができるなどの強い指導監督権限が法律上 市に認められており、これは株式会社などの一般的な営利を求める法人との大きな違いです。 Q30 同じく1回目のQ&Aの中で、「移管先は社会福祉法人を予定しているため、利益追求型に ならない」と説明されていますが、社会福祉法人は利益を出すことができない仕組みになって いるのですか? A30 保育園の運営は、児童福祉法に基づいて行う福祉事業であり利益追求のために行うものでは ありません。そのため、私立保育園の運営に要する経費については、児童福祉法に基づき基本 的にすべて国と市が負担する仕組みになっており、国の通知に基づき、一年間の保育園運営に 係る収入と支出の差額が、その年度の運営費の収入の5%相当額を上回る場合には、運営費の 使途等について指導することになっています。また、預金についても施設の修繕や建て替え等 の積立金など特定の目的以外については、当該年度の運営費収入の30%以下の保有に限られ ています。 Q31 選定委員会の中に、保育を行う現場の保育士は含まれますか?また、これまでの「保育園の あり方について(案)」の移管先の運営主体の選定の考え方の中で、選定委員会の構成に保育 を受ける子どもの保護者が含まれていない理由を教えてください。 A31 選定委員会の構成については、現在検討中です。いずれにせよ、移管先法人の選定に当たっ ては、保護者の意見の反映にも留意したいと考えています。 その他 Q32 民営化した園が認定こども園になることもありえますか? A32 保育園を認定こども園化した場合、保育に欠けない児童も受け入れることとなりますが、待 機児童が解消されていない現状においては、民間移管した保育園を認定こども園にするメリッ トはあまりないものと考えています。 Q33 移管後の私立保育園で、保護者会の自主的な活動は保障されるのですか? A33 保護者の任意の集まりである保護者会の活動について、公立保育園であれ、私立保育園であ れ、保育園の運営に支障を来たさない限り、市や法人が制約することはありません。民間移管 後は、保護者会・法人・市の三者による話し合いの場を設け、情報を共有し、より良い保育環 境を確保していきたいと考えています。 Q34 民間移管を行うには、議会の承認がいるのですか? A34 民間移管の実施にあたっては、すべての公立保育園の名称が定められている広島市保育園条 例から、民間移管を実施する公立保育園を削除する条例改正を行う必要があります。そのため、 条例改正案を市議会へ提案して議会の議決を得る必要があります。