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新たな生理機能性の解明とそれを応用した食品及びアルコール

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新たな生理機能性の解明とそれを応用した食品及びアルコール
研究課題事後評価調書
記入日
機 関 名 総合食品研究所
課 題 名
課題コード H150302
計画事業年度
実績事業年度
平成
15
15
19 年 8 月 27 日
年 度 ∼ 19 年 度
年 度 ∼ 18 年 度
新たな生理機能性の解明とそれを応用した食品及びアルコール飲料の開発
機関長名
連 絡 先
政策コード
施策コード
目標コード
若林 三郎
担当(班)名
酵素・微生物グループ
018-888-2000
担当者名
堀 一之
N
政 策 名 豊かな自然と調和した個性あふれる農林水産業の振興
2
施 策 名 地域農業との連携強化による秋田らしい食品産業の振興
施策目標名(評価指標) 主要加工食品の県産原材料使用額
1
重点(事項名)
基盤
○
種
別
研究
○
開発
調査
その他
試験
県単
○
国補
共同
受託
その他
評 価 対 象 課 題 の 内 容
1.研究の概要
高齢化社会の急速な進行とともに、生涯に亘った健康作りの推進は本県にとって最重要課題である。その中
でも食生活を通じた予防的あるいは緩和で継続的に病態の進行を遅延させる方向性が重要視されている。食
品研では、地域特産農水産物の生理機能性データベースを構築し、情報発信・特許出願とともにいくつかの商
品化を推進してきた。本課題では、生活習慣病(糖尿病合併症、高血圧症およびメラノーマ細胞による抗白髪
等)に対象を絞り、秋田の食材の中から新たな疾患の予防・抑止に繋がる知見を得るとともに、高付加価値な
商品への展開を図る。さらに、県産の果実酒やそれをベースとした蒸留酒、酒類の熟成貯蔵や添加物などに
存在する各種の生理機能寄与成分を活かし、高い付加価値を持つ商品への展開を目指す。
2.課題設定時の背景(問題の所在、市場・ニーズの状況等)及び研究期間中の状況変化
いわゆる健康食品市場は今日1兆円を超す規模であり、年率10%近い伸びを示す成長分野である。また、食
薬区分の30年振り全面的見直し、食品の形態区分の撤廃、保健機能食品制度の創設など、健康食品を取り
巻く情勢は規制緩和・市場開放が進行している。その中で、生き残る商品となるには、科学的な根拠が必須
で、産業振興の見地からも本研究の果たす役割は大きい。また、県産果実酒は低価格の輸入果実酒増大に
よる厳しい状況の中、ワインポリフェノールに代表される機能性を付与した果実酒を開発することによって、県
内産果実酒の高品質化と市場の拡大に大きく貢献できうるもの期待される。さらに果実蒸留酒や貯蔵熟成成
分など新たな酒類機能性への展開によって高付加価値商品開発につながる。
3.課題設定時の最終到達目標
①研究の最終到達目標
高齢者特有の各種症候・疾患に対する評価系をもとに生理活性成分を明らかとする。そして、活性関与物質を
効率よく安定に利用する方法を検討し、高付加価値の加工食品・酒類を市場に出すことを最終到達目標とす
る。
②研究成果の受益対象(対象者数を含む)及び受益者への貢献度
一義的には、県内をはじめとする生理機能性に関わる商品開発を望む食品・酒類業者が受益対象となる(直
接商品化に至る業者は最終的に10社程度であろう)。ただし、本研究で得られた知見から化粧品素材・医薬
リード化合物への発展も大いに期待できる。
4.全体計画及び財源 (全体計画において
計画
実績)
(最終年度)
17
18
15
16
実施内容
到達目標
年度 年度 年度 年度 年度
18年度
各種評価系の確 細胞伝達シグナル系など
立
本質的評価法を含め確立
各評価系によるス 各評価系での研究対象の
クリーニング
絞り込み
活性物質分離構 活性物質の化学構造を解
造解析と機構解明 析し作用機構を探る
機能性成分の安 抽出法・加工利用法確立
定な利用法検討 (含小仕込・蒸留試験)
機能性を付与した 実際商品として市場化を図
商品開発事業化 る
合計
6,000 8,000 8,000 8,000
36,000
計画予算額(千円)
6,000 3,091 1,457 4,836
15,384
当初予算額(千円)
6,000 3,091 1,457 4,821
15,369
一般財源
財源
国
費
内訳
15
15
そ の 他
(標準様式∼裏)
研 究 成 果 の 概 要
□ 解析データ、指針、マニュアル等
□ 新技術
□ ステップアップ研究における中間成果 □ 新製品
・成果の具体的な内容
・成果の分類
新品種
その他
1)抗腫瘍性タラノメ由来糖タンパク質aralinの構造および機能解析2)フキノトウのラジカル捕捉活性関与成分を
解明3)高血圧調節因子のレニン活性阻害アッセイ系を確立し味噌と大豆の阻害活性を確認4)ペルオキシエル
ゴステロール(美白)及びアキノノゲシ(抗白髪)の化粧品素材への基礎・応用研究展開とミョウガ、セリの香気お
よび脂肪酸関連成分の精査5)香味バランスが取れMMP阻害成分を増強したブランデー・ホップ成分由来のコ
ラゲナーゼ阻害成分を増強した新規リキュール・AR阻害成分を増強したワインなどの製造技術を確立: 学術
論文・著書(25件)、国際・国内学会での発表(38件)、特許出願(6件)
観点
1.
A
B
C
・大きな産業振興に繋がるような目立った技術移転成果はないように見受けられる。
・研究報告は相当数で、学術的な成果は充分に得られている。
最 ・成果が活用されるよう県央エリア事業へのテーマ移行は妥当な判断と思われる。
終
到
達
目
標
の
達 A.十分達成できた
C.達成できなかった
成 B.ほぼ達成できた
度 ※研究課題の難易度(事前評価の技術的達成可能性得点率)を加味した達成度
事前評価の技術的達成可能性得点率 69 %
S
A
B
C
D
2.
A
B
C
D
・研究のシ-ズとして奥深く、層の厚いものとなっていて食品産業振興への基礎研究だったと考える。
・確認された生理機能特性を前提に、早期の実用化、商品化を推進するため県央エリア事業で応用・実
研
究 用化の研究展開を期待する。
成
果
の
効
果
A.効果大
S
B.効果中
A
C.効果小
B
D.効果測定困難
C
D
【追跡評価の必要性
有
無 】
・タラノメ由来糖蛋白アラリン、フキノトウ由来バッケノライドなどの生理活性物質の研究については目標
を達成したと思われる。
・今後はこれらの学術成果を県央エリア事業の中で、具体の機能性食品開発等に役立てることを期待
する。
総
合
評
価
S:目標達成、研究成果及び効果は当初見込を上回っていると認められる
A:目標達成、研究成果及び効果は当初見込をやや上回っていると認められる
B:目標達成、研究成果及び効果は当初見込どおりであると認められる
C:目標達成、研究成果及び効果は当初見込をやや下回っていると認められる
D:目標達成、研究成果及び効果は当初見込を下回っていると認められる
中間(16年度) 中間(17年度) 中間(18年度) 中間(年度)
(参考)
事前
過去の評価結果
B
B
B
C
中間(年度)
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