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Vol.3「年間メニューの作り方」 前回はベーストレーニングについて解説しま
Vol.3「年間メニューの作り方」 前回はベーストレーニングについて解説しましたが、そういったトレーニングをいつ行うかという、 年間プランという考え方を今回説明したいと思います。 スポーツとしてのサイクリング、そしてロングライドやヒルクライムやレースなどのイベントシーズ ンはおおむね4月から11月という期間になります。 その期間を”オンシーズン”、そしてイベントのない時期を”オフシーズン”、そしてシーズン前を”プ レシーズン”として、明確にオンオフと割りきってしまうのも一つの方法です。 しかし、イベントが無いからオフ,というのは適切ではありません。なぜならイベント参加が目的で はない場合では、年中オフシーズンと言う事になっていまします。 体力向上,体脂肪原料,など自己の向上に注力するも,イベント参加するにしても、まずは年間 の”いつ”に”何を”達成するかという、明確な目標設定が,それを達成するために重要になります 。 これがゴールが具体的になればなるほど目標到達率が高まります。 たとえば、カーナビ設定で目的地がわからなければ,どんなに優れた車でもそこに辿り着くことは 出来ません。 しかし、カーナビで目的地を明確に設定して,最適ルートを辿っていくならば,たとえ車の性能が 低かろうが,道路が渋滞していようが、時間はかかれど確実にそこに辿りつくことが出来ます。 これは、トレーニングにおいても全く同様です。 目的地=目標達成、 カーナビ設定=トレーニングプラン 最適ルート=トレーニングメニュー 車(とその性能)=トレーニングする人(とその能力) 道路(とその渋滞など状況)=トレーニングをする環境(および生活の中の時間 と、読み替えてみてください。 目標達成するという、トレーニングプランを設定して,最適なトレーニングメニューを適時行い,ト レーニングする人の能力で,どれくらいの時間がかかるか,というように考えて行きます。 目指す目標が高かったり,今の能力が低い場合は、時間がかかりますから、オンシーズンになっ てからでは間に合わないことが多いいのです。 ですから、目標達成、それは”いつ”と明確にして,その所要時間は長ければ長いほど,到達の 可能性が高まります。 今すぐトレーニングを始めることが一番、可能性を高めるのです。 では、少し細かくみていきましょう。 STEP1 目標の明確化 トレーニングプランを考えるにあたり,目標は、どのイベントですか?どんな目標ですか?今より も速く、では明確とは言えません。タイムや順位など、具体化できる数値的に達成の可否を判断 できるようにすることが、重要です。これにより、取り組むトレーニングも具体性を帯びてくるので す。 例)〇〇ロングライド160kmを 8 時間以内に完走、△△ヒルクライムを去年よりも 5′短縮、 □□レースで3位入賞など STEP2 能力の具体化 具体性を導き出すため、その達成のためには、どんな能力を有する必要があるか、を検討します 。さらに、今はどんな能力を有しているかを確認します。その差を埋める作業が具体的かつ必要 なトレーニング、ということになります。 例)心拍ゾーンの確認、レース中の心拍、速度、ケイデンスなどの推移、パワーなど STEP3 生活環境での時間の把握 それをトレーニング出来る環境、生活の中の時間でどれくらい出来るか、一回あたりの時間、頻 度を取れるか、を考えます。それを週間計、月間計、年間合計と把握していきます 。距離ので把握もモチベーション(やる気)に繋がりますが、時間で管理する方が今日的です。 例)<月曜から金曜日までは仕事/火曜と金曜日は朝 6 時から 1 時間/週末 1 回は 6 時間の ロングライド/週間計8時間、月間計32時間、年間合計384時間><月曜から金曜日は通勤で 往復 40km/土日で 200km、週間計 400km、月間計 800km、年間合計 9600km>など STEP4 期分け(ピリオダイゼーション) ここまでで、今からいつまでに、どんな能力を、どれくらいの時間で高めるか、という全体像が分 かってきました。 次に適時性を考慮してどのようなトレーニングメニューを、いつやるかを決めていきます。 適時性とは、同じトレーニングメニューの内訳でも、いつそれをやったかで目標達成に対する効 果が違ってきます。例えば、ヒルクライムの一週間前に、持久力アップの100kmの LSD を行う のと、速度の向上を狙う登坂インターバルを行う、どちらがタイムの短縮に繋がるでしょうか、速 度を上げる方ですね。 このように、適時性を考慮して目標から逆算して、いつなにをやるかを決めて行くことを期分け(ピ リオダイゼーション)と呼びます。 トレーニング開始日から順を追って設定していきますと、次のようになります。 基礎期(ベース)/目標達成に求められる必要なあらゆる能力の拡充 V.Light~Light ゾーンをメインにトレーニングのボリュームを大きくしていく(※前回参照) 鍛錬期(ビルドアップ)/目標達成に求められる特化された能力の強化 ミドル、そしてハードゾーンとレースに直結するトレーニングの頻度を増やす 調整期(ピーク)/能力を仕上げ発揮出来るように調整 マックスゾーンでの超高強度での刺激を入れつつ、短時間にとどめてカラダは回復させる 目標日(イベント)/本番! 全力で走るのみ!!! 休養期(レスト)/心身共に休めて回復 Very Light での回復的な走りなどで、積極的な回復を促す 準備期(プレパレーション)/次の目標にむけて、トレーニングのための体づくり V.Light~Light でのトレーニングを徐々に行い、ストレングストレーニングなど補完的なメニューも 開始する これらを考慮して、年間プランを組立てていきます。 次のサンプルは、心拍数のトレーニングゾーンを指標にした、イベントに向けたトレーニングプラ ンの一例です。トレーニングゾーンで色分けをしているので、目標の日に向けた 運動強度x量 の推移が一目瞭然となります。 それぞれの期の詳細は今後さらに解説していきますが、まずは、STEP1〜4を自分で行ってみて 、全体像の把握をされることをオススメします。