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Adobe® 昭和34年4月20日
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第22回東部連合地方会
(昭和33年10月19日,於東京豊島振興会館)
特別講演 多形溶出性紅斑(含粘膜皮膚眼症候群,凍
第1図 多形溶出性紅斑の年令分布
猪)三浦修(日大)
多形溶出性紅斑(Erythema
exsudativum
mltifor一一総計巾
me)または多形紅斑(Erythema
polymorphe)に関し
てはすでに私見を日本皮膚科全書Ⅳ/1にのべた.しか
 ̄^ ̄` ̄`女 13801%!
例
叡
し当時はたほ不備な状況の下に筆をとったため,意に満
たぬ点が多いのみならず,意見の改変を要するものも少
からずある.この度,この学会において本疾患について
趙
講演するよ5もとめられたのを好機とし,上記全書中に
記した私見の補遺を行い,同時に一部の改変をなさんと
するものである.かゝ・る機会を与えられた会員諸氏に心
第2図 多形惨出性紅斑の発症時期
から御礼申し上げたい.
多形溶出性紅斑に関する私見を全書中から要約する
蔵症候群を亀木疾患に含ましめるべきこと,病理組織学
的には血管周囲性浮腫と血管壁並びに血管周囲結締織の
25加巧旧
例玖
と,本疾患の疹型をHebraの原意より拡張して粘膜皮膚
フイブリノイド変性が主変であること,多種の原因に由
来する広義のアレルギー性間葉性反応であり,
reaction
・cutan6e (Brocq)と解すべきこと,凍癒の多形溶出性紅
斑型は寒冷に因って惹起される多形溶出性紅斑に他なら
ぬこと,等であった.以下に当教室最近5年間に観察し
(男14,女52),すなわち34%あった.その言にしたがうと
た患者を材料としてのぺたい.
既往の発症季節は以下のようであった.春秋2候12例,
I.多形惨出性紅斑(粘膜皮膚眼症候群,凍濤を除く)*
春(3, 4, 5月)7例,夏(6, 7,8月)20例,秋(9,
昭和29年から33年5月までの4年5ヵ月間の当科外
10,n月)3例,冬(12,
来患者総数25, 537名中本疾患は192例(0.75%)を算す
梅雨期2例,季節の変り目1例,不定8例,不明7例.
る.その統計的観察を下記したい.
既往歴 本疾患の発症と関連する既往歴は,凍癒に罹
性別 192例中の男女比は56
患し易いという者4,凍癒の前後に発症するかの1,月
: 136 をなし,女性がほ
ぢ2.5倍である.
年令(第1図) 第1図に見るごとく,25才を頂点と
して20∼40才に多発するが,女性に比すれば男性の年令
L的分布はやゝ不明確である.
好発季節(第2図) 156例の統計をもって第2図を
1, 2月)2例,春夏秋4例,
経と関係するもの4,暮麻疹併発2,結節性紅斑併発2
であった.
臨床検査 尿,血液等の常用臨床検査成績には特色の
ある所見が認められなかった.
作ったが,7月を中心として5∼8月に多発する.成書
細菌皮内反応27例にっき加藤求にならって0-Amino-
,に記するような秋季の第2の山は明らかでなかった.
phenol-azo菌蛋白を連鎖球菌並にブドウ球菌にっいズ
再発 192例中既往に本疾患を認めたという患者が66
製して行った皮内反応は第1表のごとくで,連鎖球菌と
* この項は佐藤和三助手が担当した.
* 加藤祐二: 日皮会誌,
67, 91,昭32.
428
日本皮膚科学会雑誌 第69巷 第4号
第1表 0-Aminophenol-azo苗蛋白の皮内反応成績
ブドウ球
菌蛋白反
応陽性
個数
%
連鎖頑菌
蛋白反応
陽 性
両 者
同 時
陽 性
21
20
19
72%
69%
66%
両 岩
間 時
限 性
l.凍療*
凍療を多形湯出性紅斑型と樽柿型に分ち,前者は中
学生以上の年令に多く,後者はそれよりも年少者に多い
6
と説いたのは伊藤(実教授)であり,すでに学会の承認
21%
をえているが,凍療に多形溶出性紅斑型の存することは
プドウ球菌両者陰性は6例(21%)にすぎず,両者陽性
これよりさき独仏両国において指摘されていた.私見は
は19例(66%)を算し,両菌の反応個々にっいてはほゞ
前記のごとく,多形惨出性紅斑型凍癒は多形溶出性紅斑
同率の70%前後を示した.(第1表)
の寒冷によって発症した典型と解するが,樽柿型凍組ま
病理組織学的所見 ヱ9例の新旧種々の時期の皮疹を採
取し,常用染色法の他にBraun-Falco
*にしたがって
でも多形湯出性紅斑に編入すべきであるかにっいてはな
お意見を保留したい.以下にはこれら両型を同時に取り
Toluidin青染色法を行い,間葉性反応を検した.その
扱うたので,とくに典型に関してことわり書のない場合
成績を総括して記すると次のようであった.
は凍組の両型を含むものと解されたい.
きわめて新鮮な皮疹にあっては真皮乳頭と乳頭下層並
に真皮中層の血管周囲性浮腫を認めるのみであり,汗線
頻度 昭和29年から33年5月までの4年5ヵ月間の当
皮膚科外来患者総数は25, 537名であるか,凍組はそのう
周囲にもしばしば浮腫が発来した.このような時期にす
ちの178例をしめ,
でにToluidin青染色でこれらの部位に異染を証し,紫
性別 178例は男50,女128とわかれ,男女比は1=
紅色に染まる.ついで乳頭に細胞がふえ,上記の血管周
0.69%にあたる.
2.5である.
囲性にも主として円形細胞から成る浸潤が現われ,汗腺
年令 凍組患者の年令分布は第2表に示すごとく,16
周囲に亀しばしば同様の細胞浸潤が見られる.この時期
才から25才の工0年間に最多で,99例を算し総数178例の
にはすでに血管内被細胞は血管腔に向かって突出してい
半数ちかくをしめ,41才以上は著しく少い.
ることが多い.次第にこれ等の部位の円形細胞を主とす
初発年令 上記患者の初発年令を問診にしたがって分
る浸潤がふえ,ために血管を中心として索状浸潤巣をな
ければ,第3表に見るごとく,20才以下の初発が大多数
し,かっ組織球等を混ずるようになる.高度な場合には乳
で,中でも5才以下と16∼20才の間の初発が多い.
頭下層から乳頭層にまで細胞浸潤が満ち,表皮の細胞間
疹型 178例を疹型によって分けると第4表のごと
並びに細胞内浮腫を併合し,毛包や汗腺周囲の炎症性細
く,多型紅斑型がはなはだ多い.しかし,これは外来患
胞浸潤も著明となる.しかし治癒期に入っても線維症を
形成することはなかった.なお成書にたせられるような
きわめて初期に好酸球に始まり好中球浸潤に移行すると
者総数の年令分布を参照しないと意味ずけることが出来
ない.
第2表 凍療の年令分布
いう像は認めることが出来ず,かっ私が全書に記したよ
5なフィブリノイド変性の像も汎発型多形湯出性紅斑,
あるいは粘膜皮膚眼症候群の症例には記せられたが,通
常の多形溶出性紅斑では遭遇しなかった.
年 今
例 数
5才以下
19
6∼10才
9
11∼15'/
これを要するに,多形診出性紅斑は病理組織学的に
8
16・ヽ-20'/
49
は,乳頭と乳頭下層並びに真皮中層の血管周囲性,時には
21∼25ゲ
50
汗腺周囲の浮腫と間葉性反応に始まって血管内被細胞の
26∼30タ
13
膨大を来たし,高度の場合には血管壁とその周囲のフィ
31∼35ゲ
12
ブリノイド変性を来す疾患というべきであり,血管透過
36∼40ク
性の完進と間葉性反応を主徴とする Angio-mesenchy-
41才以上
mopathieに属せしむべき疾患と考えられ,いわゆる特発
計
型の大多数は細菌アレルギーに因るものと想像される.
*
Braun-Falco, O.:Arch,
206, 319, (1957).
klin exp. Derm
8
10
178
性別と疹型ノ上記の疹型を性別に分けて第5表として
・..・
示した. ・Vプブレ
at..
* この項は林輝信助手が担当した.
昭和34年4月20日
429'
第3表 凍療の初発年令
年 令
第7表 凍癒の発現時期
例 数
月 別
例 数
5才以下
47
10月
21
6∼10才
18
11ゲ
42
11∼15ゲ
17
127 1 76
16∼207
28
TLゲ
21∼・25ゲ
5
2ぴ
7
26才以上
8
3ゲ
!
不 明
計
第4表
55
4ゲ
1
178
不 明
計
].0
凍洽患者の疹型
疹 型
例 数
多彩紅斑型
揖 柿 型
102
滉 合 型
不 明
計
20
].78
4月に消琵するものが最も多い.
皮疹の存続期間 今これらの症例の個々について皮疹1
の存続期間を調査すると,晩秋初冬の候に初発して春ま
5!
で断続発症を反覆する型と,初発の時期は同じであ&
5
が,12月末から2月初めまでは全然凍癒が現われず,2’
20
月半ばから3月に再度皮疹の発来する型の2型があるこ
178
とに気ずいた.かりに前者を連続型,後者を厳寒期消罷
第5表 凍癒患者の性別と疹型
第8表 凍癒の消槌時期
疹 型
性
例 数
24
月 別
19
12月
2
混 合 型
3
1タ
1
不 明
5
2ク
4
多形紅斑型
78
3ゲ
28
樽 柿 型
混 合 型
32
4ゲ
22
2
5ク
4
15
6ク
1
多形紅斑型
男
性
樽 柿 型
女
性
不 明
不 明
178
合 計
計
例 数
86
178
第6表 凍疸の発症部位
第9表 凍癒の厳寒期消極型と連続型の頻度
部 位
例 数
于
71
71
足
38
于 と 足
耳 介
犀, 鼻, 蛸
手,足,順,耳
不 明
計
47
5
3
型 別
例 数
厳寒期消極型
連 統 型
不 明
計
18
99
61
178
10
4
178
型と呼び,これら両型を分けて以下のような検索を試み,
た.
厳寒期消槌型と連続型の頻度 第9表に示すように厳
部位 第6表に見るごとく手足か絶対多数をしめる.
寒期消槌型は18例にすぎず,連続型の99例に比してはる
発症季節 第7表に発現時期を,第8表に消槌時期を
かに頻度が低い.
掲げたが,東京地方においては11,
厳寒期消槌型の性別 18例中男3,女15で,女性に多ヽ
12月に発来し,3,
430
日本皮膚科学会雑誌 第69巷 第4号
第10表 厳寒期消琵型凍癒の初発年令分布
年 令
例 数
5才以下
4
ること,細胞浸潤も高度であること,とくに血管腔は内
被細胞の増殖によって狭くなっているのみならず,しば
しば栓塞を来していることであった.
Toluidin青による異染の所見も,多型紅斑型凍癒の
6∼10才
3
nへ45ゲ
2
16∼20タ
4
が・凍療の両型ともに陳旧例におっては異染を来たす組
21∼25ク
2
織が広はんに見られるようになる.
26才以上
3
18
計
第II表 厳寒期消槌型凍癒の疹型
新鮮な発疹と多型紅斑そのものとは同一の所見を呈した
Ⅲ.患者の温度の変動に対する反応性の研究*
汪に記するように,凍癒の両疹型ともに,晩秋初冬の
と初春の侯候にのみ発来して,厳寒の候にはかえってこ
れを見ない症例のあることに気ずいた.力いる症例にお
疹 型
例 数
多形紅斑型
11
樽 柿 型
5
混 合 型
1
不 明
1
計 1 18
いては真に身体の寒冷に対する反応性に基いてこのよう
な発症時期の特異性を示したものであるか,あるいは単
に生活条件によってこのような経過をとった亀のである
かを明らかにしようと考え,以下のような温度の変動に
対する反応性を検査した.この実験には対照として健康
者,多形惨出性紅斑患者並に連続型凍原患者を同時に併
く,凍胞全例の男女比にくらべても女性の頻度が約2倍
を算する.
厳寒期消,毬型の初発年令 18例の初発年令分布は,患
者の言にしたがって分けたものではあるが,第10表に見
るごとく平等に分布している.これが木型の特色をなす
試した.その方法は実験前両側示指尖の皮温を測定し,
左手を所定温度の水中に20分間浸潰する.初めの10分
は,その1,
2 ,
4 ,
6 ,
8 , 10分目に反対側の示指尖
の皮膚温度を測定し,その後10分間は浸潰したまま放置
する.このようにして20分間左手を浸潰後,これをとり
ものであるや否やはなお多数例を観察した上でないと断
出し,乾燥したガーゼを用いて軽く水を吸いとり,浸庸
言出来ぬが,注目に値いする所見と考えている.
側示指尖の皮温か術前の温度に復する時間を測定した.
厳寒期消槌型凍癒の疹型 第11表に示すごとく,多形
今かりに前者の値を皮膚温の動揺と呼び,後者を復元時
紅斑型凍癒が多数であったが,これを凍癒全例の疹型別
間と称した.なお皮膚温測定には銅コソスタンタン無電
比とくらぺるとほtj同率である.
対の常用法を応用し,被検温度は45°C,
15°C, 10°C,5
凍胞の病理組織学的検索* 多形紅斑型凍癒12例,樽
°Cの4種の水である.
有型凍胞2例の病理組織学的検索を行い,染色法は前記
1,皮膚温の動揺 45°C浸済の場合健康者は6∼8分
多形溶出性紅斑の項に記した方法によった.その所見は
後最盲温にまで上昇し,後次第に下降するのに対し,多
次のごとくであった.多形紅斑型凍癒にあっては前記の
形膠出性紅斑は時間と共に次第に上昇を示し,連続型凍
多形紅斑の所見と大同小異であるが,異なる点は細胞浸
癒は4∼8分後最高に達して後下降するものが多いが,
潤が高度で,真皮中層から乳頭層にまでわたってビー・ソ
中には10分後なお上昇を続ける例もあり,厳寒期消極型
今に見られること!,y小血管の内被細胞増殖が一層高度
は4∼8分後最高に達して,後下降するものと次第に上
なため,時に管腔がはなはだしく狭くなっていることで
昇するものの2群に分れた.温度の上昇あるいは下降の
.あった.しかし2,3例のきわめて新鮮な皮疹にあって
幅は,健康者と厳寒消極型凍癒が比較的少く,群として
は・乳頭層の浮腫が全例に高度である以外には多形紅斑
まとまっているのに比して・多形溶出性紅斑と連続型凍
の新鮮な皮疹とほとんど区別しえなかった.
療は個々の例によって動揺の幅が区々であった.
樽柿型凍癒に関しては観察例が少いために決定的なこ
5°Cの場合健康者は1∼2分後最高まで上昇して,後
とはいえないが,浮腫が真皮中層から乳頭層にまでわた
下降し,浸潰前温度よりも高く止まるものとこれよりも
ヽつてはなはだ高度であり,時には表皮にまで波及してい
*
* この研究は林輝信助手の行ったもので,詳細は同
この頂は佐藤和三助手が担当した.
君が原著として発表の予定である
昭和34年4月20日
43「
くなるものの両型に分かたれる.多形溶出性紅斑にあっ
続型と厳寒期消槌型は明らかに温度の変動に対する反応:
ては健康者と同様の態度をとるものと,次第に上昇する
においても,復元時間においても異なる故,この型の存:
ものと,次第に下降するものの3型を見る.凍癒の両型
在は認められるべきものと信ぜられる.もっとも今回は.
も同様であった.しかしここで厳寒期消槌型の各例はい
観察例も少数であった故,多形紅斑型凍癒と樽柿型凍癒j
ずれも動揺の幅が小で,群としてまとまっているのに比
に分ち,その各々について連続型と厳寒期消槌型の反応,
し,多形溶出性紅斑と連続型凍癒のうちの上昇例の動揺
性を検索することが出来なかった.
はその幅が区々であった.健康者では一般に動きが少い
以上の検索にもとずいて,多形惨出性紅斑は,多形紅.
が,下降例の幅は大であった.
斑型凍療も含めて Angioinesenchymopathie と考えら
10°Cの場合 健康者は2∼6分まで上昇し,後下降に
れ,凍癒の樽柿型亀多分これに属するものと想像され
転ずるものが多く,多数例は術前温度よりも下降した.
る, また凍療には晩秋初冬に始まって初春まで連続しで
多形惨出性紅斑は初め上昇して後下降したが,術前温度
発症をくりかえす典型と,晩秋初冬と初春の2回に発症’
に比して半数は高く止まり,半数は低下した.凍癒の連
し・厳寒の候々にかえって発症しない典型の2型を分か・
続型はその動きがはなはだ区々であり,厳寒期消槌型
もうるよう信ぜられるが,これを分っべき根拠は確認出
は,初め上昇して後下降するもの,初め下降して後上昇
来なかった.
するもの,上昇を続けるもの,下降を続けるもの等種々
多形紅斑に於ける皮膚の反応傾向 鈴木 滋,河島敏
であった.しかし群としての動揺の幅は多形溶出性紅斑
夫,三上栄一(都立大久保)
と連続型凍胞は大で,健康者と厳寒期消槌型凍胞は小で
約20例の組織検査で血管の著しい変化を認めた.浮腫
あった.
は血管周囲と表皮に著しい.表皮にはSpongiose,
15°Cの場合 健康者は浸潰前温度を中心として多少の
ration cavitaire が見られる.一部,水庖形成があり,
Alte-
動きに止まる0に対し,多形溶出性紅斑例の半数は著明
これは表皮下と表皮内との両者がある.細胞浸潤は真皮
か上昇を示した.凍意の連続型は動揺の幅が症例によっ
の中層迄に存在する.組織変化の中で,1)血管周囲細胞1
て区々であるのに対し,厳寒期消槌型はほゞ一定して健
浸潤の著しいもの,2)漿液の溶出が強く細胞浸潤の少い
康者に近かった.
もの,3)真皮に全面的浮腫と膠原の膨化疎隔の著しいも
2.復元時問 45°Cの場合 健康者は10∼40分の間に
の等の型がある.
浸潰前温度に復するのに対し,多型診出性紅斑は25∼40
次に諸種の皮内反応を試みPVLの2例(16例)に多
分の間に,連続型凍意は10∼60分の間,巌寒期消琵型凍
形紅斑様の皮疹を生じた.又諸種の皮内反応で多形紅斑.
雄は20∼50分の間にあった. “
群では血管からの漏出傾向及び細胞浸潤か対照群に比し
5°Cの場合 健康者は10∼30分の間に復元するのに,
て強く,血管壁の破壊も著しい.之に反し湿疹群ではよ
多形溶出性紅斑は10∼25分の間,連続型凍癒は5∼45分
り多くの表皮への浸出傾向が認められる.
の間,厳寒期消槌型凍原は10∼30分の間にあった.
当教室長近10年間の多型溶出性紅斑につしヽての統計的一
10゜Cの場合 健康者は10∼25分の間に復元し,多形溶
観察 田中 宏,佐藤良夫,北見敏郎(新大)
出性紅斑は10∼45分の間,連続型凍胞は15∼60分,厳寒
当教室外来における昭23∼32年の最近10年間の該疾患
期消極型凍意は15∼30分を要した.
々者は342名で,外来患者総数40,459名に対し0.85%で
15゜Cの場合 健康者は10∼20分間に復元するのに比し
あった,男女比は1: 2.8で16∼25才の年令層が46%を一
て,多形溶出性紅斑はTL5∼50分,連続型凍胞は10∼45
占めていた.発症月は7月を最高とし,
分,厳寒期消極型凍胞は15∼40分を要した.
11月の順で夏に多い,罹患部位は手背,足背,手掌,前
5, 6月,8月,
以上の実験から,健康者,多形溶出性紅斑,連統型凍
腕・下腿の件側,顔面が多い.水庖型は16%であり,検査丿
癒,厳寒期消槌型凍療の4者の温度の変動に対する反応
成績では赤沈促進が比較的多数見られた.その他の臨床
を比較するに,いずれの場合にも絶対的特性は見出しえ
的所見に関する他,粘膜罹患との関聯について,10年間ズ
なかったが,健康者と厳寒期消槌型凍癒患者の反応型は
に経験した粘膜皮膚限症候群と共に,粘膜罹患部位の型
べ=い,類似するのに対し,多形溶出性紅斑と連続型凍癒は
式から仮に4群に分け,男女比,発熱の有無,皮疹の広:
個々の例による反応の幅がはなはだ区々であった.した
汎性,年令等について比較した.
がって,凍癒のうちに厳寒期消槌型を確立しうるという
討 論
根擦をこの実験からは見出すことが出来なかったが,連
小嶋理一(三楽)
432
日本皮膚科学会雑誌 第69巷 第4号
募麻疹に於ける寒冷募麻疹と同じ様な意味に於て寒冷
性紅斑がアレルゴー−ゼであるとい5裏付けを示すものと
による多型惨出性紅斑をお考えですか
思う.
佐藤吉昭,石井敏直,
三浦 修(日大)
確かな根拠を有しないが発症機序は同じものと考えて
滝野長平(東医歯大)
います.
吾々は多形惨出性紅斑にっき当教室過去5年間の統計
谷奥喜平(信太)
的観察を行い,併せて本年7月以降に来院した本症患者
1)統計を示される時,或る年令層に多いと云われる
に若干の検査を行ったので報告する.昭和28∼32年間の
ぶ,この年令層の人口分布とを合せ考えて論ずぺきであ
外来患者総数16, 575名に対し0.923%に当る153名に本
ると考えている.
症を見,男女比は1:4.1,その64%は16∼25才の間に
2)多型溶出性紅斑の内結核が関係すると思われるも
あり,月別では7月が最高で夏春冬秋の順であった.こ
のがあること組織学的に実証しましたが,斯る御経験が
れを気象因子と比較検討すると高温高湿の時期に多い.
ありますか.
本年7月以降の患者について臨床的に検査した所では再
三浦 修(日大)
発を繰返すもの56%.初診時に好酸球増多を示すものは
経験はありませんが多型溶出性紅斑を1つの皮膚反応
なく,イソヂカソ尿が61%,凍雍の既往あるもの44%,
型と考えていますからありうると思います.
毛細管抵抗減弱を示すもの28%,約半数にFocusを思
田中 宏(新大)
わせるものが認められた.
皮膚結核と多型紅斑との関係について只今御意見が出
所謂皮膚・粘膜・眼症候群症例の経験 野口義圀,
ましたが,最近私の経験した1例でバザソ氏硬結性紅斑
永井隆吉,平井義雄,秋田 翠,石原和之 (横浜医大),
に罹患治療中の女性に3月頃顔面子背等に定型的な多型
加藤安彦(小田原市立)
紅斑を生じバザソの治癒と共に軽快した.然るに8月の
Behcet氏症候群を始めとし,皮膚,粘膜,陰部及び
暑い時日光光線に長く爆射された後,再び顔面,手背に
眼の全部,或はその3つ乃至2つに発症している症例28
エリテマトーデス様の皮疹を生じ組織学的検査では,む
例について検討した所見について述べた.患者数は全患
しろ多型紅斑に近い所見を得,色素沈着を残して治癒し
者数に対し0.1%の割で,年令別では40才,20才,30才
っゝある.バザソ氏紅斑も尚治療中ではあるが皮疹結節
合の順に多く,男女略々同数である.発症部位別では皮
諮既に消失して居り新生も見ていないが,バザソ氏紅斑
膚,口腔,眼の侵されるものが最も多く7例,全部の侵
接組織学的にも定型的な結核疹であり,此の治療中に発
されているものは5例であった.皮膚発疹型では多型溶
病した多型紅斑,表皮エリテー・トーデス様0皮疹を発生
出性紅斑型が最心多く12例,結節性紅斑型5例,丘疹
した事に結核疹との関係はと七角として甚だ興味深く感
型,混合型,湖漫性紅斑型各2例である.
芯ているので追加する.
眼疾患としては結膜炎9例,葡葡膜炎6例,その他2
小嶋J里一(三楽)
例である.発熱は13例に見られ,赤沈の尤進せるもの多
夏期に多型溶出性紅斑がたしかに多発する.私は汗腺
く,再発は17例に見られた,
之の関係に於て考えている.
討論
溝口周策(専売)
宮沢慎二(仙台逓信)
凍疸の寒冷期消極型というのは昭和14年頃春期凍療
同一患者に於て結節性紅斑様発疹の場合は限底の変化
{Friihlingsperniosis)として報告せられたものに相当す
が強く,多形溶出性紅斑様発疹発生の場合は眼底の変化
ゐと考えられる急激な外界気温の変動(湿度も関係す)
が弱い症例を経験した.眼症状と皮膚症状は一致するの
に対する患者の末梢血管の反応状態に原因すると思って
ではながるうかと思う.
゛いたので,三浦教授の温の皮膚変動に対する報告を興味
皮膚粘膜眼症候群について 中村準之助,松尾 粛
深かった.
(北大)
宮沢慎二(仙台逓信)
最近12年6ヵ月間に経験した皮膚粘膜眼症候群14例に
私は14例の多形惨出性紅斑に抗アセチールコリソ作用
ついて観察した.女より男に,又20才代及び30才代に多
を存するDiphenylpyralinを用いて,その中極めてす
く見られた.結節紅斑はBehcet氏病,多型紅斑はその
ぐれた効果を見た症例を経験した.このことは多形溶出
他の病型に,厦々現われ,陰嚢潰瘍3例,ロ唇炎9例,ロ
433
昭和34年4月20日
内炎13例,尿道炎1例,結膜炎6例,網膜炎,虹彩炎,
をともない,舌口腔粘膜に,潰瘍と丘疹,外陰部及び四
ブドウ膜炎夫々1例,発熱8例,関節痛5例,赤沈促進
肢,躯幹に米粒大丘疹,膿庖か多発,同時に下腿にバザ
10例,ツ反陽性5例が見られた.
ソ硬結性紅斑様皮疹出没し,羞明,視力障害も発来増悪
Reiter氏病は抗生物
質,他型は副腎皮質ホルモンで著効を呈した.死亡例1例
する.眼科的には丘疹状壊死性結核疹,既往に肋膜炎,
であった.症状及び治療に対する反応に於てReiter氏
頚部淋巴腺結核,慢性扁桃腺炎,慢性副鼻腔炎,扇歯等
病は他の4型と,又Behget氏病は症状に於て他型とや
があいマソトー反応強陽性.
ゝ異なる態度を示す様に思われる.
2) 34才,女,切創縫合時ペニシリン注射(筋注)を
ベーシエ氏症候群 安,田利顕,勝又昇一(
受け,5日後四肢および掌能に多型惨出性紅斑様発疹
西脇宗一,吉田公之利(関東逓信)
(紅斑,水庖)を生じ,舌には潰瘍形成し,扁桃腺腫大.
3) 32才,男,5年前より年に2,3回眼に結膜炎
眼科的にベーシエ氏病と診断された患者につき,その
皮膚科的所見を述べ,あわせて諸検査成績を検討した.
(春季カタル),陰嚢に潰瘍,舌にアフタ様潰瘍の同時に
粘膜皮膚眼症候群症例 塚田 進,谷田津奈男,愛川
併発を繰り返す.関節痛(一)√発疹(一)であった.
篤信 (東北大長町分院)
討論
我々は最近6例の本症候群を観察した.性別では合1
宮沢慎二(仙台逓信)
: 95,年令は夫々3,
25, 32, 34, 42及び56才である.
季節的には春3例,夏1例,秋2例で,皮膚・眼・外陰部
及び口腔を侵襲した所謂Tetra
symptomencomplex
第2例はペニシリン疹ではなく,ぺ=シリソがbiotropicに作用して発生したmucocutaneosyndromと思う,
が
中島嘉四雄(弘前大)
仝例に之を認めた.急性4例,慢性では再発性2例,血液
本例はペニシリン注射後,約10分で四肢に座付性の紅
像は,2例の急性型では白血球減少症を,1例の慢性型
斑を生じこれを座両して3日後には水庖も生じており,
ではeosinophiliaを認めた.血中Na/Kは一般に急性
当科に来院したのか注射5日後であった.従って,我々
型に於て低値を示した.肝機能は潜在性障害を認めた.
はこれをビオトロピスムとは考えずにペニシリン疹と考
Mucocutaneous-ocular
えた.
Syndrome
の症例観察
石津 俊,斎藤文雄(東邦大)
最近2年間に経験した12例を報告した.
開口部廳爛性外皮症の2例 伊崎正勝,黒沢誠一郎,
1) 18∼49才
(女5,男7),皮膚粘膜限型2例(翠膜炎),皮膚眼型
高須既夫 (岩手医大)
症例1
. 46才,家婦.2週前より特記すべき原因なく
2例(結膜炎),皮膚粘膜型5例,粘膜型3例(口腔,外
発病した.顔面は多形惨出性紅斑様,下腿は結節性紅斑
陰部のみ).其の他扁桃腺炎並に咽頭炎7例,関節痛8例,
様皮疹,結膜炎,口内炎,肺炎,外陰部潰瘍と共に高熱
発熱10例が認められ,1例はカタール性虫垂炎,廻腸終
あり.流血中に腸球菌が検出され,之を抗元とする感作
末炎を合併した.反覆型は5例見られた.貧血症,血沈
赤血球凝集反応が陽性を示した.
昂進,α2,
7-Gl.増加並にAI.減少,尿ウロビリノごゲソ
症例2.
陽性,アソ化連鎖状球菌皮膚反応陽性等が半数以上に,
の内服及び注射を行った後に発病.前胸部の多形溶出性
またカンタリジン皮膚反応で健康者よりも表皮の過敏な
紅斑様皮疹と共に,高度の結膜炎,口内炎,ロ辱炎が認
ことが認められた.3)プレドエソロソを8例に用いて
められた.サルファチアソールワセリソによる貼布試験
19才,男.1週前,感冒に対してサルフア剤
5例は治癒したが,3例は再来を来し,他の各1例はゲ
陽性.
ルマニソと IHMSが有効であった.4)本症候群を次
症例1は敗血症,症例2はサルフア剤による中毒疹
の如く分類を試みた.症状より1)完全型一皮膚粘膜阻
が,夫々,開口部渠爛性外皮症の3症状を以って表現さ
型,皿)不全型−1)皮膚粘膜型,2)粘膜眼型,3)皮膚限
れたものと考える.
型,4)粉膜型.経過より軽症型,重症型,一時型反覆型.
Mucocutaneo
所謂Behget症候群類似症例 伊藤 勇,中島嘉四雄
西田 勉 (熊大)
(弘前大)
症例1
臨床的にBehcet症候群類似症状を呈した3例を報告
症例4, 31才男,症例5,
した.
として顔面,躯幹に惨出性紅斑及び口腔,外陰部に水
1) 40才:女,約6年前より春秋の候に発熱,関節痛
庖,廉爛を,症例3は全身に惨出性紅斑,結節性紅斑様
ocular syndrome
, 38才女,症例2,
の5例 荒尾龍喜,
34才女,症例3,
27才女,
29才女,症例1,2,5は主
434
日本皮膚科学会雑誌 第69巷 第4号
皮疹及び口腔に廉爛,潰瘍を,症例4では口腔並びに外
凍槍患者皮膚温の寒熱に対する瓦応性について 林
陰部の水庖,廉爛形成を主とし,症例5に上京膜炎を認
輝信(口大)
めた外には眼症状は何れも軽微乃至異常なく,症例1,
凍癒患者の厳寒期消琵型(A)8例9回,連続型(圧)
2,3,5に赤沈中等値の促進,全例に尿中ウロビリノ
16例18回と健者(C)9例について,1側の手を5°C,
ーゲンの陽性化,尿ミロソ氏反応の増量(症例2,3,
10°C・ 15°C, 45°C, の水槽に浸庸中皮膚温の動揺が1°C
5)等が認められる.抗生物質の投与によって皮疹は何
以上あるものは,5°Cの場合A1,
れも消槌したが,中2例に再発が認められた.
場合はA
皮膚,粘膜,眼症候群の病理組織像について 今井利
45°CはA5, B13,
1 . B
4,
C 2 ,15°CはAO ,
間20分以上を要するものは,5°CはA6
いわゆるMucocutaneous-ocular
10°CはA5 , B14,
9 ,
B17,
C 2 , 10°CO
B
6 ,
C 4 ,
15°CはA
,
7 ,
B
8,
B12,
事項に触れ,数年来興味をもって観察した同疾患30例中
45°CはA
の代表的組織像について述べた.得られた組織像は,血
凍療特に溶出性紅斑型について,並びにその治療
管中心性変化と膠原線維の変化(既ち間葉系変化)を主
村田 衛 (青森県立中央)
徴とするものであい緩慢微弱な反応像である血管周囲
昭和32年11月より昭和33年3月末迄の,当皮膚科外来
の段階のアレルギー反応像を示した.
2 ,
2 ,
C 7であった.
た.
1,溶出性紅斑型は満10才以上でも少くない.
討論
2.アシュネル氏反応陽性の凍癒患者にフアイチリソ
北村包彦(東大)
Gを使用し,77例中,治ゆまたは軽快70例90.9%,無効
今井,小林氏の多型紅斑の真皮コラゲソの変化は三浦
7例9.1%,アシュネル氏反応陰性のものにプリス=l−
教授講演に云われた間葉性反応を表現するものとして大
ルを用いし48例で,治癒または軽快44例91.7%,無効4
変興味深く邪見した.又全体的に紅斑症,粘膜皮膚眼症
候群の錯綜した知見に徐々に解明の道が開けたことを有
例8.3%であった.
凍疲の局所療法に関する2,3の考察 神村瑞夫,阿
盆に聴きました.
Behcet氏病に於ける結節性紅斑臓皮疹 宮崎寛明
部厚三,矢野 進 (札医大)
O頁天堂大)
凍原の予防並に治療として155名に対し局所的にビタ
Behcet氏病の7例について皮疹を観察するに,軽症の
ミソE軟膏,ベソチールイミダソリソ軟膏,サングリー
3例では結節性紅斑様皮疹のみを見,重症なるに従い,そ
ソ,凍傷軟膏,エストロゲソパスタ.
れ以外に浸出性紅斑様皮疹,膿庖,潰瘍,皮下硬結等多彩
実験した.夫々若干の効果を認めたが,就中前2者に治
な皮疹の生ざるを見た.而して結節性紅斑様皮疹につい
療84, 50%予防夫々72%の成績で,凍癒の局所療法もか
て見ると,何れも栂指頭大以下,よく限局した硬い硬結
なりの成績を挙げうるものであることを識った.またこ
及び発赤が脛骨前面に限らず散発する点,すでに結節性
の療法により局所皮膚温度及び毛細管抵抗も略々平行に
紅斑と若干相違する所あり,6例より採取した6個の組
上昇する.併し内服療法に比し効果発現はやら
織所見は何れも皮下栓塞性静脈炎の像を示した.栓塞性
静脈炎の本症に伴う事は既に知られているが,その頻度
は以前考えられていたより高いのではないかと考える.
討論
FMP軟膏を用い
果もやし右る.
所謂巣感染性皮膚疾患に於ける細菌々液皮内及応につ
いて 佐藤和三 (日大)
多型惨出性紅斑25例について,葡菌および連菌のオル
宮沢偵二 (仙台逓信)
トアミノフごノールアソ蛋白の皮内反応を試みた結果,
4例の結節性紅斑様発疹から7つの標本を得た.
型的結節性紅斑の像1例,
C
C
患者,理容学校生徒,小学校児童の凍原にっいて調査し
類上皮細胞結節形成から急激だ惨出∼壊死炎に到る種々
ombophlebitisの像2例,
CO,
C17であった.20分浸潰後の復元時
一,小林健玉 (干大)
syndromeの総括的
B7,
Thr-
Periarteritisの像1例,典
BazinのFibrosis型の像3
例を証明した.亦同一患者でThrombophlebitis,
Bazin
2者ともに陽性を示したもの19例,ともに陰性なるもの
2例で他はいずれかに反応を認めた.尚,多型紅斑13例,
遠心性環状紅斑6例,貨幣状湿疹18例について上記2反
応と同時に伝研製葡菌トキソイドおよび扁桃腺炎病巣よ
の像を証明して居り,時期によって像が変化すると思
り分離,製したる Staphylococcus
う.
以上4者による反応を試みたところ4反応同時に陽性を
pyog.
alb. Vaccin,
昭和34年4月20日
435
示したもの14例,すべて陰性に終ったもの5例で他は何
鎌田,原子は先にAcropigmentatio
reticularisKita-
れか反応を認めた.
muraの症例を報告した(日皮会誌65,
648,昭30).今回
皮内,皮下血管炎類に就で 北村包彦,森岡貞夫,
の症例は29才男,公務員.15∼16才頃より両側手背足背及
水野信行,広川浩一,安西 喬,西山茂夫,北郷 修
び陰嚢皮膚に粟粒大から半米粒大の褐色々素斑あり.色
(東大)
素斑は夏期に著明.播柱状に存在し網状を呈している部
それぞれ定型的な結節性紅斑,硬結性紅斑を外にし
分もある.ロ唇およびロ腔粘膜に色素斑は認められな
て・皮内,皮下結節を生じ,経過のより急性のものお
い. 17-KS排泄量低下,アドレナリン試験(丑),ピロカ
り・比較的慢性のものおり,又皮疹の至って小形のもの
ルピソ試験(桝)の外は臨床検査成績に著変がない.眼
もあり,組織学的には血管炎,主として壊死性血管炎を
科的には左降角膜輪部色素沈着症あり.組織学的には
証明する.近年力いるものに接することが多く,その
(足背)順粒層と透明層の間にH,Eで帯状に褐色に染
正しい分類,整理が要請されているが,従来病名を与
まる部分あり.基底層タラミソ色素の多い所と少い所あ
えられているもののうち,結節性動脈周囲炎の皮膚型,
Allergic Graulomatous
gitis,Hypersensitive
Maladie
Angitis, Hypersensitive
り,なほ宗族には患者の母および曾祖にも本症を認行.
An.
Angitis, Arteriolitisallergica,
trisymptomatique
de Gougerot等はそれぞれ
先天性表皮水庖症の2例 金田 昭(高岡市民病院)
第1例は,6才の女児,血族結婚を認める栄養障害型
にして・定型的稗粒腫,魚鱗窓,色素性乾皮症等の合併
多少とも独立性を具えるもののよ5である.この種のも
は認めず.
のの原因には感染アレルギーが先ず考えられるが,或る
第2例は,3才の男児で,栄養障害症状は全く見られ
細菌を原因と決定することは多くの場合困難である.そ
ず,単純型と考えられる.治療として,硫酸コンドロイ
の発症機序の解明は臨床的,組織学的所見の一層精密な
チソ製剤(コソドロソ)の注射,プレドエソロソ(プレ
比較,検討とともに将来の問題である.
ドニソ)の内服を併用,多少の効果を認めた.
所謂Purpura
同胞内発生を見たPseudoxanthoma
Sch'onlein-Henochについて 古谷達
elasticumの1
孝,小田切久夫(東大分院),西山茂夫(東大)
例 斎藤文雄,松田いつ子 (東邦大)
検索し得た約30例の臨床所見,検査成績,組織学的所
58才男子,思春期り頃より自覚症状のたい発疹を頭
見,原因論的考察にっいてのべ,あわせて本症といわゆ
部,獣高,下腹部,鼠蹊部に生じた.同胞8人中他の男
るArteriolitis allergica. またNodular
子2人にも同様の皮疹があい両親の血族結婚はない.
dermal
aller-
gides (Gougerot)との異同ならびに本症のl剖検例を
報告する.
Anhidrotic
Ectodermal
Dysplasia
の1例 野原
望,徳山 勝 (岡大)
Upshaw
前,側頭部に粟粒大ないし米粒大の円形たいし菱形の扁
平に隆起した象牙様光沢のある淡黄色ないし蒼白色の丘
疹が播種状ないし網目状に存在し,その表面の毛嚢ロは
開大して黒点を示す.下腹部,鼠蹊部も同様の所見であ
&. Montgomeryによると,いわゆる Con・
genital Ectodermal
Defect
として一括される1稀有疾
患にはさらに数型が所属し,
Rothmund's
その遅発型であるWerner's
Syndrome,
の主張するAnhidrotic
Syndrome,
またWeech
type およびHidrotic
type 等
もそれぞれの1分型であるとされる.われわれは本年1
月,96回岡山地方会において Rothmund's
Syndrome
の1例を供覧したが,その後新に Anhidrotic
type の
1例に遭遇したのでその詳細を報告した.但しわれわれ
の例は極めて僅かではあるが発汗を認めたので,むしろ
Hypohidrotic
Kitamura
鎌田修一(弘前鎌田医院),石戸谷析一(弘前大)
面が見られ,厳寓ではほとんど融合状で波状をなす.組
織は典型的な所見を示し,両眼底に Angioid
streaks
が認められる.高血圧症を認めるが血清コレステロール
は正常である.
晩発性皮膚ポルフィリン症 高橋吉定,吉田慶行
(東北大)
54才,男.昭和30年秋頃より,両手背,顔面,両足背
に小水庖,水庖の発生があり,痘痕治癒を繰り返えして
来た.昭和31年春頃より尿が赤色を呈する事に気付い
type とした方が妥当と思われる.
Acropigmentatio万reticularis
るが,左下腹部には鶏卵大の楕円形の濃黄色の扁平な局
症例追加
た.尿中ウロポルフィリソ,コプロポルフィリソを証
明,又,肝のBiopsy,並びに種々の機能検査により中等
436
日本皮膚科学会雑誌 第69巷 第4号
特別講演 皮膚科領域における放射線療法 小堀辰治
度の肝障害のあることを証明した.
菌状息肉症の1例につしヽで 丸山千里,編木寅雄,
(東京逓信)
宗像醇,長堀篤二,浦逞清道(日本医大)
皮膚科に於ける放射線療法は最近再び重要視せられる
われわれは最近菌状息肉症の1例を経験した.その臨
ようにたった.これは人工放射性物質が自由に大量に治
床的ならびに病理組織学的所見にっいては本年9月の東
療に供されるようになったこと,又一方にはBeryllium
京地方会においても報告したが,連合地方会においては
Windowの完成によっ七超軟レ線,軟レ線が実際の臨床
その治療成績について述べてみたいと思‰
価値を有し始めたからである.これとは別に,核爆発に
討 論
伴う放射能障害が重大な社会開題となって,これによる
谷奥喜平(信大)
Reticulosis, mycosis
皮膚障害が大きい研究題目となってきたこともこの原因
O組織抽出液の中には,組織の
と考えられる.
lysis を起す作用との報告かおる点より丸山教授の報告
!.電離線の定義
に興味あることい思います.
今まで皮膚科で放射線療法と称されていたのは赤外
橋本 喬(新大)
蓋,可視光線,紫外線の非電離線によるもの,X線によ
今日種々の新生組織に対してその発生機序に関し,色
るものを総称していたが,演者がこゝに述べるもりは電
々な説が唱えられておる.漠然とその病原説を唱導され
離線による治療に限定する. 電離線とはその照射によ
るものゝ一つに癌を挙げることが出来るであろう.かね
ってイオソ解離をおこす作用のあるもので,その作用点
て私は我邦の菌状息肉腫発生の頻度が,欧米に比して甚
は原子であり,非電離線の紫外線には働起作用のみで,
だ低かったことは,何に原因しておるかと私は常に疑問
イオン解離作用がなく,その作用点は分子であるから,
に思って居た.こう言5ことも含めて,氏の研究は何か
両者の間に大なる相違がある.現在,電離放射線にはX
皮膚科だけでなく多くの疾患に対する考え方なり,治療
線,γ線,β線,α線,陽子,重陽子,中性子が知られ
の方針なりに,大きな示唆を与えるのではないかと考え
ている.
る.
L電解線の作用
気管支癌の皮膚転移例 鈴木達夫,木間 真(群大)
電離線の生物学的作用は,そのエネルギーが組織に吸
46才家婦,初診昭和32年U月12日.左鼠蹊部驚卵大に
収せられて,イオソ化及び励起作用に消費せられたとき
腫脹,甚だ硬いが一部軟化して庸孔2個形成.左下肢に
に起る.通過した線量は生物学的反応に関与しない.従
淋巴曇滞による浮腫顕著.試験切除の組織像により円柱
って,皮膚疾患を治療するには,その病巣に必要な線量
上皮癌の皮膚転移なること判明.剖検の結果,原発巣は
を与え,不必要な深部組織並に周囲組織を照射しない
右肺下葉に生じた栂指頭大灰白色結節で,気管支上皮店
工夫が必要となる.言導をかえれば容積線量Volume
dosisを出来るだけ小とする工夫が必要である. この
であった.
スポロトリコーゼの3例 原田誠一,近喰利光,岸清
ことから放射線の生物学的作用を知るにはそこに吸収せ
られた線量を知る必要かおる.最近,この吸収線量を現
一,本田光芳 (ロ医大)
症例I
わす単位としてradが使用せられている.今後皮膚
:52才男子.2月前から右下限瞼緑に小指頭大
の膿瘍を生ず.症秒□に8才男子.4年前に左示指背を
外傷後,膿汁排出潰瘍,庖皮形成を繰り返す.症例
:
科でもレソトゲソ単位(了)に代ってrfdを使用すぺ
きである. この深部作用を示すのにX線では半価層
HVL,β線放射のIsotopeではβ粒子の有する平均エネ
ルギーEs
62才女子.6年前に右前腕辺縁部を外傷後,鳩卵大の
MeV
で示される.
1 呻外面照射による治療成績
浅い潰瘍を生ず.以上全例共固定型でスポロトリキソ反
1. 血管腫.岬濾紙線源を使用して治療,1∼4年間
応陽性,組織学的に結核様構造を示し,症例lはPAS
その遠隔治療成績を追求し得た232例についてその皮績
陽性胞子を認む.菌種は全例Sporotrichum
をまとめてみた.それによると年令の進むに従って治癒
Scheuckii.
補体結合反応は症例1のみ陽性,感作血球凝集反応 全
率の低下することが知られたが,その外に血管腫の病型
によって著しく治癒事の異なることが知られた. 演者
例陰性.スポロトリキソ皮内注射12-16回にて症例I,
JIは全治.詳細は原著に譲る.
はこゝに於て血管理の新しい分類を試み,暇りにこれを
小堀一立原の分類と命名した.即ち,
昭和34年4月20日
(1).
437
Strawberry
mark
(蒜状血管腫)
東芝Dermopanは4つの段階にその半価層を変ずる
組織学的に毛細管の拡張と数の増加の外に未熟な内被
ことが可能である.即ちH.V.L
・細胞の著明に増殖しているもの,本型には極めて強い白
0.82mmAlの照射が可能で,病巣の深さによって,X
黙治癒の傾向がみられる.従って少量照射を4ヵ月間隔
位に行ってそれを促進せしめる程度で殆ど完全に治癒す
る.
0.027,
0.18,
線の深達性を謁節出来る.
炎症性皮膚疾患の慢性型,例えばatopic
dermatitis.
lichen Vidal, neurodermatitis, nummular
(2).
Port wine
stain (赤酒状血管腫)
ではH.V.L.
0.18mm
dermatitis
Al の線質が適当で,1回線量60
これを更に3型に分類する.
∼807週1回,総線量240
(O表在性毛細管拡張で,毛細管周囲に細胞成分O
後から癈偉が急速に消失,極めて著教を収め得た.
木型には1回照射線量873μch/c
「,
1, 2回の照射で全
治する.
使用,1回線量500
0.45mm
A1 の線質を
r.連続照射6000了で治癒せしめ得
た.
0i)細小動脈性毛細血管拡張を主像とするもの,以
上の1回線量を3ヵ月間隔3∼4回照射して軽快する.
(iii)汗腺型.
(i)
(ii)の血管腫の外に,汗腺の深
さに於ても血管拡張のみられるもの・.
今後の皮膚科に於ける放射線療法は力いる様式に於て
行われるのが最も合理的と思われる.
超軟X線の皮膚に対する物理学的特性 深津久洽,牧
野純夫(東芝富士工場)
1∼2回の照射である程度軽快するか,それ以上の線
量では毛細管拡張をきたす.
種々の放射線源の皮膚に対する作用の考察 伊東乙正
古円敦彦(東京逓信)
(3).深在型
Lever
r前後を標準とする.照射直
基底細胞癌の1例ではH.V.L.
少ないもの.
0.45,
一般に深部量率を左右する因子は放射線のエネルギ
<o Cavernous
angioma
に相当するもの.
ー,照射野,焦点皮膚間距離の3つである.放射線のエ
本型には呻外面照射は無効.
ネルギーが大となると深部量率が増加する.照射野,焦
2.色素性母斑
点皮膚間距離も大となると深部量率が増加する.皮膚治
134例について観察した.
療用の軟X線は何れも深部量率の少いものであるがこの
母斑細胞性母斑の中,真皮上層部にのみ母斑細胞のみ
場合は僅かな深部量率の差も問題としなければならな
ちれるものにやゝ有効,その他は無効,扁平母斑では無
い.それで‘AIの半価層の代りに皮膚半価層が良く用い
効例か多く,青色母斑,太m母斑には全く無効であっ
られる.β線治療の場合も,β線のエネルギーにより深
イこ.列序性母斑にも無効例が多い.
部量率を異にするからこの点の考慮か必要で,例えばP32
3.その他,
KelGid,
吸取紙線源とSr'o
賢に873μeh/c
「1∼2回の照射で有効であった。
IV.
Sr'≫ dermaplate
Mibelli被角血管腫,尋常性抱
による治療成績
Applicator とでは皮膚反応を異にし
後者の方が皮膚反応が強い.尚β線の場合その線量を
Radで表わした方が良い.
Sr9°dermaplate による照射は実際的にはY9oによ
各種慢性皮膚疾患の境界線療法について 黒沢誠こ一
る照射となり,深達性は戸濾紙線源による場合よりやtゝ
郎,佐藤孝至,開山岩夫,昆 宰市(岩手医大)
大となる.
300例に対して境界線療法を試みた.
Paget病,尋常性抱贅,被角血管腫に著効を認めた。
著効159例(53%),有効80例(27%),不変55例(18
Paget には総線量4536rad,尋常性疵贅には800rad,被
%),増悪6例(2%)にして,著効を得た159例中27例
角血管腫には1134radを照射した・
(17%)には再発か認められた.
V.Au198コロイド皮下注射による治療成績
特に有効は貨幣状湿疹,湿疹性撒布現象の原発巣であ
504ch/cm2濃度のAu198コロイド溶液を病巣局所に注
った.
射,液臭症,多毛症,ケロイドの治療に効果を認めた.
239例中194例(81.3%)に於て,3回以内の照射に
Ⅵ.東芝Dermopanによる治療成績
より,止嫁又は皮疹の乾燥が認められ乙
皮膚科領域に於ける放射線治療の最も合理的な方法と
1週簡当りの照射量を200
して,超軟レ線及び軟レ線による治療をあげることが出
( 100 T),頻回に分割して照射する事か良法なる事を知
来る.
った.
T以上とし,之を少量宛
438
日本皮膚科学会雑誌 第印巷第4号
ブツキー線(境界線)照射による皮膚疾患の治療に就
血管腫,色素母斑,列序性母斑,太田母斑の治療を256,
いて 岩重 毅(昭和医大)
例について放射性同位元素呻を濾紙l
境界線発生装置を数種の皮膚疾患に応用した.セレス
し,1回70∼190μchで略こ1月間隔で照射した.その・
cm2. 1μc宛浸漬
号A型で,2次電圧15K.V.P.波長1.5Å 2次電流0.5
成績は有効75例(29.6%).梢り
M.A,線量1
44例(17.2%),増悪9例(3.2%)で,海綿状血管腫,
min-307 で,管球と照射皮膚面との距離は
lOcmに固定されている,
列序性母斑に特に効果が認められた.太田母斑は16例嘔
一一
病 名
例数 蒼勁 有効 梢 不明 変化 副作 備考
用
有効
再発
53
33
18
2
(−)
慢性疹湿
アリ
亜急性
2 5
3 (−) 再発
49 27 12
湿 疹
アリ
再発
ヴイダール ヱ0
9
1
(−)
苔 疸
アリ
17
5
脂漏性
服 疹
尋常性
乾 郷
進行性指
家所イヒ症
沈賞状固
定募麻疹
2
2
(−)
6
6
(−)
尋常性
沈 贅
18
5
2
6
4
8
3
2
1
4
2
アトピー
性皮膚炎
3
3
I
(−)
討 論
倉田喜一郎(東京警察)
治療後戸濾紙をはがした後に,皮膚に放射能か残ると
のことですか,セロハン又は樹脂による濾紙の汚染防止
を行つておられるのでしようか.
2,3皮膚疾患に対するアイソトープ療法 中村家政,
荒尾龍喜,上村親司,水上 誠(熊大)
再発
アリ
(−)
戸を濾紙に吸収乾燥せしめ,月1回360∼504μch,計
10回照射を行い,単純性血管腫21例中略治h色調減退
13,不変又は増悪7,1例に廉爛形成,海綿状血管朧
(−)
(Strawberry
(−)
退3,色素性母斑5例に色調減退がみられた.。
Sr
40.9%の副作用出現を詔めた.女性に僅かに
効果が著明であり,又2才以下の幼児に有効率が高かっ
た.放射線感受性の上から血管腫を3型に分類したが,
これはその色調からある程度類推出来る様である.1回
量600∼800μch/cm2は治療量としては適当であるが,
を含まず)4例中略治1,色調減
デルマプレート,放射量50mC/H,照射面積.4
cm2’
30秒乃至2分,週1回,3∼5週連続照射,巌痕,ケロイ
祐晶,高島 巌,横田一郎(北大)
137例の単純性血管腫に呻療法を行った結果,
Mark
を単純性血管腫,海綿状血管腫,色素性母斑に夫々1分
P32による単純性血管腫の外面照射療法の経験 三浦
の有効率,
8例に効果か認められた.
74.5%
ドには2分∼3分,週1回,5∼10週連続照射をなし,
単純性血管腫5例中色調著減3,不変2,副作用としで
屡々廉爛,褐色々素沈着,皮疹の斑状化か招来され,比
較的新鮮な癩痕ケロイドでは扁平化するが数年を経た陳
旧なものではヶロイド切除後Sr9o照射により好結果を
得た.
皮膚腫瘍の放射線治療 野口義圀,松井 新,・
この線量で3回以上治療する時には副作用出現の頻度が
沢泉健二郎,粛藤胤昿(横浜市大),森栄卯輔,岩井博。
増大し,5回以上に及ぶ時には副作用の方が多くなるの
田中利彦(同大放射線科)
で,2回を目標に効果を判定する.
血管腫のアイソトープ療法,長山 賢,吉田慶行(東
北大)
吾々は,単純性血管腫に呻によるβ線外面照射治験を
悪性腫瘍28例と血管腫185例に放射性同位元素治療を
行った。これら治療で問題となる点は腫瘍の大いさ,部,
位,組織学的所見或は放射線感受性等である。これら観
点より7線(Co
, Cs'り,β線(Y9o,P32,Sr9o)にっい
行い,・比較的良い成績を得た.
しかし,少数例に於ては茶褐色々素沈着,色素脱失,
毛細管拡張等を来した.
又,戸によるβ線に対する皮膚の感受性の相当なる個
体差を認めた. ●
放射性同位元素の比較的少量線量による血管腫等の治
ての表層線量分布を求めた。
基底細胞癌11例の治療全線量と期間は4日∼・9日で
4000 r∼8000
r . 30日∼40日で10,000
r∼・1。5000
れらは何れも皮膚耐容量の限界であった。。
血管題治療に於ては,ア線治療の34例中31例に著効。
β線治療の130例中82例に著効を示した。。
験神村瑞夫,井村春光,阿部厚三,佐藤昌三(札医
療捧性皮膚疾患のP3りこよる治療・長谷川隆三。山辺
大)
靖夫(福島医大)
r。,こ
昭和34年4月20日
439
神経皮膚I炎,ベニエ疹疹,慢性湿疹に対し濾紙法によ
ゐ呻表面照射治寮を行い,夫々94%,
勁率及び各17%,
54%,
77%,
痕化を認めるもの(1型)と,表皮のAcanthose,表皮
100%の有
30%の再発を見た.
腫様増殖を主とする(2型)に大別出来たが,臨床像と
の関係では臨床I型は凡て組織1型で,臨床】I型は組織
皮膚疾患に対するP32の応用 黒田和夫,矢口秀男
1,2型のものであった.
で順天堂大)
放射線療法後の皮膚障害 久木田淳,吉田実夫,森
戸を使用し,その効果を観察した.血管腫のうちport-
俊二(東大)
-wine nevus の78例に於ては全治12,著効16,有効17,
我々は昭和32年1月より昭和33年9月迄の21ヵ月間に
頻々有効23,無効10で,治療の時期は早いほど良果を得
於ける,東大皮膚科外来患者中の放射線療法後に於ける
尭.またNevus
皮膚障碍患者の統計的観察を行った.本期間中の外来患
vasculosus
の8例では4∼12回の治
禎で治癒2,略治4旬成績を得た.
者は総計23700名であり,悪性腫瘍以外の疾患に対する
色素性母斑の34例においては,わずか2例に軽快を認
放射線照射による皮膚障碍患者は47例であり,全患者に
めたにすぎず,太田氏母斑,青色母斑共に無効であった.
対する比率は0.16%であった.性別は男子16例,女子31
その他の疾患20例中,本療法に奏効したのは慢性湿,
例であった.部位別に見ると顔面20例,前胸腹部12例,
ビダール苔癖,乾癖であり,癩痕ヶロイド,鶏眼,被角
下肢11例,上肢9例,頭部5例,背部,腰轡部5例,肛
血管腫は無効に終った.
囲部1例であった.原疾患と皮膚障碍との関係は血管腫
辣細胞上皮腫のL例(P32による治験) 横山秀雄,
20例,湿疹類5例,結核性疾患5例,白癖4例,色素性
貢手次郎(日赤中央)
母斑,太田母斑各1例,ケロイド,癩痕各1例,職業性
患者,69才の女子.約1年前外傷が誘因と思われる左
のもの1例,その他不明8例であった.悪性腫瘍の発生
頬部鯨細胞上皮腫の1例を経験し,治療として戸の濾紙
率は全症例47例中6例艮阿)21.1%であった.
法により4,500μch/cm'
X線皮膚障害の統計的観察 三浦祐晶,佐藤幹男,東
1回の線量を照射した.6週後
に痘痕化し肉眼的に臨床治癒の像が認められた.詳細は
清吾C北大)
原著.
最近10年間に39例,総外来患者の0.13%に皮膚障碍を
Radon-seedによる巨大顔面皮膚癌の治験例 絹本寅
認めた.照射原因別にみると悪性腫瘍の深部治療,癈冷
雄(日医大)
性皮膚疾患及び汗庖状白郷の表在治療によるものか多
患者は59才の男子,約15年前発生,外来初診時;腫瘍
の大きさは,75皿×70
l mc/lcm^
く,照射回数は10ないし20回,照射期間は1年以内のも
mm.これに Radon-seedを当初
のが多かったが,線量は700rから5,
位で判人し,逓減法を実施した.総量66mc
OOOrまで区々で
ある.照射後病変を惹起するまでの期間は1年以内のも
・のRadon-seedで,臨床的にも組織学的にも治癒と認め
のが最も多く,ついで1年以上4年のものか多かった.
Iられるに至った.
初診時の臨床症状として潰瘍形成が最も多くみられた.
主として所謂血管腫及び色素性母斑に見られた放射線
癌性変化を認めたものは6例,うち4例か有料細胞癌
「皮膚障碍後路症について 大森清一,加島英雄,倉田喜
で,癈冷性皮疹乃至は汗庖状出癖に少量長期間照射した
一一郎,池田重雄=(東京警察)
ものが多い. I
n4例の本症患者を経験した.原病は色素性母斑15,
慢性湯疹のX線治療 榊原聴彦,宮木東生(口大放射
脂腺母斑1以外は所謂血管腫で,内75例は Port-wine
線科)
mark.であった.線源として用いられたのはRadium,
最近我々は慢性湿疹に対して種々の条件を設定してそ
P32Chaou1,Co6o,Sr9°等で前2者が殆どであった.私共
の治療効果につき検討中であるが,今回は線質及び線量
を次の如く(線質80kVp乃至15kVp線量150乃至60r)
は症状を皮膚萎縮.色素沈着脱失,毛細血管拡張のみ
種々に変化せしめてモの結果につき報告した.
を示す1型と皮膚硬化様肥厚角質増殖,ビラソ,キレ
ヽツ,潰瘍形成をみとめる1型とに便宜上分けたが,
,duim,P32共に1年以上治療を継続した亀のに1型が多
べ呻の場合大昔,長期使用例程l型が多かった.押の総
丿照射量では4,000∼6。000μch迄のものに後貼症を起さぬ
ふのが多かった..組織学的に,は表皮の萎縮及び真皮の痘
Ra-
討 論
倉田喜一郎(東京警察)
Au198の治療法を大へん興味深く拝聴しました.私等
も本年7月より Au198を入手できる様になり,数例の
Keloidに局所注射いたしております.たしかに,お話の
440
日本皮膚科学会雑誌 第69忿 第4号
如くKeloidは扁平化し,柔かくなりますが,どうも,
小堀氏え.組織所見が深在性のIV型は広範な偏側性のヽ
色素沈着を来す様であります.先ほどの例では,色素沈
血管腫を伴い,直り難いとのことで御座いますが,私の’
着がない様でありましたが,先生の使用したAu198の量
Klippel-Weber氏病に用トだラヂウムで亀直り難い.勿
を,お教えねがいます.
論了線とβ線との比較は当を得ませんが,私が今迄Kli一一
加高英雄(東京警察)
ppel-Weber氏病で検査致しました成績では血管運動神
1)
経の異常か認められた.ラヂウムでも組織所見のみから
Portwine
markに対するFの治療は仲々困難で
すが,最も適切と思われる卜
のみ直り難いと云えるかどうか敢えて戴きたい.先程の・
お教え下さい.
上肢に広範な血管腫を有するものはKHppei-Weber氏
2)
Portwine
mark
2型,3型について,臨床及び
組織学的な特徴をお教え下さい.
3)
Portwine
mark
病でなかったかどうか.
ふ堀辰洽(東京逓信)
3型とCavernous
hetnangioma
Radiumの局所に対する.荻収エネルギー量が開題で.
の組織学的な相違についてお教え下さい.
これを計算しないと芦との比較は出来ない.
小堀辰治(東京逓信)
皮膚代謝と薬剤アセチル化 谷奥喜平,栗田泰彦,μU
1 cm' 50μchとなるよ卵こ注射した.表皮に余り近く
住昭夫,矢沢 武(信大)
注射すると色素沈着がおこる.
化学療法剤の代謝過程に於いて皮膚は如何なる態度を
Fの血管腫に対する安全線量は症例にょって異なるが
873inch/cm^
2ヵ月おき2回まではほ!ゞ`安全である.
とるであろ5か.
吾々は,
triacetyl-Oleandomycin及びdiacetylami-
山碕 順(群大)
nodiphenylsulfonの投与時各組織の夫々活性型の濃度
Portwine stain に3型を匹別され,それを診定する
を検し他に比し皮膚,肺に於いて高濃度即ちこれ等に於
には組織学的検索を必ず必要とされたことは御尤もなこ
いて脱アセチル化の商い事を認めた.
とでしょうが,所謂汗腺型とされたような深層に血管腫
また一方炎症皮膚面に於ける経皮投与時低率乍らアセ
を有する例などは臨床的に亀浅い所にあるものとはほ!ご
チル化を認めた.しかし同時に力いる炎症皮膚に於ける
区別出来そうなものですが,如何ですか.
ごjリソエステラーゼ及びパソトテソ酸の代謝を検し皮膚
小堀辰流(東京逓信)
に於ける化学療法剤のアセチル化,脱アセチル化との関
われわれが汗腺型というのは片側性,広汎な範囲のた
係を追求した.
め,青紅色,暗紅色を示す場合が多い.
サルフア剤軟膏療法の実験的研究(第1報) 谷奥喜
Ξ浦祐晶(北大)
平,徳田安章(信太)
我々は呻に対する感受性が血管腫の色調,範囲などに
Domian
ょって,大体予測出来る様に感じて,臨床的にI.I,
た.
Ⅲ型を区別したが,今後組織学的に検討してみたい.
結果は,吸水軟膏>ワセリン>親水ワセリン>親水軟
小嶋理一(三楽)
膏>カーボワックスの順に経皮吸収は良好で,吸水軟膏
Angioma
のごときは65. 5m%l
simplex の型について:一単純性血管腫は
Sodium
の各種軟膏による経皮吸収を実験し
gに達した.吸取のピークは一般
皮膚顕微鏡にょりKapillaraneurysmaがみられ,毛細
に4∼5時間にあり,アセチール化率は0∼20%であっ
血管の走行像が明劃であること,
た.全例においてクロトソ油皮膚炎皮膚は正常皮膚の
Adrenalinstichprobe
にょり大体の見当がっくのではないかと思‰(「超軟
1.8∼5倍の吸収量を示し,病巣皮膚貼用時においては,
レ線の研究」で発表済).
極めて効率の大なる事を示唆するも0である.
井手次郎(日赤中央)
薬剤アレルギーの研究(第4報.経皮感作)谷奥喜
呻の濾紙法による表面照射後の皮膚の汚染の問題であ
平,鶴見和弘,中山創生(信太)
るが,我々は乾燥後合成樹脂塗料で封じ鉛板裏打ちして
家兎の脊面に作った火傷面にペニシリン等各種抗生物
ポリエチレン袋に封入して使耶して居る,封人後水中に
質を各住基剤に夫々混じて貼用し,皮膚反応で感作度を
浸し水中漏出はGM管で測ったが漏出はなかった.汚染
見たが,カーボワックス基剤ではワセリン基剤よりも低
は最少限にする様技術的考慮をすべきと考える.
かった. 人体実験として, BCG潰瘍面に夫々白色ワセ
斎藤丈雄(東邦大)
リン,カーボワックスを基剤としたジヒドロストレプト
441
昭和34年4月20日
-マイシソ軟膏を貼用し,その治癒後ストレプトマイシソ
2才男児.両親は従兄妹関係.姉1人は生後半年で類
液の皮内反応で感作の程度を比較したが,ワセリソ基剤
似疾患に罹患し,4才で死亡.生後約10ヵ月の離乳期よ
群では127例中5例C3.
り主として身体開口部周辺,四肢に発疹を生じ,同時に
95%),カーボワックス基剤群で
は160例中!例(0.63%)の陽性を示し,動物実験と同
毛髪の完全脱落および爪の変形を来し,更に周期的な下
様の結果を得た.
痢を併発した.皮疹は境界明瞭な紅斑,弛緩性小水庖,
転移性悪性黒色腫,殊にその電子顕微鏡的所見 藤田
廉爛および鱗屑痴皮の形成で,
恵一,石原和之,山田 清(自衛隊中央)
疹および糞便からCandida
24才男子,父系祖父が胃癌にて死亡.昨年11月,左旅
から(+),後に皮疹および糞便からも(+).Moniliin
寫に榛実大の腫瘍を摘出,レ線深部照射を受けた.本年
反応(―).
3月頃より躯幹に数個の皮下結節を発生,次第に増加し
口投与継続で急速に胃腸症状のみならず,皮疹も軽快し
Nikolsky (―).最初皮
aibicans(−),ロ腔内のみ
Enterovioform
(Chlorjodoxychinoliue)経
た.全身皮下に総計30個に及ぶ鶏卵大乃至小豆大の腫瘍
始めタ毛髪も再生しっゝある.
を触れる.
数種抗真菌剤の使用経験 田沼 葎,黒田和夫,堀江
新鮮尿はmelanogenuriaの反応を示す.
徹也,矢口秀男(順天堂大)
腫瘍の割面は何れも濃褐色乃至黒色.組織学的に腫瘍
1)バリオチソチソキ.
細胞と多数の炎症細胞とが混在し,電子顕微鏡による主
nier var. antibioticus から分離した抗生物質.汗庖状
要な所見として,腫瘍細胞の核は大きく,形が不規則で
白癖:有効25,無効4,頑癖:有効9,無効2.計40
Paecilomyces
variotii Ba-
あって,ミトコソドリアは非常に多く,メラユソ穎粒は
例,有効率85%,刺戟2例.
この間に多数散在し,或は集って集合体を形成する.小
decanic acid. 汗庖状白癖:有効29,無効7,頑癖.有
2 ) Ethylmercurithioun-
胞体は余り認められない.
効5,無効0.計41例,有効率83%,刺戟3例.
数種薬物の遮光剤としての効果について 湯本繁子,
L.-Eチソキ(rhodinic
浦野和民(慈大)
cblorophenol sodium, merzonin, amizolなどを含有).
P.A.B.A.は,①Sunburnを起す297∼313
収し皮膚に無害でSuntanを起す320∼406
mμを吸
mu
は透過
3 ) K.C.
acid. pentachlorphenol. penta-
汗庖状白痴:有効7,無効3,頑痴:有効8,無効0,
斑状小水庖白癖:有効0,無効2.計20例,有効率75
する事.②比較的安定性のある事.③ほ・ゞ無色無臭であ
%,刺戟4例.
る事,④分子量が小さい為少い濃度で目的に叶う事が出
皮膚ビールス性疾患に対するT−グロブリン療法 桜
来る.等非常に優秀な遮光剤といえるが,従来の報告に
根好之助,須貝哲郎,藤井達郎(大阪市大)
もある如く有効濃度を用いると皮膚を刺戟するとされて
若年性扁平抱贅13例に対して7-グ,ロブリソの質筋内
いるのか欠点である.次にビタミソA,
注射を行い,全治2,軽快1,無効8及び不明2例の成,
行ったが,①290∼400
m4
B. D2について
間に吸収帯を持ち,②紫外
績をえた.全治2例の注射方法は1回0.025∼0.04
線照射によって化学構造上分解するものでも吸光度の変
体重,週2乃至3回,総量0,2∼0.25
化は僅少で,③皮膚に対し無刺戟である等光線抑制剤と
同じ疾患12例に対し局所皮内分割注射を行った結果
g/kg
g/kg体重である.
して有効と考えられる.
は,治療を中止して経過不明の2例を除き,10例中7例i
汗庖状白癖の硫酸銅療法追試 渋谷 博,鈴木達夫,
全治,3例軽快と全例にすぐれた効果を認めた.全治例
栗原憲雄,高橋 清(群大)
から判断して注射方法は毎回0.
F. Hogler CMiinch. Med.
Wschr・, 49, 1860, 1957)
の汗庖状内意の硫酸銅療法を追試した.局所の3.5%硫
lg,週2乃至3回,総
量l.Ogで充分と思われる.
伝染性軟属腫2例及び尋常性抱贅1例にも局所皮内注
酸銅液浴及び10%硫酸銅親水軟膏塗擦を行って,汗庖状
射を行って卓効を認めた.
白癖の初期及び軽症の例にはかなりの効果が認められた
PVLによる汎発性牛痘疹の1例 中野政男,長島正
が,陳旧及び重症例にはあまり効果がなかった.試験管
治(慶大)
内抗菌作用は,狸紅色菌に対しては約500倍で発育阻止
46才の家婦に発生した汎発性疵贅症に対して,
が認められた.
Acrodermatitis
勉,大川 章(群大)
療法を行い,その目的は達したが,局所的には,注射部
enteropathica
の1治験例 内田
位の壊死,全身的には,汎発性牛痘疹を惹起した.尚経
過中に,小淋巴球の絶対的増多を来し,白血病様反応を
PVL
442
日本皮膚科学会雑誌 第69巻 第4号
示した, PVL療法による稀有なる1例として報告した.
明した.周辺部の組織では,毛嚢周囲に著明な細胞浸潤
討論
がみられる.こいこプラ,スマ細胞,及び巨細胞をみとめ
須貝哲郎(大阪市大)
た.中央部の組織では,著明な結締織の増殖と,島嶼状
Hypogammaglobulinemia又はAgammaglobulinemia
の細胞浸潤がみられる.田中 宏:全く珍らしく巨大な
と汎発性種痘疹との関係がよく報告なされているか,血
症例で,現在X線療法を施行中で,その後切除の予定で
液中7-globuUilの定量をされたか.
すが,誰方か適当な処置法について御教示頂き度く思い
野口義圀(横浜大市)
ます.大森清一ごこれが相当硬いのならば,これを切除
Paul's test 陰性であり,一寸膿庖右大きい様に思わ
し,先づThiersch法を施す.これは自家植皮でも,同
れますか,
種植皮でもよい.これによって,その手術野の化膿菌は
Vaccinia virus の感染とする御所見が他に
御座いましたらお教え下さい.
除き得る.手術以外.
スライド供賢
化膿が完全に袖失するという目当てがあれば,その方を
Acrodermatitis
行う.さて,第1回目のThiersch法が生著した後に,
enteropathica (東大)
4才,男子.両親は血族結婚,兄同病と思われる症状
X-ray乃至Antibioticsによって
他の整容的手術を施す.
で3才で死亡.生後10ヵ月来発疹,皮疹悪化時発熱し,
腹痛,下痢あり.現在口囲,顔面,頭部,肘頭,膝蓋,
(H医大)
指趾,外陰,肛囲に境界鮮明,辺縁に小水,膿庖を生ぜ
31才,男子,約10年前より顔面および四肢に丘疹膿庖
る紅斑面の硬毛脱落し,爪変形し,低色素性貧血,尿
多発,中心は渡死に陥り,痘痕化をくり返えす.マソッ
中イソジカソ,クレアチソ,クレアチュンの増加出現,
ー反応強陽性.
CRP反応陽性,
本症例は播粟狼と渡疸性丘疹状結核疹とが同一の疾患
Anti-Streptolysin-0値250×陽性.皮
疹,糞尿の培養にCandida陰性.表皮突起イ中張し,表
であるという意見を裏書きするものと思い供覧する次第
皮内にSpongiose及び小腸庖.真皮乳頭層の毛細管拡
である.
張し,真皮上中層に小円形細胞浸潤.
エリテマトーデスの1例(横浜警友)
Dijodhydroxychi-
nolin, 1日210nig投与,経過観察中.山碕 順ごわれわ
25才,主婦.某化粧品を使用して発疹したと云うが,
れの教室からも今日,後程本症の1例を報告しますか,
昭和32年3月下旬より殆ど自覚症のない紅斑が顔面に生
唯今のスライドの症例と甚だよく似ており,殊に同胞に
じ次第に拡大し,次いで同年4月下旬両側手背に紅色小
本症と類似症で死亡しているものがある点注目される.
丘疹散在性に生じ,同様漸次拡大融合して来た.ゲルマ
原因については演者(内田)の論に譲ります.
ニソ,プレドユソ等使用したが奏効せず,同月下旬40度
類丹毒 (加藤医院)
を越える発熱反復し,アクロマイシソ投与するも急性耳
26才,男.初診前1週間前に古い肉を料理し,翌日右
下腺炎を併発して来た.これに対して数回のペニシリン
示指末節に小豆大の発赤と腫脹が現われ,疼痛あり,全
注射が著効を示し,同時に皮疹も可成り消槌した.膠原
身障碍はなかった.サイアジソ内服を続けたが,右示指
病の増加をペニシリソに関係附ける一見解に対して,興
全体に限界明瞭な発赤拡大.現在迄,同様疾患の既往は
味ある経過を取った1例と思われる.LE現象はしらべ
ない.
ていない.
巨大な増殖を示せる頭部乳頭状皮膚炎(Kaposi)の
紅斑性狼庸(チルブレーン・ループス)(日医大)
1例 (新大)
患者29才,家婦.14年前より両手背,足背に境界鮮明
25才,女子.昭和25年秋,後頭部に毛嚢炎が発生し根
な紅色丘疹多発し融合拡大す.皮疹の中央は陥凹萎縮を
治せずに数年経過し,遂に板状硬結を作るに至った.30
認め,表面乾燥し鱗屑を被い,白斑,暉裂,廉爛も混在
年秋,この硬結部に大豆大の隆起性腫瘤を生じ上向性に
する.又趾の爪甲は一部脱落している.顔面は下口唇に
漸次増大して現在に至った.癈諦がある.腫瘤は悪臭が
軽度の白色斑を認めるのみである.
強く,表面は息肉状を呈し,凹凸不平である.周辺部で
組織学的に定型的な紅斑性狼療の所見を得たので,臨
は毛髪が束状をなして突出し,そこに膿汁の排泄をみ
林像よりしてチルブレーソ・ループスと診断した.
る.この膿汁及び毛嚢周辺部より,白色萄葡状球菌を証
谷奥喜平:Chilblainlupusとはエリテマトーデスの
昭和34年4月20日
443
1型とする考えと,尋常性狼癒の1種とする考え=があ
たが現在も血圧が高い.10日前より軽度の癈標感を伴5
る.我々は前者の説をとりPernioの像で始まるエリテ
発疹が両側の肘寓,前鱒屈側,肢寓,並にその前後面に
マトーデス,即ちErythrocyanosisの色調の強いエリ
生じた.皮膚所見s上記部位に常色,淡紅色乃至赤褐色
テマトーデスと考えている.
の粟粒大同大の光沢ある丘疹があり,一部のものはビソ
Schamberg病(北大)
ク色の紅量を有する.組織所見;浸潤巣上部中央の角質
52才,家婦.初診昭和32年10月30日.約4年前から寒
層か軽度に肥厚してパラケラトーゼを含み,帥細胞層は
冷に曝されると顔面,両耳殼及び四肢に癈嫁があったか
非薄化し,表皮突起の一端は爪状に延長する.浸潤細胞
1年半前から出血斑を生じ,色素沈着が高度となって来
は主に淋巴球,類上皮細胞より成り,真皮上層に限局
た.両下肢に対側性に特有な唐辛子色の点状色素斑が多
し,周辺部では淋巴球の数が増し,下端では類上皮細胞
数密集して不規則な局面を作り.中心部では褐色乃至黒
が集族してエオジソ色を取る.更にその下方は漏斗状を
褐色を呈し,周辺にゆくにっれて紅色調が強くなる.同
なして細胞浸潤を伴った血管と連絡する.経過:ネオイ
様な皮疹は両前鱒,手背,足背及び額部,耳殻にもみら
スご1チソの内服により約3週間で治癒した.
れる.血液所見は正常であるが,肝障碍が著明で,血中
汎発性石友沈着症(東大分院)
コレステロールは低値を示す.組織像,軽度の角質増
12才,男子.6才の時の9月頃より下肢の関節運動障
殖,表皮基底層のノラニソ増加,真皮に円形細胞,紡垂
碍に気付き,同時に発熱か1週間続き,その後上肢関節
状組織球の浸潤が見られ,鉄染色でヘギジデリソ沈着か
も屈曲困難となった.約5年前より四肢仲側に骨様硬度
認められた. =
の皮下結節を多数生じ,一部自潰して白色穎粒,クリー
Erythrose
ム様泥状物を排出した.現症:栄養不良.顔面及び頭部
Peribuccale
Pigmentaire
de Brocq
(東京警察)
の一部を除いた殆ど全身に大豆大より手掌大までの皮膚
48才,家婦.現症歴;化粧品をつけて寝た処,翌朝顔
から皮下に及ぶ板状硬結乃至は腫瘤を触れ,一部ではク
面全体がビマソ性に発赤腫脹し,頭重感,無感及び癈禅
リーム様泥状物の自潰排出するもの,又軟い赤色肉芽様
を覚えた.浮腫減退と共に枇糠様落屑著明となり,ロ
潰瘍面が露出するものあり.X線写真にて硬結,腫瘤に
囲,頭部,限高部及び同下部,鼻部,更に前額部にビマ
一致して雲紫状濃庖の陰影を認め,組織学的にK6ssa
ソ性紫褐色の色素沈着を生じた.
染色にて黒色を呈し,石灰なること確め得た.
組織所見;表皮細胞に空胞変性多く,表皮細胞内ソラ
Ehler-Danlos
ニンは減少し,主としてノラノサイトの中にのみノラニ
15才,女学生.血族結婚はない.現症歴:9ヵ月の早
ソを認める.基底細胞の配列が乱れているが,基底膜は
産,生来虚弱にして感回等に屡々罹患.歯牙発生は正
健在.真皮表層の毛細血管拡張,毛管周囲性のリンパ球
常.起立歩行開始は1才6ヵ月,歩行開始後屡々下腿に
様小円形細胞浸潤と,クロマトフオーレ増加及び遊離j
怪我を受けたが,傷口なかなか治らない.縫合してもな
ラニソ顕粒沈着あり.
か厘か付かない.現症:全身の皮膚は非常に柔軟,引っ
Syndrom
(東大分院)
扁平紅色苔癖(弘前大)
ぱると正常の5倍位伸ばされ,離すと元に戻るか,正常
31才,男.約3ヵ月前より激禅を伴い下肢仲側・足
時にはどこにも皺が認められない.全身の関節はschlo-
背・前腕仲側に半米粒大の紅色扁平隆起せる丘疹を生じ
tterig,(動揺関節)
た.中心臍寓のあるものもある.掻翔により個疹は増加
contracture時のSpike
し或は環状にならび,或は線状に排列しKobner現象
を思わせる所もおる.組織学的には角質増殖と表皮の肥
厚.真皮の上層には表皮に密接して祠密な細胞浸潤かお
り下方境界は略々水平.浸潤細胞はリンパ球様小円形細
胞を主とし,表皮直下にはクロマトフオーレソも認めら
EMG: 上肢諸筋ではmaximum
discharge が幾分減少し■ low
amplitkdeである.組織所見:表皮略々正常,真皮膠
原線維は減少,繊細化,弾力線維やゝ増加,毛細血管軽
度に拡張.
大脳状母斑(東大分院)
26才女子.生来左側頭部より後頭部にかけて広基性に
隆起し,表面大脳状皺装を示す黒褐色の腫瘍あり.成長
る.
に従って増大したが特に自発的発育を見ることはなかっ
光沢苔癖(東邦大)
た,初診時9×9Cm,極めて柔軟,圧痛その他自覚症な
!9才,女子.現症:昨年9月慢性腎炎に罹患し治癒し
く毛髪を欠く.組織所見s軽度のJunction
activity を
日本皮膚科学会雑誌 第69巷 第4号
444
示す色素性母斑で,浅層は球状索状構造,深層は神経線
りしも,これは組織学的にAtheromに統発せる皮膚結
維様構造を呈す.
石なる事判明す.組織学的には蘇細胞癌.癌真珠は殆ど
皮膚細網症(信大)
認められない.
患者:12才女子.発病及び経過:本年4月何等の誘因
患者供覧
無く左大腿部に小指頭大の腫瘍発生,逐次増大.同時に
局面性類乾衝 (都立大久保)
腫瘍は顔面,四肢にも発生,表面に皮下出,血と之に伴う
患者ぱ42才,女.16才の時虫垂炎,現病は約10年前か
色素沈着を認める.胸部正常なるも表在各淋巴腺,扁桃
ら,初診時には胸,腹,背,腰部,両側上荷内外面,上
腺及び歯銀,ロ唇の腫脹,肝,胸の腫脹を認める.検査
腿前面に碗豆大から鸚卵大迄の淡い潮紅と中等度の落屑
成績:赤血球,白血球数に特に異常なき亀血液像にて
を有する境界明瞭な斑か多数存在し,多くは一部は孤立
Reticulum
し一部は融合する.少しく浸潤かおり,色素沈着と一部
Zellen 様の形をとるもの54%に及ぶ.但し骨
髄像正常.組織は真皮から皮下にかけて密なる細胞浸潤
に色素脱失或は皮膚萎縮がある.冬に落屑が増し,又時
ありて,その細胞はHistiocyten様,並に血液に沢山見
々癈みが激しくなる.尿中蛋白陽性.組織所見:乳頭層
られるMonocyten様のReticulum
及び乳頭下層に浮腫が強く,小円形細胞,線維母細胞等
Zellen よりなる.
治療: Predonineの投与により,該症状の著明の軽快を
から成る梢々軽い浸潤があり,処々にSpongioseと表
認めた.
皮の萎縮及び一部に肥厚か見られる.血管の変性も強,
気管支癌の皮膚転移例(群大)
い.ネオミノファーゲソC,パニールチソ,更にアルソ・
46才家娠h左鼠蹊部鴛卵大に腫脹,甚だ硬いが一部軟
yで梢々軽快した.
化して痩孔2個形成.左下肢に淋巴俗滞による浮腫顕
扁平紅色苔厨兼鈍性苔癖(都立大久保
著.試験切除により円柱上皮癌の皮膚転移を思わせる組
患者は61才,女.現病歴及び所見:約8ヵ月前「コタ
織像を証明.入院後40°Cにおよぶ高熱を繰返し,抗生物
ツ」を使用した頃から,両側下腿の前面と側面に小豆大
質投与,レ線深部照射,ナイトロジェソーマスタード静注
より栂指頭大までの赤褐色境界明瞭な偏平苔癖様発疹お
を行うち次第に大潰瘍を形成,全身衰弱のため死亡.剖
り,蝋様光沢あり,多少の浸潤を有する.附近に粟粒大
検の結果,右肺下葉に栂指頭大灰白色結節を認め組織学
の個疹亀見られる.これ等に伍して碗豆大内外の赤褐色
的に気管支上皮癌なること判明.右肺門淋巴腺,左骨盤
半球状に隆起した発疹が数個存在し,表面は平滑で,浸
腔,膀胱壁,第3腰椎にも転移巣を証明した.山碕順=
潤痔触れる.何れも岸みが強く,色素沈着が著しい.20‘
本例は皮膚転移の組織像から,腸管か卵管かに原発巣が
才頃から下腿に静脈瘤あり,組織所見z(鈍性苔癖)乳,
あるのではないかと思ったが臨床的にそれらしい所がな
頭層及び乳頭下層に浮腫と層状の強い浸潤と血管拡張と.
く,剖検の結果思いがけない気管支癌の皮膚転移なるこ
があり, Melanophoren
とを知った例であります.
て鋸歯状となり,願粒層増殖と角層肥厚が著しい.洽
4多い.表皮突起は一部萎縮し
狼腹癌の1例(横浜医大)
療こアルソソソ使用で著しく軽快した野口義圀z組織学一
43才,家婦.小学生時,右眼下部に発疹,手術,レ
的にノラニソが少く,患者は老年,発疹は下腿,且つ1
線,太陽燈照射を受けたが無効,漸次顔面全体に拡大し
側にはVarixが御座います.一応所謂senile
た.セフアラソチソ内服により一時軽快.昨年9月眼下
乃至Haemosidesorisを考える必要もあると考える.伯
Flecke・
部に腫瘍を生じ,本年4月頃より著明に増大した.腫瘍
林青所見如何でしようか,鈴木 滋ごアルソソソの有効
部組織のH.E.染色所見では,角化著明の鵬細胞癌の像
なこと・臨床的に半球状が特に扁平になって来ている事
を示し,同側の紅斑発疹部よりの組織所見では一部巨細
がら診断をつけた.
胞を含む結核像を認めた.精製痘苗の効果少く,深部レ
1種の角皮症(関東逓信)
線4,600r照射後腫瘍縮小,同時に抗結核剤3種混合療
23才,女子.1年前左栂指尖に軽度の発赤を伴う角化
法を併用した.
落屑を生じ,次いで左足第1趾,右栂指右第1趾の順に
皮膚癌(弘前大)
70才女,3年前から後頭部に生じた鴛卵大の硬い潰
同様皮疹,症状は次第に高度となり特に足飽に著明. ビ
タミソA,卵胞ホルモソ無効.検査所見,基礎代謝+14
瘍.極めて出血し易く辺縁部は梢こ隆起して硬い.尚本
%,暗順応正常,甲状腺機能(Jod
例では4年来両頬部に小豆大黄白色の硬い結節が数コあ
神経系検査ピロカルピソ試験(朴),トルコ鞍,小,組朧
uptake)正常,自律.
昭和34年4月20日
44S
学的所見,不全角化,表皮肥厚,表皮突起の延長,真皮
Incontinentia
乳頭の毛細管拡張を認める.橋本 喬こ此患者で注目す
pigmenti (東大)
両親は血族結婚ではない.母,下口唇に数一の米粒大
べき所は,爪甲の白濁肥厚と部分的爪甲剥離である.叉
小色素斑.生後3ヵ月頃より主として右下肢内側,腹部i
手掌,足駄の乾癖は本来は角質肥厚して固くなるもので
に,軽度腫脹せる紅斑が発生したが,水庖等の形成をみ
あるが,氏症例では堅くならずに表皮剥離と,紅皮症と
たことはない.皮疹は次第に褐色調濃厚となり,潮紅や
がある.それは多分足駄の発汗が強いためと考える.敦
腫脹は消腿した.自覚症状は仝くない.
れにしても,この症例は,紅斑と,不全角化が主徴であ
診断例(日大)
るから,私は乾癖或はその範晴に属するものではないか
16才女子,約2年前発生,約1週間前から軽度癈掠あ,
と思う.安田利顕:本例は手指の爪甲周囲の発赤,角質
り.右耳柔に粟粒火乃至半米粒大,軟い丘疹が集銕してj
増殖にはじまい次いで足跡の角化か発生した.回路に
存し,中に紅色又は暗紅色点を透見出来る.組織所見,
膝蓋,肘頭に紫紅色のmarmoriertのFlecheがある.
角質増殖,毛嚢角化を認め,表皮は萎縮して薄く,表皮1
ピルツ(−).これまでに糸状菌症として,2年間治療
突起消失,基底層は所によりliquefactionがあり,真レ
を受けている.
皮では乳頭下層から中層に密に,円形細胞を主とし,組.
シヤムバーグ氏病?(関東逓信)
織球を混九九細胞浸潤があり,その間に大小の血管腔が
約5年前から,両側足背に暗赤褐色の点状皮疹が散在
散在する.即ち本例の臨床的にHaemangioma
して発生し,漸次内足縁外足縁にひろがり現在では下腿
nosumと診断したか,組織学的にはChi!blainlupus又
下部に亀ひろがって来た.立業に従事したことはたい.
はErythematodes
一部網状となっている.
圀:組織学的には,液状変性は著明でない様と思われま
Antistreptolysin 320χ.組織
caver-
discoides の所見を呈する.野口義で
所見.真皮上層の毛細管内皮細胞の増殖,その周辺に小
す.
円形細胞浸潤があり,血管外赤血球およびヘモジデリソ
診断例(同大)
穎粒がみられる.楼根好之助:Papillomatose
1才5ヵ月,女児.生後3ヵ月頃より発生,X線治療゛
et pigmente^
Gougerot-Blum
reticuWe
ではないでしょうか.安
Erythematodesでは無い様に考えられます.
無効,約3ヵ月の内に,2倍大となった.現症.右肩豚i
田利顕:小さな点状の褐色斑が沢山あるというが,臨床
上部より,肩肝部の半ばにかけて,成人手掌大,軟かい
的には普通にみられない.表面に角質増殖があるが,そ
暗紅色斑を認め,辺縁は境界明劃に隆起して堤防状をな
れは部位的のものかと思う.組織学的にはShambergと
し,特に色調が濃く,多少中央部より亀硬く触れる.組.
織学的所見.乳頭下層の一部に血管拡張巣かおり,真皮
一致する.
Keratose
pilaire rouge
atrophiante (Brocq)
(所
表層から中層にかけて血管拡張と血管周囲性小円形細胞丿
沢渡辺医院)
浸潤があり,膠様結締織の退行変性を認める.
23才,女.半年来に全く自覚症のない顔面の紅斑に気
1種の斑状皮膚萎縮(日火)
ずき,拡大.両頬部に境界明劃だ胆漫性淡紅色斑があ
23才,女.2∼3年前,前胸正中部に涙痕様病巣が発\
畷部にまで及び,その中には毛孔性留針頭大の陥凹した
生したのに気づいた.背部,顔面に多発して来たので来.
紅点が集銕している.組織学的所見.表皮は萎縮,毛嚢
院.月経順調,現症,小豆大ないし爪甲大,境界明劃に
角化著明.真皮では主として小円形細胞から成る細胞浸
軽度陥凹した痘痕様萎縮が散在し,炎症症状はなく,自
潤巣が特に毛嚢周囲に著明.真皮表層の弾力線維は断裂
党症もない.組織的所見.軽度の角質増殖を伴って表皮
し,細胞浸潤巣では消失している.膠様結締織には変化
の萎縮著明,真皮は弾力線維がその表層では断裂してい
がない.田中 宏:私共の経験した例では,色が此の症
るほか異常がない.
例より遥かに淡紅色で毛孔性角化が著明であり眉毛部の
横山 桔s炎症々状を欠如するSchweninger-Buzzi二
外方部に脱毛亀ありました.
型の斑状皮膚萎縮と思う.
Fly UP