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第125回日商簿記検定試験3級解説

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第125回日商簿記検定試験3級解説
第125回日商簿記検定試験3級解説
第1問 仕訳問題
1.商品の仕入、手形の裏書譲渡と為替手形の振り出しの処理
商品を仕入れた場合には、仕入勘定を用いて処理をする。
代金について、他店振り出しの約束手形を裏書譲渡した場合には、受取手形勘定を用いて減少
の処理をする。また、為替手形を振り出した場合には、売掛金勘定を用いて減少の処理をする。
残額については掛けとしているため、買掛金勘定を用いて処理をする。
<仕訳>
(仕
入) 430,000 (受 取 手 形) 200,000
(売
掛
金) 150,000
(買
掛
金) 80,000
2.固定資産税と事業主の所得税の処理
営業用店舗の固定資産税を納付した場合には、租税公課勘定を用いて処理をする。
事業主の所得税を店の現金で納付した場合には、資本金勘定または引出金勘定を用いて処理を
する。指定勘定科目に引出金勘定がないため、資本金勘定を用いて処理をする。
<仕訳>
(租 税 公 課) 123,000 (現
金) 419,500
(資
本
金) 296,500
3.仮受金の処理
仮受金勘定で処理されていた金額のうち、内容や金額が確定した場合には、仮受金勘定から適
切な勘定科目に振り替える処理をする。
得意先から注文を受けた際に受領した手付金は、前受金勘定を用いて処理をする。
売掛金を回収した場合には、売掛金勘定を用いて減少の処理をする。
<仕訳>
(仮
受
金) 98,000 (前
受
金) 30,000
(売
掛
金) 68,000
4.当期純損失の処理
損益勘定の差額は、当期純利益または当期純損失を表している。
当期純利益または当期純損失は資本金勘定へ振り替える処理をする。
収益総額-費用総額=当期純利益または当期純損失
\2,350,000-\2,863,000=-\513,000(当期純損失)
当期純利益の場合の仕訳(資本金勘定を増加させる処理)
(損
益) ××× (資
本
金) ×××
当期純損失の場合の仕訳(資本金勘定を減少させる処理)
(資
本
金) ××× (損
益) ×××
<仕訳>
(資
本
金) 513,000 (損
益) 513,000
5.手形の割引の処理と当座借越の処理
約束手形を受け取っていた場合には、受取手形勘定を用いて処理されている。この手形を取引
銀行で割り引いた場合には、受取手形勘定の減少の処理をする。
手形を割り引いたときに割引料を差引かれた場合には、手形売却損勘定を用いて処理をする。
当座借越勘定の貸方に残高がある場合には、先に当座借越勘定を減少させる処理をし、残りを
当座預金勘定の増加の処理をする。
-1-
<仕訳>
(当 座 借 越) 60,000 (受 取 手 形) 180,000
(当 座 預 金) 117,900
(手 形 売 却 損)
2,100
第2問 商品有高帳の作成・売上高等の算定問題
<仕訳>
5月1日 前月繰越 確認
10日 (売 掛 金)千葉 114,000 (売
(現
13日 (売
上)
500 (売
20日 (仕
入) 208,000 (買
25日 (現
金) 220,000 (売
(発
送
費)
4,000 (現
30日 (現
金) 150,000 (売
(売
(1)
掛
掛
112,000
2,000
500
208,000
220,000
4,000
100,000
50,000
商 品 有 高 帳
A 商 品
平成22年
5
掛
掛
上)
金)
金)千葉
金)埼玉
上)
金)
金)神奈川
金)千葉
摘 要
1
前期繰越
10
20
千葉商店
埼玉商店
25
群馬商店
31
数量
60
100
受
入
単 価
金 額
2,150
2,080
数量
129,000
40
2,150
86,000
20
60
40
160
2,150
2,080
2,080
43,000
124,800
83,200
337,000
208,000
次月繰越
160
払
出
単 価
金 額
337,000
(2)5月のA商品の純売上高・売上総利益
純売上高 10日(売上)・13日(値引)・25日(売上)
10日 @\2,800×40個=\112,000
13日 @\ 100× 5個=\
500
25日 @\2,750×80個=\220,000
\112,000-\500+\220,000=\331,500
売上総利益
純売上高-売上原価=売上総利益
売上原価 商品有高帳の10日・25日の払出欄
10日 \86,000
25日 \43,000+\124,800=\167,800
合計 \86,000+\167,800=\253,800
売上総利益
\331,500-\253,800=\77,700
-2-
数量
残
高
単 価
金 額
60
20
20
100
2,150
2,150
2,150
2,080
129,000
43,000
43,000
208,000
40
2,080
83,200
(3)千葉商店勘定の月末残高
1日 前月繰越 \50,000
10日 売掛金の増加 @\2,800×40個=\112,000
立替分
\2,000
13日 売掛金の減少 @\100×5個=\500
30日 売掛金の減少 \50,000
月末残高 \50,000+\112,000+\2,000-\500-\50,000=\113,500
第3問 決算整理後残高試算表および【補足資料】からの損益計算書・貸借対照表作成問題
【補足資料】
1.貸倒引当金の処理
売上債権とは、受取手形勘定および売掛金勘定をいう
貸倒引当金見積額
(\125,000+\105,000)×2%=\4,600
貸倒引当金繰入額
\4,600-\1,300=\3,300
貸借対照表の受取手形勘定の下の貸倒引当金勘定の金額
\125,000×2%=\2,500
貸借対照表の売掛金勘定の下の貸倒引当金勘定の金額
\105,000×2%=\2,100
(貸倒引当金繰入)
3,300 (貸 倒 引 当 金)
3,300
2.売買目的有価証券の処理
期首残高 \59,600
期末残高 決算整理後残高試算表の有価証券評価益勘定の貸方の\7,400より
\59,600+\7,400=\67,000
貸借対照表の売買目的有価証券勘定の金額 \67,000
(売買目的有価証券)
7,400 (有価証券評価益)
7,400
3.商品の処理
期首商品棚卸高 \ 70,000
当期の純仕入高 \790,000
決算整理後残高試算表の仕入勘定の金額は売上原価の金額を表している \817,000
損益計算書上では、売上原価として記入する。
期末商品棚卸高(貸借対照表の商品の金額)
期首商品棚卸高+当期商品純仕入高-売上原価=期末商品棚卸高
\70,000+\790,000-\817,000=\43,000
(仕
入) 70,000 (繰 越 商 品) 70,000
(繰 越 商 品) 43,000 (仕
入) 43,000
4.建物の減価償却費の計上、建物減価償却累計額の金額の算定
建物減価償却累計額の金額(H13.01.01~H20.12.31)8年間分
(\2,000,000-\2,000,000×10%)÷25年×8年=\576,000
当期の減価償却費の計上
(\2,000,000-\2,000,000×10%)÷25年=\72,000
(減 価 償 却 費) 72,000 (建物減価償却累計額) 72,000
貸借対照表の建物減価償却累計額の金額
\576,000+\72,000=\648,000
-3-
5.備品の減価償却費の計上、備品減価償却累計額の金額の算定
備品減価償却累計額の金額(H15.01.01~H20.12.31)6年間分
(\500,000-\500,000×10%)÷10年×6年=\270,000
当期の減価償却費の計上
(\500,000-\500,000×10%)÷10年=\45,000
(減 価 償 却 費) 45,000 (備品減価償却累計額) 45,000
貸借対照表の備品減価償却累計額の金額
\270,000+\45,000=\315,000
※ 現金勘定の金額は、借方の合計額と借方に記入されている金額および算出した金額の合計額
との差額で求める。
※ 売上勘定の金額は、貸方の合計額と貸方に記入されている金額および算出した金額の合計額
との差額で求める。
第4問 現金勘定の確認と現金過不足勘定の処理
(1)国債の利札の処理
国債の利札(期日がすでに到来したもの)
期日が到来した国債の利札は、通貨代用証券であるため、現金勘定で処理する。
国債は、有価証券であるため、有価証券利息勘定を用いて処理をする。
(現
金) 12,000 (有 価 証 券 利 息) 12,000
(2)現金の実際残高と現金出納帳の残高との差額の算定
【金庫の中に保管されていたもので現金として取り扱われるもの】
紙幣 \100,000
硬貨 \5,000
送金小切手 \40,000
他店振出しの小切手 \38,000
A社からの配当金領収書 \3,000
国債の利札(期日がすでに到来したもの) \12,000
合計 \100,000+\5,000+\40,000+\38,000+\3,000+\12,000=\198,000
現金過不足勘定の金額
\224,000-\198,000=\26,000(現金不足)
(現 金 過 不 足) 26,000 (現
金) 26,000
[参考]
自店振出しの小切手
当座預金勘定
他店振出しの約束手形
受取手形勘定
他店振出しの為替手形
受取手形勘定
他店発行の商品券
他店商品券勘定
自店発行の商品券
商品券勘定
郵便切手
通信費勘定
収入印紙
租税公課勘定
国債(取得原価)
売買目的有価証券勘定
(3)現金過不足の処理
原因が判明した場合には、現金過不足勘定から適切な勘定科目に振り替える処理をする。
(広 告 宣 伝 費) 19,000 (現 金 過 不 足) 26,000
(雑
損)
7,000
-4-
第5問 精算表作成問題
決算整理事項
(1)商品の処理(仕入勘定で売上原価を算定する)
期首商品棚卸高 \120,000 試算表の繰越商品勘定の金額
期末商品棚卸高 \150,000
(仕
入) 120,000 (繰 越 商 品) 120,000
(繰 越 商 品) 150,000 (仕
入) 150,000
(2)仮払金の整理
旅費交通費 \4,200
残金は、現金勘定で処理する。
(旅 費 交 通 費)
4,200 (仮
払
金)
5,000
(現
金)
800
(3)手付金の処理
手付金を受け取った場合には、前受金勘定を用いて処理をする。
(売
掛
金)
2,000 (前
受
金)
2,000
(4)貸倒引当金の設定
受取手形の金額 \30,000 試算表の受取手形勘定金額
売掛金の金額
\88,000(試算表の金額)+\2,000{決算整理事項(3)}=\90,000
貸倒引当金の見積額
(\30,000+\90,000)×3%=\3,600
貸倒引当金繰入額
\3,600-\1,500=\2,100
(貸倒引当金繰入)
2,100 (貸 倒 引 当 金)
2,100
(5)売買目的有価証券の評価替え
帳簿価額 \48,000 試算表の売買目的有価証券勘定の金額
時価
\45,000
差額
\48,000-\45,000=\3,000・・・評価損
(有価証券評価損)
3,000 (売買目的有価証券)
3,000
(6)備品の減価償却費の計上
(\180,000-\180,000×10%)÷8年=\20,250
(減 価 償 却 費) 20,250 (備品減価償却累計額) 20,250
(7)家賃の前払い分の計上
(前 払 家 賃)
9,400 (支 払 家 賃)
9,400
(8)利息の未払い分の計上
(支 払 利 息)
2,250 (未 払 利 息)
2,250
(9)消耗品の未費消高の計上
消耗品の未費消高を消耗品勘定へ振り替える処理をする。
(消
耗
品)
2,800 (消 耗 品 費)
2,800
-5-
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