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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
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普通銑を原料とする低燐銑の製造法に關する硏究
澤村, 宏
化学研究所講演集 (1947), 16: 1-5
1947-12-30
http://hdl.handle.net/2433/73845
Right
Type
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Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
澤 村 二普 通銑 を原 料 とす る低 燐 銑の 製 造 法 に 關 す る研 究
特 別
講
演
普 通 銑 を原 料 こす る低 燐 銑 の
製 造 法 に關 す る研 究
澤
"
村
宏
緒
言
低 燐 銑 に 就 て は 明 磁 な 定 義 は與 へ られ て 居 らな いが,普
へ て居 る
本 研 究 は1)0.03%以
通PO・1%以
下 の 銑 鐵 を低 燐 饒 と考
下 の 低 燐 銑 製造 を 日標 とす る もの で あ るが,斯
る低 燐 銑 は 高級
鋼 を酸 性 準 櫨 に依 つ て製 造 す る揚 合 に不 可 欲 の 主 要 原 料 の 一 で あ る ・從 來 此 れ の製 造 は欄 洲 本
漢 湖 及 び 朝 鮮 日鍼 乗=二浦 製 戴 所 等 で 行 は れ て 居 つ た が,戦 時 中 低 燐 銑 の 生 産 増 張 及 び 内地 に 於
て の 大 量 生 産 の 必 要等 を豫 想 し此 等 に封 庭 す る何 等 か の 資 料 提 供 を 目的 と して本 研 究 を行 つ た
次 第で あ る ・
普 通 銑 を原 料 と して低 燐 銑 を製 造 す るに は普 通Feo,
Cao,及
びSiOeを
主 成 分 とLgる 鑛1宰を
以 て 精 凍 す る ・ 此 揚 合 の 脱 燐 反 癒 は 鋼 精 錬 の揚 合 の そ れ と 同楳 で あ るが 低 燐 銑 製 造 に當 つ て は
熔 銑 の脱 炭 を防 止 しつL脱
燐 を極 度 に 行 ふ 鮎 が 鋼 の精 錬 と異 る.帥 ちC9/o低 き に過 ぎ る と酸 性
午 櫨 の 原 料 債 値 を失 ふ もので あ る.
精 錬 技 術 の 面 か ら見 れ ば 高 炭 素 低 燐 銑 の 製 造 技 術 を會 得 す れ ば低 炭 素 低 燐 銑 を製 造 をす る事
は 容 易 で あ る.本 研 究 は 特 に共 製造 法 は 困 難 で は あるが 酸 性 卒 櫨 の 原 料 偵 値 に間 違 ぴ の無(可
及 的 にC%高
き高 炭 素 低 燐 銑 を精 錬 す る事 帥 ち熔 銑 を可 及 的 に脱 炭 す る事 な く同時 に極 度 に 脱
燐 す る事 を研 究 の 根 本 方 針 と 定 め て 総 て の 實 験 を進 め る事 と した.
職 時 中,資 材 勢 力等 の 隆 路4)爲,意
の 如 く實 験 を途 行 す る事 が 出來 す 甚 だ 不漏 足 な る研 究 結
果 で あ る が 將 來 此 方 面 の 研 究 者 に 何 等 か の 噌 示 を輿 ふ れ ば 幸甚 の 至 と考 へ て 以 下 報 告 す る・ 猫
紙 敏 の 都 合 上,極
め て概 括 の 報 文で あ る事 を附 記致 し度 い
第1篇
基
礎
研
究
本 篇 に 閾 し既 に 磯 表 せ る もの は次 の 如 し・
(1)
(2){識
フ
蚊曜 會 誌
11.
(日
召禾017). 83.
と 針珂29.(日
召禾018)・307・
既 述 の 如 く本 研 究 の根 本 方 針 は 熔 飢 を可 及 的 に脱 炭 す る事 な く同 時 に極 度 に 脱 燐 を行 ふ事 で
あ る ・ 本 研 究 目的 達 成 の 爲 に は次 の事 項 に 就 て 正確 に 知 る事 が 必 要 で あ る ・
〔i〕
所 要 のc%の
低 燐 銑 を精 錬 す るが 爲 に は 種 々の 精 錬 温 度 に於 て 如 何 な る成 分 の 鑛1宰を揮
ぶ 可 き で あ る か.
(1)
化
〔ii〕 所 要 のP%の
學 研
究 所
講
演 集
第
十
六
輯
低 燐 銑 を精 錬 す るが 爲 に は 種 々 の精 錬 温 度 に 於 て 如 何 な る 成 分 の 鑛 澤 を揮
ぶ 可 きで あ るか ・
基 礎 研 究 は次 の 如 く大 別 して研 究 を行 つ た.
第1章FeO-Sio2-CaO系
鑛 澤成 分 と之 と4衡 歌 態 に あ る熔 鉄 の 諸 元 素 含 有 量 との 關 係 ・
第2章
鑛 澤成 分 と其 熔 融 温 度 との 關 係 ・
FeO-Sio2-CaO系
此 等 の 研 究結 果 の 詳 細 は 先 述 の 文 獄 を参 照 せ られ 度 く,薮 で は本 篇 の研 究 結 果 か ら得 られ た
結 論 の み述 ぶ れ ばi欠の 如 くで ある ・
1)精
錬 温 度 に就 て ・
本 研 究 の 根 本 方 針 に從 ふ 爲 に は,帥 ち熔 銑 の脱 炭 程 度 を可 及 的 に小 な ら しむ る 爲 に は約1300。
Cに
於 て精 錬 を行 ふ を最 も適 當 とす る.13000C以
上 の 精 錬 温 度 に 於 て も所 要 のP%の
を製 造 す る事 が 出來 る の は 勿 論 で あ るが 此 揚 合 に は 熔 飢 の 脱 炭 が著 しく\起 り成 品 のC%が
低燐 銑
甚だ
し く低 下 す る事 を毘 悟 せ ね ば な らな い.
2)鑛Fr・nt一分 に 就 て.
本 研 究 の 根 本 方 針 に 副 ひ て低 燐 銑 を精 錬 す るに 必 要 な る鑛 瀞 はPO・03%以
し得 る鑛 津 の成 分 範 園 の 内tC於 て1250。C以
して云 へ ば(ΣFeO)の
下 の 低 燐i銑を粘 諌
下 の 熔 融 温 度 を有 し且 つ遊 離FeO含
有 量 帥 ち概
可 及 的 小 激 る もの で な けれ ば な らな い ・ 斯 る鑛 澤 の 成 分 範 團 は 第1圖
の斜 線 を以 て示 した 範 團 が 之 で ある.
第
1
圖
(ΣCaO}
'
(2)
津村;普 通銑 を原料 とナる低燐銑の製造法 に關 する研究
第2篇
第1章
1)前
孚 工 業 的 研 究
研 究 目的 並 に 方 針
篇 結 論 に述 べ た る本 研 究 の 根 本 方針 に 從 ふ 精 錬法 に よ り果 してPO.03%以
下 の高炭素低
燐 銑 が 製 造 出來 る や否 や に就 て 確 む る事.
2)
(1)に
於 て 若 し製 造 可 能 な りとす れ ば 本 研 究 の根 本 方 針 に 從 ふ精 錬 法 に よ り熔 銑 の 脱 燐
を急 遠 に 行 ふ事 が 出來 るや 否 や 又 此 精 錬 法 を工 業化 す る債 値 あ りや 否 や に 就 て確 む る事 ・
3)C>3%,Pく0.05『%の
低 燐 銑 を 目標 と し之 を極 め て急 速 に精 錬 し得 る や 否 や に 就 い て確 む
る事.
次 に 本 研 究 に於 て 探 用 す べ き鑛 澤 の 成 分 範 園 は前 篇 の 研 究 結 果 か ら概 略 之 を知 る事 が 出來 た
の で あ るが 其 内,第1圖
に斜 線 を 以 て 示 した 分 野 の 内,Pの
卒 衡 曲 線 よ り梢 ミ上 部 に 位 置 す る
成 分 範 園 の 鑛 潭 を精 錬 末 期 に 於 け る理 想 的 鑛 津 成 分範 團 で あ る と推 定 して 孚 工 業 的 試 験 を行 つ
た.
第2章
1)
實験用 原料
原 料 銑(兼
2)造
イ)石
二 浦 銑)
.
C%
Si%
4.00
1。58
灰石
P%
0.034
0.254
産 地不 明
CaCO3%
55.82
ロ)ス ケ ー ル
99.61
lF・,0、%
・5・292・
砂
SiO2%
Fe203%
0.14
0.21
日鐵 大 阪 製 鐵 所 産
F・0%
第3章
1.55
S%
澤 原 料
CaO%
ハ)硅
Mn%
M・%
・47・
Si%
・54i・
S%
・6・1…78・
P%
・78
産地 不 明
實 験設 備及實験 法
本 實 験 の操 業 系 統 岡 は 第2圖
の如 し
精 錬 櫨 は本 研 究 の 目的 の 爲 に 特 に著 者 が 設 計 ぜ る もの で,櫨
は 重 油 を以 て 加 熱 し3個 の 重 油
燃 焼 器 を有 す ・
實 験 は 次 の 如 く行 つ た ・ 帥 ち 精 錬 末 期 に 於 け る 鍍澤 成 分 を想 定 し,造 澤 原 料 の配 合 量 を計 算
(3)
1
化
學
研
し庇揚 合原 料 熔 解 量 を150∼350kg之
究 所
講 演
集 第
十
六
輯
南
こ封 し鑛1宰量 を共20∼30%と
して 計 算 した ・ 斯 く酉己合 割
合 を定 め た 造 澤 原 料 を豫 め 滉 合 し精 錬櫨 内 で 熔 解 し其 表 面 濃 度 を1400。Cに
ユ ポ ラ よ り出 た 約13000Cの
所 要量 の熔 銑 を装入 して 精 錬 し,精
保 持 した る後,キ
錬 中熔1宰表 而 温 度 は1400。C
を保 持 す、る 様 に 努 め た ・
實 験1:主
と して 一 定 成 分 の鑛 浮 の 脱 燐 能 力並 に熔 銑 の 脱 炭 作 用 に 及 ぼ す 影 響 に就 て 試 験 す
る・
實 験 且:強
酸 化 鑛 澤 の脱 燐遽 度 に 就 て 試 験 す る・
實 験 匝:急
速 精 錬 を 目的 と して 試 験 す る ・
籾 て 以上 詳 細 な る研 究結 果 は紙 数 の都 合 上 省 略 し,本 研 究 の 結 果 か ら其 結 論 を記 述 す る・
1)
著 者」
が 目標 と した 成 分 範 園 の鑛 津 を用 ぴ て約13000Cに
於 て 精 錬 を行 ふ と高 炭 素 低 燐 銑 を
製 造 す る事 が 出 來 るの で あ る が,此 種 の鍍 淳 に よ る熔 銑 の 脱 燐 速 度 が小 で 精 錬 に 長 時 間 を要
す る.
2)
從 つ て 工 業 的 に は著 者 が 口標 と した成 分 範 囲 の鑛 澤 よ り FcO含
有 量 の 高 い鑛 浮 を用 ひ精
錬 を速 か に行 ぶ 方 が 有 利で あ る ・イnし如何 な る成分 の 鑛 澤 が 工 業 的 に最 適 で あ るか は將 來 の
問 題 で あ る.而
して 此揚 合 に は精 錬 淵 度 を約130⑪ ○
℃ と な す も著 者 が 口標 と した 成 分範it・:1の
:第 2 圖
中間工業實験操業系統 圓
訂
砿
髄
鉱
・
鑛 津 を 用 ゆ る揚合 よ りも熔 銑 の 脱 炭 程 度 が 大 と な る事 は 止 む
を得 な し
∼
3)瀦
が・標・した齢 獺 の鑛潮 約130㏄C・・於ても其
流動性極めて良好であるから精錬糊 の鑛醍 しては最適の
もの で あ る.從 つ て精 錬 は上 記 の 如 く主 と して 此 種 の 鑛 澤 よ
50碗
キzポフ
'り 強 酸 化 性 鑛 澤 を以 つ て 行 い精 錬 末 期 に 於 て 鑛 澤 成 分 を調 節
して蠣 の鍼織 分となすのが理軸 操羅 であ る と考へ
る.
熔
鋭
』
4)C32%以
上
・O・O・"%以
下 のネ
鍍
.
なれば 之 をユ5分内
の低鵬
外 の精 錬 時 間 に 於 て 容 易 に急i速に製 造 す る事 が 出 來 る・ 此 實
舞/備
蹴 雛 総 響 偉よ
り
て
牒
維
,低
燐
鉱
醜
'
へ
P」
製
据
以上第1・2篇 の研究結 果 を総 括 すれば次 の如 くで あ る・
1)本
確
は職
のttt7)tを可 鋪,∫ 、
な羅
臆
阻
して ・・.・3
%以 下 の 低 燐 銑 を製 造 す る方 法 を見 出 す事 を以 つ て 目的 と し
た.
2)本 蹴
.
舳 繊 の爲、.必
要なる主な蹴 錬條鱒 ち精錬温
度及び蜘 鞍 分蹴 き凝 的研多
ヒ鳳
(4)
り之を購
する事とし
古川 ・石田:ゴ ムの膨潤に關する研究(第1報)
た。
3)2)の
研 究 の 結 果,精
錬 温 度 は普 通 銑 を原 料 とす る 場 合 に は 約1300。Cが
最 適 な る事 及 び
1300。Cを 精 錬 温 度 と した 揚 合 本 研 究 の 目的 に 副 ふ最 適 鑛 澤 成 分 範 園 が 存在 す る事 を知 つ た.
4)3)の
研 究 の 結 果 求 め た る本 研 究 の 目的 に 副 ふ最 適 鑛 障 の 成 分 範 園 の 内,熔
融温 度の低 き
鑛 澤 を 目標 と し,基 礎 研 究 に ょつ て 求 め た る條 件 に準 嫁 して 高 級 高 炭 素 低 燐 銑精 錬 の 孕 工 業
白勺熔f解言式.験を行 つ た ・
5)著
者 が 揮 ん だ鑛 障 を 以 つ て 目標 とす る高 級 高 炭 素低 燐 銑 を精 錬 す る事 が 出 來 るの で あ る が
脱 燐 速 度 小 な る が 爲 に 實 用 的 な らざ る事 を知 つ た.
6)高
、
級 低 燐 銑 を工 業 的 に精 錬 す る に は著 者 が鐸 ん だ鑛 津 よ り も強 酸化 性 鑛 倖 を用 ぴ て速 に 脱
燐 を行 ひ精 錬 末 期 鑛 雌成 分 を調 節 して之 を著 者 が 澤 ん だ 鐵 宰の成 分 に 移 動 ぜ しむ るの が 理 想
的 精 錬 法 で あ る と考 へ られ る・
7)C3.2%以
一h, PO.05%以
が 餌 來 た.又
下 程度 の低 燐 銑 を15分 内外 の短 時 間 に 於 て 容 易 に 急 速 精 錬 す る事
庇 熔 銑 の 急 速 脱 燐 法 が 我 國 内事 情 虻悉 じ小 型 嬉 櫨 製鋼 法 の 工 業 化 に 封 し有 意 義
な る事 を述 べ た.
欄 筆 す る に 當 り本 研 究 は 主 と して 日鐡 技 術 研究 所 の 委 託 に よつ て 行 は れ た もので あ るが,同
時 に 其 一 部 は海 軍 技 術 研 究所 の 委 託 及 び 文 部 省 科 學 研 究 費 の 援 助 に よ り 行 は れ た る事 を附 記
し,本 研 究 の 内,掌
工業 灼 試 験 に 封 し其 工 場 の一 部 を無 償 提 供 ぜ られ た る大 阪 日新 機 械 工 業 株
式 會 耐 就 長 西 内 畳 氏 の御 好 意,並
に 文部 敏 官 津 田 昌利,川 津 重 男 雨 君 其 他 著 者 研 究 室 研 究 員 一
同 の 熱 心 な る御 協 力 に針 し衷 心感 謝 の 意 を表 した い と思 ふ ・'
己
ゴ ム の 膨 潤 に 關 す る 研 究(第1報)
膨 潤
に 及 ぼ す 諸 因 子 に 就 て
古
川
淳
二 ・
石
田
泰
一
ゴムの膨潤 叉は耐 油性の研 究は實 用的 に興味 あるばか りで はな く,ゴ ムの内部 構造 の研 究 に
も一 手段 にな ると思 はれ る・特 に加硫 ゴムの ように溶解 せす研 究困唯 な もの に好都合 と思 はれ
る・ しか るに加硫 ゴムは色 々の充填剤等 を混じた り又生 ゴムの種類 も雑 多 で あ り,又 加硫 中の
鍵 化 等 あ り甚 だ複雑 で あ るので本報で は諸 因子 をしらべ これ を定呈的に如何 に取扱へ ば よいか
を研 究 した・
1・ その結 果先づ ゴムの種 類 を異 に した とき叉その混合物で は如何に した らよいか を見 た.
(5)
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