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未来医学事典

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未来医学事典
Title
Author(s)
Journal
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(未来医学事典)薬物送達システムDDS、そのPPF
小室, 主税
未来医学, 未来医学(10):74-76, 1994
http://hdl.handle.net/10470/28180
Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database.
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/
未来屡学事典
薬 物遂違システムDDS、
そのPPF
躰 燦 ㈱ 小 室主 税
薬 物 が 投 与 さ れ て、 伽 串 の 濃 度 が あ る 濃 度
(図 申
生 体 に 投 与 さ 飢 た 薬 物 は、
汲 収 1 分 布。代 謝1
狛 療 域”) 以 上;こ 達 す る と、 そ の 薬 理
作 馬 と し て 嘗 的 の 薬 効 が 環 れ る。 さ ら に、 過 剰
排 雄 と い う 体 内 に お け る 処 理 機 能を 受 け なが ら
、
の 薬 物 が 投 与 さ れ る と 毒 性 発 現 濃 度 領 域 に護 で
作用 発 環 に 関 係 の あ る 臓 器 や組 織 に 到達 する
。
菰 中 濃 度 が 萬 凄 り、 副 作 踊 が 発 現 す る。 静 脈 外
本 来、
薬 物 は 生 体 に と っ て は異 物で ある の で
、
(経1
コ、 皮 下 や 筋 陶 内 等) に 投 与 さ れ る 薬 剤 の
必 要 な と 慧 に、 必 要 最 低 量 の 薬 物 を、 8 擦 の 線
場 合、 吸 収 に 伴 い 徐 冷 に 搬 申 薬 物 濃 度 が 上 昇 し
、
定 さ れ た 都 位 に 存 在さ せ る こと が薬 物 療 法 に お
治 療 域 濃 度 に嚢 腱 す る。 そ の 後 薬 物 は 分 布
、 代
け る 理 想 と い え る。 薬 物 送 達 シ ス テ ム ( 胱 略
灘 お よ び 排 微 を 受 け 体 内 か ら消 失 し
、 廠 串濃 度
De至iw 虻y sy 漁 ㎜ )
は無効域の濃度に滅少する
。
は、
薬 物 の 体 内 動 態 を 時
聞 的 制 御 (薬 物 の 放 出 速 度 翻 御) と 空 聞 的 制 働
(部 位 指1鵡 ㈱ ) す るこ
二と に よ り、 本 来 薬 物 の
薬 物 に よ っ て 減 少 の 遠 度 が 異 な り九 速 や か に
体 内 か ら 消 失 す る も の も あ り、 そ の 場 合、 治 療
持 つ 治 療 効 果 を、 上言己の 理 想 に あ わ せ 最 適 化 し
域 の 濃 度 を 維 持す るた めに 頻繁 な 投 与 が 要 求 さ
よ う と す る も の で あ る。 こ二 う し た 点 が 、 O D S
れ るこ
1と に な る。 長 類 闘 腺 用 の 必 要 が あ る 恵 者
が 第 二 の 創 薬 と い わ れ る 由 縁 で あ る。
に と っ て は、
本 鵜 で は、
敏 ( 賄 竃乏)
未来 医学 に資 す る D D S に つ い て
、
を 温 ね、
今 ( 附 魯 鵠 nも) を 知 り 、 D
O S の 未 来 (劉 泌 u 剛
に つ い て 考 え て み た い。
QO Lや コ ン プラ イ ア ンス の 維 持
に 多 大 な る 労 力 を 要 す る こ1 と に な る 。
そ こ で 製 剤 学 的 な 工 夫 を 施 すこ
二と に よ り. 製
剤 か ら の 薬 物 の 放 出 を 翻 綴 し、 ユ 圃 の 投 与 で 汲
収 を 纂 時 閥 に わ た っ て 持 続 さ 娃、 有 効 治 療 域 濃
陵を 維持さ せるこ
二と を 目 指 し た も の が コ ン ト
今…
ヨ凄 で の D O S を 分 類 す る と、 体 内 動 態 制
Q 一 ル ド ーj リ ー ス 製 劇 (関 申 {持 効 性 製
働 の 観 点 か ら、 以 下 の 2 種 に 大 別 さ れ る。 す な
剤”)
わ ち、 体 内 に 供 給 さ れ る 量 約 パ タ ー ン を 制 御 す
法馬 量 を 持 効 性 D DS と し て1 日 互 ∼ 含 回 と し
る コ ン ト Q一 ル
た 例 や、
ポ
リ リ ー ス、 並 び に 体 の 中 に
人っ てか らの分 布。 臓器移 行を 制御 するタ ー
ゲ ッ テ ィ ン グ で あ る。 煎 者 の 量 の 制 御 機 能 を
、
で あ る。
実 例 と し て、
6 時 闇 毎 雛 用 の 用
且 8 王 回 皮■ド 投 与 を 、 ヱ カ 月 に 王 圓 の
注 射 と し た 徐 放 性 注 射 剤 な ど が あ る。
コントロール ド リ リースの技循も多妓にわ
薬物 を投 与 した と 養 の 輿 型 的 な 愈 申 濃 度 の 変 化
た り、 こ
二 の 種 の 製 剤 が 多 数 臨 床 に 提 供 さ れ、 総
と し て 見 て み る と、 團 に 示 す よ う に な る
。
説ユ)や 成 書 も 書 店 で 一 角 を 占 め る ほ ど に な っ た。
ア噂
兼 衆 匿 学廉岨至勧
脇 碑
譲繍 肉 投 与
、
、
、
蓬 性 域
、
逸
串
薬
物
濃
度
、
‘ L 一一一一一一・ ’一
蕊
ふ
マ
7
、 淘般 与
繍
、
、
、
、、
、、
コ ン トロ ー ル ド・ リ リ ー ス は 製 剤 か ら の 放 出
、
静 派 外 投 尊
無 効 域
速 度 を 制 御 し た も の。 薬 物 療 法 の 理 想 の う ち の
蒔
r必 要 最 低 量」 を 目 指 し た 量 の 翻 御 で あ る。 近
閏
隼 、 リ り 一 ス の 研 究 テ ー マ は、 r 量」 か ら r 時 」
て い る。 必 ず し も、 点 滴 静 注 の よ う な 施 中 濃 度
の テ ー マ に シ フ ト し て き て い る。
)
維 移 が 最 適 と は い え な い 可 能 性 が あ る 。占
つ ン ト ロ ー ル ド ・ リ リ ー ス 製 剤 の 研 究 に よ り、
こ の よ う な 生 体 の 時 間 的 変化 に対 応 す る 薬 物
薬 物 の 血 中濃 度 変 化 と 治 療 域 血 中 濃 度 は 恒 常 的
送 達 シ ス テ ム の ツ ー ル と し て、 俵 意 の 時 閥 に 内
で は な い と い う こ と が 理 解 さ れ、 時 闘 薬 物 治 療
容 薬 物 を 一 気 に 放 ぬ す る パ ル ス リリ ース タ イ プ
学
(C hrono ψ ar 狐 acother盆py)
始 め て い る。宣川 {〕必 要 な と き に、
が 導 入 さ れ
カ プ セ ル や、 タ イ ム エ ク ス プ Q 一 ジ ョ ン シ ス テ
必 要 量 を 投 与
ム が 新 し い 考 え 方 と し て 開 発 さ れ 始 め て い る。
す る と い う 考 え 方 で、 前 述 の 放 出 制 御 の 発 展 上
に 位 置 づ け ら れ る も の で あ る。
先 の 例 で い う と、 夜 間 に 起 こ る 端 息 の 呼 吸 困
難 や 心 臓 発 作 な ど病 状 の 変 化 が あ る 時 閻 帯 に 寓
人 閥 は 跨 閥 翰 の 申 で多 く の周 期 的な 刺 激 を受
け 続 け て い る。 年 周 期 (サ ー カ ニ ュ ア ル) の 気
候、 食 物 (旬 の も の は お い し い …) の 変 化 や 8
頻 度 に 発 現 す る 場 合、 そ の 時 閥 帯 に 合 致 さ せ、
薬理作照が現れる有効治療域血申濃度を与える
D O S が 考 え ら れ る 。 こ の 考 え 方 は、
必 要 な と
周 期 (サ ー カ デ ィ ア ン) の 囑 暗 等 と、 生 凄 れ て
き に必 要 最 低 鰻の 薬 物 を 存 在 さ せ る と い う 薬 物
か ら 死 す る ま で リ ズ ム の 串 で 生 き て い る。 生 体
療法 の 理 想 に いま 一 歩 近 づ く 方 法 論 と して 期 特
サー カ ディ ア ンリ ズム の あ る 病 状
は こ の リ ズ ム の 串 で 岡 調 し 刻 々 と 変 化 し て い る。
さ れ て い る。
疾 繍 に つ い て 昆 る と、 高 伽 圧 患 者 で は
に は、 サ ー カ デ ィ ア ン 薬 物 投 与 が 合 目 的 的 な 手
比 の峨
で 血圧 が最 高 に 達 す る 夕 刻 頃 に 高 愈 圧 症 状 を 示
段 と 考 え ら れ る わ け で あ る。
す。 心 臓 発 作 は 朝 方 に 起 こ る。 喘 息 発 作 に よ る
経 o 投 与 で 薬 物 の 吸 収 を 制 御 す る 場 合、 製 剤
呼 吸 困 難 は 深 夜 に 起 こ る。 消 化 性 潰 瘍 に お け る
が 口 か ら 入 っ て 排 稚 さ れ る ま で の 時 間 内 に、 薬
腎 酸 分 泌 は 夜 闇 に 起 こ る。 う っ 病 患 者 は 午 前 申
物 の 製 剤 か ら の 放 出 と 汲 収 過 程 を制 御 す る必 要
は う っ 症 状 が 強 く 夕 刻 に 改 善 す る 傾 向 が あ る。
が あ る と い う 制 約 が あ る。 経 口 投 与 後、 竃 湯 管
5)
こ の よ う な こ と が 報 告 さ れ て い る。
の 吸 収 部 位 で の 滞 留 時 簡 は ヒ ト の 場 合 9 ∼工2跨
健 常 人 に お け る ヨ 周 の 生 体 機 能 の 変 化 は、 全
閥 と い わ れ て い る。篶 薬 物 の 生 物 学 的 利 用 率 を 約
身 活 動、 自 律 神 経 系、 内 分 泌 系、 酵 素 代 謝 系、
90% と 設 定 し た 場 合、 霧 揚 管 内 の 薬 物 半 減 期
伽 中 尿 申 電 鰯 質 濃 度 お よ び 血 液 検 査 値 等 に 認め
(吸 収 に 伴 う 消 化 管 内 薬 物 濃 度 が 2 分 の 王 と な
宕
〕摂 食 に よ る 胃 酸 や 消 化 酵 素 の 分 泌
ら れ る。
、
粁
る 時 閥) の 3 ∼ 遂 倍 の 時 聞 吸 収 部 位 に 滞 留 さ せ
ミ ク ロ ゾ ー ム に お け る 薬 物 代 謝 酵 素 の 活 性、 な
る 必 要 が あ る。 汲 収 速 度 の 運 い 薬 物 に っ い て は、
ら び に 尿 や 胆 汁 鎌 渡 等 の 日 属 リ ズ ム が あ り、 こ
時 限 爆 弾 の設 定時 閥 を 短 く す る こ と が 余 儀 なく
れ らが 薬 物 の ク リ ア ラ ンス や 分 布 容 穣 に 濁 期 的
さ れ る し、 設 定 を 長 く す る と、 薬 物 が 吸 収 さ れ
変 動 を弓1き 起 こ
1す 場 合 が あ る。
な い う ち に 排 椎 さ れ て し ま う。 ま た、 多 く の 薬
一 方、
こ の よ う な リ ズ ム は、 薬 物 に 対 す る 生
物 の 場 合、
胃 ・ 十 二指 腸 ・ 空 腸 ・ 回 湯 ・ 結 腸 ・
体 の 反 応 性 に っ い て も 報 告 さ れ て お り、 図 に 示
直 腸 の 各 部 位 に お い て 汲収 の 程 度 が 異 な る こ と
し た 治 療 域の 施 中濃 度 の 変 動 の 珂 能 性 を 示 唆 し
が 知 ら れ て お り、 上 述 の 吸 収 部 位 で の 滞 留 時 闇
未 来1
嚢 学 腕 玉黎
亘994卒
75
が 短 く な る こ と は考 え ね ば な ら な い 課 題 で あ ろ
応 答 型 D D S は、 螂 激 に よ っ て 構 造 や 機 能 が 変
う と 思 わ れ る。
化 す る高 分 子の 開 発 に よ っ て も た ら さ れ
、 四次
元的 に自 己制 御 す る D D S と して 大 き な 期 待 が
寄 せ ら れ て い る 。蝸)
経 口 剤 を 中 心 に 考 え て み た が、 D O S は 通 常
D O S と い う メ ディ ア が 構 築 さ れ
、 薬物を運
の 消 化 管 内 投 与 や 注 射 剤 に よ る 投 与 と いう 投与
ぶキャリアの能力が高まると
、 次にキャリアに
経 路 の 頒 域 を 拡 大 す る 技 術 と し て も、 大 き く 医
乗せる薬物の多様化が進むことは論を待たない
。
療 に 貢 献 し て い る。
先 に 挙 げ た ペ プ チ ド類 や 遺 伝 子 を 送 達 す る 研 究
本 来 異 物 の 侵 入 を 阻 止 し外 界と の バ リ ア ー と
に シ フ ト し っ つ あ る。
後 者 に つ い て は ウイ ル ス
し て 存 在 す る 皮 溝 を、 そ の 経 路 と し て 開 発 さ れ
を ベ ク タ ー と し て 利馬 す る 研 究 が 進 め ら れて お
た も の と し て、 経 皮 汲 収 治 療 シ ス テ ム(T T S)
り、 究 極 の 指 向 性 D D S と な る こ と で あ ろ う。
が あ る。
ニ ト ロ グリ セ リ ン製 剤 や ニ コ チ ンパ ッ
チ な ど の 経 皮 吸 収 剤 が 実 際 に 利 用 さ れ て い る。
さ ら に、 こ の 強 固 な バ リ ア ー で あ る 皮 膚 を 貫 い
高 度 な D D S の 研 究 は、 疾 病 の 解 明 か ら 生 体
て 送 達 さ せ る 方 法 と し て、 皮 膚 に 外 部 エ ネ ル
の 恒 常 性 の 理 解 や 薬 物 の 合 成、 物 理 化 学 持 性、
ギ ー を 与 え、 イ オ ン 性 薬 物 が ペ プ チ ド医 薬 暴 を
薬 理 作 用 お よ び 体 内 動 態、 並 び に 有 鰯 な 高 分 子
輸 送 せ し め る 方 法 が 研 究 さ れ て い る。 表 皮 に パ
材 料 等 の 基剤 な ど とま す ま す 集 学 的 な 極 め て 間
ル ス状 に電 場 を 与 え
、 静電的反発を利用したも
口 の 広 く 奥 行 き の 深 い 知 識 と 技 術 が 要 求 さ れ る。
の でイ オ ン トフ ォ レー シ ス と 呼 ば れ て
、
米 園 で
現 在 開 発 が 進 め ら れ て い る。
未 来 医 学に 資す る D D S と は 何 か ?
ODS
は 薬 物 療 法 に お け る 個 体 差 を 乗 り 越 え、 公 約 数
の 最 大 化 を 目 指 す も の で あ る。 さ ら に そ の 先 は、
患 者 一人 ひ と り の 疾 病 と 生 理 機 能 に 的 確 に 合 致
注 射 剤 を 中 心 に 、 エ マ ル ジ ョ ン、
マ イ ク ロ ス フ ェ ア ー、
リ ポ ソ ー ム、
し た 薬 物 療 法 を 施 し う る シ ス テ ム で あ ろ う。 今
マイ ク ロ カ プ セ ル や ナノ
後 D D S は、 薬 物 療 法 の 効 果 と 患 者 の Q O L を
粒 子 等 の 微 粒 子 を キ ャ リ ア と す る D D S の 闘発
最 大 と す る 手 段 と し て、 ま す ま す 発 展 し 続 け る
が 推 進 さ れ て い る3)薬 物 動 態 と い う 時 間 の 因 子
こ と に 疑 い の 余 地 は な い。
と 生 体 内 の 三 次 元 的 分 布 を 制 御 す る 四 次 禿 DD
S と し て 期 待 さ れ て い る。 粒 子 サ イ ズ を 工O ∼ 100
n m に 翻 御 す る と、 腎 臓 か ら の 排 椎 と 紬 網 内 皮
系 を く ぐ り 抜 け る こ と が で き、 ウ イ ル ス と 近 似
の 挙 動 を 期 待 で き る。 こ の 現 象 を と ら え
、 高分
〕を
子 ミ セ ル 構 造旦
用 い、 さ ら に そ の 表 面 を 修 飾
す る こ
と に よ る S三te− s eciξic C ontro11ed
p
王eaSe を 冒 指 し た 研 究 が さ れ て い る。
R e一
こ れ に 関
し て、 工99遂年 の 未 来 医 学 研 究 会 の 特 別 講 演 rウ
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トラ ンク テ リ ハ リ ー ソ ス テ ム
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一 方、 生 体 の 変 化 と い う 螂 激 に 応 答 す る 刺 激
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