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ファンドニュース
ファンドニュース ファンドオブファンズ クイックサーベイのご報告 2012 年 7 月 はじめに 証券取引等監視委員会の検査を端緒とした AIJ 投資顧問の年金消失問題(以下「AIJ 問題」という。)は資産運用業界 にも少なからず影響を与えています。私どもあらた監査法人は、資産運用業界の健全な発展に貢献することをミッション としており、この課題に対してもさまざまな形で貢献したいと考えております。 今般の問題によって、あらためてファンドオブファンズ(FOFs)への関心が高まっております。私どもは、その利用状況お よび AIJ 問題後に取るべき対応を分析することで、今後の対策に活用して頂くことを目的として、国内系・外資系双方か ら構成される運用会社 34 社を対象にサーベイを実施致しました。 ここでは、当該サーベイの内容について簡単にご報告させていただければと思います。 最後に、この調査にご協力いただきました運用会社の皆様に感謝を申し上げます。 サーベイの実施状況 本サーベイは、2012 年 5 月~6 月にかけて、国内系・外資系の運用会社 34 社に対して、ファンドオブファンズの利用 状況、モニタリングなどについて、質問状を用いて調査を実施しました。調査は対面もしくはメールベースで実施し、当 法人が設定した質問に対する回答のほか、自由回答としてコメントを入手しました。 報告書について サーベイの結果と、それを受けた提言をまとめた報告書を作成しております。 1.ファンドオブファンズの利用状況 ¾ ファンドオブファンズを利用する理由、および今後の利用計画 ¾ ファンドオブファンズの所在地(ケイマン、ルクス等) ¾ 基準価格、NAV の入手先 ¾ 基準価格エラー・遅延について ¾ ファンド設定時の調査 ¾ 保有時のモニタリング 2.AIJ 問題の概要 3.AIJ 問題後のファンドオブファンズ-組成・運用上の課題 ¾ 組入ファンドの基準価格及び NAV に関する問題 ¾ ファンドストラクチャーの理解とデューデリジェンス ¾ 保有時のモニタリング ¾ グループ会社を利用したスキームの検討 それぞれの項目について簡単に説明いたします。 ファンドオブファンズの利用状況 最初に現状の利用実態を質問したこところ、現在の国内系の運用会社の多くは他社設定の外国籍投信に投資している 状況であり、外資系の運用会社の多くはグループ会社設定の外国籍投信に投資する形でファンドオブファンズを利用し ております。また、今後も積極的に外国籍投信を利用したスキームを検討されている運用会社は全体の 76%と、利用形 態は多様であるものの、ファンドオブファンズは今後も主要な投資形態として広く利用されていくものと考えられます。 また、ファンドオブファンズの設定に際してケイマンやルクセンブルグなど所在地における規制を考慮して決定していると の回答がありました。 次に、現状運用会社が実施しているデューデリジェンス・モニタリングについて、設定時と保有時にそれぞれ分けて調査 を実施しました。 AIJ 問題の概要 AIJ 問題を受けて、デューデリジェンス・モニタリングなどの変更の有無を調査しています。 AIJ 問題後のファンドオブファンズ-組成・運用上の課題 サーベイの結果、および当法人が有する海外も含めたベストプラクティスを受けて以下の提言をおこなっています。 ・組み入れファンドの基準価額について 基準価額の入手方法や適正性の確認方法について提言を実施しています。 ・ファンドストラクチャーの理解とデューデリジェンス、および保有時のモニタリング ファンドオブファンズの設定時のデューデリジェンス、および保有時におけるモニタリングのベストプラクティスを紹介し ています。 おわりに 私どもは、あらた監査法人は、会計・監査のプロフェッショナルとして資産運用業界の発展に貢献をすることをミッションと しており、資産運用に関してさまざまな提言やサービスを提供しています。 今回は、ファンドオブファンズについてサーベイを実施しましたが、今後もさまざまな問題に関して、このようなサーベイを 開催することを企画しております。 なお、当該サーベイの内容にご興味をお持ちの方には、以下のお問い合わせフォームからご連絡いただければと思い ます。資料、内容などの詳細なご説明をいたしたいと思います。 文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることを申し添えます。 あらた監査法人 第3金融部(資産運用) パートナー 和田 渉 あらた監査法人 第3金融部(資産運用) お問い合わせフォーム 本冊子は概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。個別にプロフェッショナル からのアドバイスを受けることなく、本冊子の情報を基に判断し行動されないようお願いします。本冊子に含まれる情報は正確性または完全性を、 (明示的にも暗示的にも)表明あるいは保証するものではありません。また、本冊子に含まれる情報に基づき、意思決定し何らかの行動を起こされ たり、起こされなかったことによって発生した結果について、あらた監査法人、およびメンバーファーム、職員、代理人は、法律によって認められる範 囲においていかなる賠償責任、責任、義務も負いません。 © 2012 PricewaterhouseCoopers Aarata. All rights reserved. In this document, “PwC” refers to PricewaterhouseCoopers Aarata, which is a member firm of PricewaterhouseCoopers International Limited, each member firm of which is a separate legal entc 2012 PricewaterhouseCoopers Aarata. All rights reserved. In this document, “PwC” refers to PricewaterhouseCoopers Aarata, which is a member firm of PricewaterhouseCoopers International Limited, each member firm of which is a separate legal entity.