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関西国際空港及び大阪国際空港の コンセッションに係る実施方針につ いて

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関西国際空港及び大阪国際空港の コンセッションに係る実施方針につ いて
関西国際空港及び大阪国際空港の
コンセッションに係る実施方針につ
いて
新関西国際空港株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
安藤 圭一
2014.7.25
1. 関空・伊丹の経営統合とコン
セッションに向けた経営戦略
1-1 (1) 関空・伊丹の経営統合
関空・伊丹統合法に基づき2012
関空・伊丹統合法に基づき2012年
2012年4月に新関空会社が発足
同年7
同年7月に関西国際空港と大阪国際空港を経営統合
4,000 m
3,500 m
滑走路
3,000 m
1,828 m
93
駐機場
50
24 時間
1,812万人
万人
運用時間
旅客数
(国際、国内)
1,410万人
万人
13.3万回
万回
発着回数
13.9万回
万回
67万トン
万トン
貨物取扱量
13万トン
万トン
(66%, 34%)
87%
(#5 アジア)
アジア
20周年
7:00 - 21:00
(0%, 100%)
93%
定時運航率
(#2 世界)
世界
75周年
1
1-1 (2) 新関空会社のミッション(経営戦略)
目指す空港像
「ワンエアポート」で、世界に開かれた、アジアのリーディングエアポート
基本コンセプト
「空を変える。日本が変わる」
3つのキーワード
空港のビジネスモデルの変革
空港のビジネスモデルの変革
3つのステップ
「安全・安心を大前提として、」
安全・安心を大前提として、」
STEP3.
「カスタマーズアイ」 顧客目線で、
顧客目線で、
コンセッション(完全民間運営化)
STEP2.
「シナジー」 両空港の価値を最大化し、
両空港の価値を最大化し、
事業価値の最大化
STEP1.
「クリエイティブ」 新たな課題に果敢に挑戦。
補給金によらない自立した経営
良質で効率的な空港サービスにより航空需要を増大させ、
商業利益の拡大により事業価値を高める好循環を生み出す。
2
1-1 (3) 戦略的成長プログラム
(中期経営計画2012.10))のポイント
「新関空モデル」
日本初の空港ビジネスモデルにより
アジアのリーディングエアポートを目指した成長を実現
~「空を変える。日本が変わる。」ための TAKE OFF ~
国家的戦略プロジェクト (日本初の試み)
国の基幹インフラにおける民間主導の経営とコンセッションによる民間資金の活用
○土地保有と運営の分離
○民間主導の徹底
○複数空港の運営
○航空系事業と非航空系事業(商業事業)との一体化
○コンセッション(公共施設等運営権) の設定
新しい取組み
環境先進空港
カスタマーズ
・アイ
・利用者、エアラ
インなどの目
線に立った料
金設定
・お客様満足度
を向上させる
ための快適性
の追求
など
料金戦略
LCC
ターミナル
貨物ハブ
・11年ぶりの着陸
年ぶりの着陸 ・我が国初の
・我が国初のLCC ・FedEx社北太平
社北太平
料引下げ
専用ターミナル
洋地区ハブに
・新規需要の成長
(第2ターミナ
向けた貨物施
をサポートする
ル)の整備・運
設の整備
増量割引の複
営
・更なるエアライ
数年化
・LCCの更なる成
の更なる成
ン・フォワー
・伊丹空港におけ
長をサポートす
長をサポートす
ダーの拠点誘
る低騒音機導入
るための第3
致
促進料金
ターミナルの整
など
など
備
ローコスト
オペレーション
(スマート愛
ランド構想)
・民間的手法の徹 ・クリーンエネル
底、経営統合の
ギー、再生可能
シナジー効果な
エネルギーの利
どによる施設運
用促進
どによる施設運
営費の削減
・低騒音・低排出
・空港運用の体制
機材の導入促進
見直し(マルチオ
など
ペレーション)
など
国際事業
展開
・新関空モデル
の国内外への
情報発信
・コンサルティン
グ等の海外事
業の展開
など
3
1-2 (1) 関西国際空港における国際線LCC
(2014年夏期)
ソウル
(仁川・⾦浦) ③
◇関空における国際線LCC便数の推移
天津
(便/週)
200
25.0%
22%
重慶
180
160
20.0%
17%
140
100
15.0%
旅客便に占める
LCCの便数割合
173
60
バンコク 香
港
⑧ ①
①
高雄 ⑨
⑧
⑦
マニラ
⑦ジェットスター航空
2路線・5便
10.0%
ケアンズ
3%
42 43
⑦
12 17
0.0%
08夏 09夏 10夏 11夏 12夏 13夏 14夏
計画
※9月1⽇⾒込
(7月7⽇時点)
⑤香港エクスプレス
1路線・14便
⑥春秋航空
4路線・21便
シンガポール
5.0%
2%
①
⑤
クアラルンプール
119
40
0
⑩
⑥
上海
7%
104
20
武漢
台北
⑥
⑧
80
7%
釜山
⑧
15%
120
⑪
⑥
⑥
①②
④
①
①ピーチ・アビエーション
5路線・63便
②チェジュ航空
2路線・14便
③イースター航空
1路線・7便
④エアプサン
1路線・14便
メルボルン
⑧ジェットスター・アジア航空
2路線・16便
⑨セブ・パシフィック航空
1路線・7便
⑩エアアジアX
1路線・7便
⑪タイ・エアアジアX
1路線・5便
4
1-2 (2) LCC就航後の国際線旅客数の推移
仁川路線・釜⼭路線・⾹港路線・台北路線(LCC就航路線)の旅客数推移
千人
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
‛11‛12‛13
‛11‛12‛13
‛11‛12‛13
‛11‛12‛13
‛11‛12‛13
‛11‛12‛13
‛11‛12‛13
‛12‛13‛14
2月
3月
4月
5月
‛12‛13‛14
‛12‛13‛14
‛12‛13‛14
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
KIX(FSC)
‛12‛13‛14
KIX(LCC)
KIX(LCC)…Peach、イースター航空、チェジュ航空、エアプサン、⾹港エクスプレス
5
1-2 (3) LCC事業の取り組み
~LCCターミナルの概要~
コンセプトは「機能性・経済性・安全安心」
コンセプトは「機能性・経済性・安全安心」
・搭乗橋なし(徒歩でタラップによる搭乗)
・小型機が自走アウト可能
第3ターミナルビル:2016年下期供用開始予定
・延床面積 約3.3万㎡ (平屋建[一部2階建])
・国際線
・6スポット(小型機であれば11機まで対応可能)
第2ターミナルビル:2012年10月28日供用開始
・延床面積 約3万㎡ (平屋建[一部2階建])
・国際線・国内線共用
・9スポット
アクセス
・無料連絡バス(エアロプラザより随時運行)
・自家用車 駐車場900台
(P1~P4駐車場と同料金)
・リムジンバス(一部路線)
ターミナルビル内 旅客待合室
ターミナルビル 入口側
・タクシー
6
1-2 (4) 魅力ある商業エリアの創造
~関空第1ターミナルビルのリノベーション~
開港20周年を迎えるにあたり、商業施設だけでなく、
機能施設も対象とした、関空第1旅客ターミナルビルのリノベーションに着手!
商業施設の主な内容
4F国際線出発フロアの
商業施設を中央に集約!
24時間対応のコンビニも新設!
出国後エリアに、
ブティック型免税店舗を新設!
4F国際線出発フロアの一
部を出国後エリアとし、
大型免税店舗を新設!
・機能施設では、トイレやベビールームの改装、
WiFi設備の整備や案内サインの見直し等を実施。
設備の整備や案内サインの見直し等を実施。
・来年3月末に終了し、更に利用しやすい空港へ!
・来年 月末に終了し、更に利用しやすい空港へ!
7
1-2 (5) 貨物ハブへの取り組み
米国フェデラル・エクスプレス社が、関西国際空港に新たな北太平洋地区ハブ
を開設。当社の整備した施設が、2014年4月1日にオープン。
北太平洋地区ハブ:アジアと米国間を輸送する貨物を集約し、仕分け・積み替
えを行う拠点。
関⻄国際空港はアジア諸都市だけでなく、⽶国へのアクセスの良さ
も併せ持つ⽴地にあり、また、1994 年の開港以来、24 時間体
制で素晴らしい運営を続けてきました。
出典:新関⻄国際空港㈱/フェデックス ニュースリリースより抜粋
(2012年5月25⽇)
延床面積(上屋(庇下等を除く)・オフィス):約25,000㎡
貨物仕分け能⼒:毎時9,000個
可能駐機数 :最大7機
オペレーション体制:24時間
業務内容:通関業務、ランプオペレーション、仕分け・積み替え業務
8
1-2 (6) 関西国際空港の発着回数と
外国人旅客数の推移
万回 (発着回数)
14
万人(外国人旅客数)
過去最高
国際線発着回数
11.9
12
12.2
国内線発着回数
11.8 11.8
12.4
10.8
外国人旅客数
12.2
10.9
10
12.9
13.0 12.9
11.3
11.7
496
過去最高
400
8
6
308
5.3
4
197
242
227
217 217
243 236
262
334
382
347
309
279
289
2
200
224
84
・原油高・世界同時不況
・本邦航空会社の経営悪化
・新型インフルエンザ
300
276
165
0
600
500
10.9 10.7 10.8
10.0 10.3
13.3
100
東日本大震災
0
(年度)
9
1-3 (1) 大阪国際空港における
低騒音機枠の導入
航空会社のプロペラ機から低騒音ジェット機への転換需要に対応するため、騒音値の変化の状況をモ
ニタリングしながら、従来のプロペラ機枠について、低騒音機枠(プロペラ機のほか、低騒音ジェット機も
使用可能な枠)への段階的な転換を進めている。併せて、低騒音機の活用を促す着陸料制度を導入。
※ 低騒音ジェット機: 騒音影響がプロペラ機と同程度以下のジェット機(CRJ1・2・7、E170、B737(-700、-800に限る)、A320、MD90)
2013年
2013年
夏ダイヤ~
従前
低騒音機枠:50
ジェット機枠:200
ジェット機枠:200
プロペラ機枠:170
プロペラ機枠:120
【発着回数370回/⽇】
2014年
2014年
夏ダイヤ~
【発着回数370回/⽇】
2015年
2015年
夏ダイヤ~
低騒音機枠:100
ジェット機枠:200
ジェット機枠:200
低騒音機枠:170
プロペラ機枠:70
【発着回数370回/⽇】
【発着回数370回/⽇】
10
1-3 (2) 大阪国際空港における
商業系売上・利便性の向上
大阪国際空港ターミナル株式
)のグループ化による収益力向上
大阪国際空港ターミナル株式会社(通称:
株式会社(通称:OAT)のグループ化による収益力向上
会社(通称:
・大阪国際空港のターミナルビル運営を担う、大阪国際空港ターミナル(株)について、
統合による事業価値向上に向け、2013年末に当社が全株式を取得し、グループ会社化。
年間300億円超(連結)の売上を誇るOATグループの当社グループ化により、
当社グループの収益⼒が⾶躍的に向上!
さらに…
新関空・OATグループ全体の免税・物販事業の再編(関空)、調達・資⾦管理の
⼀元化等により、連携・効率化施策を推進し、更なる収益拡⼤を実現!
ターミナルビルの大規模改修実施
・老朽化対応及び都市型空港としての利便性確保に向け、大阪国際空港ターミナルビルの改修を計画。
・専門部署を設置し、実施に向けた検討を継続中。
年間1,400万人規模の大阪国際空港の航空需要を、確実に商業系売上へ
万人規模の大阪国際空港の航空需要を、確実に商業系売上へ
年間
結びつけると共に、利便性の向上にも努め、需要基盤を一層強固なものに!
11
1-3 (3) 大阪国際空港における
空港用地の有効活用
低利⽤⼜は遊休地となっている空港⽤地について、
有効活⽤を推進。
北貨物地区
駐車場用地の高度利用化
駐車場用地の高度利用化
平面部分が多く、低利用となっている駐車場
用地について、駐車場の立体化等による高度
利用を検討。
・駐車場機能(台数、サービス等)の向上
・新施設(商業、集客等)の立地 等
駐車場用地
・約6.2ha
・2,450台(普通⾞2,405台)
276
台
北⽴駐
539台
363
台
中央⽴駐
479台
モノレール駅
南⽴駐
748台
北貨物地区の利活用
北貨物地区の利活用
北貨物地区の遊休地について、隣接する
官舎跡地(国有地)の活用とも連携して、
一体的な開発を検討。
・新たな施設の⽴地による収益⼒の向上
約
0.7ha
約
0.8ha
官舎跡地
約2.5ha
約
1.0ha
・約2.9ha
・地域における賑わいや雇⽤の創出
12
1-4 (1) 営業利益及び税前利益(EBITDA)の推移
億円
700
600
500
505
454
431
426
400
268
300
200
605
575
190
126
326
353
178
100
0
営業利益(新関空会社)
EBITDA(新関空会社)
(EBITDA=Earnings Before Interest Tax Depreciation & Amortization: 法人税・利払い・減価償却前利益)
13
1-4 (2) 関空・伊丹の規模(売上・EBITDA)
世界の主要空港に比肩する関空・伊丹の収益力とポテンシャル
売上 & EBITDA
EBITDA マージン (EBITDA /売上
売上)
売上
1,384
3,593
3,469
1,158
3,331
549
1,692
1,142
1,497
819
1,430
593
1,425
911
1,125
1,115
947
858
730
695
Frankfurt+
フランクフルト空港 +
39%
33%
London
Heathrow+
ロンドン・ヒースロー空港 +
1,720
1,888
Paris
Charles de Gaulle+
パリ・シャルルドゴール空港 +
Tokyo
Haneda
東京国際空港(羽田)
51%
29%
Hong Kong
⾹港国際空港
67%
Singapore
Changi
シンガポール・チャンギ国際空港
KIX
and ITM *
関⻄国際空港・大阪国際空港
55%
41%
Seoulソウル・インチョン空港
Incheon
64%
609
Beijing 北京・⾸都空港
Capital
54%
608
Bangkok
Sucarnabhumi+
バンコク・スワナブーム空港
55%
444 Los Angeles
ロサンゼルス空港
O'Hare
406 Chicago
シカゴ・オヘア空港
47%
342 Denver デンバー空港
Jackson Atlanta
465 Hartsfieldアトランタ空港
47%
単位: 100万米ドル
649
FortWorth
363 Dallasダラス・フォートワース空港
2014年1月31日時点の為替レート
* : 関空・伊丹のEBITDAは2014年度見込み(OAT連結)
+ 当該空港会社の運営する複数の空港分を含む
47%
67%
56%
14
1-4 (3) 今後の成長の中心となる
アジア太平洋地区
中間層人口の中心は欧米からアジア太平洋地区にシフト
欧州
アジア太平洋
北米
9%
CAGR
中東・北アフリカ
アフリカ
(サハラ以南)
2009 525 million people
2020 1740 million people
2030 3228 million people
出典: OECD, Standard Chartered Bank Research
中南米
2009 実績
2030 予測
15
1-4 (4) 日本のオープンスカイ協定の進捗
フィンランド
2012/6/8
スウェーデン
2012/10/11
オランダ
2012/8/23
英国
2012/1/20
中国
2012/8/8
ミャンマー
2013/10/25
ノルウェー
2012/10/11
デンマーク
2012/10/11
フランス
2012/7/7
スイス
2013/7/25
韓国
2010/12/22
台湾
2011/11/10
⾹港
2011/5/19
マカオ
2011/7/14
ベトナム
2011/6/9
フィリピン
2013/9/13
タイ
2012/11/21
マレーシア
2011/2/24
ブルネイ
2011/10/28
インドネシア
2011/8/11
シンガポール
2011/1/19
スリランカ
2012/3/23
オーストラリア
2011/9/29
オーストリア
2014/2/21
カナダ
2011/9/14
〜合意した国々〜
24ヶ国3地域
(2014年3月5日時点)
⽶国
2010/10/25
オープンスカイ
=企業数・路線便数に係る制限を
二国間で相互に撤廃
⇒国際航空ネットワークの拡大
⽇本発着総旅客数*に占める、オープンス
カイ合意国の割合は、90%以上!
*2010年度の旅客数(5,208万人)による。
ニュージーランド
2012/2/16
※国⼟交通省資料より作成
16
1-5 (1) コンセッションスキームについて
[役 割]
運営権
取得者
(投資家等)
[コンセッションスキーム]
公共施設等運営権を取得し、両空港の運営を実施
(運営期間:2015年度〜59年度の45年間)
運営権の設定
運営権対価等
新関西国際空港株式会社 (国出資100%)
◇関⻄国際空港の滑⾛路等の空港資産の所有
◇伊丹空港の⼟地・滑⾛路等の空港資産の所有
空港
管理者
KIX
ITM
貸付
地代
関空土地保有会社
着陸料・商業売
上等の運営収入
関空の国際拠
点空港として
の再生・強
化、関⻄全体
の航空輸送需
要の拡大
関空債務の早
期の確実な返
済
連結会社
17
1-5 (2) 「関空伊丹コンセッション」の意義
新しいインフラ経営モデルの構築
(国管理27空港、上下水道、道路・・・など各種インフラに横展開)
新しい投資アセットクラスの創出
(株式と債券の間のリスクリターン特性)
民間の創意工夫を活かしたインフラ経営
(「インフラ作り」→「インフラ使い」の時代)
インフラ経営
についての
国家的意義
既存の出資
者、金融機関
等へのメリット
国・地域への
メリット
「民間に任せられることは任せる」
ことにより、
▪ 自らリスクを取る統治体制に移行
▪ 民間事業機会の創出
▪ 民間との適切なリスク分担
▪ 民間事業者の柔軟な創意工夫
資本市場の活性化/新市場の創出
▪ 民間資金(年金を含む機関投資家)の活用
▪ 公的資金(公的年金等)運用先拡大
▪ 1400兆円の個人資産の活用
▪ 海外からの投資の呼び込み
民間経営に
民間経営による事業価値の向上
(空港の国際競争力の向上の実現)
関空の財務構造の抜本的改善
(1.2兆円の債務の早期の確実な返済)
・関西国際空港の際内乗継機能の強化を含む国際拠点空港としての機能の再生及び強化
・大阪国際空港の環境に配慮した都市型空港としての運用
・利用者ニーズに即した空港アクセス機能の強化等
=
<関係者間の連携の下>
関西国際空港の国際拠点空港としての再生・強化及び関西全体の航空輸送需要の拡大
利用者へのメ
リット
「純粋民間経営体制
純粋民間経営体制」での業務遂行(経営の自由度向上、戦略的投資の加速)
純粋民間経営体制
による顧客サービスの一層の向上
18
2. コンセッションの実施方針
2-1 事業方式等①
新関空会社は公募により優先交渉権者を選定し、それが設立した特定目的会社(SPC)
が、運営権者として2015年度中を想定する事業の開始時期から2059年度末までの45
年間にわたり、両空港の滑走路、ターミナルビル等の運営、維持管理、環境対策、関西
国際空港の給油施設・鉄道施設の管理受託業務などを実施。
運営権者は、着陸料などの料金を設定・収受し、これらの収入により事業実施に要する
費用を負担。
新関空会社は、両空港の資産を保有しながら、運営権者に対するモニタリング等を行
い、事業が適切に行われるようにするとともに、運営権者から運営権の対価等を収受し
て、債務の返済及び土地保有会社への賃料の支払い等を行う。
運営権者は、新関空会社等の職員について、募集要項等にて示す条件により、雇用を承
継する義務を負う。
なお、上記の事業以外に、コンセッションの目的に適う事業・業務であって、運営権者が
必要と考えるものがある場合には、新関空会社の承認を得た上で行うことができる。
19
2-1 事業方式等②
運営権者(=SPC)のイメージ
実施方針上の要件
※コンソーシアムによる出資を想定
代表企業要件
代表企業
その他投資家
空港運営能力
を有する者
我が国の法令・ビジネス慣習を熟知
し、関西空港及び伊丹空港の設置・運
営経緯を承知しているとともに、我が
国の産業、観光等の国際競争力の強化
及び関西における経済の活性化に寄与
する意思があること。
SPCへの出資及び事業開始後の経営
について主導的な役割を担うこと。
関空相当規模の旅客施設や商業施設等
の運営実績を有すること。
空港運営能力要件
SPCの出資者が関空相当規模の空港の
運営能力を有すると認められること。
※なお、優先交渉権者の選定にあたっては、財務大臣、外務大臣、防衛大臣等の関係行政機関に協議した上で国土交通大臣の承認が必要。
20
2-2 (1) 運営権の対価等①
新関空会社のいわゆる税前利益(法人税・利払い・減価償却前利益:EBITDA)は年間
605億円である(2014年度見込み)。
コンセッション後も新関空会社は資産を保有し続けるため、固定資産税は同社が支払う
こととなる。また、関空の第3種鉄道事業は新関空会社が継続する。このため、これらに
係る収入・費用から控除すると、運営権者から見たEBITDAは、年間686億円と見込まれ
る。今後、航空市場の成長とともに運営権者に流入する資金も拡大すると考えられる。
運営権者は686億円のEBITDAから運営権対価等を支払った残りの資金で関空・伊丹両
空港における投資を行うこととなるが、両空港(旧伊丹空港及びOATを含む)の2009~
13年度の設備投資は年平均122億円となっている。法人税等支払い後に122億円が手
元に残るためには法人税等支払前で190億円程度が必要となる。従って、運営権者は、
営業利益を現状どおりと保守的に見込んだとしても、少なくとも490億円程度を運営権対
価等として負担しつつ、現在の利益水準を確保するために必要な設備投資が十分に可
能な水準の資金が手元に残るものと考えられる。
そこで、新関空会社は、今後の公募手続きにおいて、運営権者から年間490億円を上回
る運営権対価の提案を受けることとする(最低提案価格)。
21
(参考①)EBITDAの分担とコンセッションに係る運営権対価等
運営権者側
運営権者側
【単位:億円】
2014年度見通し
固定資産税
負担の変更
鉄道事業の
役割変更等
収入 1,459
収入 1,459
収入 1,418
鉄道収入41
EBITDA
605
EBITDA
716
EBITDA
686
コンセッション開始時
収入 1,418
EBITDA
686
設備
投資
運営権対価等
鉄道コスト等11
コスト*
854
コスト
743
固定資産税等
コスト
732
コスト
732
112(内数)
(*減価償却費を除く)
<2009年度~13年度の設備
投資額平均>
約122億円/年
設備投資資金として年間
122億円程度を確保する
ためには、法人税等支払
前に年間190億円程度を
運営権者に留保すること
が適当
今後、航空市場の成長
や収益改善ポテンシャル
を考慮すると運営権者に
流入する資金は拡大
新関空会社側
運営権対価等
固定資産税等
112
鉄道収入41
鉄道収入41
固定資産税等
固定資産税等
鉄道コスト等11
鉄道コスト等11
112
112
運営権者に少なくとも年
間490億円程度の運営権
対価等を求めることが可
能
22
2-2 (1) 運営権の対価等②
関空・伊丹のコンセッションは、長期にわたる多額の投資を必要とするため、
①毎期の対価の支払いと事業開始時の履行保証金の組合せ、
②毎期の支払について、長期固定支払いだけでなく、売上に連動する支払い、
といった投資家による多様な運営権対価等の提案を可能とすべく、以下のような要素を折り込
み、債務の完済に資する運営権の対価等の要件を定める予定である。
①毎期の対価の支払いと事業開始時の履⾏保証⾦の組合せ
事業開始時の履⾏保証⾦が
多いパターン
履
⾏
保
証
⾦
※
事業開始時 1年目
の支払
履
⾏
保
証
⾦
・・・
2年目
事業開始時の履⾏保証⾦を
抑えたパターン
毎期の支払
事業開始時 1年目
の支払
同等に評価
※履⾏保証⾦は、毎期分割で返還される。
全額固定支払
パターン
固定支払
一部売上連動組合せ
パターン
固定支払
収益連動
負担金
・・・
※
45年目
②毎期における支払の組み合わせ
2年目
45年目
毎期の支払
同等に評価
投資家による多様な運営権対価の提案を実施方針へ反映
23
(参考②)保証金の水準と運営権対価の評価の例
前提
条件
コンセッション
期間
45年
保証金
収益連動
1.1%
金利効果
負担金の評価額
基準価格(保証金をゼロとした場
合の運営権対価等の基準額)
490億円
130億
(1,300×10%)
保証金4,000億円の場合
の運営権対価等
44億円
保証金の金利
効果
130億円
収益連動負担
金の評価額
316億円
運営権対価
(内89億円)
保証金の
返還分(内数)
同等に
評価
24
(参考③)投資家から見た事業価値
45年間にわたる490億円の支払いを民間企業の一般的な資金調達コスト5%で割り引くと約8,700億
円となる。従って、事業価値の目安とされるEBITDA倍率は12.7(8,700億円÷686億円)となる。
過去10年間の海外における同種のコンセッションにおけるEBITDA倍率は10倍~15倍であり、上記は
合理的な範囲内にあるものと考えられる。
2009年~
年~2014年の主な空港案件の
年の主な空港案件のEBITDA倍率のレンジ:約
倍率のレンジ:約10~
倍(平均12.5)
)
年~
年の主な空港案件の
倍率のレンジ:約 ~15倍(平均
倍(平均
18.7x
15.9x
13.4x
14.6x
12.6x
12.8x
11.9x
10.9x
10.8x
10.6x
8.6x
8.6x
2009年9月 2009年10月 2010年10月 2011年10月 2011年12月 2012年3月 2012年8月 2012年10月 2013年1月 2013年5月 2013年6月 2013年8月
被買収者
Bristol
Airport
Gatwick
Airport
Naples
Airport
BAA
SEA
TAV
BAA
BAA
買収者
OTPP
GIP
F2i
Alinda
F2i
ADP
Qatar
Holding
CIC
London Hochtief
Stansted Airports
MAG
PSP
ADP
London
Luton
Vinci
AENA
出所: Mergermarket
注記: 2009年~2014年の主な空港案件のうち、Mergermarketに収録されている案件を記載
また、記載しているEBITDA倍率は、Mergermarketに収録されているEBITDA倍率を記載
25
2-3 責任の明確化等① ~運営権者の責務~
運営権者は、関空・伊丹統合法の基本方針に則り、空港を運営する義務を有する。
また、運営権者は、法令、要求水準等に従い、空港を運営する義務を有する。
空港における各種施設、環境対策(地域との連携を含む)等に関する具体的な要求水準
は、応募者に募集要項を配布する時に要求水準書(案)として示し、最終的には、実施契
約に反映。
運営権者は、要求水準が充足されていることを自らモニタリングするとともに、新関空会
社及び国が検査等によりこれを確認。要求水準が未達成の場合は、新関空会社及び国
は運営権者に必要な改善を求める。
26
2-3 責任の明確化等② ~リスク分担~
運営権者は、その自主性と創意工夫が発揮されるように、着陸料等の料金の設定・収受
が原則として自由とされていることから、本事業に係るリスクは運営権者が負うことを基
本としつつ、公共施設等の管理者でなければとれない主に以下に想定するリスクについ
ては、限定的に新関空会社が負担。
① 地震、津波等の不可抗力事象が生じ、運営権者が保険付保等を行うべき
金額を超える場合
② 空港用施設について一定の期間以内に物理的な隠れた瑕疵が発見された
場合
③ 本事業に特別に又は類型的に適用され、不当な影響を及ぼす法令等の変
更が生じた場合
④ 両空港の安全な運営が阻害される事態等が生じ、新関空会社が運営権行
使の停止を命じた場合
⑤ 想定を上回る関西国際空港用地の沈下が生じ、追加的な対応が必要な場
合
27
2-4 今後の主なスケジュール想定
応募者からの提案について、新関空会社が客観的基準に基づく審査を行い、国の承認を
得て、優先交渉権者を選定。実施契約を締結した後、優先交渉権者が設立した特定目的
会社(SPC)に、運営権者として事業を引き継ぐ。
2014年
2014年
9月
1月
運営権者による運営開始
国交大臣
承認※※
2016年
2016年
実施契約のののの締結
国国国国のののの対応
国交大臣
承認※
8月
運営権のののの設定
優先交渉権者のののの選定
募集要項のののの配布・・・・
入札開始
6月
2段階での
選定
10月
10月
実施方針のののの策定・・・・
公表
新関空会社のののの取組
7月
国交大臣
承認
9月
2015年
2015年
国交大臣
認可
※財務大臣・関係行政機関の長協議
※※財務大臣協議
・・・法定事項
28
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