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「ホグレルマシンを用いた下肢トレーニングの即時的効果について」 (PDF)
ホグレルマシンを用いた 下肢トレーニングの 即時的効果について ~筋活動、柔軟性に着目して~ 船橋整形外科病院理学診療部 飯田勝彦 飯岡智治 岡田亨 背景 2009年8月より、当院ではトレーニング マシン「ホグレル」を新たに導入している。 目的 「ホグレル」での運動による即時 的効果について検証すること 方法 対象 下肢既往のない健常男性10名 年齢 25.6±4.7歳 身長 168.4±5.5cm 体重 65±7.6kg 方法 実験①筋電図測定 運動中の筋活動量 実験②柔軟性測定 運動前後の下肢柔軟性 使用マシーン ホグレル C社製ウェイトスタック 式レッグプレス 実験①運動課題 ホグレルレッグプレス C社製レッグプレス 負荷量;体重の50%の負荷 運動姿勢;背もたれの角度は80度、足部はプレート中央 で肩幅とし、同じ運動姿勢で運動を行えるよう設定 動作スピード;最大で、膝屈曲角度90度で5回実施 実験①測定機器および導出筋 表面筋電図 Myosystem1400 (Noraxon社製) 中殿筋 大殿筋 内側広筋 大腿二頭筋 測定区間と統計処理 本番5回動作のうち、中間の3回の動作を抽出 測定区間の平均筋活動 ×100 最大随意収縮の筋活動 %MVC 二群間の各筋の%MVCを比較 *対応のないt検定 (統計処理ソフト:SPSSver12.00for Win) 有意水準は5%未満 実験②運動課題 ホグレル C社製レッグプレス 負荷;体重の50% 動作回数;20回3セット 運動姿勢;筋電図測定と同一 セット間のインターバルは30秒・両マシンの実施日は同一日を避けた 柔軟性測定と統計処理 柔軟性測定 SLR(Straight Leg Raising) HBD(Heel Buttocks Distance) 検定方法 ①群内比較 対応のあるt検定 ②群間比較(改善率に対し) 対応のないt検定 有意水準は5%未満 結果 筋電図 %MVC 導出筋 ホグレル C社製レッグ プレス 大殿筋 8.3±4.9 6.8±4.5 n.s 中殿筋 9.9±5.8 7.9±3.1 n.s 内側広筋 38.7±18.7 37±18.5 n.s 大腿二頭筋 13.1±8.7 10.7±6.2 n.s N.S:not significant 柔軟性 SLR (度) P<0.001*** *** 86 P<0.01** ** 84 82 80 84.3 ± 10 78 76 74 72 70 74.8 ± 10.3 ホグレル 76.8 ± 8.6 81 ± 6.8 C社製レッグプレス 運動前 運動後 柔軟性 HBD * 6 P<0.05 * n.s N.S:not significant 5 4 3 2 5.3 ± 4.8 4.4 ± 4.9 5.0 ± 3.2 4.7 ± 2.6 1 0 ホグレル C社製レッグプレス 運動前 運動後 SLR改善率 ** (%) P<0.01** 14 12 10 8 6 13.2 ± 6 4 6.1 ± 7.3 2 0 ホグレル C社製レッグプレス 考察 考察① 筋活動量 両マシン間において有意差を認めなかった 今回抽出した各下肢筋群において、C社製レッグ プレスと同程度の筋活動がホグレルでも得られた レッグプレスは、下肢伸展筋群の筋力強化を目的 として活用されている ホグレルで行うトレーニングにおいて他社トレーニング マシンと同様のトレーニング効果が期待できる 考察② 柔軟性 C社製レッグプレスに比べ、ホグレルではSLR、HBD共に 有意に改善し、ホグレルの方が高い改善率を示した 筋の弛緩-伸張-短縮の促進により血流と酸素供給が 促進され、柔軟性が改善 (根元、黒田ら 1997) スクワット姿勢時に、下肢後面筋のストレッチ 肢位となることが有効に働いている ホグレルが柔軟性改善に有効 結語 新規に導入したマシン「ホグレル」の効果について 検討した 筋活動量においては有意差は認めず、柔軟性に おいては有意な改善が見られた ホグレルはC社製レッグプレスと同様の筋活動が 期待でき、柔軟性改善のトレーニングとしても有用 であることが示唆された