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第 2 回SSH講演会「動物の深いなぞ」
平成 25 年9月9日 大分県立日田高等学校 第5号 研究部発行 嘘が多い。犬は研究されていないし、 「熊の冬眠は冬籠りだ」という説を打ち破って やろうと思っていた。 どうすれば冬眠の事が分かるだろうと考え、動物になろうと決めた。動物と一体に 第 2 回SSH講演会「動物の深いなぞ」 なれば動物が教えてくれると考えた。最初のうちは敵だと思われて沢山噛まれた。 多い時で4 0 0 の噛み傷があった。毎日、毎日一歩ずつ近づくという事を繰り返して 8月28日(水)パトリア日田にて、 「動物の いると、夜中にヒグマが「ウッ、ウッ」と鳴く。これは何かと思ったら、親とはぐれた 深いなぞ」というテーマでムツゴロウさんこと 小熊の鳴き声と同じで、親と子の結びつきの表れだった。 畑正憲さんに御講演頂きました。畑さんは本校 そして僕は冬眠する場所を体重が計測できるようにした。そうすると毎日記録が取 のOBでもあり、講演の冒頭で、高校在学中に れる。そして分かった事は、熊は冬眠し、その間体重はほとんど減らないという事。 どのように勉強をしていたのかをユーモアを交 特に生物学の中の大きな動物についての耳から聞いて書いた論文はウソが多い。 えながら話して下さいました。 とにかく本が好きで、博多まで欲しい本は買 本に書いてあることでも自分で確かめて、なんでも自分で試さないとだめですよ! 畑 正憲さん いに行き、寝る間を惜しんで読んでいたそうです。おすすめはヘミングウェイ。 原作でもすらすら読めるから是非読んでほしいとおっしゃっていました。 また、トイレに行く時間やコーヒーを入れる時間がもったいないから机の下に バケツを置いて・・・とかコーヒーの粉を口に入れて、それからお湯を飲んで胃 の中で混ぜていたというエピソードも・・・。以下は講演内容の要約です。 高校生の頃、どうしてもチンパンジーが木から下りて人間になったということが分か らなかった。当時は人間の化石は出てきておらず、人類につながるルーツは北京原 人とジャワ原人だけだった。いつか人間の化石が出るのではないか? と思っていた。 生物の勉強はほとんどしていなかったが、 「人間とは、人類とは何だろう」と真剣に 考えていた。大学を卒業してしばらくすると、アフリカからオーストラロ(南の)ピテ クスという化石が出てきて、本当にビックリした。僕と同じくらいの身長で脳みその大 きさもほぼ同じ。会いに行きたいと思って単身で会いに行った。同じころアフリカには 世界中の学者が集まり研究を進め、ミトコンドリアを解析することによって大体の年代 や、どの時代にどうなったという事まで分かるようになった。 今ではD N A を調べることにより、ガンのリスクや精神疾患まで分かるようになった。 昔は何十億(円)とかかったD N A 検査が今は数十万(円)で出来る。科学はど んどん進んでいるので是非この道へ進んで欲しい。 犬はオオカミから犬になったとか、熊は冬眠しないとか、本に書いてあることでも それと語学は是非やって。ブラジル語、ドイツ語、スペイン語。通訳は生物学者じゃ ないから役に立たない。自分で話せるようになると世の中が広がる。そして人類の祖 先、これまでにずいぶんと分かってきた。人類が地上に降りて、あれは平地の進化を した。チンパンジーは木の上で特別な進化をした。そこをしっかり認識してこれから 人類学をやってほしい。人類学面白いから!