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第 6 回世界水フォーラム速報 Vol. 2

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第 6 回世界水フォーラム速報 Vol. 2
平成 24 年 3 月 16 日
第 6 回世界水フォーラム速報 Vol. 2
フランス・マルセイユにて開催中の「第 6 回世界水フォーラム」の速報(3 月 13 日~15 日開催分)をお届けしています。
閣僚宣言を発表
13 日、2 日目を迎えた第 6 回世界水フォーラムは、午前中から閣僚会議が開催され、
「水の安全保障と持続可能性」、「気候変動への適応」、「排水管理」、「健康」、「グリーン経
済・グリーン成長」などの水に関わる 12 のテーマごとに、閣僚級参加者による議論が展
開された。
午後には、引き続き全体会合が開催され、準備プロセスも含めた議論の集大成として、
閣僚宣言が発表された。宣言文では、特に、最も弱い立場にある人々に焦点を当て、水と
衛生に対する権利の実現に向けた取り組みの速度を加速していくことや、排水管理の重要
性、水・エネルギー・食糧という水関連分野間の一体的な取り組みの必要性が強調された。
各国における今後の具体的な行動が期待される。
災害救済にかかる費用の 10%を災害予防に
閣僚会合で議論
「水関連災害」円卓会合では、災害被災者の 95%が水関連災害に起因していること、
災害が持続可能な発展の阻害要因となっていることを踏まえ、その予防や備えの重要性を
中心とした議論が展開された。
議論の中では、気候変動・変化により、過去の経験を超える事態がありうることが指摘
され、その対応策として、国際的・地域的な協力の必要性が強調された。協力の方法とし
て、災害救済にかかる費用の 10%をその予防や備えに充てる仕組みづくりや、政策・技
術・人材育成などを組み合わせたパッケージ型の支援の提供などの具体案が示された。
全体会合で報告する奥田副大臣
この日議論された内容は、今年 6 月に開催される「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」
などの機会で国際的な合意形成が目指される。水関連災害円卓会合は、奥田国土交通副大臣が議長を務め、11 カ国、3 つ
の国際機関が参加した。
テーマ別・地域別の議論始まる
13 日、テーマ別・地域別の議論が本格的にスタートした。期間中で合計 200 近いセ
ッションが開催される。
テーマ別セッションでは、14 日、国土交通省と日本下水道協会がセッションを主催し、
世界の水不足の解消に向け、再生水の利用を促進すべく、米国や中国の水関係者と共に、
水質基準の整備などに向けた議論を展開する。
アジア太平洋地域では、13 日から 15 日にかけて、家庭や都市における水と衛生、水
と食糧、資金調達メカニズム、洪水リスク管理、教育、統合水資源管理(IWRM)などの
個別テーマの議論を展開し、16 日 8:30 からコミットメント・セッションを開催する。
アジア太平洋水博物館の開館に向けて
ユネスコがイベント
13 日、タイの国立科学博物館、ユネスコなどが中心
となって進めている「アジア太平洋水博物館」に関する
イベントが日本パビリオンで開催された。アジア太平洋
水博物館は、今年、タイにて建設が開始される予定のラ
ーマ 9 世博物館に併設される。イベントでは、展示内容
について、アジア太平洋地域の水関係機関が意見交換を
行った。
タイ天然資源環境大臣
タイ国立科学博物館館長
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皇太子殿下「水と災害は、国際社会が議論すべき主要課題の一つ」
15 日、水と災害をテーマとしたハイレベル会合が開催され、日本の皇太子殿下から英語でビデオメッセージが寄せられ
た。皇太子殿下は、国連「水と衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁を務めておられ、過去 3 度、世界水フォーラムにご臨
席され、基調講演を行われている。
メッセージでは、津波災害に関する共通認識の形成の一助にと、古くは、貞観地震(869 年)に遡り、昨年の東日本大震
災を含め、日本を襲った 5 つの津波災害についてのご研究の成果をご紹介された。また、タイの大水害やオーストラリアで
の大渇水など、近年、世界中で多発している水関連災害についても触れられ、
「未曽有の災害が発生するごとに,私たちは過
去の災害経験をよりよく知る必要性を痛切に感じます。」と、災害経験の研究と丹念な検証、経験を未来に語り継いでいくこ
との大切さを述べられた。
そして、
「水と災害は,今や,世界の持続可能な発展のため国際社会が正面から議論すべき主要課題の一つです。皆さんと
共に,私も災害の経験と教訓が世界に共有され,活用されるよう努力を続けていきたいと思います。」と締めくくられた。
皇太子殿下のメッセージの内容は、宮内庁ホームページにて公開されています。http://www.kunaicho.go.jp/
日本の中高生が各所で活躍
日本で水や川を保全する活動を行っている中高生の選抜メンバー6 人が、各所で活躍し
ている。
14 日は、日本パビリオンにて、プレゼンテーションを実施した後、地球環境学研究所
らが主催する「水と文化」のワークショップに参加。フランスの子どもたちと共に、水へ
の思いや水の記憶を作品化した。
水と文化ワークショップ
翌 15 日には、公式セッション「Children solutions! Let’s discuss on water」に参
加。津波等の水に関する災害、安全な川での体験活動、水環境や自然環境の保全・復元・
再生、暮らし・産業に必要な水、日本の水の歴史や文化について、それぞれソリューショ
ンを発表した。
BOP 水ビジネスの可能性
JICA らサイドイベント
一人当たり年間所得が 3,000 ドル以下の、いわゆる BOP 層に対する、水と衛生の持
続可能性の向上に向けて、ビジネスアプローチの可能性を検討するイベントが、14 日、
BOP ビジネス実行委員会と JICA の共催で開催された。
現在、スリランカで事業検討に参画している、名古屋市上下水道局も参加し、各国での
事業検討の状況が報告された後、今後の進め方について議論がなされた。
お知らせ
第 6 回世界水フォーラムには、日本水フォーラムを含む日本の関係者が、様々な活動を展開します。詳しくは、下記の取り
組み予定表をご覧ください。
http://www.waterforum.jp/jpn/6th/worldwater/doc/activities.pdf
<世界水フォーラム豆知識>
第 6 回世界水フォーラムは、課題・テーマ別に議論を積み重ねるテーマ・プロセス、地域別で議論を積み重ねる地域プロセス、閣僚・政治
家や自治体が参加する政治プロセス、市民や草の根団体をターゲットしたプロセスなどに大別されています。
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第 6 回世界水フォーラム 公式ホームページ http://www.worldwaterforum6.org/
第 6 回世界水フォーラムにおける日本水フォーラムの活動 http://www.waterforum.jp/jpn/6th/worldwater/
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発行:特定非営利活動法人 日本水フォーラム
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町 5-4 アライズ第 2 ビル 6 階
URL: http://www.waterforum.jp / E-mail: [email protected]
※この速報は、日本の皆様に、世界水フォーラムの議論の内容や、日本の関係者の皆様の活動をお伝えするために、日本水フォーラムが自
主的にとりまとめているものです。内容は、速報暫定版のため後日修正されることがあります。次号は、3 月 19 日発行を予定しています。
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第 2.版
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