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JWF News Vol
JWF News Vol.1
2004年10月6日
発行:日本水フォーラム準備室
本ニュース・レター【JWF News】は、日本水フォーラム(JWF)の会員の皆様、第3回世界
水フォーラム時にメーリングリストにご登録頂いた方、及び、関係者の皆様に配信させて
頂いております。
本ニュース・レターを配信不要の方は、[email protected]までご連絡下さい。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
----- 目次 ----●巻頭言:「日本水フォーラム」の発足に向けて
●国内外の水に関する動き
・日本水フォーラム・ウィーク:12月第二週に様々なイベントを開催します
・第4回世界水フォーラムについて
・ユネスコ・水災害とリスクマネジメントに関する国際センターの設立について
・EURO INBO会議開催
・UN-HABITAT主催「第2回世界都市フォーラム(World Urban Forum)」開催
●日本水フォーラム準備室からのお知らせ
・統合水資源管理(IWRM)に関する国際会議開催のお知らせ
・日本水フォーラム設立大会開催のお知らせ
・第1回日中水研究会開催のお知らせ
・国内外の合意形成プロセスに学ぶセミナー開催のお知らせ
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巻頭言:「日本水フォーラム」の発足に向けて
日本水フォーラム準備室事務局長
尾田栄章
日本水フォーラムの設立発起人会が5月21日に開催されて以来、本格的な活動に向けて準
備を進めてきましたが、この度「日本水フォーラム設立大会」開催の目途が立ったのを機
会に、ニュース・レター【JWF News】を発刊することにいたしました。当分の間は、会員
の皆さまをはじめとする関係の方々に、日本水フォーラムの活動内容と世界の水に関する
情報を、毎月毎に提供させていただきます。
ご愛読頂ければ、こんなにうれしいことはありません。
今年の12月に「国連水と衛生に関する諮問委員会」の第2回会合が東京で開かれるのに
合わせて、「統合水資源管理(IWRM)に関する国際会議」を日本水フォーラムが主催する
ことにしております。国連経済社会局(UNDESA)、世界水会議(WWC)と世界水パートナー
シップ(GWP)が共催してくれます。
まあいわば、初仕事です。事務局員一同が力を合わせて取り組んでおります。
皆さまの積極的な参加は大歓迎です。是非ともよろしくお願いいたします。
「日本水フォーラム」の会員募集中でございます。日本水フォーラムは個人会員と団体
会員から成り立っております。会員の存在、会員の活動なしには存続し得ない組織であり
ます。今後より一層のお力添えをお願い申し上げます。
先日、発起人会の代表である橋本龍太郎元総理と副代表である日本経済団体連合会の奥
田碩会長が対談されました。席上、日本水フォーラムを大いに盛り上げていくことが確認
されました。私達事務局員にとって、大変力強いことです。その御気持ちに沿えるよう、
より一層努力していかなければならないと肝に銘じております。
今年の夏は耐え難い暑さ、そして新記録となった台風の本土上陸個数、異常としか言い
ようのないものでした。被災された方々に深甚なるお見舞いを申し上げます。
アメリカ東海岸でも繰り返しハリケーンが襲い、地球温暖化が懸念されています。地球
温暖化の被害は、主として水を通して起こります。第3回世界水フォーラムで初めて地球
温暖化問題が水との関連で真正面から論じられました。この流れを一層加速していかなけ
ればなりません。
秋霖も
温暖化かと
訝られ
栄
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日本水フォーラム・ウィーク:12月第二週に様々なイベントを開催します
日本水フォーラムは、12月6日(月)午後から8日(水)の日程で、統合水資源管理に
関する国際会議を開催します(於:東京プリンスホテル)。この会議は、国連経済社会局
、世界水パートナーシップ、世界水会議などとの共催で開催されるものであり、先進国と
途上国のそれぞれにおける“統合水資源管理(IWRM)”の概念を明確にし、その実施に向
けた具体的な行動を促進することなどを主な目的としています。主要な成果となる議論の
結果と統合水資源管理計画に関する提言書は、続いて9日~10日に同じく東京で開催される
「国連水と衛生に関する諮問委員会(議長:橋本龍太郎元総理)」第二回会合に提出され
、その議論の基礎資料としていただくほか、それらのプロセスを経て、国連防災世界会議
や国連持続可能な開発委員会第13会期(CSD13)などにインプットされるよう調整を行っ
ていきます。
6日午後に開催される、“統合水資源管理(IWRM)”に対する国内の関心喚起を目的と
した公開シンポジウムでは、橋本龍太郎元総理や国連経済社会局のオカンポ事務次長、世
界水会議のコスグローブ会長による基調講演の後、パネルディスカッションが行われます
。7、8日には分科会、提言書に関するブレーンストーミング・セッションを行う予定に
しています。このほか、8日の会議終了後には、第4回世界水フォーラムに向けたアジア
・キックオフミーティングの開催も予定しています。更に、9日には先進国による新しい
水連携のための特別ワークショップとして、統合水資源管理の重要な要素のひとつである
ステークホルダーの参加による合意形成のあり方を考える会議も開催します。
これらの一連の会議に先立って、12月6日(月)の午前(予定)には日本水フォーラム
の設立大会も開催します。会員の皆様が、日本水フォーラム会長、副会長、評議員、理事
の方々と一緒に、日本水フォーラムの設立を祝うとともに、今後のあり方について考える
場としたいと考えています。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
第4回世界水フォーラムについて
日本水フォーラム準備室
横田妙子
昨年10月の世界水会議総会で第4回世界水フォーラムの開催地に決定したメキシコは、
今年3月の世界水の日にメキシコシティで開催されたキックオフミーテ
ィングを経て、2006年3月開催の第4回世界水フォーラムに向けた準備を進めています。
キックオフミーティングでは、第3回世界水フォーラムの運営委員会会長を務められた橋
本龍太郎元総理からメキシコのフォックス大統領に水フォーラムの象徴としてひょうたん
が渡され、正式に引き継ぎが行われました。現在メキシコ水資源庁(Commission Nacional
del Agua)に設けられた事務局を中心に、世界水会議と調整しながら準備活動を行ってい
ます。
第4回世界水フォーラムはメキシコシティにおいて、2006年3月16日から22日の日程で開
催され、テーマ別フォーラム、フェア、EXPO、閣僚会議によって構成される予定になって
います。
フォーラムのテーマなどの詳細については、下記のサイトからダウンロード可能なファ
ーストアナウンスメントをご参照ください。なお、日本語版は日本水フォーラムが現在翻
訳中です。終了次第、日本水フォーラムのホームページに掲載しますので、もう少々お待
ちください。
http://www.worldwaterforum4.org.mx/ing/documentpdf/FIRST%20ANNOUNCEMENT.pdf
なお、フォーラムに向けた準備プロセスでは、地域のコーディネーターの役割が重視さ
れており、地域別の準備会合などを経て、本番で開催されるセッションを確定していくと
いう方針がメキシコ事務局から示されています。アジア・太平洋地域については、第3回
世界水フォーラム開催の経験を生かし、日本水フォーラムがコーディネーターを務めるよ
う、メキシコ事務局より依頼が来ています。
今後は、アジア開発銀行や国連機関の地域事務所などの地域の主要機関、第3回世界水フ
ォーラムのテーマ・地域のコーディネーター、そして分科会主催者などのみなさんと協力
して、第4回世界水フォーラムに対してアジア地域からどのようなインプットを行ってい
くかについて議論し、準備していきたいと考えています。そのための第一回会合を12月の
「統合水資源管理に関する国際会議」の機会に開催する予定としています。
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ユネスコ・水災害とリスクマネジメントに関する国際センターの設立について
独立行政法人
土木研究所
ユネスコセンター設立推進本部
主任研究員
池田鉄哉
世界各地で頻発する水関連災害に対する国際的な取り組みの重要性は、これまで数多く
の国際会議において、認識・提言されてきました。土木研究所はこれまでに水関連災害の
克服に向けて蓄積してきた知識や経験等をベースとして、関係する政府機関・研究機関等
と連携を図りつつ、「水関連災害とそのリスクマネジメント」をテーマとする国際センタ
ーを設立するための準備活動を進めています。
2004年4月に土木研究所に設立されたユネスコセンター設立推進本部では、2005年秋の設立
に向けた諸手続きとあわせて、下記に示す通り本センターの活動の柱となる研究・研修・
情報ネットワークの計画・準備を行っています。
1.研究
・国連世界水アセスメント計画(WWAP)の指標開発やユネスコと世界気象機関
(WMO)が共同で推進する国際洪水イニシアティブへの貢献
・水関連災害とそのリスクマネジメントに関連するプログラムや活動への参画
2.研修
・2005年1月より新たに開始する「洪水ハザードマップ研修」を始めとする水関連
災害に関する研修コースの実施
・既存の研修コースの改善・強化
3.情報ネットワーク
・研究・研修活動と連携した国際的な情報・知識ネットワークの構築・活用
この9月にはユネスコ国際水文計画(IHP)の政府間理事会がパリのユネスコ事務局で開
催され、本センターの設立に対して強い支持決議が採択されました。今後、来年春のユネ
スコ執行委員会を経て、秋の総会での設立承認後、正式な設立の予定です。
詳細につきましては、下記ウェブサイトを参照ください。
http://www.unesco.pwri.go.jp
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EURO INBO会議開催
日本水フォーラム準備室
遠山正人
9月27日~29日の3日間にわたり、ポーランドのクラコウにおいて、国際流域組織ネッ
トワーク(International Network of Basin Organizations: INBO)のヨーロッパ地域会合
が開催されました。
ヨーロッパでは、数年前に欧州連合(EU)が「水枠組み指令(Water Framework Directive)
」という法律を定めました。この指令は、2015年までにEU内の水を「良好な状態に」する
ことを目標に、メンバー各国が河川流域を基本単位とした管理計画を策定・実施するとい
うものです。2004年中に各国の水資源の状況把握、課題の明確化といった作業が行われる
と共に、試験流域における取り組みを通して、計画策定のガイダンス文書が作成されます
。
ヨーロッパ各国の水関係機関の多くがメンバーとなっているINBOでは、この指令の実施
機関となるメンバー間で情報共有・意見交換を行い、指令の実施をスムーズにする目的か
ら今回の会議を開催しました。会議にはヨーロッパを中心に32カ国から126名が参加し、メ
ンバー各機関の取り組みの現状を中心に報告が行われました。国によって進捗の度合いに
多少の差異はあるものの、各国とも積極的に取り組んでいます。指令は、歴史的経緯から
も国際河川における水質の改善を最も大きな課題としているものですが、今回の会議では
、近年ヨーロッパでも頻発している洪水問題に対する取り組みの必要性が数多く指摘され
ました。今回の会議の成果は提言としてまとめられ、12月に開催される次回のEU水大臣会
合に報告されます。また、この会議は今後も定期的に開催されます。
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UN-HABITAT主催「第2回世界都市フォーラム(World Urban Forum)」開催
日本水フォーラム準備室
山口範子
9月13日から17日にかけて、スペイン・バルセロナに世界各国代表3,000人以上が一堂に
会し、UN-HABITAT主催「第2回世界都市フォーラム(World Urban Forum)」が開催されま
した。初日の開会式には、旧ソビエト連邦指導者ミハイル・ゴルバチョフ氏が出席し、「
水の権利に関する国際枠組み条約(Global Framework Convention on the Right to Water
)(案)」を提唱しました。ゴルバチョフ氏は、基調演説の中で「安全な水へのアクセスは
、特権ではなく、権利である。水に関するミレニアム開発目標の達成は、全ての人と環境
によりよい結果をもたらす輝かしい例になるであろう」と述べ、各国に同条約の採択と実
施を呼びかけました。この日、同氏が議長を勤めるグリーン・クロス・インターナショナル
とUN-HABITATは、人間居住の水管理分野において、権利としてのアプローチを推進するた
めの協力同意書を締結しました。また、日本水フォーラムからは、UNESCO-IHP主催のネッ
トワーキング・イベント「都市と川の対話の復活」に出席し、日本の取り組みの一例として
、渋谷川の再生に向けた市民活動や打ち水大作戦について紹介を行いました。
参考ホームページ:http://www.watertreaty.org/html/en/convention.htm
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日本水フォーラム準備室からのお知らせ
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■統合水資源管理(IWRM)に関する国際会議開催のお知らせ
【開催概要】
日程:2004年12月6日(月)~8日(水)
場所:東京プリンスホテル
東京都港区芝公園3-3-1
TEL.(03)3432-1111
FAX(03)3434-5551
http://www2.princehotels.co.jp/app_room/piq0010.asp?hotel=001
主催:日本水フォーラム準備室
共催:国連経済社会局(UNDESA)、世界水パートナーシップ(GWP)、
世界水会議(WWC)、デンマーク水フォーラム、オランダ水パートナーシップ 他
後援:外務省、国土交通省、環境省(予定)
【目的】
・2005年までのIWRM計画策定のための現実的かつ具体的な方針に関する提言書を作成
し、国連のプロセスに反映されるよう働きかける。
・IWRMに関する幅広い議論を行うことによって、先進国と途上国のそれぞれにおける
IWRMの概念を明確にし、IWRMの実施に向けた具体的な行動を促進する。
・先進国および途上国双方において、IWRM計画策定や実施の障壁となっている事項を
明らかにし、先進国間および先進国、途上国間の連携を強化することによって、それ
らに対して経験や知識を有する国や機関による可能な支援の方策を探る。
・IWRMに対する国内の関心喚起を行う。
************************************
■日本水フォーラム設立大会開催のお知らせ
日本水フォーラム設立大会を下記のとおり開催いたします。JWF会員の方は、是非、ご参
加頂けますようお願い申し上げます。
記
日時:平成16年12月6日(月)午前10時~12時(予定)
場所:東京プリンスホテル
東京都港区芝公園3-3-1
TEL.03-3432-1111
http://www2.princehotels.co.jp/app_room/piq0010.asp?hotel=001
※日時が変更される場合がございます。詳細につきましては、会員の皆様に別途ご案内申
し上げます。
************************************
■第1回日中水研究会開催のお知らせ
中国の水問題解決に向け、日中双方の英知を結集させたハード・ソフト両面での水環境
保全へ向けた取り組み、活発な相互交流の促進を行うことを目的に下記のとおり「第1回
日中水研究会」を開催いたします。
是非ご参加頂けますようお願い申し上げます。
記
日 時:平成16年10月20日(水)14:00~16:00
場
所:都市センターホテル
スバル
東京都千代田区平河町2-4-1 TEL.03-3265-8211(代)
主
催:日本水フォーラム準備室
参加費:日本水フォーラム会員:無料、非会員:3000 円
団体会員の方は、(口数+1)名まで無料とさせて頂きます。
<第一部>
14:00~14:10 開
会 日本水フォーラム準備室事務局長 尾田榮章
14:10~14:20 基調講演 橋本龍太郎氏 元内閣総理大臣/国連水と衛生に関する諮問委
員会議長
14:20~14:35 休
憩
<第二部>
14:35~15:35 講
演 「中国の水質汚染と政策立案過程(仮題)」
大塚健司氏 JETROアジア経済研究所
15:35~15:55 質疑応答
15:55~16:00 その他連絡事項
************************************
■国内外の合意形成プロセスに学ぶセミナー開催のお知らせ
現在、国や地方自治体では市民の参加意識の高まり等を受け、公共事業を始めとする様々
な分野において市民参加による合意形成が盛んに進められています。
そこで、本セミナーでは国内外における意見聴取・合意形成プロセスに関するいくつかの
事例を紹介するとともに、参加者の方々と共により効率的かつ効果的な合意形成のあり方
について考えていくこととしています。
皆様の多数のご参加をお待ちしております。
「国内外の合意形成プロセスに学ぶセミナー」
主催:日本水フォーラム準備室
後援予定:北海道開発局、北海道、札幌市、北海道電力
日時:2004 年 11 月 4 日(木)午後 1 時 30 分~5 時 30 分
場所:札幌プリンスホテル 6 階
札幌市中央区南 2 条西 11 丁目
TEL.011-241-1111
****************************************
日本水フォーラム準備室主催の会議・セミナー等に関する詳しい情報、参加申し込み等に
つきましては近日中に日本水フォーラムのホームページ
http://www.waterforum.jp
にアップする予定です。是非ご覧下さい。
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発行:日本水フォーラム準備室
〒102-0083 東京都千代田区麹町1丁目8-1
半蔵門MKビル6階
TEL:03-5212-1645 FAX:03-5212-1649
E-mail:[email protected]
URL: http://www.waterforum.jp
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JWF News Vol.2
2004 年 11 月 4 日
発行:日本水フォーラム準備室
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目 次
-----
●巻頭言:「日本水フォーラム週間」の準備に大童です
●日本水フォーラム準備室からのお知らせ
・日本水フォーラム設立記念
「統合水資源管理に関する国際シンポジウム」のお知らせ
・出展者募集中!【統合水資源管理に関する国際会議併設展示会】
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巻頭言:「日本水フォーラム週間」の準備に大童です
日本水フォーラム準備室事務局長
尾田栄章
12月6日から10日にかけての一週間は国際会議が目白押しで、事務局員一同はその
準備に追われています。6日から8日に統合水資源管理(IWRM)に関する国際会議、9日
と10日に「国連水と衛生に関する諮問委員会」と踵を接して国際会議が開催されます。
そしてその間を縫って、北-北連携会議、第4回世界水フォーラム・アジア・キックオフ
会議と続き、まさに国際会議漬けの一週間になります。
更には、日本水フォーラムの設立大会が6日に予定されており、
『日本水フォーラム週間』
とでも名付ける他はありません。会員を始めとする多くの方々にご参加頂き、単に世界の
情報を仕入れるだけでなく、日本から世界に向けての情報発信の場としてご活用頂けるよ
うに心から願っております。
10月には、18日の世界水会議会員ならびに水関連企業への「日本水フォーラム説明
会」、20日の「日中水研究会」の第一回会合と、橋本龍太郎日本水フォーラム会長に出席
頂く機会が続きました。説明会での「水が有り余る洪水災害に際して、その水の確保を求
める被災者達の声を、複雑な、沈痛な思いで聞きました」とのご挨拶に会場は静まりかえ
りました。
この一ヶ月、私はマルセーユでの世界水会議理事会への出席、ソウル清渓川の現地見学
(これは「NPO 渋谷川ルネッサンス」の活動の一環ですが)に加え、信州、東北に関西、
と国内出張が続きました。確実に水問題に対する世間の関心が高まっていることを肌に感
じつつ、それを如何にして現実を変える力に高められるかが問われていると実感しました。
1
皆さまと一緒に行動していきたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。
白露や
世界映しつ
なお静か
栄
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日本水フォーラム準備室からのお知らせ
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■日本水フォーラム設立記念
「統合水資源管理に関する国際シンポジウム」のお知らせ
日本水フォーラムの設立を記念して、世界的に注目を集めている「統合水資源管理」を
テーマとした国際シンポジウムを開催します。当シンポジウムに続いて、7 日(火)~8 日(水)
に「統合水資源管理に関する国際会議」を開催します。
【開催概要】
日
時:2004 年 12 月 6 日(月)
場
所:東京プリンスホテル
言
語:日本語&英語(同時通訳あり)
定
員:300 名(先着順)
参加費:無
13:30~17:30
料
主
催:NPO 法人 日本水フォーラム
共
催:国連経済社会局(UNDESA)、世界水パートナーシップ(GWP)、
世界水会議(WWC)、デンマーク水フォーラム、オランダ水パートナー
シップ
後
他
援:外務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、
独立行政法人水資源機構(予定)
【基調講演】
Ⅰ
橋本龍太郎
元内閣総理大臣・日本水フォーラム会長
・統合水資源管理に関する国際会議議長
Ⅱ
ホセ・アントニオ・オカンポ
Ⅲ
ウィリアム・J・コスグローブ
国連経済社会問題担当事務次長
世界水会議会長
【パネルディスカッション】
:
パネリスト(調整中)
2
マーガレット・キャトレイ・カールソン/世界水パートナーシップ総裁
ウッシー・アイト/独連邦経済協力開発省政務次官
アキム・スタイナー/IUCN(国際自然保護連合)事務局長
スニタ・ナリン/インド科学環境センター所長
ロベルト・レントン/
ミレニアム・プロジェクト
水と衛生に関するタスクフォース共同議長
(未定)/中国全国青年連合会
尾田栄章/日本水フォーラム事務局長
【お申込先】
「統合水資源管理に関する国際シンポジウム」事務局
TEL:03-5212-1645
FAX:03-5212-1649
e-mail:[email protected]
※「統合水資源管理に関する国際会議」へすでに参加登録されている方は、改めて申
し込んでいただく必要はありません。
************************************
■出展者募集中!【統合水資源管理(IWRM)に関する国際会議併設展示会】
IWRM に関する国際会議にあわせて、展示会を開催いたします。
IWRM について幅広い議論を行うこの会議には、先進国・開発途上国問わず、多くの国
の政府、国際機関、主要グループ、学会、 NGO、世界の主要流域関係者等、水に関するさ
まざまなステークホルダー約 300 名が参加し、報道関係者の注目も集めていますので、み
なさまの技術・実績を国内外にアピールし、活躍の場を広げていただく絶好の機会です。
情報発信の場、技術交流の場として、積極的に本展示会をご活用いただきますよう、ご
案内申し上げます。
期
間:平成 16 年 12 月 6 日(月)~9 日(木)
展示会場:東京プリンスホテル
2 階サンフラワーホール前フロア
(IWRM に関する国際会議場内)
基礎小間:間口 2m×奥行 2m
料
金:会員 75,000 円/1 小間
非会員 150,000 円/1 小間
(料金には下記の備品が含まれています)
備
品:システムブース(バックパネル、サイドパネル)、コンセント 2 口(1 ヶ所)、
インターネット環境、社名板(日英表記)、テーブル×1、椅子×2、展示照明
3
(100W)×1
締
切:11 月 12 日(金)
詳しい情報、申し込み等はこちらからhttp://www.waterforum.jp/jpn/iwrm/syutten.html
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発行:日本水フォーラム準備室
〒102-0083
東京都千代田区麹町 1 丁目 8-1 半蔵門MKビル 6 階
TEL:03-5212-1645
FAX:03-5212-1649
E-mail:[email protected]
URL: http://www.waterforum.jp
本ニュースレターを配信不要の方は、[email protected]までご連絡下さい。
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4
JWF News Vol.3
2004 年 12 月 1 日
発行:日本水フォーラム準備室
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目 次
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●巻頭言:「日本水フォーラム週間」が間近に迫りました
●日本水フォーラム準備室からのお知らせ
・日本水フォーラム設立大会のご案内
・統合水資源管理(IWRM)に関する国際会議開催のお知らせ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「日本水フォーラム週間」が間近に迫りました
日本水フォーラム準備室
事務局長
尾田栄章
日本水フォーラム設立大会、統合水資源管理に関する国際会議、国連水と衛生に関する
諮問委員会第二回会合と大きな行事が目白押しの「日本水フォーラム週間(12月6日か
ら10日)」の開催まで残すところ数日になりました。海外からは150人を超える参加者
が見込まれ、日本からの参加者を上回る勢いです。
事務局員一同、文字通り眠る間もなく準備に追われています。地球上の何処かは必ず昼間。
地球が眠らないことを我が身で体験しつつ、それでも実り多い会議にしたいという想いで、
頑張っております。まだまだ間に合います。多くの皆さまにご参加頂ければ幸いです。そ
れぞれの会議については本文をご参照ください。
去る11月4日、札幌にて「国内外の合意形成プロセスに学ぶセミナー」を開催いたし
ました。ジェローム・デリ・プリスコリ氏(米国陸軍工兵隊水資源研究所上級顧問)のア
メリカの事例、ピエール・アラン・ロッシュ氏(フランス建設省審議官/セーヌ・ノルマ
ンディ水公社前理事長)のフランスの事例紹介に引き続き、第3回世界水フォーラムで培
ったブレーンストーミング方式で、参加者の方々と共に合意形成のあり方について考えを
深めました。参加者の皆様から大変好評を頂けたことでやり甲斐を感じております。
19日には、橋本龍太郎日本水フォーラム会長出席のもと、「在京大使館及び国際機関等
への日本水フォーラム説明会」を開催しました。8名の特命全権大使を含む24ヶ国の大
使館からの参加に加え、熱心な討議も頂けました。心から御礼を申し上げます。
なお、会議には、政府側から出席された外務省、国土交通省、環境省を代表して石川国
際社会協力部長、篠沢国際協力銀行総裁、北原国際協力機構理事、国際機関を代表して吉
1
村世界銀行副総裁兼駐日特別代表にそれぞれご挨拶を頂きました。
ご出席を賜った方々、本当に有難うございました。これからも日本水フォーラムを益々
よろしくお願いいたします。
冬初め
かじかむ我が手も
懐かしき
栄
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日本水フォーラム準備室からのお知らせ
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■日本水フォーラム設立大会のご案内
日本水フォーラム会員の皆様が、日本水フォーラム会長、副会長、評議員、理事の方々
と共に、日本水フォーラムの今後のあり方について考える場として「日本水フォーラム設
立大会」を下記のとおり開催致します。
当日は、橋本龍太郎日本水フォーラム会長/元内閣総理大臣、奥田碩副会長/日本経済
団体連合会会長、嘉田由紀子副会長/子どもと川とまちのフォーラム代表、丹保憲仁副会
長/放送大学長、および各界を代表する評議員、理事の方々が御出席されます。
日本水フォーラム会員以外の方もオブザーバーとしてご参加頂けます。是非ご参加頂け
ますようお願い申し上げます。なお、当日会場にて申し込みも受け付けております。この
機会に是非ご入会下さい。
【概要】
日時:平成 16 年 12 月 6 日(月) 午前 10 時~11 時
場所:東京プリンスホテル
2階
鳳凰の間
東京都港区芝公園 3-3-1
TEL(03)3432-1111
地図
FAX(03)3434-5551
http://www.princehotels.co.jp/tokyo/kotu.html
参加費:無料
参加ご希望の方は、件名に【設立大会参加希望】と明記の上、以下の必要事項をご記入
頂き、12月3日(金)までに、以下の連絡先まで電子メール又はファックスにてご連絡頂け
ますようお願い申し上げます。
【記入必要事項】
2
・日本水フォーラムの会員・非会員の別
・団体名
・所属
・役職
・氏名
・ふりがな
・メールアドレス
・電話番号
・FAX番号
なお、入会申込についての詳細は
http://www.waterforum.jp/jpn/bosyu.htmlをご参照下さ
い。
【連絡先】
担当:澤、赤羽
e-mail:[email protected]
************************************
■統合水資源管理(IWRM)に関する国際会議開催のお知らせ
【開催概要】
日程:2004 年 12 月 6 日(月)~8 日(木)※
場所:東京プリンスホテル
東京都港区芝公園 3-3-1
TEL.(03)3432-1111/FAX(03)3434-5551
http://www2.princehotels.co.jp/app_room/piq0010.asp?hotel=001
登録料:日本水フォーラム会員=無料
/
非会員=10,000 円
主催:日本水フォーラム
共催:国連経済社会局(UNDESA)、地球環境ファシリティー(GEF)、
世界水会議(WWC)、世界水パートナーシップ(GWP)
、
デンマーク水フォーラム、オランダ水パートナーシップ、他
後援:外務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、
国土交通省、環境省、独立行政法人水資源機構
協賛:サントリー株式会社、利根川ダム統合管理事務所
3
会議の詳細及び参加方法については、日本水フォーラム準備室までお問い合わせ
いただくか、ホームページ(http://www.waterforum.jp)をご覧下さい。
【目的】
・2005 年までのIWRM計画策定のための現実的かつ具体的な方針に関する提言書を作成
し、国連のプロセスに反映されるよう働きかける。
・IWRMに関する幅広い議論を行うことによって、先進国と途上国のそれぞれにおける
IWRMの概念を明確にし、IWRMの実施に向けた具体的な行動を促進する。
・先進国および途上国双方において、IWRM計画策定や実施の障壁となっている事項を明
らかにし、先進国間および先進国、途上国間の連携を強化することによって、それらに対
して経験や知識を有する国や機関による可能な支援の方策を探る。
・IWRMに対する国内の関心喚起を行う。
※12月9日(木)は先進国による新しい水連携のための特別ワークショップを開催し
ます。また、9日(木)~10日(金)の日程で国連水と衛生に関する諮問委員会第二回
会合が開催されます(非公開)。
●統合水資源管理(IWRM)に関する国際会議では、IWRMを概念から行動へ発展させ、
世界の水問題への実際的な貢献を目指し、IWRMに関する提言について討議を予定していま
す。現在、提言案(英語のみ)に関するコメントを募集していますので、ぜひ
[email protected]までご意見をお寄せください。12 月 4 日までにお寄せいただいた
ご意見は会議に直接インプットする予定です。
詳細はJWFウェブサイトhttp://www.waterforum.jp/jpn/iwrm/recommendation.htmlをご覧く
ださい。
***************************************
日本水フォーラム準備室主催の会議・セミナー等に関する詳しい情報、参加申し込み等に
つきましては、随時、日本水フォーラムのホームページにアップします。是非ご覧下さい。
http://www.waterforum.jp
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
発行:日本水フォーラム準備室
〒102-0083
東京都千代田区麹町 1 丁目 8-1 半蔵門MKビル 6 階
TEL:03-5212-1645
FAX:03-5212-1649
E-mail:[email protected]
4
URL: http://www.waterforum.jp
本ニュースレターを配信不要の方は、[email protected]までご連絡下さい。
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5
JJWF News Vol.4 2005 年 1 月 12 日
発行:日本水フォーラム
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
----- 目 次 ----●巻頭言:まだ松の内ですが・・・
●日本水フォーラムからのお知らせ
・日本水フォーラムウィークを開催しました
・洪水に対する住民啓発手段に関するシンポジウム開催のお知らせ
・第2回日中水研究会開催のお知らせ
●掲示板コーナー
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まだ松の内ですが・・・
日本水フォーラム
事務局長
尾田栄章
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
旧年中は、五月の「設立発起人会」から十二月の「設立大会」まで『日本水フォーラム』
の設立に向けてご指導、ご支援を頂き、まことに有難うございました。 お蔭さまで、何
とか設立にこぎ着けることが出来ました。心から御礼を申し上げます。
「日本水フォーラム設立大会」に合わせて開催した「統合水資源管理に関する国際会議」
と「国連水と衛生に関する諮問委員会第二回会合」には、私達の予想を大幅に超える 48 カ
国から 217 人にのぼる参加を頂き、大変意義ある会議とすることが出来ました。詳細は別
途ご覧頂くとして、「統合水資源管理および効率化計画に関する提言」と 2015 年までに水
災害による死者の数を半減するための「緊急アピール」という二つの重要な提案が為され
たことは大変喜ばしいことだと思います。
特に緊急アピールについては、昨年末の大津波を予見していたわけでは勿論ありません
が、水に関わる災害の特性を最大限に活かして世界の水災害に立ち向かおうとしたもので
す。水に関わる災害は大部分が予見可能です。大雨が降って水害、地震があって津波。予
警報システムで少なくとも人命は救えるはずです。十八日から神戸で開かれる「国連防災
世界会議」において、この緊急アピールが活用され、水災害から人命を救う行動が世界に
拡がるように願ってやみません。
フランスに向かう機中で書いています。帰路、スリランカのコロンボに参ります。日本
水フォーラムからも遠山、伊藤の両名がスリランカに向かいます。彼の地には、第三回世
界水フォーラム事務局で共に汗を流したラリット・ダサナイケ君が居ります。幸い彼の家
族は全員が無事で、元気に緊急援助と災害復旧に向けて取り組んでおります。我々にとっ
ても決して他人事ではありません。当時の事務局員仲間からも温かい善意が寄せられてい
ます。うれしいことです。何を為すべきか、何が出来るか、日本水フォーラムスタッフ一
同自問自答しております。皆さまから、ご指導、ご助言、更にはご支援、ご協力を頂けれ
ば大変幸いです。
1
大変なことで始まったこの一年。変わらぬご指導、ご鞭撻を心よりお願い申し上げ、年
頭の御挨拶といたします。
予兆なれや
穏やかなりし
三が日
栄
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
日本水フォーラムからのお知らせ
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■日本水フォーラムウィークを開催しました
日本水フォーラムは、12月6日(月)から10日(金)までの週を日本水フォーラム
ウィークと称し、数々の関連する会議を開催しました。
◆日本水フォーラム設立大会
12月6日(月)の10時から開催された設立大会に幕を開けた日本水フォーラムウィ
ークですが、設立大会には産・官・学・NGO からなる日本水フォーラムを象徴する会長、
副会長、評議員、理事、会員など約130名が参集しました。日本水フォーラム会長であ
り、第3回世界水フォーラムの運営委員会会長も務められた橋本龍太郎 元内閣総理大臣の
議事のもと、今後の日本水フォーラムのあり方などに関する議論が行われ、副会長である
奥田碩 日本経団連会長、丹保憲仁 放送大学長、嘉田由紀子 子供と川とまちのフォーラム
代表からも日本水フォーラムに対する期待が述べられました。この度の設立大会を経て、
日本水フォーラム準備室は正式に日本水フォーラムとして活動を開始することになりまし
た。現在のところ、日本水フォーラムの会員数は団体会員32、個人会員121(200
4年12月22日現在)ですが、更なる活動の拡大を目指して引き続き会員募集活動を行
っていきます。
◆統合水資源管理に関する国際会議
日本水フォーラムウィークのメインイベントは統合水資源管理に関する国際会議でした。
この会議は、国連経済社会局、世界水パートナーシップ、世界水会議などとの共催で、先
進国と途上国のそれぞれにおける“統合水資源管理(IWRM)”の概念を明確にし、その実施
に向けた具体的な行動を促進することなどを目的として開催されました。6日午後の開会
式を兼ねた国際シンポジウムでは、橋本龍太郎 日本水フォーラム会長、ホセ・アントニオ・
オカンポ 国連経済社会問題担当事務次長(代読)、ウィリアム・コスグローブ 世界水会
議会長による基調講演が行われた後、マーガレット・キャトレイ・カールソン 世界水パー
トナーシップ総裁を議長とするパネルディスカッション形式の議論が行われました。パネ
リストとして、マリア・ムタガンバ ウガンダ水・土地・環境省 水担当国務大臣、スニタ・
ナレン インド科学環境センター所長、ロベルト・レントン ミレニアム・プロジェクト水
と衛生に関するタスクフォース共同議長、湯 本淵 中華全国青年連合会副秘書長、尾田 栄
章 日本水フォーラム事務局長を迎えたこのセッションでは、各パネリストによる「持続可
能で効率的な統合水資源管理」に関する事例発表の後、「統合水資源管理を持ち込むこと
によって水管理がどう改善されるか?」というテーマのもとで活発な議論が展開されまし
た。
会議二日目となる7日には全体討議と分科会、更には日本水フォーラムより提出した「統
合水資源管理および効率化計画に関する提言」に関するブレインストーミング・セッショ
ンが行われました。全体討議では、来年4月にニューヨークで開催される持続可能な開発
2
委員会第13会期(CSD13)の議長を務めるジョン・アッシュ氏、来年秋に湖沼会議をホ
ストするケニアの大使、各地域代表によるプレゼンテーションなどが行われたほか、世界
水パートナーシップの統合水資源管理計画に関するハンドブックが発表されました(ハン
ドブックはhttp://www.gwpforum.org/servlet/PSP からダウンロード可能です。
(英語のみ))。
また、ブレインストーミング・セッションでは、「統合水資源管理計画および水効率化計
画のために必要な最も重要な課題や行動を挙げてください」というテーマのもとでグルー
プディスカッションが行われ、35項目が挙げられました。セッションの最後に行われた
参加者による項目への優先付けの結果、最も票を得た課題/行動は、「すべてのステーク
ホルダーの参加」、「水循環とリスク管理」であり、「実施、新たな目標の設定、資金・
人的資源、約束から行動へ」、「経済活動との連携」、「政治的約束の動員」、「ボトム
アップの体制」、「データの質と相互の受容」、「管理ユニットとしての流域」、「水保
全」なども多くの票を得ました。
分科会は二日目、三日目となる7日、8日の二日間の間に7つ開催されました。「ガバナ
ンス、能力開発、住民参加」、「IWRM とリスク管理」、「IWRM と環境」、「北北連携
の役割」、「多面的な水利用」、「統合流域管理(IRBM)」、「IWRM の実践化」に分か
れて行われた議論の結果は、各分科会ごとに議長によってまとめられ、最終日の全体会合
において発表されました。
特に「IWRM とリスク管理」の分科会からは「水災害に関する緊急アピール」が提出され、
ミレニアム開発目標に「2015年までに水災害による死者の数を半減する」という目標
を追加するようにという具体的な提言がなされました。
続いて9日~10日に同じく東京で開催された国連水と衛生に関する諮問委員会(議
長:橋本龍太郎元総理/日本水フォーラム会長)第二回会合に提出され、その議論の基礎
資料としていただくほか、それらのプロセスを経て、国連防災会議や国連持続可能な開発
委員会第13会期(CSD13)などにインプットされるよう調整を行っています。
この他にも日本水フォーラムにとって海外の重要なパートナーのひとつである世界水パ
ートナーシップの理事会も日本水フォーラムウィーク中に開催され、メンバーがオブザー
バーとして参加しました。
◆第4回世界水フォーラムに向けたアジア・太平洋地域キックオフミーティング
また、国際会議が終了した後、同日の夜7時より第4回世界水フォーラムに向けたアジ
ア・太平洋地域キックオフミーティングを開催しました。この会議は、第4回世界水フォ
ーラム事務局、世界水会議と第4回世界水フォーラムに向けたアジア・太平洋地域の調整
役を務める日本水フォーラムとの共催で開催されたもので、アジア・太平洋地域からの参
加者を中心に約70名が参加しました。世界銀行のブリスコー氏による議事進行のもと、
第4回世界水フォーラム事務局による準備状況、日本水フォーラムによるアジア・地域で
の調整活動の計画案などが発表された後、参加者との意見交換が行われました。今後は、
アジア開発銀行や世界銀行、そして具体的な水行動を実施している NGO などアジア・太平
洋地域の主要な機関との連携を図りながら準備活動を進めていく予定です。
3月にはソウルで開催されるアジア・太平洋環境と開発に関する大臣会合(ESCAP 主催)
において、ESCAP、日本政府とも協力しながら水と環境の重要性を訴えるサイドイベント
を開催します。
◆Northern Water Network
3
期間中には、日本水フォーラムと海外のパートナー機関との間の新しいイニシアティブ
である「北北連携」に関する会合もいくつか開催されました。IWRM 分科会4、関係者に
よる非公式打ち合わせ、合意形成に関するワークショップ(12月9日(木)14:00-17:00)
を経て、本イニシアティブの正式名称が「Northern Water Network」に決定し、今後、メー
リングリスト、ウェブサイトを開設し、情報交換を進めることで合意されました。現在の
ところ、世界水会議、世界水パートナーシップ、日本水フォーラムの他、オーストラリア、
デンマーク、オランダ、スウェーデンの水フォーラム(または水パートナーシップ)が参
加しています。これらの動きに触発される形で、韓国においても、韓国水フォーラムの3
月設立に向けた準備活動が韓国建設交通省(Ministry of Construction and Transportation:
MOCT)および韓国建設技術研究所(Korea Institute of Construction Technology)によって
進められています。
◆国連「水と衛生に関する諮問委員会」
日本水フォーラムウィーク期間中の主な活動の最後のひとつは国連「水と衛生に関する
諮問委員会」第二回会合です。19名からなる本委員会のうち、橋本龍太郎議長をはじめ
とする13名が参加し、全体会合、第一回会合で合意された3つの部会(コミットメント
/動因/IWRM その他)で議論が行われました。第一日目の全体会合では専門家からの基
調講演として、世界水会議のコスグローブ会長から統合水資源管理に関する国際会議の副
議長としての報告、豊岡市の中貝市長からの台風23号による洪水被害の報告などがあり
ました。その後、部会のテーマに関して集中議論が行われ、成果としては議長総括と今後
の委員による具体的な活動に関する提案を示した表がまとめられました。
今回の会議は統合水資源管理に関する国際会議を受けた形で行われたため、同会議から
提出された統合水資源管理に関する提言および水災害に関する緊急アピールについての議
論が部会3の中心テーマとなり、委員会のメンバーは両文書の基本的な考え方に合意し、
1月18日から神戸で開催される国連防災世界会議や CSD13など様々な国際的な議論の
場でその重要性をアピールしていくことが確認されました。
日本水フォーラムの設立を記念して行われたこれらの一連の会議やイベントは、参加者
他関係者のみなさまのご協力のもと成功裡に終了しました。ありがとうございました。同
時に、私たちに今後取り組むべき様々な課題を提示してくれるものでもありました。これ
からも水分野における「日本と世界の懸け橋」、「水分野と他の分野の懸け橋」となるべ
く更なる努力をしていく所存です。
************************************
■洪水に対する住民啓発手段に関するシンポジウム
~洪水に強いコミュニティのための市民&行政の新しいパートナーシップ~
開催のお知らせ
従来、日本における洪水対策においては、行政による取り組みだけでなく、住民による
自主的な判断や自助活動が重要な役割を担ってきました。しかし、会社勤めの水防団員に
とって日中の対応が難しくなっているほか、核家族化による水害に対する知恵の伝承の断
絶、さらには高齢化、過疎化などの新たな問題が生まれています。
本シンポジウムでは、ブレーンストーミング形式を用いて参加者とともに議論すること
で、現代の洪水対策のために真に求められる地域コミュニティの役割、そしてそれに対す
る行政側の支援のあり方を明らかにします。本シンポジウムは、阪神淡路大震災から10
4
年が経ち、神戸で開催される国連防災世界会議のプログラムのひとつであり、下記の通り
開催致します。みなさまのご参加をお待ちしております。
【開催概要】
日時:2005 年 1 月 19 日(水)午前 9 時 30 分~11 時 45 分
場所:神戸国際会議場 502 会議室 www.kcva.or.jp
言語:日本語&英語(同時通訳あり)
主催:国土交通省国土技術政策総合研究所
定員:100名(先着順)
参加費:無料
プログラム:
9:35~ 10:15 基調講演1「台風 23 号による洪水被害と対応(仮題)」中貝宗治
氏/豊岡市長
基調講演2「オーストラリアにおける洪水対策 -地域コミュニ
ティと行政の役割」
ブルース・スチュワート氏/オーストラリア気象庁
10:15~11:40 参加者全員によるブレーンストーミング・セッション
参加ご希望の方は、件名に「洪水に対する住民啓発手段に関するシンポジウム参加希望」
と明記の上、お名前、ご所属先名、電話番号、e-mail アドレスを添えて、1月17日までに
[email protected] までお申し込み下さい。
************************************
■第2回日中水研究会開催のお知らせ
中国の水問題解決に向け、日中双方の英知を結集させたハード・ソフト両面での水環境
保全へ向けた取り組みや活発な相互交流の促進を行うことを目的とし、下記のとおり「第
2回日中水研究会」を開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。
【開催概要】
日 時:平成17年2月23日(水)午後2時から5時
場 所:日本水道会館7階会議室
〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-9
http://www.jwwa.or.jp/jwwa_map.html
主 催:日本水フォーラム(JWF)
参加費:JWF会 員:2000円
JWF非会員:5000円
団体会員の方は、(口数+1)名まで2000円とさせて頂きます。
プログラム(案):
基調講演1(30分)
水道技術研究センター理事長
基調講演2(90分)
藤原正弘氏
日本水フォーラム理事、(財)
宋 仁元氏
中国城鎮供水協会常務理事、科
学委員会主任
元上海市自来水公司副経理・総工程師
「中国の水道の現状と課題(仮題)」
質疑応答
5
言語:日本語・中国語(同時通訳有り)
参加ご希望の方は、件名に「第2回日中水研究会参加希望」と明記の上、お名前、ご所
属先名、電話番号、e-mail アドレス、JWF会員・非会員の別を添えて、2月21日までに
下記 e-mail または FAX にてお申し込み下さい。
【お問合せ先】
日本水フォーラム 事務局 澤
TEL.03-5212-1645 FAX.03-5212-1649
e-mail:[email protected]
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■掲示板コーナー
日本水フォーラム会員の方々による水問題解決に向けた取り組みや活動が活発に行われ
ています。例えば、イベントやシンポジウムを通じ、水の大切さを考えるものです。こう
した取り組みへの参加を呼びかける記事を掲載することができるのが、このコーナーです。
日本水フォーラムの会員のみなさまには、JWF ニュースの“掲示板コーナー”をご活用頂き情
報発信をして頂ければと思います。
今回は、日本水フォーラム・団体会員である(財)リバーフロント整備センターからの
お知
らせです。
1.水辺・流域再生にかかわる国際フォーラム
主催者名:財団法人リバーフロント整備センター
開催日時:平成 17 年 1 月 19 日(水)
開催場所:日本財団ビル 二階会議室
内容:
わが国でも自然の再生が各地で進められ、今後もその取り組みは広がっていくと思われ
ます。そこで、河川と流域の視点から取り組みを行っている海外の自然再生等事例を紹介
するとともに国際的な情報交換の場を設け、自然再生や環境に配慮した都市再生の参考と
していただくためにフォーラムを開催致します。
また、今後アジアを中心とした水辺・流域再生等における国際的ネットワークの構築を目
指し、世界の先進的な経験、実践についての情報交換とそれらに取り組んでいる方々の人
的なネットワーク構築を目指していくものです。
問い合わせ先:
(財)リバーフロント整備センター 技術普及部 担当:高橋
電話:03(3265)7121 FAX:03(3265)7456
記事に関する Web サイトのアドレス
http://www.rfc.or.jp/
2.ワークショップ「自然と共生した流域圏・都市の再生」
主催者名:ワークショップ「自然と共生した流域圏・都市の再生」実行委員会
開催日時:平成 17 年 2 月 4 日(金) 13:00~18:00
開催場所:星陵会館(東京都千代田区永田町 2-16-2)
内容:
6
平成 14 年度から、総合科学技術会議で「自然共生型流域圏・都市再生技術研究イニシャ
ティブ」が始まり、各省・各機関の研究者によるイニシャティブ研究会合が開催されてい
ます。この取組みに対して、本テーマに問題意識を持っている有志が実行委員会を組織し、
分野を越えて外から支える活動をしています。今年度は、都市再生の観点から具体的な事
例を基に課題と再生シナリオについて議論するため本ワークショップを開催するものです。
問い合わせ先:
ワークショップ「自然と共生した流域圏・都市の再生」事務局:五道・高比良
〒102-0082 東京都千代田区一番町 8(一番町 FS ビル 3 階)
(財)リバーフロント整備センター内
TEL:03-3265-7121 FAX:03-3265-7456 E-mail:[email protected]
記事に関する Web サイトのアドレス
http://www.rfc.or.jp/
*免責事項:日本水フォーラムは、ニュースレター“掲示板コーナー”に掲載されている記事
の内容に関しての一切の責任は負いかねます。内容に関してのお問い合わせは各問い合わ
せ先までお願いいたします。
***********************************
日本水フォーラム主催の会議・セミナー等に関する詳しい情報、参加申し込み等につきま
しては、随時、日本水フォーラムのホームページにアップします。是非ご覧下さい。
http://www.waterforum.jp
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発行:日本水フォーラム
〒102-0083 東京都千代田区麹町 1 丁目 8-1 半蔵門 MK ビル 6 階
TEL:03-5212-1645 FAX:03-5212-1649
E-mail:[email protected]
URL: http://www.waterforum.jp
本ニュースレターを配信不要の方は、[email protected] までご連絡下さい。
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7
JWF News Vol.5
2005 年 2 月 2 日
発行:日本水フォーラム
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
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目 次
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●巻頭言:忙しい年明けの一月となりました
●日本水フォーラムからの報告
・日仏河川・湖沼の水管理セミナーについて
・神戸国連防災世界会議での日本水フォーラムの活動報告
・インド洋大津波スリランカ被災地調査報告
・インド洋大津波スリランカ調査報告会を開催いたしました
●日本水フォーラムからのお知らせ
・第2回日中水研究会開催のお知らせ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
忙しい年明けの一月となりました
日本水フォーラム事務局長
尾田栄章
年明け早々から忙しく追い回され、今年の行く末が案じられるような、気忙しい一年の滑
り出しとなりました。
昨年から今年に繰り越されていた「日仏河川・湖沼の水管理セミナー」がフランスで開か
れ、パリ、ボルドー、ツールーズと回ってきました。清治国交省河川局長を団長とする7
名の小さな代表団でしたが、行く先々で議論が尽きず、大変有意義な会議となりました。
フランス側のベルトー環境省水局長も、「こんなに活発に議論が出来るとは思わなかった、
得るところは極めて大きい」と喜んでおられました。
「インド洋を襲った大津波」についても、今後とも日仏が緊密に協力して進めていくこと
を確認出来たことが、次の神戸で開かれた「国連防災世界会議」での『半減キャンペーン』
に繋がりました。早速に効果を発揮してくれたことはうれしいことです。
フランス側がとりわけ洪水問題に熱心で、20数年前に始まった頃からみればまさに様変
わり、立場が逆転したかのようです。この分野では、日本への期待が大きく高まっていま
す。良いビジネスチャンスでもあります。会員の皆さま、如何でしょうか。我々にお手伝
い出来ることがあれば、何なりとお申し付け下さい。
1
帰路、スリランカに回りました。
「大津波災害」に際して、何が求められ、何を我々が出来るのかを現地に学ぶために、遠
山、伊藤の両局員をスリランカに派遣しました。その二人に合流するために参ったのです
が、私は一日だけ、それも早朝着で深夜発という日程でしたので、見聞の範囲はコロンボ
周辺に限られました。それでも、第3回世界水フォーラムの事務局員であったラリット・
ダサナイケさんとフォーラムに積極的に参画してくれたクズムさんの行き届いたご手配で、
多くのことを学ぶことが出来ました。
詳しくは二人の報告を見ていただくとして、津波被害の特徴、被災地の社会構造、宗教的
側面等々、今後の活動に際して考慮しなければならない問題点が幾つか見えてきました。
そして、何より「茫然自失している被災者に、努力すれば再び立ち上がれるのだ」という
メッセージを伝えたい。是非、日本から被災者に来て貰い、再建、再興に至った経緯につ
いて聞かせてもらいたい。被災者を勇気づける一番の方法だと思う。との言葉に打たれま
した。3週間も経つというのに、瓦礫がそのままに残る現地で聞くだけに、そのまま心に
沁み入りました。
被災者の生活再建、地域の復興の分野でも、会員の皆さまに活躍いただけることが多いか
と思います。ボランティア活動に限らず、企業としての活動こそが今後は大事だと思いま
す。ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
神戸で開かれた「国連防災世界会議」では、昨年末のIWRMに関する国際会議、国連「水
と衛生に関する諮問委員会」で打ち出された緊急アピールを、会議の最終宣言に盛り込む
べく一大キャンペーンを繰り広げました。橋本龍太郎会長自らが、政府間会合における国
連機関の全体会合の筆頭に登場され、必要性を強く世界に訴えかけられました。
「2015
年までに水災害による死者数を半減する」という目標を国連ミレニアム開発目標に加える
べきだという主張は、参加者の間で、広く受け入れられたと感じました。
水災害には前兆があります。大雨が降って洪水、大地震があって津波。予報、警報、避難
のシステムが確立されれば、尊い人命被害の多くは防げるはずです。
最終宣言にも、外務省をはじめとする関係者のご努力で、極めて足場の悪い中、その主旨
が盛り込まれました。これを足掛かりに、水災害問題についても世界と協調しつつ、その
死者数を半減するために更に努力しなければならないと肝に銘じました。
2
これをアルジェリアに向かうために滞在しているパリの安宿で書いております。水問題に
は、その国、その地方の社会の成り立ちが大きく影響します。アルジェリアはどうなって
いるのでしょうか。
パリで聞く
雪積るとか
サハラにも
栄
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
日本水フォーラムからの報告
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
■日仏河川・湖沼の水管理セミナーについて
報告者:鈴木
日本の国交省河川局とフランス環境省との間で昭和 58 年度から定期的に開催されてきた
日仏河川・湖沼の水管理セミナーの第8回会合が1月10日~14日までフランスで開催
され、7名の日本側代表団(団長:清治河川局長)のメンバーとして日本水フォーラムか
ら尾田、鈴木が参加しました。今回は共通テーマとして、早期警報を含む洪水の予見及び
防御、河川環境の保全と復元、水と文化の3つが設定され、日仏双方から7~8編ずつの
発表があり、活発な意見交換が行われました。また、ガロンヌ川河口部の現地視察におい
ては、地元NGOの環境保全活動や流域管理組織の役割などについても最新の情報を得る
ことができました。総括討議では、インド洋津波災害などの自然災害の被害軽減のために
日仏共同で対処すること、第4回世界水フォーラムに向けて洪水・河川生態系・住民参加
の分野において共同で取り組む準備にかかること、MDGを達成するためのモニタリング
の重要性などについて、双方の認識が一致し、今後も継続して情報交換を進めることにな
りました。日本水フォーラムとしても、フランスとの連携をさらに強化することができた
と考えています。
************************************
■神戸国連防災世界会議での日本水フォーラムの活動報告
報告者:横田
阪神淡路大震災から 10 年を迎えた 2005 年 1 月 17 日、兵庫県内の各地で追悼式が営まれ、
被災者に対する哀悼の思いが捧げられました。そして、この日、翌 18 日から開催される国
連防災世界会議に参加するために、168 カ国から約 4000 人が神戸に集まりました。
準備段階においては、国連が災害の悲惨さや被災者の思いを共有するに最も適した舞台と
3
選んだ神戸において、様々な自然災害に対する防災の重要性が議論される予定でしたが、
スマトラ沖地震およびインド洋津波の発生を受け、津波関連の特別セッションが開催され
るなど、津波の早期警報システム構築が焦点となりました。
日本水フォーラムは、この会議の政府間会合に参加したほか、総合防災展でのブース展示
を通じた「半減キャンペーン」の展開、スリランカ津波被害調査団の報告を兼ねた写真展、
関係機関によるセッション開催、またユースによるキャンドルナイト・イベントの開催支
援など、幅広い活動を行いました。
1.
「半減キャンペーン」の展開
日本水フォーラムとして、国連防災世界会議で主張したかったのは、
「2015 年までに水災害
による死者数を半減させよう」ということであり、またその実現に向けた世界各国の取組
みを促進するために、この目標をミレニアム開発目標のような世界的な目標の一つにしよ
う、ということでした。
このための一連の活動を「半減キャンペーン」と呼び、以下のような活動を行いました。
・
半減Tシャツの作成(半減Tシャツはスリランカ津波被害地の復興のための義援金を
500 円以上寄付してくださった方に総合防災展の日本水フォーラムブースにおいてプレゼ
ント)
・
ブースおよび会場での半減シールの配布
→趣旨に賛同してくださった方々にはブースに設置した半減バナーに署名をいただきまし
た。
・
半減サイトwww.hangen.jpの立ち上げ
→半減Tシャツ、半減シールのデザインも見ることができます。
・
ユースによるキャンドルナイト・イベント
→第3回世界水フォーラムで活動したユースのメンバーの一部が神戸に集まり、阪神淡路
大震災、スマトラ沖地震、インド洋津波の被災者に対して追悼の意を込めたキャンドルナ
イト・イベントを防災会議会場脇の市民広場で行い、災害軽減に向けた若者のメッセージ
を発信しました。会議参加者への呼びかけの結果、津波被災地の方々も多く訪れ、津波発
生時にインド・チェンナイを訪問していたユースのメンバーなどと交流しました。なお、
このような市民レベルでの活動がこの防災会議では少なかったこと、若者主導の活動であ
ったことなどから、メディアの注目を集め、翌日の新聞の一面や会場で配布されていた会
議の公式新聞の紙面を飾りました。
2. 国連防災世界会議
政府間会合
4
橋本龍太郎日本水フォーラム会長は、政府間会合の全体会合において国連「水と衛生に関
する諮問委員会」議長としてステートメントを発表されました。その中で、昨年 12 月の
IWRM国際会議として提出され、諮問委員会第二回会合で支持された緊急アピール(2015
年までに水災害による死者数の半減を目標とすることを提案)に触れ、国際社会がこのよ
うな目標を採択し、努力にむけた取り組みを推し進めることの重要性を訴えられました。
また、この主張をサポートする形で、テーマ別セッション2では、パネリストを務めた廣
木土木研究所ユネスコセンター設立推進本部上席研究員が、「Early Warning(早期警報)」
のタイトルのもと、洪水
や津波などの水災害は予測可能であり、こうした災害による被災者数は早期警報システム
の確立によって削減可能であり、死者数の半減も可能である、ということをデータに基づ
いて説明されました。
結果、この目標については、国際的な防災行動計画の「災害に強い国・コミュニティの構
築:兵庫行動枠組 2005-2015」において、災害リスク軽減に携わる地域団体にその実行が
求められるタスクのひとつとして挙げられた「津波を含む災害に対する早期警戒のための
地域的なメカニズム及び能力の発展を支援する。」の脚注という形で盛り込まれました。国
際目標にする、という「半減キャンペーン」の目的の第一歩を記しただけではありました
が、閉会式において、本会議の議長を務めた国連のエグランド緊急援助調整官室長が「こ
の枠組みで、水災害による死者数を半分にすることは可能だ」と述べたことからも、この
始めの一歩は大きな一歩であったと言うことができるのでしょう。
3. スリランカ津波被害調査団による写真展の開催
総合防災展に設置された日本水フォーラムのブースのテーマとしては二つの柱がありまし
た。ひとつは、先に述べた「半減キャンペーン」であり、もう一つがこの「スリランカ津
波被害調査団」の写真展です。会議開催直前の週にスリランカを訪れ、南西部を中心に被
災地をまわった日本水フォーラムのメンバーが撮影した写真をブースの壁面いっぱいに展
示し、義援金を集めるとともに、調査団として現地に赴いた遠山プロジェクトリーダーが
報告書を用いて、その様子を訪れた方々に詳しく説明しました。仮設水タンクやポンプ、
仮設テントの写真を見ては被災地の水や衛生の状態を問う質問が多くありました。
防災会議初日 18 日には、東京においても同じく調査団に参加した尾田事務局長、伊藤チー
フによる記者ブリーフィングを開催したほか、19 日から 21 日には第3回世界水フォーラム
の開催地であった京都、滋賀、大阪の庁舎などで写真と報告書を用いた展示会を開催しま
した。あいにく、各会場には調査団に参加したメンバーが常駐することができなかったた
5
め、電話などによってご質問等をお受けしましたが、多くの人からご意見やご質問をいた
だき、関心の高さを改めて実感しました。ご協力いただいた京都府、京都市、滋賀県、大
阪市のみなさま、ならびにご来場のみなさま、ありがとうございました。
4. セッション等の開催支援
19 日にパブリックフォーラムの一環として開催された国土技術政策総合研究所主催の「洪
水に対する住民啓発手段に関するシンポジウム-洪水に強いコミュニティのための市民&
行政の新しいパートナーシップ-」の開催を支援しました。ブレーンストーミングによる
議論の結果の分析は近日中に国総研水害研究室の下記ホームページにアップされる予定で
す。http://www.nilim.go.jp/lab/rcg/newhp/index.htm
また、20 日には、テーマ別セッション 2.1 として、日本政府、オーストラリア政府および
WMOが主催した「総合的な洪水リスク管理-知識の共有と人材の育成を通じて-」の開催
を支援しました。各国の取り組みに関する事例発表の後、ステートメントについての議論
が行われました。ステートメントを含むセッションの結果については防災会議の下記サイ
トからダウンロード可能となっています。
http://www.unisdr.org/wcdr/thematic-sessions/thematic-reports/report-session-2-1.pdf
防災会議では焦点を絞った議論が行われたため、セッションやシンポジウムへの参加を通
じて、災害、防災といった問題について多くのことを学ぶことができたと思います。各関
連セッションで収集した発表内容の情報やパンフレットなどの資料は整理し、希望される
日本水フォーラム会員のみなさまにご提供していく予定です。また、新しいネットワーク
を構築することができたことも大きな収穫でした。日本水フォーラムは、WMO(世界気象
機関)、CPWC(気候変動のための協力プログラム)と一緒に、2006 年にメキシコで開催
される第4回世界水フォーラムの5つの枠組みテーマのひとつである「危機管理」のビー
コン(本来の意味は灯台、標識、転じてここではコーディネーター、リーダーのような意
味として使われています)のメンバーとなっています。本会議で得られた多くの情報や構
築されたネットワークを最大限に活用し、第4回フォーラムでの危機管理に関係する分科
会の構成を検討するとともに、主張すべき点についてはアジアの代表、日本の代表として
その地域性を活かした提案をしていきたいと考えています。
残念だったのは、政府間会合、パブリックフォーラム、総合防災展が会場間の実際の距離
以上に離れて感じられたことです。登録NGOは政府間会合にも参加可能であり、そういっ
た意味ではあらゆるステークホルダーの参加は制度的には確保されていました。しかしな
がら、登録手続きの複雑さなどから、必ずしも参加数は多くなかったようですし、また大
6
きな声も聞こえてこなかったように感じられました。そして、そのような登録は必要なく、
誰でも参加ができるパブリックフォーラム、総合防災展とは距離がありました。テーマゆ
えにやむをえないところもあったとは思いますが、コミュニティ防災、ということが大き
なテーマのひとつになっており、また災害対策、防災においては、市民、コミュニティが
大きな役割を果たしてきたという歴史を持つ日本での開催、という特色が出るようなNGO、
地元市民などの参加が目立たなかったように思われます。すべての水問題と同様に、災害
を巡る水の問題においても、あらゆるステークホルダーの参加は非常に重要である、とい
うことを改めて感じました。
本会議の成果である「災害に強い国・コミュニティの構築:兵庫行動枠組 2005-2015」お
よび「兵庫宣言」は外務省の下記ホームページからダウンロード可能です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/kikan/wcdr.html
また、本稿で報告している日本水フォーラムの活動は、IISDの下記ホームページ上に掲載さ
れている防災会議報告の 19 日版でも写真入りで紹介されています。ぜひご覧ください。
http://www.iisd.ca/isdr/wcdr1/19january.html
************************************
■インド洋大津波スリランカ被災地調査報告
報告者:遠山、伊藤
2004 年 12 月 26 日に発生したスマトラ島沖地震と津波は、インドネシアを初め、タイ、イ
ンド、スリランカなどのインド洋沿岸の諸国に甚大な被害をもたらしました。日本水フォ
ーラムとしても、被害にあわれた方たちに何らかの手助けをしたいと思っています。しか
し、そのためには、何が現地で必要とされ、何が日本に期待されているのか、そして日本
水フォーラムとして何が出来るのか、を知る必要があります。そこで、まずは現地の状況
を自分たちの目で耳で確認してこよう、ということから1月 12 日から、スリランカに行っ
てまいりました。
短い行程のため、今回調査できた範囲はスリランカでも比較的被害規模の小さい南西部に
限られました。震源地とは反対側にあたる地域ではありますが、そこで見たものは、津波
の恐ろしさを知るに十分なものでした。
被害の大きい地域では、海岸線に沿って点在する集落のほとんどにおいては、数えるぐら
いの家、それも住むことなどできそうもない家しか残っていません。途切れた線路や宙に
浮いている線路、道路まで打ち上げられた漁船などがいたるところで目に入ってきます。
7
瓦礫の山を前に途方にくれる住民の姿もありました。
いろいろな方々のお話を聞いていると、大規模な自然災害の経験のない行政の対応は、は
なはだ悪く、地域の教会や寺院、NGOなどが主体となって被災者の救援を行っているこ
とがわかってきました。国連が地域ごとに派遣しているコーディネーターも、現地の状況
を把握するのが精一杯というような印象を受けました。外国企業のロゴ入りのTシャツを
着た人たちが運営を支援している避難所もありました。外国から提供される食糧も物資も
既に十分、との報道もありましたが、現場の被災者までには行き届いていないところもあ
ります。3週間が経過した段階でも復旧といえる動きを見ることはできませんでした。被
災したインフラの復旧や地域の復興はまだまだこれからです。
しかし、被災者の救援だけでなく、地域の人たちと一緒になって復興に向けて取り組んで
いる教会、自らの学校も被災した学生たちが地域の復興のために活動している姿など、漁
民を中心とする被災者の生活再建や地域の復興のための積極的な動きがあることも確かで
す。
復興のためには、生活のための基盤を整備することが必要ですが、このような生活再建に
向けた地域や住民の動きや意欲を鈍らせてはならないと強く感じました。日本水フォーラ
ムとして、このような動きを後押しすることができないかと考えます。災害経験の多い日
本から、復興を遂げた地域の行政や住民、ボランティアの方々などが、それぞれの経験を
伝えることも考えられます。今回の調査の結果を踏まえ、日本水フォーラムとしての被災
地支援のための具体的な活動をしていきたいと思っています。
現地の写真を含む調査報告資料(速報版)は、下記ホームページよりご覧ください。
http://www.waterforum.jp/jpn/index.html
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■インド洋大津波スリランカ調査報告会を開催いたしました
報告者:
澤
2005 年 1 月 12 日~17 日に行ったインド洋大津波スリランカ調査に関する報告会を、1
月 25 日に(財)ダム水源地環境整備センターの会議室をお借りして開催いたしました。急
なご案内にも拘らず、約 40 名の方にご出席頂き、活発な意見交換を行いました。
主な意見は次のとおり。
・
海外の企業の中には、発災直後から各企業が現地で出来ることをトップが決断してチ
8
ームを送っているところもある。日本の企業が実際現地に行って活動することは、現地か
ら歓迎されるとともに、国際社会の中で日本の企業がそれなりの評価を受けるということ
に繋がる。
・
例えば、被災した地域は、もともときれいな水を飲んでいない地域である。緊急支援
ではなく、中長期的な復興支援では、現状に復帰させるのではなく、水質をより良くする
ことなどの戦略的なことを皆で考えて頂きたい。そうすることで、産業振興にも繋がるこ
とも考えられる。
・
被災した人たちに、津波被害からもう一度立ち上がり、生活再建が出来るということ
を伝えることが必要である。
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日本水フォーラムからのお知らせ
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第2回日中水研究会開催のお知らせ
中国の水問題解決に向け、日中双方の英知を結集させたハード・ソフト両面での水環境
保全へ向けた取り組みや活発な相互交流の促進を行うことを目的とし、平成17年2月2
3日(水)に「第2回日中水研究会」を開催いたします。
今回は、元上海市自来水公司副経理・総工程師の宋仁元氏をお招きしてご講演頂きます。
詳細については、下記ホームページをご覧下さい。
http://www.waterforum.jp/jpn/china/chn02.html
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日本水フォーラム主催の会議・セミナー等に関する詳しい情報、参加申し込み等につきま
しては、随時、日本水フォーラムのホームページにアップします。是非ご覧下さい。
http://www.waterforum.jp
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発行:日本水フォーラム
〒102-0083
東京都千代田区麹町 1 丁目 8-1 半蔵門MKビル 6 階
TEL:03-5212-1645
FAX:03-5212-1649
E-mail:[email protected]
URL: http://www.waterforum.jp
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本ニュースレターを配信不要の方は、[email protected]までご連絡下さい。
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JWF News Vol.6 2005 年 3 月 2 日
発行:日本水フォーラム
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----- 目 次 ----●巻頭言:『二・八』とはいうものの
●日本水フォーラムからの報告
・第 2 回日中水研究会開催報告
●日本水フォーラムからのお知らせ
・JWF活動報告及び仏マルセイユ水供給グループ会長講演会開催のお知らせ
●掲示板コーナー
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『二・八』とはいうものの
日本水フォーラム事務局長
尾田栄章
何事も、二月・八月は暇としたものですが、フォーラム事務局は前月に劣らず繁忙を極めま
した。誕生したばかりの組織としてはやむを得ないことかも知れません。
私は一月末から二月にかけてアルジェリアとチュニジアに参りました。アルジェリア政府と
の間でODAに関する事前調査が始まろうとしています。その打ち合わせです。
一月末にはサハラ砂漠周辺にも雪が積もったとのこと、寒さ厳しき中での訪問でした。短い
間でしたが、アルジェリア政府との間で密度の濃い話し合いが出来たことは幸いでした。お世
話になったJBICパリ事務所の篠原さん、マルセーユ水会社アルジェ事務所次長のカリムさんに
御礼を申し上げます。
帰路、チュニスにアフリカ開発銀行を訪ね、社会資本局のベドゥムラ局長を始めとするスタ
ッフの方達と今後の水分野での協力に関して協議いたしました。
この折りに、第二回世界水フォーラムの事務局長を務め、現在はアフリカ開銀に出向してい
るバート・ディホーンさんと久し振りにゆっくり歓談できました。今回のチュニス訪問も彼の
アレンジです。これからの協働が楽しみです。
二月末には、メキシコ・シティーで第四回世界水フォーラムに向けてのビーコン会議が開催
されました。第四回世界水フォーラムは、5つの大テーマ(開発のための水、IWRMの実施、
すべての人のための水供給と衛生、食料・環境のための水管理、危機管理)と5つの共通課題
(地域の水イニシアティブに対する資金調達のための新しいモデル、制度開発と政治的プロス、
能力開発と社会的学習、科学・技術・知識の適用、目標・モニタリング・実施の評価)で仕切
られる縦横25のコマ毎にセッションを開催する形式で開かれます。どんな議論が展開された
のか、当事務局を代表して会議に出席した横田チーフから後ほど報告させていただきます。
23日には、上海市水道局顧問(元上海市水道局長、中国城鎮供水協会常務理事)の宋先生
をお招きし、第2回「日中水研究会」を開催しました。宋先生を紹介いただいた(財)水道技
術研究センターの藤原理事長にも併せて講演をお願いいたしました。
準備の不手際で直前の御案内になったにも拘わらず、100名を越える参加を頂けたことは
望外の喜びでした。予定した3時間を短く感じさせる熱心な会合となり、中国の水問題に対す
る日本の関心の高さを実感いたしました。これも、80歳を感じさせない宋先生の魅力ある講
1
演に負うところが大です。先生のお元気なことには、参加者一同が脱帽でした。
宋先生、藤原理事長、そしてご参加いただいた皆さま、本当に有難うございました。
「流域の人々に学ぶ」を旗印に、長野で定期的に開かれている『千曲塾』に久し振りに参加
して来ました。フィールドでの取り組みには、何時もながら頭が下がります。そして現場の活
力を頂いて帰ってきました。
今年の長野は大雪です。中越地震が襲った後だけに切ない思いがいたします。
雪に埋もれ
雪掻き出して
住まうかな
栄
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日本水フォーラムからの報告
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■第 2 回日中水研究会開催報告
報告者:澤
2 月 23 日(水)午後 2 時~5 時、日本水道会館 7 階会議室において、第 2 回日中水研究会を
開催いたしました。講師として、
(財)水道技術研究センター理事長 藤原正弘氏(日本水フォ
ーラム理事)より、
「日本と中国の水道の協力と発展」と題して基調講演頂くとともに、中国か
ら元上海市水道局長で、現在、中国城鎮供水協会常務理事である宋仁元氏より、
「中国都市給水
事業の発展と展望」と題して 1 時間半にわたりご講演頂きました。
当日は、約 100 名の方にご参加頂き、熱心に聴講及び質疑頂きました。
藤原氏からは、日本と中国との水道技術交流の状況が説明されるとともに、今後、ビジネス
の上でもさらに交流が進むことを期待する旨のご講演がなされました。
また、宋氏からは、1)中国の水道事業は、主に都市(城鎮)を対象に整備されており、都
市の水道普及率は 95%以上あるが、農村部は整備対象としていないこと、2)中国の都市給水
システムには、高い漏水率、原水の汚染、等の問題があることのご講演がなされました。
当日使用した資料は、日本水フォーラムの下記のウェブサイトよりご覧になれます。
http://www.waterforum.jp/jpn/china/
また、質疑応答では以下のような発言がなされました。
・ 中国では上水道と下水道を一体的に取り組むため、中国水協会(China Water Association:
CWA ) を 作 っ た 。 CWA は 2006 年 北 京 で 開 催 さ れ る 国 際 水 協 会 ( International Water
Association:IWA)総会のため中国建設部のサポートを行うこととなっており、IWA総会は成
功すると考えている。
・ 上海市では上水道は 4 つに分割されているが、下水道は一つである。
・ 上水道と下水道の普及にギャップがあるため、上水道原水の汚染が問題である。以前は、投
資資金が不足していたため、水不足を優先的に解決する必要があった。しかし、現在は、不十
分な下水処理による影響が深刻となっているため、専門委員会を立ち上げて対応している。今
後は政策的に、下水道についても重点的に整備を行っていく予定である。
・ 上海の 4 つの民間上水道会社は水道局に監督されており、水道局は上水、下水、節水といっ
た問題を総合的に所管している。
・ 上海では水道局の下に給水局があり、その下に調整センターがあり、必要に応じて調整セン
2
ターが水道会社間の水の融通などの調整を行っている。
・ 上海では水道料金は民間上水道会社独自では決めることが出来ず、上海市政府が決めること
となっている。その手順は、まず、上水道会社が水道局に申請し、水道局は受理した申請を物
価局に上げ、物価局では公聴会を開催していろいろな人の意見を聞き、了承されれば、物価局
から市のトップに上がり決定される。基本的にはコスト+若干の利益として水道料金を設定し
ている。水道料金が上がるといろいろな料金に影響が出るので、なかなか上げにくいという側
面があり、利益率は非常に低い状態である。また、水道料金は一つの上水道会社だけで上げる
ことは出来ず、4 社とも全部同じ料金であり、上水道会社は利益を上げるために経営管理を強
化することが必要である。
・ 中国は全体的に水資源が不足しており、特に大都市では大きな問題であり、下水処理水の再
利用ということに取り組んでいる。上海市では水のリサイクル率は全国平均を上回っており、
まだまだ高くなる可能性がある。
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日本水フォーラムからのお知らせ
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■JWF活動報告及び仏マルセイユ水供給グループ会長講演会開催のお知らせ
標記報告会及び講演会を下記のとおり開催いたしますので、是非ご参加いただけますようご案
内申し上げます。
日
場
時:3月11日(金)15:00~17:00
所:砂防会館 別館3階「六甲」
住所 東京都千代田区平河町 2-7-5(本館)TEL03-3261-8386(代表)
最寄駅 地下鉄永田町駅(有楽町線・半蔵門線・南北線)4 番出口 徒歩 1 分
http://www.sabo.or.jp/map.htm
通 訳:日仏同時通訳
会 費:日本水フォーラム(JWF)会員は無料、非会員は 2,000 円
内 容:①日本水フォーラム活動報告
国連防災世界会議についての報告
ノーザン・ウォーター・ネットワークについての紹介
IF-Netについての紹介(社団法人国際建設技術協会)
UNESCOセンターについての紹介(独立行政法人土木研究所)
②ロイ・フォーション氏(マルセイユ水供給グループ会長)による講演会
「フランスに於ける民間企業による水道事業管理の実態
~マルセイユの事例~(仮題)」
③意見交換
定 員:70 名(お席に限りがございますのでお早めにお申し込み下さいますようお願い申し上
げます。)
参加ご希望の方は、件名に「JWF報告会及び講演会参加希望」と明記の上、
・お名前
・御社名
・御所属
3
・御役職
・e-mailアドレス
・電話番号
・JWF会員・非会員の別
を添えて、3 月 9 日(水)までに下記e-mailまたはFAXにお申し込み下さい。
【連絡先】
日本水フォーラム
担当:澤、赤羽
Fax: 03-5212-1649
e-mail: [email protected]
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
掲示板コーナー
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(1)名
称:フォーラム 日中環境技術協力と産学連携
(2)主催者名:京都大学大学院工学研究科、清華大学
(3)開催日時:2005 年 3 月 7 日(月) 午後 1 時 30 分~5 時
(4)開催場所:経団連会館(東京都千代田区大手町 1-9-4)
http://www.keidanren.or.jp/japanese/profile/kaikan/map.html
(5)内容
受付開始 13:00
1.開会挨拶(13:30-13:40)荒木光彦(京都大学大学院工学研究科長)
2.講演
(1)清華大学における環境技術研究と教育(13:30-14:30)
? 吉明(清華大学教授)・黄 霞(清華大学教授)・王 偉(清華大学教授)
(2)清華大学深?研究生院のチャレンジ(14:40-15:20)
張 錫輝(清華大学教授・清華大学深?研究生院工程系主任)
〈休憩 15:20-15:35〉
(3)日中環境技術協力―経緯と展望(15:35-16:15)
武田信生(京都大学教授)・津野 洋(京都大学教授)
3.ディスカッション(16:15-16:50)
4.閉会挨拶(16:50-17:00)
(6)問い合わせ先
フォーラム「日中環境技術協力と産学連携」事務局
〒615-8530 京都市西京区京都大学桂
京都大学工学研究科学術協力課 Fax 075-383-2061
[email protected]
http://www-s.kogaku.kyoto-u.ac.jp/event/others/others-1.htm
*免責事項:日本水フォーラム事務局は、ニュースレター「掲示板」コーナーに掲載されてい
4
る記事の内容に関しての一切の責任は負いかねます。内容に関してのお問い合わせは各問い合
わせ先までお願いいたします。
***********************************
日本水フォーラム主催の会議・セミナー等に関する詳しい情報、参加申し込み等につきまして
は、随時、日本水フォーラムのホームページにアップします。是非ご覧下さい。
http://www.waterforum.jp
***********************************
日本水フォーラムニュースレター「掲示板」コーナーへの記事募集について
2003 年 3 月に第3回世界水フォーラムが開催された後、第3回世界水フォーラムに向けた取り
組みを行ってきた団体やフォーラムに触発された団体等による、水問題解決に向けた取り組み
や活動が活発に行われています。例えば、イベントやシンポジウムを通じ、水の大切さを考え
るものです。こうした取り組みへの参加を呼びかける記事を掲載することができる“「掲示板」
コーナー”をニュースレター上に設けております。掲載ご希望の方は、[email protected] ま
でご連絡ください。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
発行:日本水フォーラム
〒102-0083 東京都千代田区麹町 1 丁目 8-1 半蔵門MKビル 6 階
TEL:03-5212-1645 FAX:03-5212-1649
E-mail:[email protected]
URL: http://www.waterforum.jp
本ニュースレターを配信不要の方は、[email protected]までご連絡下さい。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
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