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会議録要旨(PDF形式:162KB)
平成 24 年度 神戸市保健医療審議会 第 1 回保健医療計画専門部会 議事要旨 日時 平成24年5月11日(金) 場所 市役所1号館14階大会議室 午後1時30分~午後3時30分 議事要旨 1 . 委員紹介 等 【事務局から、資料1、資料3、資料6-1について説明】 2 . 神戸市保健医療審議会 保健医療計画専門部会運営要領 ( 案 ) について 【事務局から、資料4、資料2について説明】 3 . 部会長等 の 選任 について 部会長 に 、 京都大学大学院医学研究科教授 副部会長 に 、 神戸市医師会会長 中原俊隆氏 、 本庄 昭氏 を 選任 4 . 部会 の 進 め 方 について【事務局から、資料5-1、資料5-2について説明】 について ○ 副部会長 非常にタイトなスケジュールだと思っている。今までは、県の保健医療計画の神戸圏域 という縛りの中で、いろいろと考えてきた。なぜ県の方針を我々が受けねばならないのか、 非常に矛盾を感じたが、今回、神戸市が独自に保健医療計画を作るということで非常に期 待している。どういった項目を検討するかが決まれば、それに向けての計画は割と簡単に できるのではないかと思っている。神戸の土地柄や、医療資源もはっきりしているので、 検討項目をどうするかという議論を十分にしてほしい。また、 (議論を尽くすため)例えば 5月、6月に専門部会を開催することも、是非可能にしてもらいたいと思う。 ○ 事務局 委員の先生方の御了解をいただけるのであれば、対応させていただきたいと考えている。 ○ 部会長 次回は7月となっているが、今日、事務局が用意する「保健医療計画に盛り込むべき項 目(案)」を了承して終わりではなく、6月にもう一回開催して、さらに議論し、検討項目 を最終的に決める。1回で済むならいいが、全部で5回までできるのであれば、そういう ことも考えるという感じでしょうか。 ○ 副部会長 資料9「神戸市の保健医療計画に盛り込むべき項目(案)」の中で漏れがないか、優先 順位をつけたらどうなるかを考えることで、この計画の持つ力、将来性が大きく変わるの で、一つ一つこれについて検討していただきたい。他の項目はどうかということも出てく ると思うので、ぜひ、その辺は柔軟に考えてほしい。 ○委 員 やってみて、検討が今日だけじゃ足らないのなら、次回(6月または7月)の開催につ いて考えてはどうか。 ○ 部 会長 今日は、「保健医療計画に盛り込むべき項目(案)」を説明いただいて、議論を始め、終 わりそうになければ、次回を6月に開催する方向で進めたい。 ―1― 5 . 保健医療計画に 保健医療計画 に 盛 り 込 むべき 項目 ( 案 ) について 【事務局から、資料6~9について説明】 ○委 員 資料6も7も、医療と福祉、医療と介護の連携という言葉が出てくるが、資料9(計画 に盛り込むべき項目)には介護、福祉という言葉が出てこない。この文言は、 (項目に)入 れておいたほうが良いと思う。また、地域包括ケアシステムの話にも影響するが、病院介 護連携と在宅医療介護の連携に分けて、分析と計画を練ったほうがいいのではないか。 現在の一般病床 10 万人対比率を各区で見ると、2,000 床から 500 床までの違いがあり、 遠く(区の外)へ入院して、また帰って来る人が必ずいる。要するに神戸市全域でみんな を見ている可能性がある。神戸市でも、区で完結する入院は何%で、外に出て帰って来る 人が何%かを計算しておくと、非常に有効(なデータ)になると思う。 ○ 部会長 保健・医療・福祉の連携、あるいは医療と介護の連携という言葉を入れたらどうか。 ○ 事務局 事務局としては、「地域包括ケアシステムの構築及び在宅医療の確保」の中で、医療と 介護の連携について触れさせていただくつもりであった。 ○委 員 地域包括ケアという文言の意味が、全国的にあやふやな状態なので、医療と介護という 文言をどこかに入れたほうが、無難だと思う。 ○ 部会長 それでは、忘れずに事務局側に入れていただくということで、内容に応じて表題をもう 少し明確にするように再考していただきたい。 ○ 事務局 地域包括ケアシステムについては、現在、関係機関と勉強会を立ち上げ、検討を進めて います。保健医療計画の中でどう反映させればいいかを議論した上で、専門部会にも提言 させていただければと考えている。 ○委 員 神戸市医師会としては、介護と医療は、別物ではないという考え方で動いている。もう 一つは、地域密着型サービス運営協議会があるが、このような地域の要介護者と取り巻く 環境、そういう形でのサービスの広域化と地域密着を検討している。市医師会と市・医療 関係者などの団体が集まって、医療分野の連携のあり方を半年ぐらいかけて協議すること としており、先ほどの地域密着とつなぎ合わせることがうまくできれば、それが国の目指 す方向と一致するかわからないが、地域包括という形は取れるのではないかと思っている。 ○ 部会長 保健医療計画は10月ごろまでかかるので、その議論の成果を取り入れて、より明確な 形で提示できればいいと思う。先生の第2点目は、2次医療圏を越えて、遠くまで行く人 たちのことですか。 ○委 員 この場は神戸市の話です。各区で、医療・介護はかなりうまくいっているというお話は ―2― 聞いている。特に開業医には、逆紹介システムがあると聞いているが、ケアマネジャーと の連携がなく、生活が成立しない状況が非常にある。兵庫県では、最近、急性期病院も回 復期病院も療養型もみんな入れて、ケアマネジャーと連携をというのが広がっているが、 ケアマネジャーに、要介護の方の退院調整ができている割合を聞くと、大体 20%から 40% の調整漏れがあるとのことである。このことを病院に返すと、みんなびっくりしていると いう状況が、姫路近辺で今起こっている。 ○委 員 急性期の病院から帰られるのは、介護保険対象者だけでなく、急性期で在院日数の短縮 がある場合、医療的ケアを残したまま地域へというときには、私は、病院組織の退院調整 という部分で、そこが機能しなくてはいけないと思うので、介護保険と、介護保険を扱わ ない人たちをどうするかも視野に入れておく必要がある。 ○委 員 今の議論は、医業の部分と介護の連携はどうするかで、一応、高齢者の場合は、医療、 病院と介護保険分野の介護はどう連携するのかということになる。だから、退院調整を進 めるに当たって、各区の中で完結する病院医療の人が何%、出ていく人が何%ぐらいは、 計画の中で考えたほうが、準備がしやすいのではないかということを提案したい。 ○委 員 ここでは、神戸市の各区での医療、在宅医療介護はいかに成立するかが重要で、在宅医 療介護がある程度うまく行っても、退院調整が不良な患者が多いのであれば、やりにくい のはわかります。この中で、顔見知りの病院からは、うまく帰って来るなら、それはそれ でいいというぐらいのことは調べておいてもいいのではないか。 ○幹 事 神戸市の地域包括ケアシステムを考える会を、医療関係者代表の方やケアマネジャー代 表も含めて、現時点で医療と介護の連携が、何ができて何ができていないのか、病院退院 時のケアマネジャーの連携がどうなっているのかを洗い出しながら、どういう形で神戸の 地域包括ケアシステムを構築するのがいいのかを作り上げたいと思っている。それを踏ま えて、秋ぐらいをめどに、専門部会に御報告できたらと考えています。 ○ 副部会長 神戸市では9区ごとに特色があり、例えば、医療提供体制であれば、一般病床の多いと ころ、療養型が多いところ、北区、中央区、全部違います。その均てん化は、非常に大事 なことで、それを踏まえて神戸市全体で計画を考えている。また、先ほどの地域包括ケア システムについて、なぜ検討会をすることになったかというと、いかに適正な医療、介護 サービスを提供しているかということで、行政の言う適性化という言葉を非常に警戒して いるからです。質問ですが、資料8の医療従事者数は、平成 22 年度のデータであるが、昨 年に病床整備検討会で五百数十床が神戸医療圏では不足だということで検討を行ったこと から、当然、基準病床数が増えたことによる医療従事者の不足が出てくると思う。この五 百数十床の整備計画の進捗状況はどうなっているか。 ○幹 事 資料8の7ページの病床数について、25 年 3 月末予定と書いていますが、現時点の数字 ―3― です。一番左に、全市一般病床 1 万 1,616、療養が 3,229、計 1 万 4,845 とあるが、これは 今現在の既存病床数で、市の基準病床数を申し上げますと、1万 5,522 床になっています。 ここに1万 4,845 との差、いわゆる配分病床と言いまして、基準病床が既存病床を上回っ たので、その分だけベッドに余剰ができたということで、昨年、神戸市で病床整備検討部 会を立ち上げ、537 床を配分してございます。この 537 床のうち、現在、病床として稼働 しているのが、4 床程度と聞いており、537 床に関する従事者は、恐らくカウントされてい ないと思われる。現在、建設中の病院もあり、それらが開設されれば、医療従事者も若干 増えると思ますが、その数字については、今、持ち合わせていない。 ○ 副部会長 従事者数の充足状況は、議論すべき大きな材料である。五百数十床増えることに関して、 従事者数を押さえていない、あるいは充足していないとなると、これは大きな目標になる。 25 年の 4 月に、病院がオープンしなければいけないが、そのギャップは、今後の神戸の保 健医療体制にも関係するので、今の状況を知ることは、10 月に最終的な報告書をまとめる にしても必要項目だと思うので、新しい項目として加えていただきたい。 ○幹 事 病床配分の申請書ですが、そこには、例えば医師が何人必要であるとか、看護師が何人 必要であるということを、各開設者が書いておりますので、その足し上げ数字は、次回、 御説明させていただけたらと思います。 ○委 員 「地域包括ケアシステムの構築及び在宅医療の確保」で、在宅医療というときに、一つ の基本が、「住まい」だと思う。「住まい」が不十分、あるいは家族、地域を含めて「社会 的な関係性」が不十分で、病院に入院せざるを得ない状況がある。「住まい」「社会的な関 係性」も念頭に入れて考えていただきたい。もう一つは、水、土壌、農作物や水産物など も含めて、予防の面や、特に、子どもたちへの影響など、従前までの計画とは別に新たな 状況があるので、放射能リスクをどう考えていくかも想定する必要があるのではないか。 また、 「健康危機管理の充実強化」という観点で、病院を始めとする電力不足における医療 インフラへのサポートなども、考えていくことが必要ではないかと思う。 ○ 部会長 この3つの点、在宅医療における住宅問題、放射能問題、電力不足の問題、どれもテー クノートしなければいけないだろうと思う。 ○ 事務局 放射能リスクの問題は、いわゆる環境確保の問題になり、医療と違うところで担ってい る部分が非常に大きい。また、震災のがれき撤去の問題であるとか、大気中の放射能の測 定は、生活環境の問題として担っている分野があるので、そことの調整も必要かと思って おります。新たな状況に対する危機管理とか、そういう角度で何が検討できるか、関係局 ともよく話をしながら、研究させていただきたいと思います。 ○委 員 今の考えの補足ですが、まず一つ、放射線リスクや電力不足による対応について、我々 のイメージでは、健康危機管理という分野と理解しているが、これらの問題を保健医療計 画に具体的に書き込めるものかどうかという点も含めて、保健所としても一緒に考えたい。 ―4― ○ 部会長 国の医療計画の指針のようなもので気になったのは、地域連携クリティカルパス、地域 連携クリニカルパスという言い方もあると思いますが、神戸市域における医療連携体制の 確保、このあたりで読み込むことは可能かと思う。厚生労働省が前回の医療計画改定のと きには、かなり声高に言っていたので、その対応を書いたほうがいいのではないか。これ は医師会にも関係の深い問題であると思う。 ○委 員 神戸市医師会では、4疾患5事業のパスについて、地域連携のためのシステム化を考え てきた。意義のある疾患分野に関して、4疾患5事業にとらわれない連携のためのパスを 作ることが一つ。もう一つは、パスを作る以上はできるだけ共用のパス、同じ疾患分野に 関して言えば、同じパスを使って、どの病院どの診療所が患者さんをやりとりするにして も、ほぼ同じ形であることが好ましいということ。それと、もう一つは、ICTシステム 化すること。その3つに取り組んでいる。脳卒中に関してのパスは関係機関のご尽力で、 もう既に動いている。実は共用化がある程度進んでおり、がんのパスはいつでも載せられ る形になっているが、この4月に診療報酬改定があって、病院側も診療所側も双方が模様 眺めをすることで、少しスローダウンしている。既に共用のパスが完成しているものは当 然、それ以外の分野についても、可能なものについては一気に進めていこうと考えている。 現時点で、県立がんセンターが作った5大がんのパスも完成しているが、がんのパスだけ でなく緩和ケアが本当に必要になるので、できるだけ早く形を整えて、そのパスの中に組 み入れる計画を進めている。 ○ 部会長 神戸市医師会の取り組みを、神戸市の計画の中にどういう形で書けるのかという問題も あるが、現在の神戸市内におけるパスの運営状況などを書き込めると、医療計画の方向性 が、より明確になるのではないか。 ○委 員 保健所を含め行政が、それぞれのパスの現状を正確につかんでおりません。4疾病、特 に今言われました緩和ケアなど、連携の流れがどの程度できているかを、まず把握する必 要があると思いますので、提案ですが、医師会、中心になる病院などにインタビューをし て、神戸市の現状、あるべき姿が何か載せられたらと思います。 ○委 員 神戸市は、医療産業都市構想を持っているが、これは、医療分野で経済を活性化する企 画だと思う。この中に先端だとか先進医療、医療機器の発達は、メーカーが相当な研究を して、すごいスピードで進んでいると思う。この前テレビで見たが、医療機器の発展に、 それに従事する先生方が、完全についていけるのかという問いかけがあった。ならば、先 端、先進医療従事者の育成、充実を図っていくという文言を、計画にわかりやすく入れて ほしいと思う。 ○ 部会長 医療産業都市は、神戸市として政策的に大きな課題で、国際的に通用するものを、日本 の地方都市が頑張るということだから、それを保健医療計画にどう結びつけるのか、市側 で政策的な主張をしてもらうほうがいいのではないか。これは先端医療を目指しているわ ―5― けで、ここで議論をしている高度医療よりも、もっと先行するものだと思う。例えば、高 度医療では、まだ iPS 細胞は使えるものではないが、このような最先端技術、医療を開発 し、応用していく医療産業都市の成果として、それを一般市民にどう応用していくか。そ れは、神戸大学とかも絡んで、一般的な医療の向上にどう結びつけていくかということが 重要ではないかと思う。 ○委 員 神戸市が、iPS のような先端的な医療にどう取り組むかについて書くことは、まあ良い と思う。全体的にかなりよく練られた医療計画だと思う。これは、神戸市の医師会も非常 によく頑張っていることの反映ではないかと思う。 (神戸市域に)へき地がないのは、盛り 込んだビジョンがそのまま生かせるという印象を強く受けた。また、兵庫県の医療を神戸 市が頑張って支えるぐらいの意気込みでやらないといけない。現在、兵庫県の医療は神戸 市以外は、苦しい状況であるとの印象を受けている。 ○ 副部会長 前段階に戻りますが、神戸圏域に医師が十分に増えた、在宅のための看護師も増えた。 一般の新しくできる病院の看護師、あるいはコメディカルが増えたというときに、それを 市外から引き抜いてくるということになると、神戸では、十分に医師、看護師がいるけれ ども、他では過疎になってしまう。そこを十分に考慮して、医師の人数や従業員の人数を 表現して、テーマに上げないと、神戸のエゴになってしまう。ぜひそこは御配慮願いたい。 ○ 部会長 先ほど副部会長から、提案のあった「保健医療計画に盛り込むべき項目(案)」について は、一応、現段階において、受け入れることが可能ではないかと思うがどうか。もしそう であれば、随時、この部分に今後の審議の過程で、検討すべき項目として盛り込むべきも のがあれば、随時提案をすることはオーケーということで、次へ進むということでよろし いでしょうか。 以上 ―6―