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認識のパラダイム ~いま企業は環境をどう捉えるべきなのか~

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認識のパラダイム ~いま企業は環境をどう捉えるべきなのか~
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認識のパラダイム ∼いま企業は環境をどう捉えるべきなのか∼
1.企業の認識論
(1)なぜ認識論か
企業活動を考えるとき、本当はしっかり議論として整理すべきなのに、時間がなくて等
閑に付されてしまう領域がある。そんな領域のひとつが企業の認識論である。
企業がどんな行動をとるにも、そこには必ず認識活動が介在している。企業の目的がそ
の顧客に価値を創造することにあるなら
1
、その創造活動の中に必ず認識活動が含まれて
いる。その活動が、マーケティングであろうが、物流であろうが、技術開発であろうが同
じである。人間を通じた活動には必ず含まれる。企業の目に見えない資産と技術である。
いま企業の認識活動を問題とするのは、つぎの理由からである。
[1]認識空間の拡大
認識手段が情報技術によって革新されている。企業内、企業間、企業・取引先間、企業・
流通間、企業・顧客間が情報ネットワークによって結ばれている。もう一方でデータベー
ス化が進行している。このことは認識のメディアとなる情報にふたつの異次元の革新をも
たらす。ひとつは、情報のタイムラグの極限化であり、もうひとつは情報の高精細化であ
る
2
。つまり、認識の対象となる時空連続体がほとんど無限に広がり、現代科学で認識で
きる 1084 という次元をもつようになるということである 3 。
[2]価値の源泉
認識は対象を主体が了解するという形で理解されてきた。中世から近代への節目に、当
時の知、すべてに疑問を抱き、人生の大半を諸国を歩くことですごしたデカルトの身体か
ら得られた方法であった。すべてを自分の身体の寸法から考えていくという方法には現代
にも充分通用する根底性がある
4
。しかし、問題は主体と客体の関係である。主体と客体
は相互関係性、相互共犯性をもっているというのが現代の認識論の立場である
5
。科学史
の研究は、このことを別の角度から切開してみせた。天動説と地動説、ニュートン力学と
特殊相対性理論、科学の大きな転回は科学者集団のもつ認識の範例、パラダイムが大きな
役割を果たしている、ということを明らかにした
6
。結局、これらのことを企業の認識活
動に置き直してみると、企業およびその関連主体が客体的環境から情報を取り込むとき、
そこには必ず主体と客体の関係、あるいは主体のもつパラダイムが関与している、という
ことになる。このいわば情報のフィルターを、N・ハンソンの用語を借りて、認識の「理論
copyright (C)2005 Hisakazu Matsuda. All rights reserved.
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負荷性(theory-laden)」7 と呼ぶ。
企業活動のすべてに含まれる認識活動は理論負荷性をもっていると言い直すこともできる。
顧客に創り出す価値の基盤が企業活動にあり、そのすべてに認識活動が浸透している。
つまり、認識活動は忘れられてきた価値の源泉だといえる。
情報技術革新によって認識空間が拡大し、一方で価値の源泉としての認識活動が重要に
なってきているのである。
(2)認識活動とその装置
企業の認識活動を認識対象、認識装置、そのソフトウェアの三つの次元に分けてその構
造をみてみる。
[1]認識対象
企業の認識対象は基本単位として六つある。
(イ)買い手、(ロ)売り手、(ハ)新規参入業者、(ニ)代替品、(ホ)競争者、(ヘ)主体
8
で
ある。この認識単位は産業にある。この六つの要素が対象構造を構成している。
[2]認識装置
対象構造の中から情報を選択し企業行動に結びつけるのが認識装置である。認識装置が
組み込まれている企業活動は大別してふたつある。支援活動と主活動である。これを細分
化すると九つに分けることができる
9
。この活動ごとに認識装置が、目に見えるものとし
て、あるいは目に見えないものとして組み込まれている。主なものをあげると図表1のよ
うになる。企業文化は、いわば目に見えない認識装置である。
図表1.企業活動と認識装置
認識装置
企業活動
全般管理 支援活動
人事・労務
管理 目に見えるもの
情報システム
戦略策定 モチベーションリサーチ 目に見えないもの
トップの行動(MBWA)
企業理念
儀式と儀礼 英雄を支える報奨制度
うまい異質人材登用
伝達 主活動
技術開発 リサーチの技術開発
伝達
外部ネットワーク 調達活動 マーケティングリサーチの
ネットワーク 伝達
外部ネットワーク 購買物流 情報通信システム 伝達 情報システム 伝達
QCサークル 情報通信システム 伝達 マーケティングリサーチ
情報通信システム 伝達
外部ネットワーク 製造 出荷物流 販売
マーケティング サービス 伝達 copyright (C)2005 Hisakazu Matsuda. All rights reserved.
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[3]ソフトウェア
ふたつの認識装置はそれぞれ違ったソフトウェアをもっている。パラダイムである。目
に見えない認識は企業パラダイムを搭載している。企業は「それぞれ固有の環境認識を発
展させ」、「その環境認識のあり方を規定し体系化するための編成原理」である「組織の環
境パラダイム 10 」を形成するのである。
目に見える認識は、企業固有のソフトウェアに対し世界共通のソフトウェアを搭載して
いる。知のパラダイムである。マーケティングリサーチや情報システムの設計は知のパラ
ダイムを利用することなしには不可能である。ハンソンのいう理論負荷言語を使うことな
しに伝達できないからである。
認識対象、認識装置とそのソフトウェアを整理してみた。ふたつの認識装置の特徴を整
理してみると、図表2のようになる。
エクセレントカンパニーと呼ばれる企業は、そのほとんどが、目にみえない装置に強さ
をもっている。日本のホンダには公式的なマーケティング組織もなければ、戦略もない。
その代わりに、大部屋制といった運営上の工夫がこらしてある。
昔のエクセレントカンパニーは目にみえる装置に強さをもっていた。ゼネラル・エレク
トリック(GE)やプロクター&ギャンブル(P&G)にはすぐれた経営技術があった。
強さの源泉はどこにあるのか。それは、恐しく速い環境に近欲で動けるマネジメントで
もなく、遠欲で動く官僚的な技術でもない。認識活動そのものを規定するソフトウェアに
あるのである。
図表2.目に見える認識と目に見えない認識
方法
組織主体
方法
目に見える認識
・マーケティング
関連セクション
・マーケティングリサーチ
・情報システム
目に見えない認識
・組織全体
・マネジメント
認識タイプ
情報のあり方
・目に見える情報
・保存性
・目に見えない情報
・同時代性
ソフトウェア
世界共通
パラダイム
企業パラダイム
(3)認識装置のパラダイム
現代はこのソフトウェアがゆらいでいる時代である。認識装置の不効率は生まれている。
ほとんどすべての産業が利益率を低下させている一方で、認識装置の投資指標であるソフ
ト化率は上昇しているのだから。
知のパラダイムがゆらぎ始めることによって、知のパラダイムとは相対的独自性をもつ
企業パラダイムも結局はゆらぎ始める。企業が閉鎖された系をつくらない限り、
「知・内・
企業」パラダイムを越えることができないからである。
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企業活動からみると、戦後、日本で知のパラダイムとして、あるいは企業パラダイムと
して活用されたものはふたつある。このふたつによって認識装置は国際競争力をもちなが
らうまく機能してきた。
[1]近代科学化
企業の認識装置は、目に見えないものから目に見えるものへと発展してきたのは歴史的
事実である。戦後の企業活動は近代科学の名のもとに多くの認識装置を導入していった。
マーケティングリサーチもそのひとつである。認識装置とはいえないまでも、製造におけ
る品質管理はそのさいたるものである。流通ではチェーンオペレーション、マーケティン
グではマス広告と、各産業のトップ企業は近代科学をうけ入れる企業パラダイムを醸成し
現在の競争優位をつくりあげた。近代科学のパラダイムなしに日本企業の強さはなかった。
[2]日本固有化
近代科学に対して、日本固有化という原理もうまく活用された。原理どおり実現させた
サンプリングリサーチ、QCサークル、人間を重視した営業、取引関係を重視した系列店
政策、JIT、対面伝達の重複と内外組織編成を日本固有化することによって競争の源泉
をつくっていった。積極的側面で近代を「退行的進化 11 」させた成果である。
近代科学化、日本固有化という日本のもつふたつの知のパラダイムは、企業活動とその
パラダイムの中に、そして認識活動とそのソフトウェアの中に、競争優位を創り出す原理
としてうまくとり入れられていた。
このふたつをうまく組み合わせた認識活動によって、企業の中に「差異の知らせ
12
」と
しての情報が生み出されイノベーションとして実践されてきたのである。「近代科学」がも
つ普遍性と「日本固有化」がもつ特殊性が企業の認識活動の中で検討されねばならないと
きがきたのである。
2.認識装置の進化と現在
(1)科学的認識装置の発生
マーケティングリサーチは、企業固有の認識活動であると同時に、さまざまなものが理
論負荷されている。マーケティングリサーチの発展は企業の認識活動の歴史でもある。
アメリカのマーケティングリサーチは 1879 年、N・W・アイレス杜の穀物生産の実査に
始まるが、組織的なリサーチへ発展させたのは 1911 年、力ーティス出版社のパーリンであ
った。パーリンはそれを商業調査と呼んだ。テーマは営業マンのための情報収集であった。
その後、1912 年「百貨店商品群」、1914 年「自動車」と発展している。R・バーテルズは
パーリンをつぎのように評価している。
「パーリンによってなされた諸研究は……科学を事
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実調査ならびに経営に導入し、商業的事実調査を専門的な職業ならしめた 13 」。アメリカの
マーケティングリサーチの発生であった。
日本ではどうであったのか。周知のように日本では戦前、マーケティングリサーチは「市
場分析」と呼ばれた。1938 年に池田英次郎は『市場分析』という著書の中で、市場分析は
「市場の状況をできるだけ、科学的な合理的な方法を用いて研究するものである
14
」とし
ている。しかし、その実体はあまりない。リサーチの枠を広げ社会調査の発展をみても、
1933 年、戸田貞三の『社会調査』がみられるだけである 15 。しかし、日本には満鉄調査部
という貴重な存在があった。日本のリサーチの理論負荷性の歴史を、まだ専門分化の進ん
でいない、多様なリサーチが萌芽状態にある「南満州鉄道株式会社調査部」に求めること
ができる。
(2)日本固有の認識装置
満鉄は日本の植民地経営機関として、1906 年、資本金2億円をもって創立、翌年4月営
業を開始した。1907 年、調査部設置。初代総裁は後藤新平であった。1914 年、第一次世界
大戦が起こる。1917 年、ロシア革命勃発。1927 年、南京事件、1928 年、張作霖事件。1931
年、満州事変。1939 年、
「大調査部」誕生。スタッフ 1,700 名、予算 978 万円(現在で約 50
億円)。1941 年、大平洋戦争に突入。1942 年、満鉄調査部事件(約 30 名検挙)。1945 年、満
鉄終焉。敗戦。
約 40 年間の歴史であった。提出した報告書数は 6,200 件、研究のために蓄積された資料
は書籍・雑誌・新聞(外国紙)のスクラップを合計すると5万点におよんでいる 16 。
概要を整理した(図表3、4)。満鉄調査部の調査の範囲は地理から文化慣習まで幅広い。
その役割は国家のための意思決定の情報を提供することにあった。植民地経営のための政
策である。その範囲は「生鮮食料市場設置方策」「満州国教育方策」から「戦時経済」の運
営まで多彩だった。
満鉄調査部を現代のマーケティングリサーチとの関連で比較検討したいのは、調査の理
念、調査の方法論である。満鉄調査部の調査の理念は、時期によっても、調査部のリーダ
ーによっても変化している。ここでは約三つに着目したい。
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[1]後藤新平の科学
後藤新平は初代総裁でもあり、「文装武備」の植民地経営で知られる。東京支社には、調
査部とは守備範囲を異にした「東亜経済調査局」が 1908 年に設置された。その際、後藤は
「材料が不完全で、都合のよい材料ばかり集めて立論するのではなく、冷静な統計、調査
から出発しなければいけない」、そして「事実を事実として平常から用意しておけば議論は
17
公平に行われる。材料というものは、科学的に分類しなければ利用できない
」と考えて
いた。後藤の考え方は、科学的方法による資料整備と客観的分析にあった。
[2]フィールドワークの思想
天海謙三郎は中国の土地慣行調査のベテランである。3大慣行調査といわれているものの
ひとつ「満州旧慣調査報告書」の担当者である。天海は当時、農村調査に出る部下に「調
査をすること自体が目的ではないんだよ。調査を通じて、中国人と接触し、彼らを身体で
理解することが大切なのだ 18 」と教えたとされている。「草鞋」「歩くこと」「フィールド」
の重視である。テーマから情報収集、加工・分析まで一貫して行う方法である。
図表3.調査部組織店員および実在員歴年比較表
(単位:人)
1940年度
1939年度
年度
合計
職員
雇員
傭員
仮定員
実在員
2,489
1,080
384
1,025
1,731
767
209
755
実行委員
2,433
1,061
399
973
4月1日
実在員
1941年度
1941年
2月1日
実在員
2,345
965
300
1,080
2,172
967
358
847
定員
実在員
2,125
940
336
849
2,039
914
336
789
資料: 野間清・下条英男・三輪武・宮西義雄編 『満鉄調査部綜合調査報告集』 亜紀書房,1982年,10ページ。
原注: 1. 1939年度の実在員は1939年4月末現在,1941年度は1941年4月18日現在。
2. 1939年度の仮定員と実在員,および1940年度の実行定員と4月1日現在実在員は,調査部庶務課養成係「仮定員現在
員対照表」(『満鉄調査部報』第1巻第2号),1941年2月1日現在の実在員および1941年度の定員と実在員は、調査部庶
務課「組織,予算,定員に関する概要−16年度」 (『満鉄調査部報』第2巻第2号)による。
3. 1943年度の実在員は,中央試験所を調査部直属部所から総裁室直属部所に改め,その業務を調査部の監理からはず
したこともあって,総計1,276名になっている(南満州鉄道株式会社 『第84回帝国議会説明資料』 昭和18年, 305∼
306頁)。
図表4.調査部組織予算額歴年比較表
1939
1940
1941
1942
1943
(単位:万円)
総計
中央試験所を除く
諸組織合計
中央試験所
978
1,117
957
892
800
780
900
751
?
?
198
217
206
?
?
資料: 野間清・下条英男・三輪武・宮西義雄編 『満鉄調査部綜合調査報告集』 亜紀書房,1982年,12ページ。 原注: 1. 1939-1941年度は予算額。調査部庶務課「組織,予算,定員に関する概要ー16年度」 (『満鉄調査部報』第2巻第2号,
56頁)による
2.1942年度は決算額,1943年度は予算額。いずれも満州鉄道株式会社 『第84回帝国議会説明資料』 306頁による。
出所: 野々村一雄 『回想満鉄調査部』
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[3]調査と大理論
大上末広は調査部の中では理論志向で知られている。経済調査会第一部「満州経済班」
の主任をしていた大上は、
「当班は満州国民経済の機構を科学的に調査研究することを主要
任務
19
」としていた。大上の評価は「いわゆる講座派理論を」調査部にもち込んだだけで
なく、「彼自身もその理論を駆使して、理論的に処女地である満州経済を分析し」「半封建
的半植民地的資本主義
20
」と規定したことにあるといわれている。こうした理論グループ
は「おまえらは、理論というものが無いからダメなんだよ。調査には巨視的視点が必要な
んぞ 21 」と批判し、逆に「大上は調査のために一歩も歩いていない 22 」と批判された。し
かし、大上の調査は「新しい型の調査として」
「注目を集め、さらには、爾後の満鉄調査は
この種の『型』の調査でなければならぬとさえ言われるまでになった 23 」
注目すべき方向は他にもあるが、この三つにとどめたい。三つの方向に共通するのは「科
学」という理念である。しかし、その内容は、資料の収集と分類に重点を置くもの、実体
験性に重点を置くもの、概念規定と分析に重点を置くものとそれぞれ違っている。その結
果、調査方法もおのずと違ってくる。まだ、質問紙調査法も、統計学も、コンピュータも
未発達の中でリサーチがもっている基本的なパラダイムがここですでに生まれている。
(3)科学的認識装置の完成と限界
戦後から現在までのリサーチの発展をみてみる。便宜上、四つに分けて整理したい。
[1]サンプリングリサーチ
戦後の「調査のレールはアメリカ占領政策によって敷かれたと言わざるを得ない 24 」。標
本抽出、質問紙作成、フィールドコントロール、集計分析というサンプリングリサーチが
日本に導入された。林知己夫は「きちんとランダムサンプリングを厳密に行うと、性別、
年令別、学歴別、職業別の比率が全体とぴったり合うのである。今なら当然のこととして
感銘は全くないのであるが、当時は誰しも吃驚した
25
」と述懐している。このインパクト
は大きく、標本抽出、質問紙作成フィールドコントロールに全力が向けられた。
「調査の各
段階の手続が一々科学的に検討され評価されていた 26 」
皮肉なことに、戦争によって満鉄調査部は解体したが、科学はその姿を変えリサーチに
残されたのである。
現在からみれば、「調査の古典主義」はリサーチプロセスの中の情報収集に重点が置かれ
ているが、現在の量的調査の基盤はここにある。集計はソーター程度であった。
1950 年代半ばに「調査の古典主義」は完成した。しかし、意思決定との関連、マーケティ
ングとの関連は、マーケティングがまだ導入段階にあったことなどから、まだみられない。
世論調査、広告の実態調査に限られていた。したがって、日本では、調査の完成の上にマー
ケティングリサーチが接木されたといってよい。フィッシャーによって標本理論が確立され
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たのは 1928 年であることから、アメリカではマーケティングリサーチの方が先行していた。
[2]心理学と質的調査
1960 年代、サンプリングリサーチという量的調査に対して、モチベーションリサーチの
名称で今日の質的調査が導入された。深層面接法、グループインタビューなどである。ア
メリカでは 1957 年にバンス・パッカードの『かくれた説得者』が出版されていた。モチベ
ーションリサーチは「潜在意識や感性を分析し、消費者の購買の真の動機を探究するとい
う科学的なふれこみで登場した 27 」。日本でも同じであった。一方、量的調査の方にも「心
理」の概念が導入され始めた。SD法がその成果である。サピァ=ウォーフという文化人
類学の言語研究から派生したオズグッドの方法論が「イメージ」の測定道具となった。林
周二は、1961 年出版の『企業のイメージ戦略』の中でつぎのように述べている。
「こんにち産業界が当面している大きな問題のひとつは、生産力の増大、流通力の拡充
の裏づけとしての、ヨリ巨きな市場の創造、ヨリ大きな需要の創出である。
(そのためには)
従来の社会習俗や文化様式を(中略)打破し変革する動きを起こすことが必要になる。(中
略)しかし、(中略)習俗や文化を直接的に人為操作することはできない。ここにおいて、
イメージ操作が、(中略)企業にとって、ひとつの眼目となり課題となる」。
1960 年代、科学の名のもとに、「モチベーション」「イメージ」という心理概念が、新た
にマーケティングリサーチに負荷された。
また、この間、リサーチ専門機関が相ついで設立され
28
、現在の企業認識の基盤となる
ネットワークが形成された。
[3]意思決定と仮説検証
1970 年代、マーケティングの意思決
図表5.概念と作業定義の関係
定上の課題にリサーチが近づき始めた。
いわゆるセグメンテーションである。
「ライフスタイルセグメンテーション」
概念
(一般的定義)
「ベネフィットセグメンテーション」で
作業化の過程
ある。消費者を「生活者」として捉え直
したり、消費者の商品に対してもつベネ
フィット(受益)をベースに、市場を細
作業定義
(具体的定義)
データ
(観察に基づく資料)
分化するというものである。両者には、
セグメンテーションという共通性はみ
られるが、前者がアメリカ社会学のマー
トンの「準拠枠」(frame of reference)
経験的世界
出所:高根正昭 『創造の方法学』
を理論的なベースとしているのに対し、
後者はある製品・サービスやその特性か
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ら得られる特定の心理的概念をベースと
図表6.概念の測定
している。両者とも、因子分析からクラス
ター分析へと多変量解析を前提とするが、
後者は質的調査をそのプロセスの中に含
んでいる。
一方で、60 年代の「イメージ」は「ポ
変数名 理論定義
成層化の程度,df=社会の報酬分布
操作インディケータ
1.社会集団間の所得分布
2.社会集団間の資産分布
3.社会集団間の余暇時間分布
ジショニング」問題へと発展させられる。
この背景には、企業のブランドをめぐる競
争があったことはいうまでもない。
理念定義の意味空間
未測定の意味
リサーチは、
そのプロセスの中で最後に
残された分析に重点が移動した。それは、
マーケティングがより意思決定に近づい
た結果でもある。このことを可能にしたの
所得のみ
所得と資産
資産のみ
余暇時間のみ
余暇時間と資産
理念概念の定義:成層化の例
は、コンピュータの登場と 60 年代に多変
出所:J.ヘイグ著 『理論構築の方法』
量解析の理論的基盤が完成していたこと
による。同時に、仮説検証の方法(図表5、6)が科学的リサーチの方法論として定着し
つつあったこと、「態度測定」の基礎がブランド研究にあったことも見逃せない。
企業の意思決定とは問題解決の過程でもある。その最も合理的なプロセスは問題を定義
し、問題解決のための仮説を立て、より合目的性のあるものを選択する。これは仮説検証
のプロセスでもある。そして、それは成熟した需要に対応するためのセグメンテーション
の考え方とも一致していたのである。ここに、科学、意思決定、セグメンテーションの三
位一体図式が完成するのである。
[4]リサーチの現在
1980 年代、コンピュータの普及と多変量解析のソフトの整備によって、三位一体型のリ
サーチは容易に実施できるようになった。しかし、この3項がつぎつぎ脱構築され始めた
のである。
セグメンテーションがゆらぎ始めた。静態的なセグメンテーションに対して、マクロな
消費者変化を「加齢効果」「世代効果」「時代効果」で説明する「コーホート分析」が現れ
た。一方で、
「行き過ぎたセグメンテーション」への反省として、購買決定のトレードオフ
関係に着目した「コンジョイント分析」が提案された。合理的なリサーチに対して「着想
型リサーチ」がマスコミに登場した。グループインタビューなどの質的調査が「日常世界」
と実体験性で、仮説構築ではない独自の位置を主張し始めた。
意思決定もゆらぎ始めた。マーケティング上の意思決定がマーケティングだけのもので
はすまなくなった
29
。製造、物流、技術開発などの企業活動と競争優位をめぐるものに、
さらに世界市場をとらえるものに変化したのである。
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9
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科学もゆらぎ始めた。
R・バーテルズは、アメリカのマーケティングリサーチはリサーチに与えられる課題と
マーケティング概念の変化に従って発展してきた、と分析している
30
。日本でもほぼ同様
のことがいえる。これまでみてきたとおりである。
調査手法の推移は不明であるが、戦後、最大の努力が支払われた訪問面接調査は、その
ウエイトを低下させているのは確実である。量的調査と質的調査の比重は調査機関の統計
では変動がない(図表7)。
図表7.調査手法別売上額構成比
会社数
アドホック調査
訪問調査小計
a. 面接
b. 留置面接
c. 留置
街頭調査
郵送調査
電話調査
観察調査
会場調査
グルイン・デプス
その他のアドホック
58
57
年度
30
30
23
19
18
27
29
13
23
28
17
売上高
(%)
38.4
26.9
5.4
6.1
1.1
3.7
2.4
1.1
5.2
5.7
3.9
会社数
34
34
29
22
27
31
31
15
25
32
19
59
売上高
(%)
38.2
26.1
5.8
6.4
2.0
3.5
2.7
1.6
5.8
5.7
2.3
会社数
30
30
22
20
20
26
27
11
22
27
18
売上高
(%)
38.6
22.3
5.4
10.9
2.2
3.5
3.2
1.0
3.6
5.8
3.6
戦後から歴史通慣的にリサーチに負荷されたのは科学である。科学への憧憬である。「事
実の中立性」への信仰といいかえてもよい。
結局、企業の認知活動は科学という理論負荷の中で動かざるを得なかったのである。日
本の企業は、科学がグローバルな普遍性をもつ分だけグローバル化してきたのである。
3.企業認識論の再構成
(1)再構成の原理
認識装置の効率が低下している。それは企業のもつ認識のパラダイムが現代の世界的規
模のパラダイムのゆらぎと齟齬をきたしているからである。これまでみてきたとおり、そ
のパラダイムは戦前から現在までのリサーチの根本的構造を規定し、日本の産業の競争優
位を創り出してきた科学というパラダイムである。
では、もうひとつのパラダイムに戻れるだろうか。日本固有化である。矢野暢は「アメ
リカやヨーロッパのもつ<ストック文明>の成熟がいわく言いがたい世紀末的退廃である
のに対して、<フロー文明>は、より健康的な成熟を遂げるだろうと思う。そのモデルは、
さしあたって日本しかありえない」「日本は<フロー文明>の論理を輸出可能なパラダイ
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10
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ム・モデルにまで練りあげる必要がある
31
」と可能性は認めているが、過去の蓄積でまか
なえるというものではない。
今西錦司は『自然学の提唱』の中で、つぎのように述べている。
「今日の科学の取りあつかいうる現象というのはいわば氷山の一角ですよ。それにもか
かわらず皆がそれに安心しているんじゃないですか。(略)ところが、わしらは見えんとこ
ろも見えている部分からおして、氷の下にはまだこんなものがあるのやないかというよう
なことを常に考えてやっている。問題はそこのところの違いなんやね。ここで氷山に例え
ているのが自然全体なんです。(略)では氷山全体を論ずる立場というものがどこかにある
であろうかというに、それは現在の科学の方法論からはたとえ逸脱しても、もう一度今日
の科学の母胎ともいうべき自然学に立ちもどる外はないのではないか。自然学とはなにか
そういう全体の統合原理を秘めたもののように考えられないだろうか 32 」
われわれもこの立場に立ちたい。科学を超克するのではなく包括できる統合できる立場
である。
科学は三つの性格をもっている。
「進歩主義」
「蓄積性」
「包括性 33 」である。これに対し
どんな原理をもつべきか。三つの性格が考えられる。ひとつは多様なパラダイムをそのま
ま許容する「多層性」である。そのうえで、多様なパラダイムを選択する「メタ性」が必
要である。積極的な理論負荷を行う性格である。これを企業進化とともに組換えていく「進
化の性質」が必要になってくる。これを多次元原理と仮に呼ぶ。
多次元原理で認識装置とそのソフトウェアを再構成していくためには、
ソフトウェアとしてどんなパラダイムを構想していくか
そのうえで、どんなハードウェアとしての認識装置を再構成していくか
が課題となる。
(2)願望の生態史観の構図
多次元原理で何を構想していくか。願望の生態史観である。満鉄調査部はマルクスの「残
した理論」を認識の根本に置いた。現代はマルクスの「残さなかった理論」に認識の根本
を置く必要がある。それはマーケティングがもつ立場、すなわち願望の立場でもある。
少し言葉の整理をしておく。ここでいう願望は英語では desire、仏語では desir、独語
では bedurfnis と等価である。一般的にこれらの語は欲望と訳されたり、欲求と訳された
りするが日本の固有言語として願望を選択する。
アグネス・ヘラーは、マルクスが「資本論」で使っている基本概念(使用価値、剰余価
値、労働力)について「マルクスは願望の概念を使って定義をおこなっているものの、願
望の概念の定義はしていない(中略)。願望とはそもそも何のことか、彼は一度も書き記し
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ていない 34 」と指摘している。この理由は、へーゲルが「願望の体系 35 」として「市民社
会」を捉えていたことと関連がある。マルクス自身は書き記していない。
P・コトラーは「マーケティングの出発点は、人間のニーズ(needs)と欲求(wants)
である」と述べ、「二ーズとは人間生活上必要なある充足状況が奪われている状態をいう。
欲求とは、そのニーズを満たす(特定の)ものが欲しいという願望である」と定義してい
「マーケティングの出発点」がなぜ無意味なのか。願望を欠
る 36 。ほとんど無意味である。
如と関連づけてしまっているからである。
この欠如のパラダイムはプラトン、フロイトにまで遡行できる。「願望は一次的なもので
欠如に呼応するものではない」
「願望は何かの所産ではなく生産者だと、願望されるものは、
願望されるから不在なのではなく、逆に、願望されるから現実なのだと、つまり願望は直
にそしてもっぱら生存しているという事実に関係しており、それは人間の本質であり、し
たがってその非制限的な実現は人間の十全な実現の件
37
」である。願望を欠如ではなく、
生産として、
「人間の本質」としてとらえることをスピノザ=ドゥルーズ=ガタリ 38 は提案
している。ニーズと欲求と願望を動機と誘因で結びつけて説明を楽しんでなんになる。こ
れは自己反省である。どちらをとるかはメタレベルの判断である。両方に根拠はない。こ
こでは願望を一次的なものとしてとらえておく。その方が人間理解の認識装置が豊饒なも
のとなるからである。
願望を理論負荷言語として選択すると、つぎの四つの次元で多次元原理を満たす理論化
が可能である。すなわち、[1]発生、[2]位相、[3]体系、[4]進化である。
願望は「社会的接触の所産
39
」として発生し、商品・サービスの次元から価値観の次元
までの位相をもち、社会的体系をなして空間的に分散、集中しながら、人間の「通過体験
40
」として進化していく。点の説明にすぎない。また、ミクロな次元では、アメリカで進
められている認知科学を使った構造モデル、情報負荷モデルを使った購買意思決定の研究
をも許容する理論的幅 41 で構想されねばならないことはつけ加えるまでもない。
(3)認識装置の再構成
認識装置の効率をあげるパラダイムを願望と提案した。このパラダイムをもち込むには、
いくつかの革新ですむものとすまないものがある。潜在的な企業パラダイムに移植するに
は、構造的な変革が必要である。「(これまでは)生産が川上であり、消費が川下であると
いう認識であったわけだが、今後ますます個別化するニーズに対応するには、そうした認
(味の素・歌田社長)
識を全く逆転する必要がある 42 」
「資本の論理と人間の論理は、現実社会の問題としては調和できても、原理的に調和で
きないし、また安易に調和させるべきではないだろう。
(中略)考え方のマンネリズムとか、
(西武セゾングループ・
ひとつの伝統的な規範だけによって事務的な処理は許されない 43 」
堤代表)
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目に見える認識の核としてのマーケティングリサーチに移植するにも、構造的な革新と
調整ですむものがある。
構造的には、科学のもとに形成されたインフラストラクチュアーを多次元なものに再編
成していく産業政策が必要である。
願望をとらえていくリサーチにはどんな工夫がいるのか。多次元なパラダイムに立つと
き、「事実は多次元性」をもつということを考える必要がある。村上陽一郎は「ある×が起
こった」という事実の中には、12 の報告文の可能性とその組み合わせの可能性をもつとし
ている。事実のもつ時空的広がりである。この中から事実は選択されるのである。「みえる
44
」とは事実のもつ多次元性がよく保存されているということである。
「みえる」リサーチ
にはいくつかの工夫がいる(図表8)。
図表8.「ある×が起こった」という事実の時空的広がり
a. 起こったこと
d. 起こらなかったこと
g. 起こったらしいこと
j. 起こらなかったらしいこと
b. 起こっていること
e. 起こっていないこと
h. 起こっているらしいこと
k. 起こっていないらしいこと c. これから起こること
f. これからも起こるはずのないこと
i. これから起こるらしいこと
l. これからも起こらないらしいこと
[1]近似性の原理と有効性の原理 45
サンプリングの理論は、母集団の近似性を求めている。それに対して、有効性の原理は
内容の構造をさぐるものである。重層的なサンプリング設計を行うことによって、サンプ
ルを立体化する工夫である。
[2]固有名詞の分析とマクロ分析
分析は統計量が使われる。統計量はそれ自体では、
「事実の多次元性」を示してくれない。
固有名詞のサンプルの集合が統計量であるからである。マクロな事実は固有名詞のサンプ
ル、いわばミクロの分析によって事実の豊かさを示す。
多変量解析でも同様である。もうひとつ、多変量解析はハードウェアによる分析である
が、それよりも人間の論理、推論の代替と考える必要がある。その意味で分析者の論理と
出力が一致するまで「トライ&エラー」を続ける必要がある。机上の多変量解析は最も貧
しい事実しか引き出せない。
[3]需要の現在への接近
POS、VANからは、願望には近づけない。なぜなら、まさに時点情報だけだからで
ある。ただ、無限に需要の現在へ接近できる。
テストマーケティングの代替として、あるいは売場で、モデルを使った意思決定の支援
ツールが開発されてきた
46
。モデルの有効性は計量経済学が実証ずみである。モデルによ
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るサポートの質は、データベースの大きさと使用変数の数で決まる。つまり、コンピュー
タの容量で決まる。投資の大きさが需要の現在への接近と業務的意思決定の代替によって
生み出される価値に対してペイするとき、業界の競争優位となる。
[4]日常性と分析 47
質的調査はどれも未完成である。科学的になろうとしてみたり、精神分析的な要素を取
り入れたり、独自性はあるが、現在のよさは現場体験性とコストである。
質的調査を「事実の多次元性」
「願望」を捉える量的調査以上に完成度をあげるためには、
日常性の論理を構成することと日常言語の分析方法を確立することである。
発言内容の定義と分類だけでなく、もっと動的な分析が必要である。ここに記号論の本
来の可能 48 とAIの支援が必要になる。
簡単に整理してみた。「多次元な事実」とそれを伝達する「論理構造」が完結するよう、
リサーチが工夫されるべきだという提案である。多次元なパラダイムの承認、願望を理論
負荷することの意味は、マーケティングの進化を必然化する、と同時に、マーケティング
リサーチの役割は、認識のパラダイムからみれば、企業の環境の見方、それに基づく、自
己規定(ドメイン)と自己進化のための情報を選択することに異次元化していくことにな
る。
[初出 1987.06「創 21」 日本マーケティング研究所]
【附注】
1 M・E・ポーター/土岐他訳『競争優位の戦略』ダイヤモンド社
2 BUZZEL, "Marketing in an Electronic Age", HBS PRESS
3 E・ヤンツ/芹沢他訳『自己組織化する宇宙』工作舎
4 デカルト『方法序説』岩波文庫
5 M・メルロポンティ『知覚の現象学』みすず書房
6 T・クーン/中山茂訳『科学革命の構造』みすず書房
7 N・R・ハンソン/渡辺他訳『知覚の発見』上下、紀伊国屋書店
8 M・E・ポーター、前掲書
9 M・E・ポーター、前掲書
10 榊原清則「組織の環境認識の構造」
『組織科学』Vol.20,No.2,1986
11 矢野暢『国家感覚』中央公論社
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12 G・ベイトソン/佐藤訳『精神と自然』思索社
13 R・バーテルズ/山中豊国訳『マーケティング理論の発展』ミネルヴァ書房
14 三浦一『マーケティング調査』ダイヤモンド社
15 福武直『社会調査』岩波全書
16 草柳大蔵『実録満鉄調査部』上下、朝日文庫
17 草柳大蔵『実録満鉄調査部』上下、朝日文庫
18 草柳大蔵『実録満鉄調査部』上下、朝日文庫
19 野々村一雄『回想満鉄調査部』勁草書房
20 野々村一雄『回想満鉄調査部』勁草書房
21 前掲(16∼18)草柳大蔵
22 前掲(16∼18)草柳大蔵
23 原覺夫『満鉄調査部とアジア』世界書院
24 林知己夫「新時代への調査法」『マーケティング・リサーチャー』1985
No.35 冬
季号
25 林知己夫「新時代への調査法」『マーケティング・リサーチャー』1985
No.35 冬
季号
26 林知己夫「新時代への調査法」『マーケティング・リサーチャー』1985
No.35 冬
季号
27 ステファン・フォックス/小川彰訳『ミラーメーカーズ改革の時代』講談社
28 (社)日本マーケティングリサーチ協会『市場調査の沿革と現状』同上協会設立記念誌
29 水口健次『固有名詞のマーケティング』蒼林社
30 R・バーテルズ
前掲書
31 矢野暢『国家感覚』中央公論社
32 今西錦司『自然学の提唱』講談社学術文庫
33 村上陽一郎『新しい科学論』講談社
34 アグネス・ヘラー/良知他訳『マルクスの欲求理論』法政大学出版局
35 ヘーゲル/藤野他訳『法の哲学』中央公論社世界の名著 35
36 フィリップ・コトラー/小坂他訳『マーケティング・マネジメント』プレジデント社
37 グリゾニ「欲望の系譜学」現代思想特集「ドゥルーズ=ガタリ」所収
38 D・ドゥルーズ=F・ガタリ『アンチ・オイディプス』河出書房
39 マルクス『経済学批判要綱』大月書店
40 水口 前掲著
41 Hauser,
前掲
Buzzel 編著
42 味の素株式会社、歌田社長発言
43 堤清二『変革の透視図』トレヴィル
44 村上陽一郎『動的世界像としての科学』新曜杜
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45 見田宗介『現代社会の社会意識』弘文堂
46 Urban, G. L. and Hauser, J. R. "Design and Marketing of New Products" Prentice
Hall, Inc.
47 Bobby J・Calder "Focus Groups and Nature of Qualitative Marketing Research Journal
of Marketing Research Vol.XIV (August,1977)
48 サピア=ウォーフ『文化人類学と言語』弘文社
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