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戦略実行の考え方
経済産業省サービス産業人材育成事業
平成 18 年度事業者公募資料
医療経営人材育成テキスト[Ver. 1.0](中間案)
-7-
戦略実行の考え方
医療経営人材育成事業ワーキンググループ作成
テキスト全体構成
【第1部】
【第1部】Ⅰ. 日本の医療の現状と本事業の狙いを
大所高所の視点から総括する
Ⅰ. 序章
Ⅱ. 医療経営に携わ る人材育成の
あり方について
【第1部】Ⅱ.1 医療機関経営の実情に照らした現実
的課題と、短期・中期的将来の考え方の例を示す
1. 医療サービスの課題 と将来像の観 点から
【第1部】Ⅱ.2 医療サービス及び医療機関経営にみ
られる特性を考慮した経営者に求められる知識・技
能・姿勢等を示す
2. 医 療経営人材のスキル要件について
【第2部】 医療経営を 学ぶにあたって
【第2部】Ⅰ. 後段の講義内容を理解するために必
要な基本的知識・思考法等を示す
Ⅰ.医療 経営概論
【第3部】A 経営戦略策定に関わる基本的理論と実
践的知識、ならびに実際の経営環境への応用を促す
事例を示す
【第3部】 経営戦略の構築
Ⅰ.経 営戦略
A
Ⅱ. マーケティング
Ⅲ. 技術戦略
【第3部】B 日本の医療サービスを取り巻く法制度
環境を、過去の経緯を踏まえた現状を示し、将来環境
の観察眼を養う
Ⅳ. 制度・政策
B
【第4部】 経営戦略の実行
Ⅰ. 戦略実行 の考え方
Ⅱ.組織管 理
【第4部】A 構築した戦略を実行するための方法、お
よび実行後の評価についての理解を促すとともに、以
下の6機能の紹介へとつなげる
B
【第5部】B 経営戦略を実行するための経営管理機
能について、基本的理論と経営的立場における実践
的知識、ならびに実際の経営環境への応用を促す事
例を示す
Ⅲ.人 材管理
Ⅳ .オペレーション 管理
Ⅴ.会計管 理
Ⅵ. 資金管理
Ⅶ. リスク管理
終章
1
A
C
【第5部】C 経営戦略の実行における不確実性への
対処について、基本的理論と経営的立場における実
践的知識、ならびに実際の経営環境への応用を促す
事例を示す
目
次
第 1 章 戦略実行の考え方.....................................................................................................3
第 1 項 実行とコントロール..............................................................................................3
1. 戦略的マネジメント・コントロール..........................................................................3
1) 戦略実行の難しさ ...................................................................................................3
2) マネジメント・コントロール・システム ...............................................................3
3)目標管理....................................................................................................................4
2. 経営計画の考え方 .......................................................................................................5
1) 経営計画とは...........................................................................................................5
2)経営計画に求められるメッセージ性 ......................................................................6
3)経営計画の種類と構造 ............................................................................................6
3. 経営の評価について ...................................................................................................7
1) 良い経営とは...........................................................................................................7
2) 経営品質を考える取り組み.....................................................................................8
第 2 項 戦略実行にあたって............................................................................................10
1. 計画立案のツールとしての BSC(バランスト・スコアカード) .............................10
1) BSC の基本的考え方 ...............................................................................................10
2) BSC の機能 .............................................................................................................11
● 医療機関における BSC の活用 ...........................................................................12
2.
BSC の導入...............................................................................................................13
1) BSC の 4 つの視点................................................................................................13
2) BSC(バランスド・スコアカード)の作成.......................................................................14
● 戦略マップの作成................................................................................................14
● スコアカードの作成..............................................................................................15
3. 計画立案の実際.........................................................................................................17
1) 中期経営計画と単年度行動計画の関係..................................................................17
2) 中期経営計画のキーワードと初年度行動計画の成果と課題....................................18
3) 環境分析と行動計画の全体像 ................................................................................18
4) 行動計画の詳細説明..............................................................................................18
5) 行動計画と評価指標...............................................................................................18
参考文献 ................................................................................................................................19
2
第1章
第1項
戦略実行の考え方
実行とコントロール
1. 戦略的マネジメント・コントロール
1) 戦略実行の難しさ
戦略は、立案することよりも実行することのほうが重要であるとともに、その難しさも
増す。経営戦略においては、有言実行以外に正解はない。しっかりとした戦略を立案し、
それを組織の内外に宣言し、そして実行する。
なぜ宣言が重要かと言えば、経営者から見て、戦略は実行するものではなく、実行させ
るものですらなく、「実行される」ものであるべきだからだ。ここに、戦略実行の難しさが
ある。人(従業員)によって、戦略は実行される。経営者は、組織や人をそう仕向けなけれ
ばいけない。業務プロセスの改善や報酬制度などは、組織や人を戦略実行に仕向けるため
の、いわばツールなのだ。だからこそ、多くの従業員にとって納得感が高く、自分の手を
離れて独り歩きしても、その実効性が損なわれることのない戦略を立案しなければいけな
い。それだけメッセージ性の高い戦略を作らなければいけないことになる。
戦略がきちんと実行されないのは、およそ以下のような理由によると考えられる。
①経営戦略が実態に即していないか、そもそも無理がある
②戦略が指し示す方向に、組織の納得感がない。あるいは全体に『経営の意志』が行き渡
っていない
③目標達成のための打ち手が漠然としていて、明確になっていない
④戦略を実行する体制、旗振り役となる実行責任者が明確でない
だからと言って、組織の構成員が、決められたことをただ無自覚に遂行するような戦術
の練り込み方は避けるべきだ。従業員個々人の創意工夫の余地を残し、それらをもってよ
りよく完成する、そうした一体感を醸成する戦略実行のスタイルが望ましい。そのため、
戦略の実行においては、実行のプロセス以前に目的の共有、目標に対する共鳴が何よりも
重要になる。それさえできれば、後は標準行動計画といったガイドラインで足りるとすら
いえる。
2) マネジメント・コントロール・システム
コントロールや管理、あるいは(内部)統制などという言葉を使うと、日本人にとって
は非常に強い、締め付けるようなイメージがある。詳細は『組織管理』で説明するが、こ
れらの言葉の意味するところは、組織の構成員に無理やり何かをさせるというものではな
3
く、「見えざる手」として、組織の構成員が伸び伸びと、しかし戦略目標に向かって全体最
適を守りながら歩んでいくことを手助けするシステムなのだ。
旧来、マネジメント・コントロールとは、「組織目標の達成のために、資源を効果的かつ
能率的に取得・利用することを経営者が確保するプロセス」のことをいうとされた。たと
えば、予算管理などが典型的な例ということになる。これに比べ、「特定の課業が効率的か
つ能率的に遂行されることを確保するプロセス」のことをオペレーショナル・コントロー
ルという。生産管理や在庫管理などが当たる。またこれらは、経営戦略を基礎とし、戦略
的計画を前提としたうえで実施される1。
ここで問題となるのは、こうしたマネジメント・コントロールなどが経営トップの意思
どおりに実行され、現場のマネジャーや職員などは、ただそれを盲目的に受け入れるとす
るならば、それは決して戦略的とはいえないということである。実際には経営トップでは
なく、一般の企業でいえば経営企画室などスタッフ部門がその作成、実行に関与すると思
われるが、いずれにしても、それは相乗効果をともなわない強者の方法論ということにな
る。マネジメント・コントロール・システムが戦略的と言えるためには、計画の策定と実
行に、管理者層の各階層、および実際に行動を起こすことが期待される従業員がそれ相応
の役割において関与し、そこに相乗効果をもたらすことが必要となる。
いずれにしても、マネジメント・コントロール・システムとは、オペレーショナル・コ
ントロールの側面も含め、戦略を実行に結びつけるための仕組みであると位置づけられる。
3)目標管理
マネジメント・コントロール・システムを実効化するための基本となっている考えが目
標管理(MBO; Management by Objectives)である。
経営管理の手法には、大きく方針管理、目標管理の 2 つがある。
方針管理は、組織の方針を PDCA サイクルで展開していく方法論だ。計画(Plan)で方針・
方策を策定して、実行(Do)で実際に実行し、チェック(Check)で実行状況を評価し、改
善(Action)で修正する。
これに対して目標管理は、1 年や半年といった一定期間で、組織構成員個人が達成する目
標を設定し、そのための実行計画を立てて管理する方法である。マネジメントはミッショ
ンを実現するためのビジョンを描き、ビジョンを実行するための戦略で、組織として具体
的に何を行うかといった達成目標を設定する。その際、目標が達成されたかを客観的に判
断するために、成果を測定する尺度を想定した上で、目標値を設定する(図表 1)。組織構
成員個人は、この組織目標を達成するために、各人が何を行うかという達成目標を設定す
る。
[引用]『BSC による経営戦略の実行と評価』櫻井通晴著(UNISYS TECHNOLOGY REVIEW 第 82
号)。アンソニーの理論体系の説明。
1
4
問題は、個人の達成目標は現場と人事部で作成・管理されるが、組織の達成目標は一般
的に経営企画課などで作成されるために、両者がリンクしていない場合があるという点だ。
そうなると、個人目標を検討し、決定する際に、組織全体の目標やビジョンがほとんど関
連付けられないことになる。これでは戦略を実行し、ビジョンを達成することは不可能と
いえる。
そこで、組織の目標と個人の目標をリンクさせ、共通の基準で目標値を設定するための
工夫が必要となる。そのためのツールとして脚光を浴びているのが BSC(バランスト・スコ
アカード)2だ。これについては第 2 項で詳しく説明する。
図表 1 目的手段関係
戦略目標
達成すべき事柄
出典
成果指標
戦略目標の達成
を測定するため
の尺度
目標値
相当の努力によ
らなければ達成
不能な値
実施項目
目標値達成のた
めの具体的施策
高橋淑郎『医療経営のバランスト・スコアカード』を基に一部改変
2. 経営計画の考え方
1) 経営計画とは
一般的に企業など組織が目標管理を行う際には経営計画を策定する。経営計画は、ビジ
ョンと、さらにビジョンを達成するための戦略をベースに設定される中長期計画が基本と
なる。3 年程度の中長期計画を基に、年間の事業計画、さらに四半期の事業計画(=短期計
画)、予算などが編成される。
経営計画の策定方法には、2 つの方法論がある。
1つは、各部門の事業計画を策定し、それらを評価しながら全組織的な経営課題や重点
施策を整理し、中長期経営計画としてまとめあげる方法。もう1つは、ビジョンを達成す
るための戦略から中長期経営計画を策定し、それを年度ごとにブレークダウンし、そこか
ら各事業部門における事業計画を検討していく方法である。
前者は、従来の戦略を変更せずに、現場の計画を積み上げていく方法で、市場の変化の
少ない定常期に適している。この場合の経営計画は、その大部分が予算計画であり、前年
2
ハーバード大学経営大学院のロバート・キャプラン教授とコンサルタントのデビッ
ド・ノートン氏により開発された経営管理(業績評価)手法。1992 年、ハーバード・ビジネ
ス・レビューで発表された。
5
比で何%売上や利益を増加させるために、何をするかということに経営計画は終始しがち
だ。
これに比べて後者は、市場の変化の激しい変革期の方法論であるといえる。従来の戦略
を修正し、全組織的にどのような分野、部門、機能に経営資源を重点配分するかを決める。
そうした方針にのっとり、中長期経営計画を立案し、それに沿って、各部門の事業計画を
現状の状況を勘案しながら策定していくことになる。
2)経営計画に求められるメッセージ性
経営計画、なかでも中長期経営計画には、その内容もさることながら、経営者の意志を
組織の内外に明確に伝えるという役割や効果が期待される。たとえ売上目標や利益目標、
さまざまな経営指標の数値が大テーマとなっているとしても、「そのためにどうすべきか」
という点が明確に語られている必要がある。
経営計画を策定する際は、計画の策定に参加したメンバーがまず、そうしたテーマや重
点項目を共有する必要がある。策定プロセスにおいて組織の方向性や戦略を理解し、計画
の重要性を認識することによって、その達成に意欲的に取り組むことができるようになる
からだ。特に、経営計画実行の直接的な責任者となるミドル・マネジメントの意識改革と
参加は、目標達成には欠かせない。
そして、経営戦略を誰にでもわかる言葉に落とし込んでいくことが必要になる。そうす
ることで、現場スタッフ(職員)の日常的な業務遂行が、組織全体の目標達成にいかに貢献す
るかが明確になる。経営計画には数値目標が重要であるが、数値目標には万民に通じるメ
ッセージ性はない。そのため、経営計画ではわかりやすい言葉で方針やその理由を語るこ
とも欠かせない。
3)経営計画の種類と構造
一般的に、経営計画のうち長期計画は 5 年∼10 年、中期計画は 3 年∼5 年、短期計画
は 6 カ月∼1 年に渡る期間における計画を示すことが多い。もっとも、これは業種にもよ
り、IT 業界などでは 1 年を長期、3 カ月から半年を中期、1 カ月を短期という場合もあるほ
どで、業種業態だけでなく、自院の状況によって選べばいい。
長期計画は、ほぼビジョンの策定と同義となる。一般的には長期計画と中期計画を分け
るのではなく、ビジョンと中期計画とに分け、この場合の中期計画を中長期計画と呼ぶこ
とが多い。
中長期経営計画には、以下のような 2 つの側面がある。
1 つは、現状の経営資源や事業構造の分析をベースに、予想される環境変化に対応すべく、
今後数年をかけて、どのような改善、あるいは改革を志向するかを示す。
6
もう 1 つは、到達すべき経営ビジョンに対して、現在の経営資源や事業構造をどう変え
ていくかを示す。
また、中期経営計画の場合には、期が終わるごとに次の期の計画をスタートさせるとい
う繰り返しを行うケースと、計画途中においても、たとえば 1 年ごとに計画の見直しや修
正を行い、新しい計画として採用していくケースとがある。環境変化が著しく、意思決定
のスピードが求められるようになって、後者のスタイルを採用する例が増えている。
単年度経営計画のような短期計画は、①中長期計画を単年度ごとに分解し、今年度に実
行するものと、②中長期計画には含まれていない内容とで構成される。部門別、さらには、
月次、四半期、半期など、細かな単位に分解し、より具体的な目標とその達成のための施
策や活動方針を含む。
経営計画における目標の設定には、定量目標と定性目標との 2 つが考えられる。定量目
標は、そもそも各項目について数値で到達すべき目標を示すものであるが、定性目標は言
葉によって表される。たとえば、「●●の方向で地域連携を強化する」とか、「●●の観点
において患者満足をさらに追求する」などである。しかし、これだけでは単なるスローガ
ンになってしまう。達成状況を客観的に把握する観点からも、できるだけ数値目標に置き
換える工夫をすることが必要になる。
この数値目標は成果指標をベースに設定される。成果指標とは、戦略の目標となる業績
を最も端的に著す数値のことだ。成果指標の例としては売上、利益、人数、短縮された時
間、回転率などが挙げられ、状況によってさまざまなものが使われる。戦略を練る段階で、
何をもって、その成果となすかを明確にしておく必要があるということだ。これが明確に
なっていれば、その指標をチェックするだけで、成果の度合いが明確になる。この成果指
標は KPI(Key Performance Indicator)と呼ばれることが多い。
いずれにしても、戦略はその計画段階から、レビューのための仕組みを組み込むことが
求められる。それは、
「1 カ月に 1 回、評価会議を持つ」といった会議体の設計でもいいし、
レポートという方法でもいい。
3. 経営の評価について
1) 良い経営とは
医療機関の経営者が自院のミッションを追求する中でしばしば直面する問いに、
「医療機
関は何をもってその良し悪しを測られるべきか」というものがあるのではないだろうか。
「良い医療とは」「良い医療者とは」と同様に、
「良い医療機関とは」「良い経営者とは」と
いう命題は永遠のテーマだと思われる。
製品やサービスに品質があるように、経営にも品質というものがある。一般企業において
7
も、良い企業、良い経営とは何かが長年、論議され、時代とともに、エクセレント・カン
パニー3、ビジョナリー・カンパニー4と、その理想像は変わってきた。
今、盛んに言われているのが CSR(企業の社会責任)である。嶋口充輝が主張するビュー
ティフル・カンパニーの条件は、①徹底した顧客主義、②社会責任、③信頼、④革新の 4
つであるという。顧客民主主義といってもいいほどの顧客主義、社会に対する貢献、ステ
ークホルダーからの信頼、そして、その上で自らの成長を促す絶えざる革新。この 4 つの
条件を満たす経営こそが、「良い経営」
、すなわち、「経営品質の高い経営」なのだという。
市場シェアや競争優位性などだけでは、企業の良さ、経営品質は語れないというのが、
近年の変わらぬ主張であるといえる。
2) 経営品質を考える取り組み
米国に、マルコム・ボルドリッジ賞(国家経営品質賞)という賞がある。これは、1980
年代前半に経済活動が大幅に落ち込んだ際、その原因究明を行い、マネジメント・スタイ
ルの革新を行った経験から生まれた賞だ。その革新を受けて、米国の企業経営は徹底的に
顧客志向を貫き、経営品質を高める経営を行うようになった。それが間違った方向でなか
ったことは、その後、米国の経済活動が奇跡的に回復したという事実でわかる。
この賞の基準には、日本式の経営の長所も織り込まれているという。また、この賞で重
視されるのは、顧客志向に則り、経営品質を改善するだけでなく、その実施度合いを客観
的に評価し、改善点を発見するマネジメント・システムを有していることだ。
1994 年には、当時、社会問題ともなっていた病院や学校経営においても、マルコム・ボ
ルドリッジ賞の対象とすべくパイロットプランがスタートした。翌年には、46 の医療機関
と 19 の学校が審査に応募している。その後、この賞は、世界的なデファクト・スタンダー
ド5として定着した。
1996 年、
(財)社会経済生産性本部が、この賞を範として日本経営品質賞をスタートさせ
た。日本経営品質賞はその後改善され、米国と日本の環境や文化の違い、また米国企業と
日本企業の違いに配慮し、日本独自の賞として充実化されていった。
これらの賞が経営品質をみるときに重視するのが経営哲学と価値観だ。本書で展開して
いるビジョンに相当するものといえる。特に重視するのが次の 4 点である6。
・経営幹部のリーダーシップによる顧客志向のクオリティ計画
・積極的な従業員の経営参画
3
4
5
6
[引用]トム・ピーターズ、1983 年
[引用]ジェームズ・C・コリンズ、1995 年
事実上の標準、de facto standard
マルコム・ボルドリッジ賞による
8
・プロセスの把握
・直感や感情によらない「事実」による経営
つまり、顧客にとっての価値(品質)を、全社的に展開する。経営者のリーダーシップ
はもちろん重要だが、そうした経営に従業員も参加することが望ましく、どんぶり勘定、
感覚的な経営をやめて、データを重視、科学的な経営をすることを求めているのだ。
また、従来の機能別(部門別)の業務プロセスを安易に踏襲するのではなく、部門横断
的に仕事の流れをつかむことも重要だ。効率だけを追い求めるのではなく、いかに効果的
な経営をするかを重視しているのだ。なぜならば、その効果こそが、顧客にとっての付加
価値を高めるのである。
プロセスを把握することには、もう1つの意味もある。結果だけを重視するのではなく、
そのプロセスにも目を向けることが必要という意味だ。正しいプロセスから結果を導くこ
とが重要であるからだ。
さらに、「企業が自らの優秀性を発揮していく場面と方法」を、全体像として評価しよう
ともしている。組織が最も力を入れているプロセスはどこかを明確にし、そのプロセスを
中心に組織全体がどのように連携しているかを追求するとともに、自分たちの弱みを発見
していることも評価する。
注目したいのは、このプロセスの評価には財務を考慮しないようにしていることだ。そ
のため、マルコム・ボルドリッジ賞では、効果的なマーケティングや革新的な R&D などは
評価対象に含まれていない。ただし、日本経営品質賞ではこれらを評価のメインの対象と
している。これは日本企業には、業務改善よりも戦略的思考、戦略プロセスの革新が重要
との判断によるものである。また、革新のための風土づくり、創造性発揮のための環境づ
くりなども評価している。
このように、財務計画を主な評価対象としていない点は非常に画期的といえる。従来の
経営診断や経営分析では、財務分析が中心課題だったからだ。これに対して、組織が独自
の価値観を創造し、顧客に提供しているプロセスが重要だと考えているのだ。
経営を評価することは、もとより難しい。しかし、何らかの評価は、たとえそれが完全
なものではないとしても、外部からの信頼、職員のモチベーションを高める効果を有する。
「良い医療機関とはどのようなものなのか」という命題には、常に真摯に向き合わなけ
ればならない。営利企業であっても、財務的業績に偏らない経営品質の評価が模索されて
いる。医療機関においてはさらに、社会に対する貢献などの非財務面を重視し、そのため
の戦略を練る必要があるといえる。
9
第2項
戦略実行にあたって
1. 計画立案のツールとしての BSC(バランスト・スコアカード)
1) BSC の基本的考え方
第 1 項で、BSC(バランスト・スコアカード)が、戦略的マネジメント・コントロールのツ
ールとして有用だと述べた。BSC は、計画の実行を、結果だけではなく、その実行プロセス
に着目し、バリューチェーンとして組織をコントロールすることを目的としており、「戦略
を明確化する」、「従業員とのコミュニケーションを促進する」、「目標の共有を促す」など
の効果があるといわれている。
図表 2 に見るように、ビジョンと戦略を真ん中に位置づけ、「財務の視点」「顧客の視点」
「プロセス(内部ビジネス)の視点」
「学習と成長の視点」という 4 つの視点と、数値化さ
れた評価指標を組み合わせ、相互の視点間の連携やバランス――基本的に各視点はトレー
ド・オフの関係にあることが多い――を考慮しつつ、設定された目標に対する成果を達成
率として評価し、その結果によって次の行動を選択するというのが BSC の基本的な考え方
である。
図表 2 バランスド・スコアカードの 4 つの視点
財務の
視点
顧客
顧客の
運営
視点
ビ ジョン
プロセスの
学
習
視点
戦略
学習と
成長の
財務
視点
出典
ミッ ション
KPMG ヘルスケアジャパン
これは、ビジョンや戦略がうまく実行されているかどうかを測るには、財務的な数値だ
10
けを見ていてはだめだという考えに基づいている。そのビジョンや戦略を達成するために
は、顧客価値という意味では具体的に何をすべきなのか。あるいは従業員教育という意味
では何を重点的に教える必要があるのか。業務手順はどう改革されるべきなのか。そうし
た物差も重要になる。
2) BSC の機能
戦略を実行した結果、その成果を、財務的な数値だけでなく、こうした 4 つの視点から
見て、それぞれバランスが取れた状態で推移しているか、改革、あるいは改善されている
かを判断する。たとえ財務的には良い結果が出ていたとしても、どこかに歪みが発生して
いるようでは、その戦略は必ずしも成功とはいえない。長期的に見れば、破綻する可能性
が高いからだ。
そのため、経営者が経営計画を立てる際には、ビジョンと戦略を意識しつつ、品質や効
率など業績側面のバランス、財務指標と非財務指標のバランス、長期と短期のバランスな
どを勘案する必要がある。その結果、戦略遂行のための計画をプランニングするだけでな
く、PDCA サイクルを回し、戦略の実行を監視しながら、必要に応じて修正をかけていくこ
とも可能になる。
立案した経営計画や戦略が、何の問題もなく実行され目標を達成するということは、残
念ながらあまり例を見ない。戦略は、立案から実行、評価・検証、修正(改善)というマネ
ジメントサイクルを繰り返して、はじめて目標に到達できるものである。
BSC には、また、ビジョンや戦略目標を組織全体に伝えていくメッセージ機能がある。図
表 3 に見るように、組織全体のスコアカードから、各部門のスコアカード、各チーム(科
など)のスコアカード、そして従業員一人一人のスコアカードへと、スコアカードを落と
しこんでいくことで、各階層のベクトルを合わせることができるわけである。こうして、
各層における行動基準を示していく。
BSC のこの機能は、人事制度における目標管理制度(MBO)と非常に相性がいい。なぜな
らば、経営者は組織全体のスコアカードから、部門長は部門のスコアカードから、指標と
目標値を選び、MBO における目標としていく。職員個々人は、自分が属するチームのスコア
カードから、それぞれに求められている役割機能に基づいて、自分の目標とその達成度を
測る指標を選べばいいことになる。
BSC を活用することで、ビジョンから組織の構成員一人一人の達成目標までを有機的に結
びつけることができる。さらに、個々人の目標達成度が定量化されるために、評価の曖昧
さもなくなる。しかも BSC は、財務指標よりも非財務指標を重視する傾向にあるため、特
に医療機関の職員の動機付けとしてもわかりやすい。
前述した 4 つの視点から戦略や経営計画に適した個人や部門ごとの個別の実施項目/数
11
値目標/主要業績評価指標(KPI)を設定し、PDCA によってこれらをモニタリングすること
で、社内のプロセス改善や各個人のスキルアップを促すことが可能になるのである。
4 つの視点ごとにバランスよく評価指標を設定し、誰でもわかりやすいスコアカードのか
たちで表示することで、高い有効性や信頼性の期待できる部門別、あるいは個人目標の管
理が可能になるわけだ。
図表 3 バランスド・スコアカードの組織への展開
経営本部/執行
経営本部/執行
部
部
事業体レベル
•
ビジョン
•
経営目標
•
経営方針
•
主要成功要因
•
業績評価指標
•
部門目標
•
部門戦略
•
主要成功要因
•
業績評価指標
•
チーム目標
•
業績評価指標
•
個人目標
•
業績評価指標
経営企画スタッ
経営企画スタッ
フ
フ
部門レベル
部門
部門
部門
部門
課/科レベル
課/科
課/科
課/科
課/科
課/科
課/科
課/科
課/科
個人レベル
出典
松永達也
従業員
『図解
従業員
バランス・スコアカード第 2 版』を基に一部改変
● 医療機関における BSC の活用
ビジネス環境の変化が激しければ激しいほど、ビジョンや戦略を組織の構成員全員が理
解し、自らの頭で考え行動するスタイルを組織に定着することが求められるようになる。
従業員一人一人の主体性が重要になるという意味である。全体最適のなかで、自分の役割
と優先順位をしっかりと把握し、確実に実行していくことが必要だ。
BSC では、財務指標だけでなく、非財務指標を重視すると前述した。それらは、たとえば
医療の質であり、経営の質であり、顧客(患者)満足や職員満足であり、コミュニケーショ
ンや地域貢献、職員教育などである。こうした非財務的要因を改善し、向上させることで、
結果として財務状況を改善することが望ましい姿であるといえる。
たとえば、医療機関経営における財務的成果と、社会貢献・地域貢献的な成果、それを
12
生み出す業務プロセスの関係をバランスよくコントロールすることも可能になる。
従来、無形資産や非財務指標、あるいはプロセスの重要性は説かれてきたが、実行に移
すことは簡単ではなかった。BSC は、本来目に見えないこれらを可視化しながらバランスを
とっていく手法であるため、有力なマネジメントツールとすることができる。
また、非財務的指標を重視しているということは、言い換えれば、経営資産のうち、無
形資産を有機的に結合して扱うことができるということでもある。ただし、非財務データ
を評価する際は、客観的な成果指標を定め、成果を可視化して目標の達成度を評価するこ
とが重要となる。
BSC ではまた、4 つの視点ごとに、実施項目、数値目標、成果指標などが明示されるため、
戦略を従業員の誰にもわかる言葉で示すことができる。ビジョンに向かってベクトルを合
わせ、専門職同士のコミュニケーションを図るという点においても、BSC は活用できるわけ
である。BSC を活用することによって、「医師を含む現場の人々に分かりやすく現場の言葉
で戦略を伝える」ことで、「行動の指針としてのビジョンと戦略が自分のものとして行動に
活きてくる」ことが期待できる7。
2.
BSC の導入
1) BSC の 4 つの視点
BSC の 4 つの視点について、簡単に説明を加えよう。
◆財務の視点
一般的に、売上成長率、経常利益率、営業利益率、売上利益率、キャッシュフロー、EVA
(経済付加価値)などが指標として取り上げられる。戦略の実行が、病院の利益増など
財務状況にどれだけ貢献したかを表す。
◆顧客の視点
医療機関における顧客には、患者本人を中心に、患者の家族、また地域社会などが含ま
れる。違う視点からいえば、病診連携における診療所(地域の開業医)も顧客と言うこと
ができる。ビジョン、あるいは戦略の目標を達成するためには、こうした顧客に何を示
すべきかを考える。成果の指標としては、顧客満足度、新患獲得数、リピート率、入院
患者一人当たりの収益、外来患者数に占める紹介患者比率、顧客ロイヤルティー(顧客紹
介数)、顧客維持率などがある。
7
[引用] 高橋淑郎『医療経営のバランスト・スコアカード』生産性出版
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◆プロセス(内部ビジネス)の視点
業務プロセスの改善と言ってもいい。ビジョン、あるいは戦略の目標を達成するために
は、どのように業務のプロセスを改善すべきかを考える。あるいは顧客満足を達成する、
学習と成長の成果を高めるために、どのように業務プロセスを改善すべきかという視点
から、これらを有機的にリンクさせることも重要だ。キーワードとしては、「技術の優位
性」「サービスの優位性」の向上ということになる。
自院の強みは、競合との比較における競争優位性としてみなければ意味がない。また、
業務改善とは言っても、既存の業務プロセスの改善のみならず、必要に応じて、新たな
プロセスの創造も包含する必要がある。成果の指標としては、コスト削減率、医療事故
件数、患者一人当たりの原価、医師一人当たりの収益、待ち時間の短縮などが挙げられ
る。定性的なデータをいかに定量化し、可視化するかがポイントとなる。
◆学習と成長の視点
これは個人の学習と成長だけでなく、組織の学習と成長をも包含する。暗黙知の形式知
化、組織知化という観点も含まれる。前述のとおり、将来を見据えた長期的な視点とい
うことになる。方策としては、研修制度などによる人材育成、学習と成長に必要な IT シ
ステムなどのインフラ整備が基本になる。前提となる目標は、
「顧客にとっての付加価値
の間断なき創造」である。技術の向上、サービスの向上、さらにリーダーシップ力、モ
チベーション、問題発見と問題解決の視点などが重要だ。指標としては、定着率、職員
満足度、能力向上率、教育訓練回数、資格取得率、改革提案数などが考えられる。
2) BSC(バランスド・スコアカード)の作成
● 戦略マップの作成
成果指標を策定する際には、4 つの視点それぞれの戦略目標間の因果関係を図示すること
が有用だ。BSC ではこれを戦略マップと呼んでいる(図表 4)。
①まず、長期ビジョンと、そのビジョンを具現化するための戦略を定義する。
②次に、戦略を遂行するための主要成功要因を選び出す。戦略が成功した姿を思い浮かべ、
そのための必要十分条件を考えるのである。これを考える際には、バリューチェーンに
添って検討することが効果的だ。ところで、この主要成功要因だが、一般的に顧客管理
の側面と業務プロセスの効率化および改善に大別される。これがすなわち、
「顧客の視点」
と「業務プロセスの視点」ということになる。
さらに言えば、顧客(患者)満足と財務的な成功を、自院ではどのように定義するか。そ
れらを達成するために整備すべき業務プロセスはどのようなものか。また、その前提と
なる「学習と成長の視点」とはいかなるものかを有機的にリンクさせて考えることにな
る。
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図表 4 戦略マップの例
財務の視点
患者増による
患者増による
使用資本利用率
使用資本利用率
収益増
収益増
口コミ
戦略目標
一般経費減
一般経費減
顧客の視点
患者満足度
※ 戦略目標は経営方針や主要
成功要因を記述
※ 戦略目標ごとに指標を付与
※ 矢印で戦略目標間の因果関
係を明示
予定通りの退院
プロセスの視点
プロセス品質
学習と成長の視点
出典
医療の質
平均在院日数短縮
平均在院日数短縮
従業員のスキル
じょくそう減
じょくそう減
医療事故減
医療事故減
従業員の提案
従業員の提案
従業員のモラール
松永達也
『図解
バランス・スコアカード第 2 版』、高橋淑郎『医療経営のバランスト・スコアカード』
をもとに KPMG 作成
③次に、その主要成功要因を実現するためには、どのような KPI を抽出し、経営管理をす
べきかを検討する(達成度を測る物差)。
④戦略マップを作成する。戦略マップの縦軸には、図表 4 のように、4 つの視点を配置し、
戦略目標(経営方針における重点項目および主要成功要因)ごとに KPI を設定し、この
指標間の因果関係を図示する。この因果関係は、当初は仮説であるが、PDCA サイクルを
回すことで確認していく。
⑤次に、この戦略マップを全社から部門、チームへと展開する。各階層ごとで戦略目標と
KPI の関係を図示する。
● スコアカードの作成
戦略マップで展開された内容を具体的な計画は、次にスコアカードに落とし込む。
具体的には、図表 5 のように、4 つの視点ごとに戦略的目標、KPI(成果指標)、目標値、
アクションプラン(実施項目)を整理する。
ここで最も重要なのが、アクションプラン(実施項目)である。スコアカードの各項目の
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図表 5 BSC の基本形
図表作成中
出典
R. S. Kaplan and D. P. Norton The Strategy ・ focused Organization, 2001
櫻井通晴監訳『キャプラン
のノートンの戦略バランスト・スコアカード』東洋経済新報社、2001、p.348 を一部修正、
(『医療経営のバ
ランスト・スコアカード』高橋淑郎著
生産性出版より)
図表 6 BSC の基本フォーマット
視点
戦略的目標
成果指標
目標値
アクションプラン
財務
顧客
内部ビジネス
(プロセス)
学習と成長
出典
高橋淑郎『医療経営のバランスト・スコアカード』
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関係は図表 6 のとおりであるが、実施項目が具体的に成果を導く方法論となる。
もちろん、こうした戦略マップ、スコアカードについても、定期的にレビューを行い、見
直していく必要がある。
3. 計画立案の実際
1) 中期経営計画と単年度行動計画の関係
一般に「経営計画」と言った場合には、中期経営計画と単年度経営計画(行動計画)が
イメージされる。中期経営計画は、3 カ年計画が多い。来年度から 3 年間で、いかなる戦略
を実行し、どのような姿になろうとするのか、まずは大くくりのわかりやすいキャッチフ
レーズが用意される。次に、そのキャッチフレーズが何を意味するか、またそのキャッチ
フレーズが達成されたときのゴールイメージを明らかにする。
さらに、そのイメージを具体的な目標に落とし込む。目標は新しい病棟の建設、新しい
科の創設といったような事象の場合と、効率化目標や売上目標といった数値目標の場合が
ある。それが明らかになったら、そこに向かって、全組織が、またセンターや部などの戦
略単位(SBU)が、さらに個々人が何をすべきかという行動目標を明示する。
この際、この全体像を 3 ステージに分け、初年度には何を行い、どこまでゴールに近づ
くか、次年度はどうか、そして最終年度はどうかというように単年度経営計画への橋渡し
も必要になる。なお、3 カ年計画は作成してから 3 年間、そのままその計画を守るのではな
く、1 年ごとに状況を判断して調整していく。ここでも当然、そうした PDCA(マネジメント
サイクル)が重要になる。
もし仮に、現状、いかなる戦略目標も持っていないといった場合は、各部・科から上が
ってきた予算案を積み上げて単年度計画としたり、中期経営計画は曖昧なキャッチフレー
ズと、そこからブレークダウンしたわけではない、悪く言えばどんぶり勘定の予算案に終
始するという場合も少なくない。後者の場合は、どんぶり勘定で得られた年度ごとの売上、
あるいは利益目標を各戦略単位に現状の売上比率などに応じて、単に割り振ることになる。
しかし、変化の多い時代においては、こうした方法では企業であれ、医療機関であれ、
生き延びて成長を遂げることができない。あくまでも変革のテーマを戦略目標、3 年後のあ
るべき姿として見据えることが重要となる。
それでは、単年度経営計画の構成要素はどのようになるのであろうか。
これは中期経営計画の場合も同じだが、
『経営戦略』で示した事業計画書(ビジネスプラ
ン)と同様、大別すれば次の 5 つの内容が盛り込まれる必要がある。
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①WHAT
何を行うのか?
②WHY
なぜそれを行うのか?
③HOW
どのようにそれを実行するのか?
④RISK
どのようなリスクがあるのか?
⑤RETURN どのくらいの投資が必要で、どれくらいの収益があるのか
しかし、それをどのような形式で、またどのような順番で、どの程度の細かさで書き込
むのかは一通りではない。それぞれの組織に応じた方法論が存在する。
そこで、ある病院の行動計画を例に取り、目安となるパターンを例示していきたい。
2) 中期経営計画のキーワードと初年度行動計画の成果と課題
本文作成中
3) 環境分析と行動計画の全体像
本文作成中
4) 行動計画の詳細説明
本文作成中
5) 行動計画と評価指標
本文作成中
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参考文献
『医療経営のバランスト・スコアカード』高橋淑郎著
生産性出版
『図解
登用経済新報社
バランス・スコアカード第2版』松永達也著
『経営品質の理論』寺元義也・岡本正耿・原田保・水尾順一著 生産性出版
『中堅・中小企業 CFO(最高財務責任者)講座 テキスト 2
経営計画と財務マネジメント』
経済産業省地域金融人材育成計画カリキュラム 補筆・監修:久住正一郎
『BSC による経営戦略の実行と評価』櫻井通晴著
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銀行研修社
UNISYS TECHNOLOGY REVIEW 第 82 号
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