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13L002 在宅栄養管理へ移行できた膵臓癌患者の

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13L002 在宅栄養管理へ移行できた膵臓癌患者の
13L002
在宅栄養管理へ移行できた膵臓癌患者の電解質異常に対応した一例
堀内智子,宮東利恵,戸塚弘幸,西尾浩次
金沢医科大学病院
薬剤部
【目的】電解質異常に取り組んだ事によって長期 HPN が実施可能となった一例を報告する。
【方法】70 歳、男性。膵臓癌にて膵臓全摘術を行った後、癌性腹膜炎による腸閉塞のため小腸ストマを造設。
その後、造設したストマの上部にも腸閉塞が出現したため、栄養管理を HPN のみで行う事とした。退院し、
週 1 回の外来通院にて半年間継続した。病状の進行に伴い尿管が閉塞したため、水腎症が出現し、ステント
を挿入したが、徐々に腎機能が低下し、高 K 血症となり入院となった。ブドウ糖液とアミノ酸製剤と電解質
製剤(以下、ブドウ糖ベースとする)の混合には輸液調製に伴う汚染を起こす可能性がある。また、ビタミン製
剤は混注後不安定であり、HPN 実施を実現するには患者自身による混注が不可避であるため、それに伴う汚
染を起こす可能性がある。汚染リスクの低下を期待し、既存の高カロリー輸液キット製剤を活用するために、
エルネオパ 2 号と、それと同組成の K フリーのブドウ糖ベースとの隔日投与を提案し、退院した。
【結果】検査値の推移は入院時は K+5.6 mEq/L、メニュー変更後 K+4.8 mEq/L と K による電解質異常は改善
した。その後、TPN メニューの大きな変更もなく、週 1 回の外来通院を半年間継続している。
【考察及び結論】癌性腹膜炎による腸閉塞にて TPN を余儀なくされたものの、薬剤師による TPN メニュー
及び投与方法の提案により、電解質異常を起こすことなく外来通院を継続している。終末期を在宅で過ごし
たいと願う患者のサポートとして HPN は重要である。しかし、本症例のように腎機能が低下し、電解質異常
に至った例においては K を含む既存のキット製剤は使用しがたい。今後、カテーテル感染のリスクなども踏
まえて、K フリーまたは腎機能低下時にも使用可能な高カロリー輸液キット製剤の開発が求められる。
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