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平成23年度(PDF:339KB)
平成23年度 公共下水道事業の経営評価のための業務指標(26指標)の数値 ○印は、ガイドライン選定指標 項目 指標 (単位) 望ま しい 方向 松 山 市 平成21年度 松 山 市 平成22年度 松 山 市 平成23年度 算 出 式 指 標 の 説 明 中核市平均 平成23年度 下水道使用料/汚水処理費(維持管理費+資本費)×100 75.3 80.8 83.5 96.7 1 経費回収率 2 経費回収率 (維持管理費) (%) 299.8 290.3 294.0 225.9 3 経費回収率 (資本費) (%) 100.6 115.9 116.6 169.0 4 営業収支比率 (%) 107.4 108.7 111.6 105.3 経常収支比率 (%) 82.8 88.9 90.4 103.8 総収支比率 (%) (%) 汚水処理に要する費用を下水道使用料でどの程度回収しているかを示す比率で、高 い方が良い。 下水道使用料/汚水処理費(維持管理費)×100 汚水処理に要する費用のうち維持管理費分を下水道使用料でどの程度回収している かを示す比率で、高い方が良い。 下水道使用料/汚水処理費(資本費)×100 収益性 汚水処理に要する費用のうち資本費分(減価償却費及び企業債利息等)を下水道使 用料でどの程度回収しているかを示す比率で、高い方が良い。 営業収益/営業費用×100 営業費用が営業収益でどの程度賄われているかを示す比率で、高い方が良い。 (営業収益+営業外収益)/(営業費用+営業外費用)×100 5 経常費用が経常収益でどの程度賄われているかを示す比率で、高い方が良い。 (営業収益+営業外収益+特別利益)/(営業費用+営業外費用+特別損失)×100 6 分析 82.7 89.0 90.6 104.1 総費用が総収益でどの程度賄われているかを示す比率で、高い方が良い。 主たる営業成績である営業損益は、予定どおりの使用料収入を得ることができ、企業会計活用に伴う事業効果の精査によるコスト縮減などを継続した結果、前年度比31.7%増(1億8,719 万円増)の7億7,764万円の黒字を確保しました。しかし、これまでの施設整備の財源として借り入れた企業債の支払利息(営業外費用)の負担が大きいため、純損失は前年度比15.7%の改 善(1億7,450万円改善)の9億3,840万円となり、順調に経営改善の効果が表れましたが、前年度と同様に赤字となりました。 また、収益性を表す代表的な指標である「経費回収率」は83.5%(前年度比2.7ポイント増)、「総収支比率」は90.6%(前年度比1.6ポイント増)となり、いずれも中核市平均を下回っ ています。これは、本市の普及率が59.6%であり未だ整備途上にあることから、現時点では費用に見合う使用料収入に至っていないためです。 ⇒今後の使用料収入は伸び悩むことが予想されるため、徹底した維持管理コストの抑制を図るとともに、普及拡大や水洗化率の向上、あわせて下水汚泥等や保有資産の有効活用などによ り、収益の確保に努めることで、平成34年度末までの「単年度赤字の解消」に向け、取り組んでいきます。 今後の 取組み ⇒部内経営会議において、月次決算による収支分析や事業執行統制を行い、より一層計画的かつ効率的な経営を図るとともに、職員の更なるコスト意識の醸成に努めます。 ⇒経費回収率(維持管理費)は中核市中1位であり、整備途上の中で可能な限りのコスト削減を実施していますが、収益性だけに固執することなく施設の老朽化に伴う改築・更新の必要性 とのバランスにも留意していきます。 1 項目 指標 (単位) 望ま しい 方向 松 山 市 平成21年度 松 山 市 平成22年度 松 山 市 平成23年度 中核市平均 平成23年度 算 出 式 指 標 の 説 明 (自己資本金+剰余金)/負債・資本合計×100 自己資本構成比率 (%) 49.4 50.1 50.5 55.3 2 流動比率 (%) 1,316.8 1,108.2 198.8 198.5 3 利子負担率 (%) 2.3 2.3 2.2 2.5 4 処理区域内人口1人当 たり借入金残高 (千円/人) 483.7 473.0 462.0 249.0 5 処理区域内人口1人当 たり基準外繰入金 (円/人) 498 238 101 2,621 6 固定資産対長期資本比 率 (%) 99.2 99.3 99.4 98.9 7 資金不足比率 (事業別・公共) (%) 0.0 0.0 0.0 0.0 1 総資本に対する自己資本の占める割合を示すもので、比率が大きいほど経営の安全 性は大である。 流動資産/流動負債×100 1年以内に現金化できる資産と、支払わなければならない負債とを比較する比率 で、流動性を確保するための理想比率は200%以上で、最低でも100%以上は必要で ある。 支払利息/(企業債+他会計借入金+一時借入金)残高×100 期中の支払利息と企業債等残高との割合を示すもので、比率が低いほど低廉の資金 を使用していることとなる。 借入金残高/現在処理区域内人口 安全性 分析 現在の処理区域内人口1人当たり、どれだけ借入金残高(企業債残高+他会計借入 金残高)があるかを示す指標で、低い方が良い。 基準外繰入金(他会計補助金)/現在処理区域内人口 現在の処理区域内人口1人当たり、どれだけ一般会計からの基準外繰入金(一般会 計が負担することとされている経費以外に対する繰入金)があるかを示す指標で、 低い方が良い。 固定資産/(固定負債+資本金+剰余金)×100 固定資産調達が自己資本と固定負債の範囲内で行われるべきであるとの立場から少 なくとも100%以下であることを要し、100%を超えた場合は明らかに固定資産に対 して過大投資が行われたものといえる。 資金不足額/(営業収益-受託工事収益)×100 公営企業ごとに算定する資金の不足額の事業の規模に対する比率で、低い方が良 い。 財務の安全性を示す代表指標で、総資本に占める自己資本の割合を表す「自己資本構成比率」は、中核市平均と比べ4.8ポイント低い50.5%(前年度比0.4ポイント増)と、企業債等の借 入金残高が自己資本を上回っている状態でありますが、地方公営企業としては著しく安全性を欠いているものではありません。その要因については、下水道普及率を上げるため、国の景気 対策の名の下に事業を大幅に膨らましていった過程において、財源の多くを企業債に依存したことがあげられます。 一方、現金収支における資金の安全性を表す指標で、流動資産と流動負債の比率を示す「流動比率」は、期末時点において高い水準を保つことができましたが、年間を通じた資金繰りに ついては、「資金不足(比率)」が生じていないとはいえ、企業債の償還月には資金繰りが一時的に厳しくなっており、必ずしも良好であるとは言えない状況であることから、計画的な資 金運用の重要性が更に高まってきています。 また、経営成績への影響が大きい「処理区域内人口1人当たり基準外繰入金」(低い方が良い)については、一般会計の負担を必要最低限とし、中核市平均と比べ2,520円/人下回る101円 /人(前年度比137円/人減)となったことから、中核市でも上位の独立採算による経営を行っています。 ⇒収入の確保について、使用料収入を生み出す元となる建設投資を目標普及率(平成34年度末68%)まで引き上げる過程で、中長期的な投資回収を実施していくとともに、効率的な整備や コスト縮減の徹底などによって、建設投資総額と企業債の発行の抑制に努めます。 今後の 取組み ⇒部内経営会議等を通じて収支のきめ細かい動向捕捉など収入支出資金の徹底した管理を行い、資金不足を生じない健全な事業経営に努めます。 ⇒下水道を取り巻く状況や大きな変化を注視するとともに、経営健全化のためのガイドラインに沿った事業経営を行うことで、引き続き経営基盤の強化に努めます。 2 項目 指標 (単位) 望ま しい 方向 松 山 市 平成21年度 松 山 市 平成22年度 松 山 市 平成23年度 算 出 式 指 標 の 説 明 中核市平均 平成23年度 下水道使用料/損益勘定所属職員数 1 損益勘定職員1人当た り使用料収入 (千円/人) 2 職員1人当たり処理区 域内人口 (人/人) 3 損益勘定職員給与費対 営業収益 96,528 98,866 101,419 90,680 損益勘定職員(維持管理部門に従事する職員)1人当たりの生産性について、使用 料収入を基準として把握するための指標で、高いほど職員1人当たりの生産性が高 い。 現在処理区域内人口/全職員数 生産性 2,950 3,075 3,071 3,926 公共下水道事業に従事する全職員1人当たりの生産性について、処理区域内人口を 基準として把握するための指標で、高いほど職員1人当たりの生産性が高い。 損益勘定所属職員給与費/(営業収益-受託工事収益) 分析 (千円/千円) 0.05 0.05 0.05 0.08 営業収益が損益勘定職員(維持管理部門に従事する職員)にどの程度分配されてい るか把握するための指標で、低い方が良い。 企業会計を導入した平成20年度は職員数は107人であったが、人員削減に取り組んだ結果、23年度までに8人(107人→99人)削減を行い、平成20年度から累計で約1億3,200万円の人件費を 削減しました。これにより、「損益勘定職員1人当たり使用料収入」が中核市平均を上回る101,419千円/人(前年度比2.5%増)となり、他都市に比べて生産性の高い事業運営を行ってい ます。 一方、本市の普及率は59.6%であり未だ整備途上にあることから、他都市に比べて相対的に処理区域内人口が少ないため、「職員1人当たり処理区域内人口」については、低い水準となっ ています。 ⇒職員数については、松山市集中改革プランに定めた目標以上に削減を行いましたが、引き続き新たな維持管理技法や委託可能な業務の抽出などにより、一層の削減に努めます。 今後の 取組み ⇒経営的視点に立って効率的な下水道整備を推進することにより、平成34年度末の目標普及率68%の達成に努めます。 ⇒使用料の適正化や普及拡大、水洗化率の向上など使用料収入の確保につながるあらゆる施策を計画的かつ効率的に実施するよう努めます。 3 項目 指標 (単位) 望ま しい 方向 松 山 市 平成21年度 松 山 市 平成22年度 松 山 市 平成23年度 中核市平均 平成23年度 算 出 式 指 標 の 説 明 汚水処理費(維持管理費+資本費)/年間有収水量 1 汚水処理原価 (円/㎥) 209.4 193.1 186.6 146.1 2 汚水処理原価 (維持管理費) (円/㎥) 52.6 53.8 53.0 62.5 3 汚水処理原価 (資本費) (円/㎥) 156.8 134.7 133.6 83.6 4 使用料単価 (円/㎥) 157.7 156.1 155.7 141.2 5 処理区域内人口1人当 たり汚水管理運営費 (円/人) 21,294 20,096 19,391 16,096 6 処理区域内人口1人当 たり汚水維持管理費 (円/人) 5,350 5,594 5,506 6,888 7 処理区域内人口1人当 たり汚水資本費 (円/人) 15,944 14,012 13,885 9,207 有収水量(使用料収入の対象となる水量)1㎥当たり、どれだけ汚水処理に要する 経費がかかっているかを示す指標で、低い方が良い。 汚水処理費(維持管理費)/年間有収水量 汚水処理原価のうち、維持管理費分を示す指標で、低い方が良い。 汚水処理費(資本費)/年間有収水量 汚水処理原価のうち、資本費分(減価償却費及び企業債利息等)を示す指標で、低 い方が良い。 下水道使用料/年間有収水量 コスト 有収水量(使用料収入の対象となる水量)1㎥当たりの使用料収入を示す指標で、 低い方が良い。 管理運営費(維持管理費+資本費)(汚水分)/現在処理区域内人口 現在の処理区域内人口1人当たり、どれだけ汚水処理に要する管理運営費がかかっ ているかを示す指標で、低い方が良い。 維持管理費(汚水分)/現在処理区域内人口 現在の処理区域内人口1人当たり、どれだけ汚水処理に要する維持管理費がかかっ ているかを示す指標で、低い方が良い。 資本費(汚水分)/現在処理区域内人口 分析 現在の処理区域内人口1人当たり、どれだけ汚水処理に要する資本費(減価償却費 及び企業債利息等)がかかっているかを示す指標で、低い方が良い。 下水道普及率を上げるため、国の景気対策の名の下に事業を大幅に膨らましていった過程において、財源の多くを企業債に依存したことから、支払利息の負担が大きく、資本費が他都市 に比べて高くなっており、汚水処理に係るコストを表す指標の「汚水処理原価」については、中核市平均と比べ40.5円/㎥高い186.6円/㎥(前年度比6.5円/㎥改善)となっています。これ は、他都市の整備状況(中核市平均普及率83.5%)がかなり進んでいるのに対し、本市(普及率59.6%)は未だ整備途上にあるためです。 一方で、職員数の削減や浄化センターの維持管理費の縮減(性能発注による包括的民間委託方式の採用及び委託範囲の拡大による)等により、維持管理コストについては他都市に比べて 少なくなっており、汚水処理に係る経常的なコストに関する指標である「処理区域内人口1人当たり汚水維持管理費」(低い方が良い)は、中核市平均を1,382円/人下回る5,506円/人(前年 度比88円/人改善)となっています。 また、「処理区域内人口1人当たり汚水資本費」(低い方が良い)については、平成19年度から3年間実施された「補償金免除繰上償還」措置を活用した高利企業債の一括返済により、 企業債利息の減少に繋がったことから改善傾向となっています。 ⇒建設投資にあたって、国庫補助金など有利な財源を最大限確保することで企業債の新規発行、すなわち将来にわたる資本費負担の抑制に努めます。 今後の 取組み ⇒性能発注による包括的民間委託を導入した浄化センター運転管理業務以外の委託業務についても、委託の内容・方式について更なる検討を行い、一層の維持管理費の抑制に努めます。 ⇒下水汚泥等の資源の有効活用などを図り維持管理費の抑制に努めるとともに、施設の機能を安定的に維持し続けるため、老朽化に伴う改築・更新については、優先順位に基づき効率的な 実施に努めます。 4 項目 (単位) 望ま しい 方向 松 山 市 平成21年度 松 山 市 平成22年度 松 山 市 平成23年度 算 出 式 指 標 の 説 明 中核市平均 平成23年度 現在水洗便所設置済人口/現在処理区域内人口×100 1 水洗化率 (%) 2 施設利用率 (%) 91.4 91.4 91.5 94.5 現在の処理区域内人口のうち、実際に水洗便所を設置して汚水を下水道で処理して いる人口の比率で、高い方が良い。 現在晴天日平均処理水量/現在処理能力×100 効率性 50.6 52.0 53.0 70.9 施設が処理能力に対して、どの程度利用されているかを示す指標で、高い方が良 い。 年間有収水量/年間総汚水処理水量×100 3 分析 有収率 (%) 74.6 75.0 73.7 76.8 下水道で処理した汚水のうち使用料収入の対象となる有収水量の割合で、施設の効 率性を示す指標で、高い方が良い。 本市の普及率は59.6%であり、他都市と比べると低く、未だ整備途上にあることから、「水洗化率」や「施設利用率」など施設の効率性を示す指標値についても、相対的に低い水準と なっています。「水洗化率」については、平成22年度を除いて、常に現在水洗便所設置済人口が現在処理区域内人口を上回る増加傾向でありましたが、平成23年度は現在水洗便所設置済人 口の増加(2,785人増)が、現在処理区域内人口の増加(2,644人増)を若干上回ったため、率が若干増えております。 「有収率」の低下については、年間降雨量が前年度に比べ48.9%増加したことから、管渠の接合部分等からの侵入水(不明水)が増加したと推測され、そのことによる影響が最も大きい と考えられます。 ⇒人口密度などを考慮した効率的な整備を進めることで普及拡大を図り、施設の稼働効率を高めるよう努めます。 今後の 取組み ⇒毎年11月(平成24年度より新たに2月も追加予定)を接続促進強化月間として取り組むなど水洗化指導を強化しており、引き続き積極的な接続促進策を講じることで、水洗化率の向上に努 めます。 ⇒平成24年度より、費用対効果を勘案した不明水対策基本調査計画(案)を策定して、その有効策を検討することとしています。 5 指標 (参考) (単位) 望ま しい 方向 松 山 市 平成21年度 松 山 市 平成22年度 松 山 市 平成23年度 中核市平均 平成23年度 普及率 (%) 58.4 59.0 59.6 83.5 水洗便所設置済人口 (人) 275,029 278,110 280,895 332,349 30,601 31,674 31,916 38,749 305 312 311 319 年間有収水量 1人・1日当たり有収水量 (千㎥) (㍑/人・日) 算 出 式 指 標 の 説 明 現在処理区域内人口/行政人口(住民基本台帳人口)×100 年間有収水量/現在水洗便所設置済人口/365 ※各指標の数値は、平成23年度地方公営企業決算状況調査(総務省)における「公共下水道事業」及び「特定環境保全公共下水道事業」をもとに算出した。 ただし、本市の処理区域内人口及び水洗便所設置済人口は外国人人口を含まない。 ※中核市平均(地方公営企業法適用済み・29事業者)の各指標値は、加重平均で算出した。(*普及率のみ単純平均) 6