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情報経済論
9 情報経済論 Information Economics 講義・半期・2 単位 翟 林瑜 対象年次:全年次 【授業の目標及びテーマ】 情報化社会とまで呼ばれる現代社会おいては、コンピュータやインタネットの発展は人々の経済活動と生活に 大きな影響を及ぼしている。ところが、情報というとすぐコンピュータによる情報処理やインタネットによる情報伝達 を思い浮かべる学生が多く、情報化時代を生きぬくためにパソコンさえ使いこなせれば事足りると錯覚する人も少 なくない。しかし、情報の内実や本質を知ろうともせず、機器の操作やデータのやり取りにだけ囚われると、有用な 情報を識別・活用できず、無用な情報に振り回されるだけで情報化時代を生きぬくことはできないだろう。 情報は、様々な現象や出来事の背景及びその誘因を理解し、仕事、投資と生活などに関する意思決定を行うた めに不可欠な判断材料である。情報の氾濫に振り回されず、常に冷静な頭脳で情報を選別し、的確な意思決定を 行うために、まず経済学、統計学と心理学などの立場から情報の内実や本質をしっかり把握しておくことが肝要で ある。情報経済論はまさにこのために設けられた科目である。 【授業の概要】 情報経済論は、分業化と情報化を背景に形成されてきた新しい分野である。人間の利害関係が情報を介して複 雑に絡み合うようになった現代社会では、情報とは何か、われわれはいかにして情報を自分の意思決定と他の利 害関係者への動機付けに活用すべきかを勉強することによって、情報に関する新たな視点が培われ、組織や社 会に対する見方も複眼的になる。 【授業計画】 第 1~2 回: 不確実性とリスク 第 3~4 回: 情報と意思決定 第 5~6 回: 情報の非対称性 第 7~8 回: 逆選択とその克服 第 9 回: モラル・ハザードとその抑制 第 10 回: 代理関係下のモラル・ハザード -上場企業のアキレス腱- 第 11 回: 代理関係下のリスク選択の逆転 -分業社会の見えざる代償- 第 12~13 回: 情報と人間の限定合理性 第 14 回: 情報、リスクと投資家行動 第 15 回: まとめ 【評価方法・評価基準】 授業中レポートと期末試験で総合的に評価する。 【テキスト又は参考書】 テキストは使用しない。資料は講義中に適宜指示する。 【受講生へのコメント】 世の中の出来事を理解し、自分の意思決定をよくするために、一緒に頑張りましょう。