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カジノライセンスの対外開放

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カジノライセンスの対外開放
第4章 マカオの観光政策とMICEの取組み
目次
平成26年度 国際戦略推進人材育成事業
研修報告書 第4章
マカオの観光政策とMICEの取組み
1 マカオの観光政策の歴史
2 マカオの観光政策の現状とMICEの取組み
3 マカオ観光施策における行政機関の役割
平成27年2月
Group C
4 マカオの観光政策から考える
沖縄におけるMICEの推進
5 研修を通しての気づき
1 マカオの観光政策の歴史
1.1 ポルトガル統治時代の観光・カジノ産業
1 マカオの観光政策の歴史
1.1 ポルトガル統治時代の観光・カジノ産業
1842年 貿易港としての地位を香港に奪われたマカオは衰退
1847年 マカオ政府は税源の確保と産業多角化のため、賭博産業
を合法化
16世紀頃のマカオ
リスボア(1970年開業)
(出所: Wikimedia Commons )
街は大いに賑わい、貿易港として発展する中、人口も増大していた
ころ、最初の賭博が流行る
当時は法律による統制などはなく、胴元が各々テーブルを用意し、
市内の至る所で勝手に賭場を開設
(出所:筆者撮影)
1 マカオの観光政策の歴史
1.2 ギャンブル都市からの脱却
1 マカオの観光政策の歴史
1.2 ギャンブル都市からの脱却
グランドリスボア
1999年12月
ギャラクシー・マカオ
ウィン・マカオ
ポルトガルから中国へマカオ返還
ギャンブル都市から
エンターテイメントシティへ
カジノ・観光業を成長エンジンと位置づけ、サービス
業を主体とし、その他産業の協調的発展を促す
(出所:筆者撮影)
シティ・オブ・ドリームス
(出所: 筆者撮影)
ベネチアン・マカオ
(出所: (Wikimedia Commons )
MGM・マカオ
カジノライセンスの対外開放
(出所: City of Dreams)
(出所: 筆者撮影 )
(出所: Miyuki Kume )
1
1 マカオの観光政策の歴史
1.3 増え続ける観光客
中国人
旅行解禁
2 マカオの観光政策の現状とMICEの取組み
2.1マカオの観光戦略の現状
9.11テロ
ラスベガス
世界遺産
街並み
新規カジノ テーブル数の追加の承認検討時、
各カジノ運営企業における
ノンゲーミング要素への投資規模に応じた配分とするとした。
IR施設
(出所:筆者撮影)
2013年1月、マカオ政府
フランシス・タム経済財政担当相
マカオの魅力
(出所:筆者撮影)
エンターテイメント
インテグレイテッド・リゾート(IR)型カジノ施設の開発を促進。
(出所:筆者撮影)
六大カジノ企業がノンゲーミング分野への投資拡大のきっかけ。
(出所:city of dreams)
2 マカオの観光政策の現状とMICEの取組み
2.1マカオの観光戦略の現状
2 マカオの観光政策の現状とMICEの取組み
2.1マカオの観光戦略の現状
2017年までに13ホテル、1万2千余室
ザ・ベネチアンマカオ
まだまだ続くリゾート建設
2013年11月
デビット・ベッカム氏
とパートナーシップ契約
コタイアリーナ
2009年8月
LADY GAGA
「リスボアパレス」のカジノ場には約700台のカジノテーブルと1,200台の
スロットマシンが設置され、多くの非カジノ施設を含む複合リゾートとなる
2013年7月米アニメーション大手ドリーム ワークス社と提携
2 マカオの観光政策の現状とMICEの取組み
2.2 マカオの観光戦略の現状(健全化)
2 マカオの観光政策の現状とMICEの取組み
2.3 マカオにおけるMICEの現状
2013年 開催された会議及び展示会のイベント数・・・2,060件
参加者及び入場者総数・・・407.8万
カジノを核としたレジャー・リゾート都市へ
健全化を急ぐ
新禁煙法・・・・2012年1月1日施行
2013年元旦から今まで、衛生局の法執行官(禁煙Gメン)が巡回を行った場所は、
のべ22万2611箇所(1日平均のべ621箇所)、違反者総数は6549人である。
違法喫煙行為 違反者
違法喫煙行為違反者
男性
女性
マカオ住民
域外旅客
2006年 約300件
2008年 約1200件
開催数7倍!
2006年 約50,000人
2008年 約370,000人
参加者数8倍!
出稼ぎ労働者
3.6%
236人
7%
456人
34.8%
2279人
93%
6093
人
61.6%
4034人
調査期間:2014年1月1日~10月31日
2007 年にマカオが大規模 MICE 施設を
併設した複合カジノ施設を開業。
2
2 マカオの観光政策の現状とMICEの取組み
2.3 マカオにおけるMICEの現状
2 マカオの観光政策の現状とMICEの取組み
2.4 マカオにおけるMICEの取組み
①中小企業商業貿易サービスセンター
2013年 展示会主催者 収入 1.8億パタカ(約22億円)
支出 3.0億パタカ(約36億円)
1.2億パタカ(約14億円)の赤字
2013年 カジノ収入
中国とポルトガル語圏
7カ国会議 開催
マカオ政府経済政策を統括
譚伯源経済財政局長
3つの中心(センター)
の建設
3,607億パタカ(約4.5兆円)
③経済貿易協力
展覧センター
②食品集散センター
10年間で約1600万人増加
商業貿易協力とサービスのプラットフォーム建設
3.1マカオの行政機関概要
1 マカオの観光政策の歴史
3 マカオ観光施策における行政機
関の役割
4 マカオの観光政策から考える
沖縄におけるMICEの推進
5 研修を通しての気づき
マカオ政府行政長官
2 マカオの観光政策の現状と
MICEの取組み
行政法務庁(法務、行政管理等)
経済財政庁(経済、財政、金融、労働等)
保安庁(警察、消防等)
社会文化庁(社会福祉、保健、文化、観光等)
運輸・公共事業庁(交通、電気通信、環境等)
3.2社会文化庁における観光施策の展開
3.2.1マカオ政府観光局による観光施策の展開
マカオ政府観光局組織図
マカオ社会文化庁組織図
①
②
③
(出所)マカオ社会文化庁HPを筆者編集
④
⑤
⑥
①観光危機管理室
• 旅行者の事故、盗難、災害等への対応
②文化局
• 世界遺産等文化財保護・保全、芸術の振興等
③観光局
• マカオ政府観光行政の核となる機関
④観光学研究所
• 観光やサービス業界の専門的な人材の育成
⑤マカオ大学
• カジノ研究所で、カジノ理論と実践研究、幹部候補育成
⑥マカオ理工学院
• ツーリズム・カジノキャリアセンターで、ディーラー等育成
(出所)マカオ政府観光局HPを筆者訳
マカオ特別行政区代表事務所
マーケティングリプレゼンタティブ
(海外代理店)
北京、台湾、ポルトガル
豪州、ニュージーランド、香港、日本、韓国、シンガポー
ル、インドネシア、タイ、米国(カリフォルニア、NY)、ドイ
ツ、英国、フランス、ロシア 計14カ所
3
3.3その他観光関連施策の展開①
経済財政庁
経済局(展示会産業の振興 等)
カジノ監査・協調局(カジノライセンスの管理、カ
ジノ以外の部門との協調 等)
3.3その他観光関連施策の展開②
運輸・
公共事
業庁
建設・開発室(港珠澳大橋等大規模プロジェクト 等)
交通インフラ事務所(ライトレールの建設 等)
財政局(観光税免除 等)
ライトレール車両
国際ゲーミング博覧会
展示会施設(ヴェネチアンホテル)
ライトレール建設現場
(出所)マカオ政府交通インフラ事務所HP
(出所)筆者撮影
(出所)筆者撮影
港珠澳大橋
カジノ施設(リスボア)
(出所)マカオ政府交通インフラ事務所HP
(出所)マカオ政府建設・開発室HP
(出所)筆者撮影
4 マカオの観光政策から考える沖縄におけるMICEの推進
4.1 マカオの観光政策におけるMICEの位置付けと現状
○歳入の8割がカジノ税 → 産業と税収の多様化を進める必要性。特にMICE
産業の育成は優先順位の高い経済政策
4 マカオの観光政策から考える沖縄におけるMICEの推進
4.2沖縄におけるMICEの取り組み
(1)沖縄におけるMICE施設の現状
①沖縄におけるMICEの推進は、2000年の九州沖縄サミットが契機
②沖縄コンベンションセンター及び万国津梁館が中心施設
(2)沖縄MICE施設の課題
①規模の不足
②機能・クオリティ面での課題、
③施設構成の課題、
④周辺エリアの宿泊・商業機能集積不足
会議の大型化や大型インセンティブ・トラベルのニーズが高まる中、機会
損失や、これまで沖縄で開催されてきたMICEの域外流出を招いている
(沖縄県「大型MICE施設整備と街づくりに向けた基本構想」)
4 マカオの観光政策から考える沖縄におけるMICEの推進
4 マカオの観光政策から考える沖縄におけるMICEの推進
4.3 マカオ・沖縄におけるMICE推進環境の違い
4.2沖縄におけるMICEの取り組み
(1)成長著しい中国大陸と直結
(3)大型MICE施設整備構想
大型MICE誘致のために、施設整備を検討。2020年度の供用開始を目指す。
【検討されているMICE施設の概要】
①展示会、コンサート等多様なイベントに対応できる2万㎡程度の展示場
②企業の報奨旅行のディナー等に対応可能な7,500㎡程度の多目的ホール、
③学会開催時の分科会等に対応できる20室~30室の中小会議室
①活発な経済活動による、MICE需要の増
②交通網の飛躍的発展による中国本土との一体化 → 港珠澳大橋
(2)収益の柱“カジノ”の存在
①官民ともにカジノの利益を用いてMICEを支援、補助
②MICE単体で赤字でも、カジノで補てん可能
マカオと比べるとそれほど大きな施設ではない。
展示場
会議室
宿泊部屋
沖縄大型MICE構想
2万㎡程度
20~30
?
マカオ:コタイストリップ
3.7万㎡×2
250
9,000
沖縄でマカオと同様の仕組みで大型MICEを推進することは困難
沖縄のソフトパワーの活用を基本としつつ、MICE産業の特性を活かした方策はないか?
4
4 マカオの観光政策から考える沖縄におけるMICEの推進
4.4 沖縄におけるMICE推進の方向性
MICEは装置産業 → 巨額な初期投資と、稼働率の確保が重要
5 研修を通しての気づき
5.1 カジノがもたらす住民への恩恵
現金給付・・・永久的住民 1人あたり年間9000パタカ(約13万円)
非永久的住民 1人あたり年間5400パタカ(約7.8万円)
※マカオは、カジノの存在により実現
パタカ
10000
現金給付の推移
9000
8000
7000
大型MICE施設整備に向けた提案
6000
(1)既存施設の活用
→初期投資を抑えることで収益性を確保
(2)多機能施設としての新規整備
→MICE以外の機能を合わせることで、稼働率を向上
5000
永久住民
4000
非永久住民
3000
2000
1000
0
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
年
(予定)
5 研修を通しての気づき
5.2 中国の底力
5 研修を通しての気づき
5.2 中国の底力
横琴地区のリゾート開発プロジェクト
(出所:珠海長隆海洋王国 )
(出所:Guinness World Records )
(出所: Guinness World Records )
(出所:珠海長隆海洋王国)
(出所: 筆者撮影)
5 研修を通しての気づき
5.3 雇用問題・サービス低下
新カジノ
新カジノ
カジノ
ご清聴ありがとうございました
人材獲得合戦
中小企業
中小企業
中小企業
営業困難
臨時休業
悪循環
中小企業
失業率1%台の
超・売り手市場
中小企業
サービス低下
顧客離れ
5
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