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【2007年 秋号】「経口摂取が不十分な患者の栄養管理~経口摂取と経管
高齢者では口腔機能を始めとする身体 経腸栄養法には口から飲むことが可能な患者には飲んで 機能の低下や、急性疾患の発症など様々 もらう経口法と、それができない患者にはチューブを用いる な原因によって、摂食・嚥下困難を招き、 経管栄養法があります。 栄養障害を起こすケースが少なくありま ●経管栄養法の種類 せん。 主な経管栄養法としては経鼻法と胃瘻法があります。ど “口から食べる” ことが困難になった場合、 ちらを選択するかは患者の病態や、実施期間により異なっ 栄養素の摂取方法としてや てきます。経鼻法は鼻から挿入したチューブを食道を経て胃 むを得ず経管栄養による栄 または空腸に留置するため、咽頭への違和感、食道の炎 養管理が選択されます。 そ 症、また、嚥下を障害するなどの問題があります。そのため の一方で、 “口から食べる” 1カ月程度と比較的短期間の使用に限られると思います。 ことは栄養素補給の手段だ 胃瘻法は内視鏡下で比較的簡単に設置できる経皮内視鏡 けでなく、ADLやQOLの維 的胃瘻造設術 (Percutaneous Endoscopic Gastrostomy; 持や向上に深くかかわってお PEG) の普及により急速に広まっています。また、間歇的口 り、その人の生きがいにもつながる重要な意味を持って 腔食道経管栄養法(Intermittent Oro-Esophageal Tube います。したがって、胃瘻などの非経口的な栄養摂取に Feeding;IOE) はチューブを留置せず、経管栄養を行う際 頼らざるを得なくなった場合でも、経口摂取のアプロー にその都度口腔からチューブを挿入する方法で、栄養摂取 チを続けることは大切であると考えられます。 と並行して嚥下訓練を行うことができるというメリットがありま 今回はNTT東日本関東病院リハビリテーション科部長 すが、ある程度の熟練を要求されるので必ずしも一般的に の稲川利光先生に、経口栄養が不十分な患者における なっていないのが実情です。 経管栄養導入・実施の考え方や、栄養管理の実際につい ●経口摂取を促す胃瘻 てお聞きしました。 先に述べた胃瘻は栄養管理と同時に口腔ケア・嚥下訓練 稲川 利光先生 (NTT東日本関東病院リハビリテーシ ョン科部長) 1982年九州リハビリテーション大学 理学療法科卒業後、福岡市内の病院 にて理学療法士として勤務。87年香 川医科大学に入学、卒業後香川医科 大学第2内科入局。94年より2005 年までNTT東日本伊豆病院リハビリテ ーション科勤務。 を行いやすいというのが大きな特徴です(表 1) 。したがっ て、長期的に比較的安全で安定した栄養管理を行いなが 経管栄養の導入と栄養法の選択 ら、経口摂取の回復へ向けて嚥下訓練を継続していくこと が可能であることから経口摂取を促すための有効な手段で 経口的に食事が摂取できない、あるいは不十分な患者 あるということができます。 の栄養管理には、経口以外のルートにより栄養素の摂取を 表 2は2001年 4月∼2003 年12月までの間で私が PEGを 図る必要があります。 こうした場合の栄養補給法には栄養輸液を用いる経静脈 栄養法と経腸栄養剤による経腸栄養法があります。近年で は消化管が安全に使えるなら経腸栄養法を選択することが一 般的になってきました。経腸栄養法は通常の食事と同様に消 化管を経て栄養素が体の中に吸収されることから経静脈栄養 法に比較してより生理的であることがその根拠と考えられます。 2 表1.胃瘻による栄養管理のメリット ① 定期的かつ確実に栄養剤や薬剤を投与できるため、全身 状態が改善される。 ② 同時に経口摂取の維持向上に必要な摂食・嚥下訓練を行う ことができる。 ③リハビリテーションを行うためのエネルギー量を確保できる。 ④ 活動性が確保され、社会参加を可能にする。 施行した64例に関して、胃瘻の造設前・後における経口摂 取の状況を調べたものです。造設後の評価は2005年1月 に行いましたが、この時点で、造設後に経口摂取が可能と なり胃瘻カテーテルを抜去できた患者は2例。経口摂取が可 能となり、胃瘻は補助的に使用しているという患者は17例。 わずかなりとも経口摂取が可能な患者は13例となり、なんらか の形で、経口摂取が改善している患者は23例に及びました。 経口摂取が改善した患者は、造設後も口腔ケアや嚥下訓練 を根気よく継続していました。造設後に嚥下機能が悪化した 患者は 9 名いましたが、悪化の原因は脳梗塞の再発などの 原疾患の悪化や肺炎の発症による廃用の進行などでした。 廃用症候群の嚥下障害 ●廃用症候群による摂食嚥下困難者は多い 肺炎や脳血管障害で入院した急性期疾患の患者に対し て、緊急の処置として経管栄養が実施される場合は多々あり ます。一方、心臓病や呼吸器疾患、消化器疾患など、治療 に伴う安静や手術などによる侵襲で著しい廃用をきたす患 者も多く、特に高齢者では、廃用による嚥下障害は難治性 となり、長期にわたり経管栄養が必要となることがあります。 ●“口から食べること”をあきらめない 脳血管障害などの急性期疾患の場合、原疾患の回復に 応じて嚥下障害も改善する傾向にありますが、廃用症候群 による嚥下障障害では、原疾患の管理を行いながら栄養の 改善と廃用の改善とを行い、生活全体を整えていく必要が あります。 長期にわたり根気よく口腔機能の評価や訓練を 続けていくことが大切です(表 3)。 慢性疾患を持つ患者や高齢の患者では日常の生活をいか に活動的なものにするかということが廃用症候群を予防するう えで重要であり、これは嚥下障害の予防の意味でも大切です。 “口から食べること” の意義と役割 表2. 胃瘻(PEG)造設前・後の嚥下状態の比較 PEG施行後(例数) 胃瘻カテーテル抜去(2) 経口摂取可能(17) 嚥下食少量可能(13) 経口摂取不能(32) PEG施行前 嚥下不能 嚥下食少量可能 6 5 20 計(64) 2 10 6 9 その他 1 2 3 PEG後の改善例 23例 PEG後の悪化例 9例 表3.経口摂取が不十分となる原因のアセスメントポイント アセスメントポイント 内 容 ①のどに溜まった唾液や食物などを咳で 1. 呼吸機能(喀出能) 吐き出せるか (咳をする能力) ②息を吸ったり吐いたりできるか ①首を自由に動かせるか 2. 頸部の可動性 ②喉頭周囲にこわばりがないか (首の運動) ③姿勢調節法ができるか ①口を大きく開けて、食物を取り込むこと ができるか 3. 顎運動 ②かむことができるか (あごの運動) ③あごを開けたり閉じたりできるか ①舌を自由に動かせるか ②食物を咽頭へ送ることができるか 4. 舌運動 ③食物を保持することができるか ④飲み込むとき、舌後方部を挙上できるか ①吸い込むことができるか ②頬を膨らませることができるか ③口唇を自由に動かせるか 5. 口唇・ほお運動 ④飲み込むとき、口唇を閉じることができ るか ①意識的に喉頭を挙上できるか 6. 喉頭挙上 (のどを意識的に上げる) ②喉頭挙上を持続できるか ①飲み込むとき、声門を閉鎖することがで きるか 7. 発声持続・共鳴 ②一定時間声帯を閉鎖し続けることがで (声の検査) きるか ③鼻から食物が漏れないか ①口唇の閉鎖運動と舌の前方および後方 8. 構 音 運動ができるか (発音の検査) ②舌の形を変えることができるか 山下夕香里:嚥下器官運動検査.摂食機能療法マニュアル(道 健一・黒澤崇四監修,道脇幸博・ 稲川利光編集) ,医歯薬出版 2002:p65-81 (改変) 表4.嚥下造影(VF)検査とは ●造影剤を含む模擬食品を使用し、透視下にて嚥下の状態 を見る。 ●嚥下の異常所見から、必要な訓練の方法や食事の内容、 食べる姿勢や食べ方などについても判断する。 ●訓練効果の判定や胃瘻の適応についても検討する。 ●口腔ケアを含めた嚥下リハビリテーションを行う 急性期、回復期、維持期それぞれに応じた嚥下障害へ “口から食べること” には単に栄養素を補給するだけではな のかかわり方をすることによって、経口摂取の維持・回復を く、様々な意義があります。その一つが口腔機能を維持す 図ることができます。 急性期では摂食時のポジショニング、 ることであり、食事には咀嚼のトレーニングとしての役割もあ 回復期では嚥下訓練や在宅へ向けての調整、嚥下障害の ります。また、口から物を入れることによって中枢神経を刺 評価、維持期では合併症の予防や、継続したアプローチな 激し、覚醒度を上げる効果もあります。そして、患者自身 どが必要となってきます。また、全期を通して口腔ケアが重要 のリハビリテーションに対するモチベーションを高め、QOL なことは言うまでもありません。嚥下障害を適正に評価するた を大きく向上します。 めには、VF 検査などを行う必要があります (表 4) 。 3 また、在宅に向けては訪問 表5.嚥下訓練の一例 間接訓練 腹式呼吸・リラクゼーション ハッフィング(思い切り「ハッ!」と息を吐く) プッシング・エクササイズ(壁を押しながらのどに力をいれ て「エッ!」と声を出す) 咳(息を吸い込み「ゴホン!」と強く咳をする) 胸郭の運動 頸部・肩甲帯 首を前、後、左、右に倒す・左右にねじる・肩甲帯の運動 奥歯のかみしめ・口の開閉 あご 「エー」 「オー」 「アー」の発声 舌のマッサージ 舌 舌を前に出す・上に上げる・舌打ち・口角・唇なめ 口唇・ほお 唇、ほおのマッサージ 唇の巻き込み 「ア、イ、ウ、エ、オ」の発声 ほおの膨らまし・ほおの吸い込み ボタンの引き抜き・ストロー吸い 裏声発声法・喉頭挙上の維持 喉頭 発声・発音 発声持続・ティッシュ吹き・ストロー吹き パ行・ガ行の発声。タ・テ・トの発音 知覚・その他 のどのアイスマッサージ 唾液腺のマッサージなど 呼吸 摂食訓練 意識 体位 覚醒状態の確認・意識の賦活 食事中・食後の体位 (座位・半側臥位・リクライニング角度の選択) 食事の内容・形態・味・彩り・量などの決定 食材と調理法の工夫(ソフト食の導入など) 水分の性状(とろみの有無など)の選択 咀嚼 一口摂取量・咀嚼回数・食事のスピード 咬合状態の確認 咀嚼訓練(氷片咀嚼・昆布かみかみなど) 嚥下 頷き嚥下・複数回嚥下 食中の「エッヘン」咳払い 横向き嚥下 義歯 義歯の確認・調整 歯科補綴物 (軟口蓋挙上装置・人口舌床など)の作成 食事 その他 食器の選定 (皿・スプーン・コップなどの形状選択) 自助具の作成 いす・テーブルなどの環境設定 表6.投与エネルギーの算出法 基礎エネルギー消費量 (BEE)の推定 ●Harris-Benedictの式 男性 BEE = 66.47 + 13.75(Wt) + 5.0(Ht) - 6.75(A) 女性 BEE = 655.1 + 9.56(Wt) + 1.85(Ht) - 4.68(A) (BEE:kcal/日, Wt:体重kg, Ht:身長cm, A:年齢years) ●日本人のための簡易式 男性 BEE = 14.1(Wt) + 620 女性 BEE = 10.8(Wt) + 620 傷害因子(stress factor) 代謝亢進時におけるエネルギー必要量の補正 術後(合併症なし) 1.0 長管骨骨折 1.15∼1.30 癌 1.10∼1.30 腹膜炎/敗血症 1.10∼1.30 重症感染症/多発外傷 1.20∼1.40 多臓器不全症候群 1.20∼1.40 熱傷 1.20∼2.00 熱傷 1.20∼2.00 投与エネルギーの算出法 BEEに種々の障害因子、活動因子(ベッド上安静1.2 、ベッド外 活動1.3) を乗じて算出する 岩佐正人:栄養評価.コメディカルのための静脈・経腸栄養ガイドライン (日本静脈経腸栄養学会 編集) ,南江堂 2000:p11 看護や訪問リハビリテーション の利用を検討し、必要に応じ てケアマネジャー、訪問看護 師や訪問歯科医・歯科衛生士 などと連携を図るべきでしょう。 さらに、今後、増えてくる在宅 要介護高齢者の嚥下機能を 維持・回復し、嚥下機能の廃 絶を予防するためには、急性 期病院から在宅まで見越した、 地域全体による包括的な支援 体制が必要となってきます。 栄養管理の実際 ∼経口摂取と経管栄養の両方を実施する場合∼ ●適正エネルギー量は栄養アセスメントによって微調整する 適正な栄養管理を行うためには、栄養状態を的確に評 価する必要があります。 血液検査などがあまり実施できない 状況では、体重変化、食物摂取状況、消化器症状、身 体機能などの観察が重要な役割を果します。 投与エネルギーの算出には、Harris-Benedictの計算式 を用います。Harris-Benedictの計算式で基礎エネルギー消 費量 (BEE) を算出し、その値に活動因子、傷害因子を乗 じて求めます (表6) 。ただし、この計算式で算出したエネ ルギー量は寝たきりの日本人の高齢者には過剰であるとする 意見もありますし、算出値通りの量は必要ないと判断する場 合も多くあり、一つの目安として考えておけばよいでしょう。 栄養療法では、まず栄養アセスメントにより栄養処方を決 定し、栄養ケアプランを作成します。さらに定期的にモニタ リングを行い、必要に応じてプランを変更、さらにアセスメン 4 表5に嚥下訓練の一例を示しました。嚥下器官の運動を トを行うという手順を繰り返します。 栄養スクリーニングや栄 主とした間接訓練と、食塊を用いて嚥下訓練を行う摂食訓 養アセスメントに関しては既に、日本静脈経腸栄養学会や 練とがあります。重度の嚥下障害では、まずは間接訓練から 日本健康・栄養システム学会などからガイドラインが出されて 開始し、改善すれば摂食訓練を取り入れていくようにします。 おり参考になるでしょう。 ●急性期から在宅まで包括的な支援体制が必要 その一方で、経管栄養法から脱却して経口栄養法に移 嚥下は全身で行われるものであり、身体機能、精神機 行する過程については未だ手探り状態であるのが実情で 能、呼吸機能など、あらゆる角度からのアプローチが必要 す。患者ごとに状態が大きく異なり標準化しづらく、個別的 です。したがって、嚥下の評価や訓練においては STだけ に対応せざるを得ないのですが、多くの症例を持ち寄るこ でなくPTやOTも欠かすことのできないスタッフであり、これ とで無理なく実施できる標準的な方法を検討しなければなら らの専門職を含めた多職種による連携が重要です。 ない時期に来ていると考えています。 ●微量元素はなるべく食品から補う 起こすリスクが高いことがわかってきました。 長期にわたり経腸栄養を用いている場合、栄養剤のみの 潤和リハビリテーション診療研究所主任研究員の黒田留 摂取では、微量元素の欠乏が起こることがあります。なる 美子さんが提案している「高齢者ソフト食」は見た目は普通 べく自然の食材から摂取できるように工夫することが重要で の食事と変わらないのですが、かみ切りやすく、飲み込み す。 銅欠乏による貧血や亜鉛欠乏による創傷治癒の遅延 やすくできています。 などはよく見受けられますが、これらに関しては、銅や亜鉛 嚥下食についてはスタンダードがないのが現状で、施設 を多く含むココアやきな粉、牡蠣やごま豆腐など、たとえわ によって進歩的な取り組みをしているところもあれば、まった ずかであっても、日常的になんらかの形で経口摂取していく く対応できていない施設もあります。 今後、嚥下食の規格 工夫が必要です。 や指針の作成が急務だといえるでしょう。 経口摂取を促進する食形態 ∼高齢者ソフト食∼ 経口摂取だけでは栄養が不十分な患者の場合、経静脈 栄養および経腸栄養により必要な栄養量を確保する一方 で、個々の状況に応じ可能な限り経口摂取を試みることが 嚥下障害のある人に対しては、その人の嚥下機能のレ 重要です。たとえわずかであっても、経口摂取へのアプロ ベルに応じた嚥下食が必要です。 嚥下食については、各 ーチを行うことがその人の QOL を向上させ、社会参加へ 医療機関や施設で増粘剤やゼラチンなどを用いて様々な工 の意欲を促すことにもつながっていくと思われます。 夫がなされているほか、メーカーから市販されているものも あります。また、最近では従来、病院や施設で提供されて きた「きざみ食」、「ミキサー食」はむせやすく、誤嚥を引き こ んなと きど う す る <参考文献>黒田留美子さんホームページ http://www.softshoku.net/( 2007年10月現在) 江頭文江:Run &Up 2006; ( 2 2) : 2−5 …………………………………回答者:秋月えつ子さん (NTT東日本関東病院栄養部管理栄養士) 病院で胃瘻を造設して自宅へ帰ってきた患者で、入院中に嚥下リハビリテーションを受けていた人がいます。 本人は経口摂取への復帰を強く望んでいます。栄養摂取量不足への対策も含め、経管栄養と経口摂取のバラ ンスや嚥下訓練の進め方についてアドバイスをお願いします。 まず、胃瘻が造設されている時点で栄養補給を目的とした経口摂取は、かなり難しいと考えた方がよいでしょう。本人が 経口摂取を強く望んだとしても、嚥下機能がそれに伴わず、誤嚥性肺炎を起こし、再び入院する恐れもあります。嚥下障 害の程度によっては、メインの栄養は経管栄養とし、楽しみレベルでの経口摂取を行うことが可能となる場合があります。 嚥下機能の程度は、専門家でないと判断できないところです。 ⋮ ⋮ 幸いこの人は、嚥下のリハビリテーションを受けているようなので、⋮ ⋮ 入院していた病院の医師、言語聴覚士からきちんとした情報を得 ⋮ た方がよいでしょう(その際、一日に必要な水分量及び栄養量も確 ⋮ ⋮ 認してください)。胃瘻からの栄養を主とし、嚥下機能を高める間 ⋮ 接訓練を進めながら、経口摂取を楽しめる程度にゼリー、プリン、 卵豆腐などの半固形物を数口食べられることを目標にしましょう。 なお、誤嚥兆候 [発熱、痰の増量、呼吸数、脈拍及び動脈血酸素 数値の異常] には常に注意をして、必要であれば訓練 飽和度 (SPO2) 後に吸引をしてください。 …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 経口摂取だけでは栄養が不十分な人に、市販の栄養剤やゼリーなどを勧めるのですが、高齢の男性のなかには 甘いものが嫌いな人がいます。甘くても抵抗なく食べてもらう方法や、代替できる食品などを教えてください。 市販の飲料タイプの栄養剤にはポタージュ味のものがあります。また、ゼリータイプには煮こごり風や豆腐風のものも あります。甘味だけでなく、微量栄養素が強化されると舌に残るような感じがあり、嫌がる人もいますが、以前に比べ れば随分摂りやすくなったものもありますので、いろいろ試し、患者の好みのものを見つけるのもよいでしょう。 材料 ⋮ (しょうゆあん) ⋮・出し汁 カップ1/3 直径2.5cmの団子 ⋮・砂糖 大さじ2 12個分 ⋮ ・冷凍里芋 200g ⋮・しょうゆ 大さじ2 大さじ4⋮・片栗粉 大さじ1 ・牛乳 ・きなこ 大さじ2⋮ 少々 ⋮ ・塩 (団子) ここで甘さを控えたおやつを1品紹介します。里芋 ⋮ ⋮ を使った「みたらし団子」です。10分程度で出来ます。 ⋮ ⋮ ①冷凍の里芋にラップをかけ電子レンジで加熱したも ⋮ のに塩少々を加え、マッシャーでよくつぶしてください。 ⋮ ⋮ ② ①に牛乳と、不足しがちな微量元素を強化できる、⋮ ⋮ きなこや練りごまを加え、さらに練り込み、適当に等 ⋮ 分し団子状にしてください。 ③出し汁に砂糖としょうゆを加えわかし、溶き片栗粉 を加え、とろみをつけたしょうゆあんを作ります。団 子にかけて出来上がりです(また、ガス台が使えない 場合は市販のめんつゆにとろみ剤でとろみをつけて もよいでしょう)。 5