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Sui
Suzuta useful information
全てはお客様の為に・・・
2012 年 11 月 11 日
第 4 号
HPLC誕生
HPLC誕生の
誕生の歴史的背景と
歴史的背景と現在そして
現在そして未来
そして未来
江口 洋平
HPLC は(High Performance Liquid Chromatography)の略ですが日本語では
「高速液体クロマトグラフィ」というのが一般的です。
高圧ポンプを用いて高速で溶離液を流す方式で1970年代に機器が開発されまし
た。それを遡る事約70年程前に科学者ツウェットがガラス管に二酸化カルシウム
を詰めて石油エーテルを上から流し続けると色の異なる層が4つに分かれたそうで
この号の内容
す。この発見が液クロの発端となり分析時間を大幅に短縮し画期的出来事として
1 HPLC の歴史的背景と HPLC は急速に普及していったのです。
現在では、化学、工業、臨床、環境、食品、ライフサイエンス、製薬など多岐に渡
現在そして未来
る分野で導入されヘモグロビンA1c(HbA1c)に代表されるような測定条件があら
2 分離分析の代表格
かじめセットされた専用分析装置も日常検査の現場で多く用いられています。今後
はより高速で高感度、高精度な HPLC システムが登場し、まだ見ぬ製品開発や研究・
HPLCのしくみ
検査を支えてくれることでしょう。
3
カラムと充填剤の関係
4
メンテナンス情報
分離分析の
分離分析の代表格 HPLC のしくみ
今村 麻美
LC(liquid chromatography)は移動相として液体を用い、固定相に対する保持力の差
を利用してそれぞれの成分に分離し、同時に定量を行う分析方法である。LC の中で
も、HPLC(high performance liquid chromatography)は高速・高感度化が進み、薬物動
態の解析や疾病マーカーの定量、その他様々な基礎研究に於いて最も汎用される
手法の一つである。
◎ 送液部(高圧ポンプ)
数十 kg/cm²~数百 kg/cm²の吐出力をもち、一定流速で溶離液(移動相)を流す。
プランジャー型やシリンジ型のポンプが用いられる。移動相は予め脱気し、気泡が
発生しないようにする。また、溶離法として単一溶媒系溶離(アイソクラティック)方
図 試料注入部
図 HPLC基本構成
HPLC基本構成
式や段階溶離(ステップワイズ)方式、勾配溶出(グラジエント)方式がある。
◎ 試料注入部
ほとんどの LC ではバルプループ法により試料を流路に注入する。バルブループ法は、
一定量の試料溶液をバルブに採取後、移動相がサンプルループを通るようにバルブを切
り替え、試料溶液をカラムに送り込むことが出来る。
マニュアルインジェクタとオートサンプラーがある。
◎ 分離部
カラムは試料の分離が行われる場所で、ステンレス鋼や内径の小さなガラ
スまたはテフロン製のものに粒子径5μm 程度の充填剤を均一に充填した
ものである。カラムオーブンはカラム温度を一定に保つ目的で使用される。
◎ 検出部
紫外可視吸光検出器:ほとんどの化合物で使われる。感度は普通だが、選択性は低い。
蛍光検出器: 蛍光性化合物のみに使われる。感度は高いが、汎用性は低い。
化学発光検出器: 超高感度だが、汎用性は低い。
電気化学検出器: 高感度で汎用性も高い。
示差屈折率検出器: 広範囲の化合物で使われるが、感度は低い。
円二色性検出器: 光学異性体が区別できるが、感度は低い。
MS,NMR など: 構造情報がわかる。
2 ページ
Sui
Suzuta
Useful
information
カラムと
カラムと充填剤の
充填剤の関係
田島 大和
カラムに詰められている充填剤は、耐久性、化学的安定性、粒子径の均一性などの条件を備え
たもので、固定相と移動相に対する溶質の分配が速やかに平衡に達するものでなければなりませ
ん。
シリカゲル表面
シリカゲル表面
シラノールに
シラノールに ODS 基を結合
現在よく用いられている全多孔質型シリカやポーラスポリマーは直径 5μm 程度の粒子であるの
で分配または吸着平衡に達する時間も短く、多孔質部も多いので、注入できる試料量も多くできま
す。吸着クロマトグラフィー用充填剤としては、シリカゲル、アルミナ、ポーラスポリマーなどが使わ
れます。分配クロマトグラフィー用の充填剤はシリカやポーラスポリマーにオクチル、オクタデシル、
シアノエチル、アミノプロピル、ジオキシアルキルなどを導入したものが使われます。これらのカラ
ムのうちよく使われているものがオクタデシル基(またはオクタデシルシリカ)をシリカゲルのシラノー
ル基に化学結合させた充填剤を充填した ODS や C18 シリカと呼ばれるカラムです。
シリカゲル表面にはオクタデシル基の層ができていますが、反応性があまり高くないため未反応の
シラノール基が残っています。この未反応シラノール基は分析上、様々な悪影響を及ぼすため反
応性の高い TMS 基(トリメチルシリル基)を反応させてシラノールをキャッピングします。 トリメチ
ルシリル化などオクタデシル基以外のアルキル基を導入(エンドキャッピング)して分離能に影響を
与えないようにしてあります。
イオン交換用充填剤としてはシリカやポリマーにイオン交換基を化学結合したものが使われま
す。ゲルクロマトグラフィー用充填剤としては、ポリスチレンポーラスポリマー、多孔質シリカなど
が使われます。
カラムでの分離は温度によって影響されることが多く、糖・有機酸などの分析は 50~80℃程度
の高温で行った方が良い分離がえられます。また、室温で分析可能な場合でもカラム温度が微
妙に変動すると再現性が悪くなる場合があるので温度を一定にして分析を行うことは重要です。
このため、最近ではカラムをカラム恒温槽の中に設置して分析を行うことが一般的になってきて
おり、HPLC 一式の装置の中にもカラム恒温槽が含まれていることが多くなってきています。
残存シラノール
残存シラノールに
シラノールに TMS 基を結合
呼び水風景
㈱テクノ・
テクノ・スズタ 福岡営業所
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メンテナンス情報
メンテナンス情報
HPLC メンテナンスのポイント(交換時期は目安)
● 高圧ポンプ
ポンプシール:約半年で交換する。
チェック弁:圧力の変動・送液不良などがあれば分解洗浄する。1年で交換する。
● 試料注入部
インジェクションバルブ:急激な圧力上昇やニードルポートからの漏れがある場合
はローターシールやステーターなどを交換する。これらの寿命は約 1 年。
● カラム
プレカラム:圧力上昇時は交換する。
●
長期間使用していない装置を再起動するとき
長期間使用していないとプランジャーシール及びプランジャが乾燥状態になっているこ
とがある。この状態で送液動作を行うと、各部品の痛みが発生する可能性がある為、
必ずパージを行わなければならない。
◎パージ(オートパージ機能がない場合)
① 吸引配管を分岐ブロックに接続し、配管の一方を溶離液の入った容器に差す。
② ニードルをハンディコネクタを用いてポンプの吐出口に接続する。
③ ドレインバルブを閉める。
ニードルにシリンジを取り付け、溶離液をポンプ内に吸引する。
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