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感染症情報
2 0 1 5 .0 1 .2 2 感染症情報 ハイライト: • • 立命館保健センター インフルエンザは 第2週の全国の定 点患者数が33.28 と、警 報 レ ベ ル の 30を超しました。滋 賀 県 も 38.49 と 警 報レベルを超えま した。 西アフリカではエボ ラウィルス病の流 行が拡大しており、 この1ヶ月間に患 者は約1.1倍になり ました。 1 インフルエンザ 2014-15年シーズンは例年より3週間ほど 早くインフルエンザの流行がはじまり、全国の 定点患者数は第52週には26.63と急激に増 加しました。年が明けて2015年第1週には 21.46と一旦減少しましたが、第 2 週(1/511)には再び増加し33.28となり、警報レベル の目安の30.00を超え、例年のピークレベル まで達しました。京都府の定点数は28.26、 京都市で26.91、滋賀県は38.49、草津市で 27.90となり、滋賀県も警報レベルを超えまし た。全国の医療機関を、この1週間に受診し 目次: た患者数を推計すると約206万人(95%信 頼区間:194~219万人)となり、前週の推 1 インフルエン ザ 1 2 エボラ出血熱 2 3 麻しん 風しん 2 ス の タ イ プ は、昨 シ ー ズ ン は A(H1)型 と A (H3)型が混在していましたが、今年度はA (H3)型がほとんどです。 アメリカCDCのウイルス株の分析ではA(H3) 4 中東呼吸器症 候群 3 5 感染性胃腸炎 3 6 RSウイルス A型溶連菌 3 立命館保健センター 学生・教職員の皆様の 健康づくりのパートナー ホームページ http://www.ritsumei.ac.jp/ mng/gl/hoken/ 計値(約139万人)よりも増加しました。ウイル 型の流行株は、その65%程度がA(H3)ワクチ ン株とミスマッチしているそうです。もし、日本 での流行株も同じ傾向であるならば、今年度 はワクチンが十分に効かない可能性があり、 注意が必要です。 Page 2 感染症情報 今のところ、直ちに日 本に上陸する懸念はあ りません。しかし、同3 国より帰国して21日以 2 エボラ出血熱(エボラウイルス病 EVD) 1/14付のWHOの情報によると、西アフリカでのエボ ラウイルス病の流行状況は以下の通りです。 1/11までの集計では、累計感染者数は疑い例も含 内に38度以上の発熱 めて21,296名で、そのうち8,429名が死亡しています 症状を発症する、いわ (死亡率39.6%)。感染者数は先月の報告より約1.1 ゆる「エボラ出血熱擬 倍になりました。新規感染者が依然として報告されて 似症患者」はいつ医療 いる国は、ギニア、リベリア、シエラレオネです。 機関を訪れてもおかしく 西アフリカ3国の状況は、ギニアでは毎週100人前 人/週と減速傾向がみられます。リベリアでは1月に 入って8人/週とほぼ終息。シエラレオネではピーク時 500人/週のスピードでしたが、1月に入って184人/週 まで減速しています。 引き続き、これら3国では国際 的な医療支援が必要な状況です。 外務省では、ギニア、リベリア、シエラレオネ3国につ き感染症危険情報を発出しており、引き続き同地区 への渡航延期勧告をアナウンスしています。不要不急 はありません。 週毎の新規感染者報告数 600 後の新規患者がみられていましたが、1月に入って42 ギニア の渡航は延期してください。 シエラレオネ リベリア WHO レポートより引用 流行していない今が、 予防接種に最適な時 3 麻しん ・ 風しん 2014年の麻疹は年初の3ヶ月患者数が多かったで 期です。MRワクチンを2 すが、その後は落ち着いた1年でした。アメリカでは12 回接種してない人、2 月以降にカリフォルニアのディズニーランドで接触して 回打ったかどうか覚え 麻疹に罹患した人が数十人、カリフォルニア州を中心 に、ユタ州、ワシントン州、オレゴン州、ニューメキシコ 州で報告されています。 2013年大流行した風疹も、2014年はほとんど流行 しませんでした。 ていない人も、この機会 に是非MRワクチン接種 を受けておくことをお勧 2013 2009 めします。 2014 2012 2011 2010 2012 2013 2014 厚労省HPより引用 4 中東呼吸器症候群(MERS) 1/15のWHOの報告によると、サウジアラビアを中心 に、MERS-CoVに感染する人が続いています。確定 患者は、少なくとも350人の死亡者を含む 950人にな 国立感染症研究所HPより引用 りました。(死亡率36.8%) Page 3 5 感染性胃腸炎 41~42週(10月)頃から、ノロウイルスによる感染性 胃腸炎の患者が少しずつ増加し、第51週で全国の定 点患者数は11.49となっています。例年より少ない傾 向です。12月中がピークであると予想されますが、年 が明けてからもしばらく流行が続きます。ノロウィルスは 食品から食中毒として感染するだけでなく、吐物や便 を介してヒトからヒトへ2次感染しますので、吐瀉物、下 痢便などの取り扱いには注意をして下さい。 厚労省/国立感染症研究所 IDWR 感染症週報より引用 6 RSウイルス感染症 ・ A型溶血性レンサ球菌咽頭炎 乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス 2014 感染症の患者が35週以降、増加傾向にあり ましたが、46週以降は急激に増加して、50週 には最も報告数が多くなっています。ここ10年 の間で最も多くなっています。感染のピークは 例年12月~1月ですので、今後も患者数が増 える可能性があります。主に乳幼児で問題に なる感染症ですが、慢性疾患を抱えた高齢者 も感染すると重症化しやすいので注意が必要 です。手洗いマスクなどの感染予防対策を徹 底して下さい。 同じく、小児科領域で問題になるA型溶血性 レンサ球菌咽頭炎ですが、 定点当たり報告数 2014 は12月に入っても多く、ここ10年の間で最も多 くなっています。 厚労省/国立感染症研究所 IDWR 感染症週報より引用