...

コラム NO3 大村先生へのインタビュー 「SR 「SRの会 ― 共にミステリ

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

コラム NO3 大村先生へのインタビュー 「SR 「SRの会 ― 共にミステリ
コラム NO3
大 村 先 生 へのインタビュー
「SRの会
―共にミステリを語り合う仲間」
Q 、 今 回 は 、 い よ い よ 「 S R の 会 」 に つ い てお 伺 い い た します 。
ま ずは ど ん な 会 なの で しょ う か ?
大 村 : 現 在 、ホー ム ペー ジ( h t t p : // b lo g . live do o r. jp / sr5 5 2 0 0 7 0 3 1 8 /) か ら会 の
情 報 は 得 られ る と 思 い ま す 。 そ れ か ら 、 ミ ス テ リ ー ワ ー ル ド と い うミ ス テ リ の 総 合 ポ ー タ ルサ
イト ( h t t p : / / w w w .m y st ery - w o rld . n e t /) に 会 のコ ー ナ ー が あ り、そ こか ら も 会 の 情 報 を得
たり、入 会 手 続 きをすることができます。またそこには、テーマ別 にお勧 めのミステリを紹
介 す る 「 S R の 10 冊 」 などの コーナ ーも 公 開 されてい ます 。
「 S R の 会 」は、京 都 で 産 声 を上 げてから、今 年 で 60 周 年 を迎 え ま した 。日 本 で一 番
古 い ミ ス テリ ・ ファ ン ク ラブ で す 。初 め は 、 評 論 ば か り で な く メン バ ー の 中 に は 創 作 をす る
人 も い ま し た 。 「 本 格 ミ ス テ リ の 驍 将 ( ぎ ょ う し ょ う ) 」 と 称 さ れ る 、 鮎 川 哲 也 さん 1 ) も そ の お
一 人 です。そういえば私 は、晩 年 の鮎 川 さんとお会 いして、鮎 川 さんがお住 まいの鎌
倉 を案 内 してい た だ い た こと も あ る ん で す よ 。「 S R の 会 」 で は、そ の 後 創 作 は行 わ れ なく
なってい き 、私 が 入 会 した 20 年 前 ころ は、す でに 評 論 が中 心 の 会 と なってい ま した 。
Q、「SR の会 」の活 動 は?
大 村 : 例 会 が あ りま す。関 東 は 1 カ月 ごと 、関 西 は 2 カ月 ごと に集 ま り、ミ ス テリに つい て
自 由 に語 り合 っています。その他 に、年 1 回 一 泊 二 日 で開 かれる全 国 大 会 がありま
す。
会 報 「 SR マ ン スリ ー 」は年 6 回 発 行 されます 。会 員 は自 由 に 投 稿 でき 、私 も これ まで
何 回 か は原 稿 を書 い てい ます 。( ちなみに その時 の ペン ネ ーム は「 狂 間 筑 恵 」 です ) ごく
最 近 で は、習 志 野 高 校 図 書 館 に つい て書 きました 。
( 注 : 次 回 に 紹 介 予 定 で す 。)
ま た 、 先 ほ ど お 話 した テー マ 別 の 「 S R の 1 0 冊 」 は も う5 0 回 ぐ らい に な る の か な ? 取
り上 げた 1 0 冊 につ い て 1 0 人 で 分 担 して書 評 を書 きま す 。私 も たく さん書 きま した 。
ほ か に は、1 月 1 日 か ら1 2 月 31 日 ま での 丸 々 1年 間 の ベ ス ト も 、毎 年 決 定 し発 表 し
ます。昨 年 から、国 内 ・外 国 それぞれ1位 の方 を勝 手 に表 彰 することにしました。存 命
の 方 に は棺 形 の ト ロ フィ ー を副 賞 に 差 し上 げま した 。各 人 が 読 ん だ 本 に つ い て1 0 点 満
点 で 投 票 して 、そ の 平 均 点 で 順 位 を決 定 しま す が 、そ の 決 定 の 仕 方 も 、会 独 特 の も の
で 、参 加 する と楽 しい です よ 。ちなみに 昨 年 の 国 内 1 位 は東 野 圭 吾 さんの 『マ ス カレ ー
ド ・ ホ テル』で した 。
Q 、 ペ ン ネ ー ム の い わ れを 教 えてく だ さい 。
大 村 : 「 く る ま つ く え 」 と 読 み ま す 。実 は 、 私 の 敬 愛 す る ジョ ン ・ デ ィ ク ス ン ・ カ ー に ちな ん だ 名
前 に なってい ま す 。ど う 関 係 してい る か は 、ちょ っと した パ ズルに な って い ま す の で 、良 か
った ら謎 解 きに 挑 戦 してみ てくだ さい 。
Q 、 2 0 年 前 、 ど の よ う に し て 入 会 な さっ た の です か ?
大 村 : 『 この ミ ス テリ -が すごい ! 』の 中 の ファン ク ラブ 紹 介 ペー ジを見 て、自 分 か ら連 絡 を
と って入 会 しま した 。その 結 果 、同 じ思 いの 仲 間 がで きま した し、何 と言 っても 自 分 の
好 き な作 家 につ い て尋 常 で ない知 識 の 持 ち主 が 大 勢 い らっしゃる ので、一 緒 にい るだ
けで 、幅 広 いミ ス テリ の知 識 がどん どん 増 え てい きま した 。当 時 は、現 在 の よ うに インタ
ー ネ ット が なか ったので 、私 の 欲 しい 本 格 ミ ス テリの 情 報 を得 るに は、これが 一 番 良 い
方 法 だ ったの です 。
ま た 、古 本 に 関 する 知 識 も 徐 々 に増 え てき て、「 絶 版 本 の 宝 庫 」 とい われ る今 回 取 り
上 げた ディ クス ン ・ カー の作 品 などは諦 め ていたのに 、い つの間 にか 全 作 品 が手 に 入 る
ま でに なりま した 。会 のお か げです 。
Q 、 例 会 出 席 者 に 若 い 人 が あ まり い な い とい う こ とでし た け れ ど ・ ・ ・
大 村 : そ うです ね 、30 代 で 若 手 で しょ うか 。それに しても 「S Rの 会 」 とい うの は不 思 議 な人
間 関 係 で 、 一 般 に は 有 り 得 ない 関 係 だ と 思 い ま す 。 職 業 ・ 立 場 ・ 年 齢 に関 係 なく 、ミ ス
テリ が好 きだ とい う共 通 点 だ けで ひ とつに 交 じり合 ってワ イワ イや っている ので す か らね 。
で も 私 は 、 人 間 はオ プ ショ ン と し て こ うい う 世 界 を持 つ と い う こと が と ても 大 切 な の で は な
い か と 思 いま す 。
現 在 は情 報 だ けならネッ ト で得 られる し、ブ ロ グで 意 見 を発 信 し他 人 の意 見 も 読 め る
時 代 で はあ る けれ ど、F ac e t o Fa c e の ファ ンサー ク ルの 存 在 意 義 が 見 直 される 時 代 に
な った の で は ない か と 思 い ま す 。若 い 人 に は 、怖 が った り しない で どん どん 入 会 して ほ し
い と 思 い ます 。
Q 、 こ れ か ら 先 、 ど の よ う に 「 S R の 会 」 と 関 わ っ てい き ます か ?
大 村 : SR の 会 はアマチ ュ アが 集 ま った 、規 制 も なく と ても 緩 や か な会 で す 。趣 味 にお い て
同 じ匂 い を持 った 人 た ちと ミ ス テリ を語 れ る 、と ても 居 心 地 が 良 い 会 なの で す 。会 か らは、
有 栖 川 有 栖 さん2) 綾 辻 行 人 さん3) 芦 辺 拓 さん 小 森 健 太 朗 さん 光 原 百 合 さん4)
城 平 京 さん5)
などなどたくさんの作 家 を輩 出 しています。しかし、だからといって批
評 に 手 心 を 加 えることはありません。また、好 きが高 じて評 論 家 になってしまった方 も、山
前 譲 さん6) 千 街 晶 之 7 ) さん など、これまた たくさん い ます 。
私 は幸 せ なことに 、仕 事 と は別 に 「 SR の会 」 と い うも う一 つの 世 界 を持 つ ことで 、自 分
の人 間 としての幅 や人 間 関 係 を広 げることができました。「SRの会 」では、これからもこ
れま で 通 り、好 き なこと を言 って、ミ ス テリ を論 じてい きた い と思 っていま す。
今 回 の イン タ ビ ュ ー は 、 内 容 が 盛 りだ く さん だ った た め 2 ペ ー ジ に わた りま し
た 。 全 様 をお 伝 え しき れ てい ま せ ん が 、 こ こま でに しま す 。
次 回 コ ラム で は 、 『 SR マ ン ス リ ー 』 か ら 大 村 先 生 の レ ポ ー ト を 紹 介 します 。
い よ い よ 最 終 回 で す 。 ご 期 待 く だ さい !
習高所蔵
1 ) ◎『黒 い トランク 』★913 ア (東 京 創 元 社 )
◎『りら荘 事 件 』★913 ア (東 京 創 元 社 )
◎『鮎 川 哲 也 の密 室 探 究 』★913 アユ 鮎 川 哲 也 編 (講 談 社 )
※ 鮎 川 哲 也 作 品 は、来 年 度 シ リ ー ズ 《 本 格 ミ ス テリ 入 門 ( 日 本 編 ) 》 に て紹 介 予 定 。
2 ) ◎『双 頭 の悪 魔 』★913ア (東 京 創 元 社 )
◎『孤 島 パ ズル』★913ア (東 京 創 元 社 )
○「三 つの日 付 」★913ア 『不 在 証 明 崩 壊 アリバ イ くずし 』所 蔵 の短 編
有栖川有栖
3 ) ◎『十 角 館 の殺 人 』、◎『時 計 館 の殺 人 』等 “館 シリーズ”★913ア 綾 辻 行 人
(講 談 社 )
◎『Another アナザー 上 ・下 』★913ア1.2 綾 辻 行 人 (角 川 書 店 ) 他
4 ) ◎『遠 い 約 束 』★913ミ (東 京 創 元 社 )
◎『扉 守 り 塩 ノ道 の旅 人 』★913ミツ 光 原 百 合 (文 藝 春 秋 )
5)
◎『虚 構 推 理 鋼 人 七 瀬 』★913シロ 城 平 京 (講 談 社 )
6 ) ◎『寝 台 特 急 (ブルートレイ ン)八 分 停 車 』★913ニ 西 村 京 太 郎 (角 川 書 店 )
山前譲解説
7 ) ◎『退 出 ゲーム』★913ハ 初 野 晴 (角 川 書 店 )
千街晶之解説
Fly UP