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平成16年度(PDF:2205KB

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平成16年度(PDF:2205KB
はばたき94
フ ィ リピン大学留学体験記
1劉
国際関係学部国際言語文化学科 4 年 川 合 知 絵
私 は、2 0 0 4 年9 月 か ら2 0 0 5 年2 月 までの半年間、
フイ リピン大学 に交換留学 を しま した。留学 の 目
的 は、「フィリピンの文化や社会 を直接体験す るこ
と」、そ して もうひとつ 、「
今 まで のボ ラ ンテ ィア
やN G O で
の活動 の経験 を生か し、現地 で も何か
を したい」 とい う思 い も持 ってい ま した。留学前
に地域 言語 で フイ リピン語 さえ履修 してい なか っ
た私 に交換留学 のチ ャンスが与 えられた こ とか ら、
「私 だか らこそ現地 で何 かで きる こ とが あ るので
そびえ立つパヤタスのごみ山」
「
は ? 」 と考 えま した。現地 で ももちろん学業 が 第
い ます。 ごみ 山の周 りには彼 らやその家族 が住 み、
一 で したが 、 この体験記 では私 の興味 の 中心 で あ
ス ラム を形成 して い ます。そ こに住 む多 くの子 ど
るフイリピンの文化 や社会問題 につい て書 こ う と
も達 は、貧困や出生証明が ない などの事情 か ら教
思 い ます。
育 の機会 を失 ってい ます。そんな子 ど も達 のため
パ アララ ン ・パ ン タオ (思
に、 フ リース クー ル 「
いや りの学校)」が ごみ 山のふ もとにあ ります。 フ
イリピン人女性が校長 を務 め 、 日本や シンガポー
ルの団体 か らの寄付金 を元手 に運営 されてい ます。
私 は、 ごみ 出 に住 む人 々の生 活 を知 りたい とい
うこ とと、私 にで きる ことは何 か を探 るために、
この学校 に毎週訪問 しました。元気 に学校 に通 う
子 ども達 を見 て 、校長先 生 か らお話 を伺 つた り、
「フィリピン大学の概観」
ごみ山にある学校】
【
実際 に ごみ 出 に登 リス カベ ンジャー にイ ンタ ビュ
ー をす る こ とで 、様 々 な事実 が 見 えて きま した。
フイ リピン大学 の あ るケソ ンシテ ィー に、パ ヤ
確 かに彼 らの生 活 は困窮 してい て、状況 は深刻 で
タス とい う地域 があ ります。そ こには、マ ニ ラ首
す。 しか し、そ んな中で も、陽気 でホス ピ タリテ
都圏最大 の ごみ集積場 があ り、大 きな ごみ 山がそ
イー に溢 れた 「フィ リ ピンの誇 るフイリ ピン人」
スカベ ンジャー」 と呼 ばれる、
びえ立ってい ます。「
が多 くい ることに気付 きま した。彼 らの強 く生 き
リサ イクルで きる ごみ を拾 って売 る ことによって
る姿 に圧倒 さえされました。
生計 を立てい る人 たちが3,000人以上そ こで働 いて
21
結局、学校 のために大 した活動 はで きませ んで
はばたき94
したが、校長先生 は 「あなた達 の よ うな訪問者 に
の末 っ子 のジ ョシュアが泣 い て しまい、普段 そ う
望 む ことは、パ ヤ タスの現状 や、 この学校 の こ と
い う場 では泣 かない私 も涙が出そうにな りました。
を知 つて もらうこと。そ して、あ なた達 の 国 に住
本当 に貴 重 な出会 いがで きて、 フイ リピンに来 て
む多 くの 人 々 に もこの ことを知 つて もらい た い」
良かつたと思 った瞬間で した。
とおっ しゃってい ました。私 はこの言葉 を決 して
忘 れず、 これか らも行動 してい きたい と思 い ます。
フ ィリピン人家族 との出会 い】
【
大学 で あ るフイリ ピン人学生 と仲 良 くな り、彼
女 は実家 のあ るタル ラ ック州 に度 々私 を招待 して
くれ ま した。休暇 を利用 し、 フイリピン最大 のイ
ベ ン トで あ るクリスマスや ニ ュー イヤ ー も一緒 に
過 ご しま した。彼女 もご家族 も とて も私 に良 くし
「
旅行で行ったバナウェの棚田」
フイ リピンに滞在 した半年間で 、多 くの素敵 な
て くれました。
EE E E
出会 い に喜 び、 フイ リピン人 との文化 や感 覚 のズ
レか ら大変 な思 い も沢山 しました。 しか し、 おか
げで実 の ぎっ しり詰 まった留学 にな りま した。 同
じ境遇、環境 にい る人 々 と多 くの意見 を交 わす こ
ともで きま した。直接現場 を見 て、体験す る こと
の重要性 はやは りとて も高 い と思 い ます。 この素
▼メ│
晴 らしい経験 を決 して無駄 にする ことの ない よう、
今後、 自分 に とって最善 の道 を見 つ け なければな
お世話になったフィリピン家族」
「
りません。
彼 らと共 に過 ごす こ とで 、私 の 渡比 の 目的 で あ
った フ イ リ ピ ンの 文化 を肌 で 感 じる こ とが で き、
いつ も発 見 と感動 の連続 で した 。 一 緒 に手 を使 つ
て食事 を した り、 フ イリ ピンで 流行 して い るダ ン
ス を踊 った り、「プス プス」 とい う歯笛 の ような音
を出 して猫や人 を呼 び止 めた り、楽 しく貴 重 な時
間 を過 ご しま した。 また、彼 らが信仰 の厚 い クリ
帰国直前 に彼 らの所 を訪 ねた時、別れ際 に 8 歳
│
群げ
機会 も多 く持 つこ とがで きました。
スプス と呼 んだ
ヽ
と二■
i
Fヽ筑
数 斑
スチ ャ ンで あ ったことか ら、宗教 につい て考 える
ヽ
てきま した」
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