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特定保健指導による体重減量者の 成功要因をインタビューにより検討

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特定保健指導による体重減量者の 成功要因をインタビューにより検討
特定保健指導による体重減量者の
成功要因をインタビューにより検討
特定保健指導で 4%以上の体重減量に成功した方を対象としてインタビュー調
査を実施して、減量の成功要因を検討しました。
平成 20 年 4~8 月に特定保健指導を受けた男性 477 人のうち、支援終了時に
体重が 4%以上減量した 64 人の中で、インタビュー調査への了解を得られた 18
人に実施しました。内訳として、動機づけ支援 7 人と積極的支援 11 人です。保
健師・管理栄養士が IC レコーダーを使用して 30 分程度の個人インタビューを
実施し、面談直後記録シートと逐語録を作成し、質的データ分析法を用いて分
析しました。
インタビューは①「減量に成功した要因は何だと本人が思っているか。取り
組んでいる時の気持ちとその変化を把握する。」②「減量に対する特定保健指導
の影響を、プラス面・マイナス面を含めて把握する。
」ということを目的に実施
しました。
主な成功要因として:以下の 5 つの点がインタビュー調査の結果、示唆され
ました。
① 『強い動機があること』:取り組みのきっかけとして特定保健指導の対象に
なったことなどを上げていますが、単に体重減量が目的ではなく、何のため
に減量に取り組むのかといった価値づけ、すなわち「親より先には死ねない」
「糖尿病になりたくない」などの言葉が聞かれ、何のために減量したいのか
という目標のあることが窺えました。
② 『生活習慣の改善目標の取り組み方に無理がないこと』
:苦しい思いをせず、
自分の生活に合わせて調整しながらほどほどに取り組めることが継続につ
ながると思われました。
③ 『減量効果の実感が得られていること』:「身体が軽い」「服のサイズが変わ
った」など取り組んだ成果が体感として感じていることは継続を大きく支え
ていると思われました。
④ 『取り組みに工夫があること』:「体重をこまめに計る」「歩く量を増やす」
など、プランで設定した目標以外に自分に合った工夫がなされていました。
⑤ 『家族の協力があること』:「お弁当を作ってもらった」「妻と一緒にウォー
キング」など家族の協力が支えになっていました。
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また、インタビューを通して、減量成功者は以下の 3 つのタイプに分けられ
ることが示唆されました。
◆マイペースで取り組むタイプ
自分のペース守り無理をしないで取り組んでいくタイプで「押し付けられるのはいや」「無
理をしたくない」などの言葉が聞かれました。
支援のあり方としては、健康目標は低くし、目標は少し頑張ればできるものを設定するなど
無理のないことが重要。うまくいかない場合は、厳しくするのではなく、目標変更を提案す
るなど、柔軟な支援が必要と思われました。
◆目標達成タイプ
決めた目標に向かって、必ずやるという固い意志を持って進むタイプで「決めたことは実行
する」「やるべきことはイヤでもやる」などの言葉が聞かれました。
支援のあり方としては、効果の上がる具体的なアドバイスや効果に対する期待感を高めるよ
うな支援が有効であると考えられました。また急激な減量につながらないよう、取り組みが
やり過ぎとならない配慮が必要と思われました。
◆約束やルールを守るタイプ
枠にはめられると実行しなければと思うタイプで「支援メールがくるからやらないといけな
い」「枠にはめられてよかった」などの言葉が聞かれました。
支援のあり方は、日々の実行報告を守ろうという力が強いので、きめ細やかな支援が有効で
あると考えられました。また支援終了後も継続してもらえるような働きかけが必要と思われ
ました。
以上のことから、支援者は単に減量目標を持ってもらうだけでなく、無理な
プラン立てにはならないよう支援すること、効果の上がる工夫を自分の生活の
中で考えてもらうなどを提案する必要があると考えられました。また対象者の
タイプによって支援のあり方を変えることも必要であると思われました。
厚生労働科学研究「生活習慣病対策における行動変容を促す効果的な食生活支援の手法に
関する研究」
(主任研究者:武見ゆかり)の一環として当センターでの指導例を対象に減量
成功要因を検討しました。
大阪府立健康科学センターは、府民の生活環境や疾病の発生状況を調査・研究し、
健康寿命の延伸のための科学技術開発に取り組んでいます。
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◆大阪府立健康科学センター
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■■
〒537-0025 大阪府大阪市東成区中道 1-3-2
TEL:06-6973-3535
FAX:06-6973-3574
(主任研究者) 河中 弥生子(健康開発部 管理栄養士)
■■◆
(研究責任者) 西村 節子 (健康開発部 栄養指導班長)
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