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ストレージの仮想化機能などをフル活用し データ環境の拡張性確保と

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ストレージの仮想化機能などをフル活用し データ環境の拡張性確保と
先
進
事
例
アプリカ( Applica Incorporated )
http://www.applicainc.com/
ストレージの仮想化機能などをフル活用し
データ環境の拡張性確保と集中管理を実現
流行の台所用具からフライパン、トースターまで、消費者を魅了する多くの家庭用小型電気製品を販売しているアプリカ。現在に至るまで、
同社には企業買収によって成長してきたという経緯がある。そのため、アプリカのデータセンターには運用管理においてさまざまな課題が
浮かび上がっていた。この現在の課題に加え、今後も企業買収をしていく可能性があることから、アプリカでは将来的にも対応可能な高い
柔軟性と拡張性を持つIT環境を必要としていた。
台所・家庭用器具に
イノベーションと品質が凝縮
から、同社には種々雑多の IT システムが
き た た め 、運 用 管 理 コストが かさみ 、
稼働している。そのためアプリカは、同
バックアップやサポートもままならない状
社が保 有 するデータを適 切に統 合 する
況にあった。
アプリカがデザインし販売している製
ためのソリューションを探していた。
アプリカのシニア・データベース管理
品は、Black & Decker や SpaceMaker 、
また、アプリカは近年、製品の生産を
者 であるマイケル・フェアクロー 氏は、
アプリケーションの可用性や管理のしや
LitterMaid 、George Foreman などの人気
自社生産からアジア企業へのアウトソー
ブランドとして量販店やデパート、専門
シングに切り替えた。製品の販売は主に
すさを改善するために、次のような対応
小 売 店で 取り扱われ て いる。その 同 社
欧米諸国の企業であり、生産はアジア、
を考えていた。
の製品分野である台所・家庭用器具は、
事業拠点は世界中に展開しているため、
「ストレージ環境の見直しは、1 つの重
全世界で数十億ドルの市場規模を誇る。
アプリカでは IT システムを 24 時間 365 日
要なポイントと考えました。どのようなシ
そうした中でも、アプリカが幅広く取
休 みなく利 用 できるように す る必 要も
ステ ム が 追 加されようとも受 け 入 れら
りそ ろえる台 所・家 庭 用 器 具 に は イノ
あった。
れ、その時点でのビジネスの要件にも対
ベーションと品質が凝縮されており、日
アプリカの IT 部門が管理するデータ量
応できる、そのような柔軟性と拡張性を
常の家事という単純作業から解放してく
は約 10T バイト。その範囲は財務やデー
備えたプラットフォームが欲しかったから
れるという独自の世界観は、多くの利用
タベ ース、ERP( Enterprise Resource
です」
者からの支持を得ている。
Planning )などの基盤となるアプリケー
ションから、技術資料やデータウェアハ
データが分散していることで
バックアップの作業が困難に
データを統合するための
ソリューションを模索
ンの処理に至るまでのあらゆる分野にお
よぶ。ところが、それらのデータは関係
アプリカの IT 環境では、さまざまなシ
アプリカは、企業買収によってビジネ
部 門しか アクセス できな い 、い わ ゆる
ステムやサーバ、プラットフォームが混
スを安定成長させてきた。そうした経緯
「サイロ」の中に長年かけて蓄積されて
在し て おり 、加 え て 小 規 模 の S A N
ウス・システム、高度なサプライチェー
仮に明日、新たに企業を買収したとします。
たとえ私どもとは異なる一連のシステムを使用していたとしても、
USP Vに簡単に仮想化することができます
アプリカ シニア・データベース管理者
マイケル・フェアクロー氏
24
Hitachi Storage Magazine Vol.4
( Storage Area Network )がデータベース
管理システムやファイル・サービス、社
内ポータル用サーバで使われている。
ストレージ環境を統合し
将来の拡張性も確保
つねに高いパフォーマンスで動作させる
という管理ができるようになります」と説
明している。
また 、ア プリカ は ストレ ー ジ のコロ
アプリカ が 採 用を決 めたのは 、エン
ケーション・サービスも利用している。そ
タープライズ ディスクアレイ「 H i t a c h i
こでは、本番環境のコピーや開発用デー
タなどを 置くことが あり、そ の 影 響 で
(以下、
Universal Storage Platform V 」
USP V )であった。USP V をベースにする
バックアップ作業が規定の所要時間内に
ことにより、ストレージ仮想化技術や論
フェアクロー氏は、USP V について次
収まらず、システムの処理が遅くなるこ
理パーティショニング、ユニバーサル・レ
のように評価している。
アプリケーションの
可用性向上と同じ効果に
とに一部のユーザーから苦情が出ていた
プリケーション などが実現でき、それら
「 USP V には多くの機能があり、コスト
とフェアクロー氏は明かす。
すべてを 1 つのインタフェースで管理で
効率に優れ、高いパフォーマンスを発揮
「データが分 散しているとバックアッ
きるためだ。
するだけでなく、オンラインバックアップ
プ が難しく、多くの時間を要します。管
アプリカの主要なシステムは、USP V
やデータの重複回避などにより、バック
理も簡単ではありません。バックアップ
に 移 行され た 。そこには E R P や デ ータ
アップの所要時間短縮も実現してくれま
時 間を短 縮できれば、ユー ザー への影
ウェアハウス、財務予測ツールなども含
す。これはビジネスから見れば、アプリ
響も抑えられます 。で すから、ストレー
まれている。この成 功により、フェアク
ケーションの可用性が高くなったことと
ジ 環 境を集 中 管 理 できる仕 組みが欲し
ロー氏は「企業買収によって将来的に拡
同じ効果があるといえます」
*
かったのです。仮想化技術や、ストレー
張性が求められても、管理面とコスト面
USP V を導入したことによって、アプリ
ジを階層( Tier )単位で段階的に利用で
でしっかり対応できるように、私たちはス
カのストレージ管理者は 1 名で対応でき
きる仕 組みも、コスト削 減とパフォーマ
トレージのリソースを論理的に分割する
るようになった。しかも、SAN に関する一
機能の Hitachi Virtual Partition Manager
般的な知識を持っていれば十分であり、
も活 用しようと考えています 」と将 来に
USP V の操作方法を知っていればあらゆ
こうした要件に対し、複数のベンダー
ついて語っている。
ることに対処できるようになったという。
から提案が寄せられた。フェアクロー氏
なお、今後の第 2 フェーズとして、ア
「仮に明日、新たに企業を買収したと
ン ス の 観 点 から 最 優 先 事 項 でし た 」
(フェアクロー氏)
プリカ で はミッドレンジ ディスクアレイ
します。たとえ私どもとは異なる一連の
「さまざまなテクノロジーを比較・検討
「 Hitachi Adaptable Modular Storage 」
システムを使用していたとしても、USP
しまし た 。基 準 とな る 指 標 も 確 認し 、
( 以 下 、A M S )の 導 入を予 定して いる。
V に簡 単に仮 想 化 することができます 」
SAN についても個別に見直しました。そ
AMS は USP V と同じ SAN を基盤として稼
と、フェアクロー氏 。そして次のように
は次のように振り返る。
してすべての要件を満たしていたのが、
働し 、社 内 の 電 子 メー ル や ファイル・
付け加える。「大変な作業を時間と予算
日立データシステムズ のソリューション
サービス、サーバの VMware クラスタを
どおりにこなし、問題もいっさい発生し
でした 。拡 張 性 や 柔 軟 性 に 優 れ たスト
一時的に退避させる機能を提供すること
ませんでした。私たちが成功したのはベ
レージ 基 盤と豊 富な知 識を持 つ 熱 心な
になる。フェアクロー氏は「比較的重要
ンダーの実行力のおかげでもあり、日立
パートナーとして、すべての面で協力し
度の低いシステムはあまりコストをかけ
データシステムズを選んだことは本当に
てくれました」
ずに維持し、重要なアプリケーションを
正解でした」
®
*ディスクドライブ上のジャーナル(変更履歴)
ファイルを遠隔地の別のディスクドライブに転送する方式のリモートコピー機能
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