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Title
Effects of a novel antiallergic drug, pemirolast, on signal
transduction in mast cells (I) Effect of a novel antiallergic drug,
pemirolast, on activation of rat peritoneal mast cells: Inhibition of
exocytotic response and membrane phospholipid turnover (II) An
antiallergic drug, pemirolast potassium, inhibits inositol 1,4,5trisphosphate production and Ca^<2+> mobilization in antigen
stimulated rat basophilic leukemia (RBL-2H3) cells( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
藤宮, 大
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第285号
Issue Date
1994-03-16
Type
博士論文
Version
URL
http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/handle/123456789/14841
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏名(本籍)
学位授与日付
藤 宮
大(新潟県)
士(医学)
博
甲第 285
号
平成 6 年 3 月16
学位授与の要件
学位規則第4条第1項該当
学位論文題目
Effects
学位の種類
学位授与番号
a
of
Of
mast
ofa
rat
drug,PemiroIast,On
novelantial]ergic
transductionin
(l)Effect
日
S.gnal
ceHs
novelantiallergicdrug,Pemirolast,On
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and Ca2+mobilizationin
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response
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StimuLated
審
査
委
貞
rat
basophilicleukemia(RBL-2H3)celIs
(主査)教授
宮
田
英
雄
(副査)教授
野
澤
義
則
論
文
内 容
教授
の
要
鶴
見
介
antigen
登
旨
鼻アレルギーなどのⅠ型アレルギー反応においてはマスト細胞が中心的な役割を演じている。抗原刺激により
細胞内額粒から遊離されるヒスタミン,セロトニン,マスト細胞の膜リン脂質より遊離したアラキドン酸(AA)
から生成されるプロスタグランジン(PGs),ロイコトリエン(LTs)などの生理活性物質がアレルギーの病像形成
に深く関与している。従ってマスト細胞活性化を抑制する薬剤は抗アレルギー薬として有用である。また一方,
それら薬剤の作用点を解析することにより,マスト細胞の活性機構がより明らかとなることも期待できる。しか
し,これまでに種々の抗アレルギー薬が開発されてきたが,必ずしもその作用点は明らかにされていない。
マスト細胞の活性化に伴い膜リン脂質代謝が冗進する。なかでもホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸
(PIP2)がイノシトールリン脂質特異性ホスホリパーゼC(PI-PLC)により分解されると,2つのセカンドメッセ
ンジャーであるイノシトール1,4,5一トリスリン酸(IP,)と1,2-ジアシルグリセロール(DG)が産生される。IP,は小
胞体上IP3受容体に結合した後,Ca2+を動員し,Ca2+依存性の蛋白質を活性化させ,DGはプロテインキナーゼC
(PKC)を活性化する。これらが協調的に働いて細胞機能を発現すると考えられている。
そこで本研究では,マスト細胞のシグナル伝達機構をより明らかにする目的で,抗原刺激によるマスト細胞の
シグナル伝達分子の産生と,新規の抗アレルギー薬pemirolast(TBX)の効果とその作用点について解析した。
研究方法と成績
1)結合組織型マスト細胞のモデルであるラット腹腔マスト細胞を用いて,蛍光法によるヒスタミン遊離と[14C]
標識細胞からのセロトニン(5-HT)遊離を比較したところ,両者ともはぼ同等の値が得られた。[1■C]5-HT遊離を
測定することにより,抗アレルギー薬の効果を容易に短時間で測定することが可能となった。また,この方法は
蛍光のある薬物の評価にも応用できた。
2)ラット腹腔マスト細胞をAぶCαri5抗原(0.01〟g/ml)で刺激すると30秒まで急速に5-HT遊離が開始し,1分で
プラトーとなり,約60%の遊離がみられた。TBXにより時間依存的,濃度依存的に効果を認めTBX(0.1-10〟g/
ml)で約80%抑制された。
3)[3H]AA標識したラット腹腔マスト細胞を抗原刺激すると,DGの産生がみられ3分でピークに達した。TBX
(1.Opg/ml)はDG産生を約50%抑制した。
4)ホスホリパーゼA2(PLA2)活性化による膜リン脂質からのAA遊離は,抗原刺激3分後にピークを示した。こ
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れはTBX(1・0〃g/ml)により約60%抑制された。また・AAの代謝産物であるPGs,LTsは脂質抽出時水屑に遊
離するので,その放射活性を測定すると5分で75%の抑制がみられた。
5)粘膜型マスト細胞のモデルであるRBし2H3細胞を[1-C]5-HT棲識して抗原(0・1〟g/ml)刺激をすると,約1
分の潜時の後に5-HTが遊離し,10分で約50%の遊離が観察された。TBXは濃度依存的に5-HT遊離を抑制し,
TBX(0.1-10FLg/ml)で約35%の抑制がみられた。
6)RBL-2H3細胞で抗原刺激によるIP慮生を定量分析すると,分泌反応の開始と同じ1・分をピークとする一過性
の上昇を認めた0[3H]イノシトール標識細胞を用いてTBXのIP慮生に対する抑制効果を調べたところ,5-HT遊
離と同じ濃度依存性を示した。
7)RBL-2H3細胞の細胞内Ca2+濃度の変化をfura-2標識した単一細胞の画像解析法により観察すると,抗原刺激
的40秒後より細胞内Ca2+濃度の上昇する細胞を認め,以後Ca2+濃度の上昇は持続した。EGTAで細胞外Ca2・をキ
レートしてCa2十のない状態では・Ca2'濃度の上昇は一過性であった。一過性の上昇はIP,によるCa2・の動員であ
りt持続性の上昇は細胞外からの流入によるものと考えられるoTBXにより一過性および持続性の濃度上昇の
抑制のみならず潜時の延長を認めた。
8)RBL-2H3細胞を抗原刺激をすると2相性のDG産生を示し,第1相はPIP2からの一過性の産生で,第2相は
主にホスホリパーゼD(PLD)の作用によりホスファチジルコリン(PC)から生じる。TBXは[3H]AA標識したRBL_
2H3細胞でのDGとホスファチジン酸(PA)産生を,5-HT遊離と同じ濃度依存性に抑制した。また,AA遊離に対
してもTBX(0.1-10FLg/ml)で約45%抑制がみられた。
考
案
以上の結果から・IP産生に続く細胞内Ca2+濃度の上昇がマスト細胞活性化の引き金になっていることが示唆
された。また,抗アレルギー薬TBXは結合組織型のみならず粘膜型マスト細胞でも分泌反応を抑制した。TBX
によりセカンドメッセンジャー(IP3,Ca2+,DG,PAとAA)産生の抑制がみられ,各シグナルの産生酵素である
PI-PLC・PLD・PLA2の活性化を抑制することが考えられた。イノシトールリン脂質代謝(PI-PLC活性化)がPLD,
PLA2活性化の引き金になっていることから,TBXの作用点は抗原のIgEへの結合からPI-PLC活性化の間にある
可能性が示唆された。
論文書査の結果の要旨
申請者藤宮
大は,ラット腹腔マスト細胞とラット好塩基球性白血病(RBL-2H3)細胞を用いて,抗原刺激に
よるセロトニン遊離と膜リン脂質代謝,Ca2+動態について詳細な解析をおこない,新規の抗アレルギー薬TBX
の作用機序として,情報変換酵素ホスホリパーゼC(PI-PLC)活性化抑制が重要であることを示した。この研究
は,マスト細胞の活性化機構に新しい知見をもたらし,アレルギーの病態解析のみならず,今後のアレルギー治
療に対しても少なからず寄与するものと考えられる。
[主論文公表誌]
(Ⅰ)Effectofanovelantiallergicdrug,pemirolast,OnaCtivationofratperitonealmastcells:
Inhibition
ofexocytoticresponseand
membranephospholipid
turnover
平成3年11月発行Int.Arch.AllergyAppl.Immunol.96:62∼67
(Ⅱ)Anantiallergicdrug,pemirolastpotassium,inhibitsinositoll,4,5-trisphosphatepr。d。Cti。nand
Ca2'mobilizationin
basophilicleukemia(RBL-2H3)cells
平成6年2月発行Jap.J.Allergo143(2):142∼151
antigen
stimulated
rat
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