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日本原子力研究開発機構ネットワークシステム最適化計画

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日本原子力研究開発機構ネットワークシステム最適化計画
日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 ネットワークシステム最 適 化 計 画
2007 年 ( 平 成 19 年 )3 月 26 日
日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 業 務 ・システム最 適 化 委 員 会 決 定
第 1.業 務 ・システムの概 要
日 本 原 子 力 研 究 所 (以 下 、原 研 )と核 燃 料 サイクル開 発 機 構 (以 下 、サイクル機
構 )は平 成 17 年 10 月 1 日 付 けで 統 合 され、日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 (以 下 、原 子
力 機 構 )となった。統 合 に伴 い、統 一 的 な業 務 の遂 行 と統 合 ネットワークシステムの
整 備 を 図 る ために 、 二 法 人 が 独 立 に 整 備 し て いた ネッ ト ワーク シ ス テム( 以 下 、 それ ぞ
れ原 研 NW、サイクル機 構 NW)を 1 つのネットワークシステム(以 下 、原 子 力 機 構 NW)
に統 合 する ことを目 指 した「原 子 力 機 構 ネットワークの最 適 化 計 画 」を策 定 し、実 施 す
る。
二 法 人 NW の主 な構 成 要 素 は、1)拠 点 間 ネットワーク、2)各 拠 点 内 ネットワーク、
3) セキュリ ティ シス テム 、4) 電 子 メ ール システ ム、5) 内 線 電 話 網 シス テム、 である 。 特
に、原 研 、サイクル機 構 ともに原 子 力 に係 わる巨 大 研 究 開 発 プロジェクトを推 進 して
いることから、日 本 各 地 に拠 点 が存 在 し、その拠 点 間 の密 接 なコミュニケーションが
研 究 プ ロ ジ ェ ク トの 完 遂 に 不 可 欠 と な っ て いる 。 そ の た め 、 拠 点 間 を 結 ぶ 広 域 ネ ッ ト ワ
ークの統 合 が重 要 となる。
二 法 人 の ネッ トワ ーク を統 合 化 し 、 原 子 力 機 構 のネッ ト ワークと して 最 適 化 する に 当
た っ て は 、 原 子 力 機 構 が わ が 国 に お ける 唯 一 の 原 子 力 に 関 す る 総 合 的 研 究 開 発 機
関 であり、 原 子 力 関 す る様 々な研 究 開 発 及 び 安 全 性 確 保 を担 う中 核 機 関 であるとい
う観 点 から、以 下 を基 本 理 念 とす る。
1)拠 点 間 、部 門 間 のコミュニケーションに必 要 なネットワークインフラを統 一 的 に
整 備 し、原 子 力 機 構 の基 本 理 念 である「事 業 の効 率 化 、重 点 化 及 び整 理 合
理 化 の推 進 」に寄 与 する。
2)世 界 有 数 の大 型 計 算 機 や核 融 合 等 の巨 大 実 験 施 設 を各 拠 点 の研 究 者 が円
滑 に利 活 用 するために必 要 なネットワークリソースの確 保 に努 め、原 子 力 機 構
の担 う研 究 の効 率 的 な 推 進 に寄 与 する。
3)最 新 のネットワーク技 術 、セキュリティ技 術 を活 用 し、唯 一 の原 子 力 総 合 研 究
機 関 として、外 部 との情 報 交 流 促 進 と、サイバーテロ等 の脅 威 を退 けるための
セキュリティ強 化 とを両 立 させる。
なお、本 最 適 化 計 画 は、原 子 力 二 法 人 の統 合 に向 けて、二 法 人 の情 報 システム
管 理 部 門 の協 力 の下 に、効 率 的 、効 果 的 な大 型 計 算 機 システム、ネットワークシス
テム及 び電 話 網 システム等 の統 合 について検 討 するため設 置 された「大 型 計 算 機 ・
ネットワーク統 合 検 討 グループ」にお いて、平 成 16 年 12 月 13 日 に決 定 された原 子
力 機 構 ネットワークの最 適 化 計 画 を、業 務 ・システム最 適 化 計 画 としてまとめたもの
である。
第 2 .最 適 化 の実 施 内 容
原 子 力 機 構 NW について、次 に掲 げる最 適 化 を実 施 す る。
(1)拠 点 間 ネットワークの再 構 築
上 記 最 適 化 の基 本 理 念 1)、2)を達 成 するためには、拠 点 間 ネットワークの通 信
容 量 拡 大 が不 可 欠 である。現 状 では、両 法 人 併 せて 20 以 上 の拠 点 を有 する中 、
1Mbps 以 下 の通 信 容 量 しか確 保 できていない拠 点 も多 く、業 務 の電 子 化 、 増 大 する
メール等 の通 信 需 要 増 に応 えるのが難 しくなりつつある。そこで、原 研 NW と サイクル
NW を統 合 するに当 た り、拠 点 間 ネットワークを再 構 築 す ることとする。具 体 的 に は、こ
れまで拠 点 間 ネットワークとして利 用 していたATM網 から、より高 速 かつ低 料 金 であ
る広 域 イーサ網 に統 一 的 に移 行 する。これにより、回 線 容 量 を拡 大 しつつ運 用 コスト
の削 減 を目 指 す。
広 域 イーサ網 と拠 点 間 との接 続 容 量 については、現 在 の通 信 容 量 、端 末 数 、今
後 の需 要 増 減 予 測 等 に基 づきその最 適 化 を図 る。広 域 イーサ網 と拠 点 間 の接 続 方
式 については基 本 的 にはイーサネットを用 いるが、通 信 サービスが限 定 される地 域 で
は 、 DSL 、 専 用 回 線 等 の 代 替 方 式 を 併 用 す る 。 具 体 的 に は 札 幌 事 務 所 、 地 域 共 生
福 井 については、費 用 対 効 果 の面 からDSLによる広 域 イーサネット乗 り入 れ方 式 で
の接 続 とし、人 形 峠 環 境 技 術 センター、幌 延 深 地 層 研 究 センターについては専 用 回
線 による広 域 イーサ網 乗 り入 れ方 式 での接 続 とする。
本 最 適 化 計 画 に基 づき、原 研 は 平 成 16 年 1 月 よ り ATM 網 から広 域 イ ーサ網 の
利 用 に 切 り 替 え、 同 時 に 拠 点 間 の 内 線 電 話 通 信 を VoIP 化 した 。 一 方 、 サ イ クル 機
構 は既 存 A TM網 の長 期 割 引 契 約 が終 了 す る平 成 18 年 12 月 に、広 域 イー サ網 に
切 り替 えると共 に VoIP 化 を実 施 することとする。
(2)インターネット接 続 回 線 の統 合 、見 直 し
情 報 公 開 、電 子 メールによる情 報 交 換 、インターネットアクセスによる情 報 閲 覧 等
のサービスを実 施 するためのインターネット接 続 回 線 について下 記 合 理 化 を実 施 す
る。
1)二 法 人 が、それぞれに整 備 しているインターネット接 続 を、二 法 人 統 合 に先
がけ平 成 17 年 9 月 に集 約 ・共 有 化 し、設 備 コストの削 減 と運 用 の 効 率 化 を
図 る。
2) イ ン タ ー ネッ ト 接 続 ノ ー ド ま で の 回 線 コ ス ト を 削 減 す る た め 、 S IN E T ノ ー ドを 原
子 力 機 構 原 子 力 科 学 研 究 所 内 に誘 致 する。これにより、従 来 、筑 波 にある
SINET ノードに接 続 す るために必 要 だった通 信 回 線 費 の削 減 を図 る。
(3)運 用 管 理 の合 理 化
二 法 人 毎 にサービス内 容 や利 用 方 法 等 の違 いがあり、法 人 ごとに異 なる運 用 管
理 を行 っていた。広 域 イーサ網 への移 行 、インターネット接 続 回 線 の統 合 により、原
子 力 機 構 N W を統 合 することで、運 用 管 理 体 制 や経 費 等 を見 直 し、集 約 化 、 効 率 化
を図 るものとする。
(4)電 話 の専 公 接 続 サービスの拡 大
平 成 18 年 12 月 末 にサイクル機 構 NW を広 域 イーサ網 に移 行 す るのに併 せて、電
話 の専 公 接 続 サービスを原 子 力 機 構 全 体 に拡 大 し、外 線 電 話 費 用 の削 減 を図 る。
専 公 接 続 サービスとは、外 線 電 話 (携 帯 電 話 を除 く)をかける際 に、最 も電 話 料 金 の
安 くなる拠 点 まで内 線 電 話 網 を通 して接 続 し、そこから外 線 に接 続 するサービスであ
る。なお、原 研 の内 線 電 話 網 においては、専 公 接 続 サービスを従 前 より実 施 してい
た。
(5)メールシステムの統 合 化
二 法 人 のメ ールサーバ を統 合 化 し 1システムと することに よ り、部 署 ご とに個 別 に 実
施 していた管 理 作 業 を一 元 化 し、 合 理 化 を図 る。
(6)外 部 との情 報 交 流 促 進 とセ キュリティ強 化 との両 立
原 子 力 機 構 は 、 国 家 施 策 e-Japan 計 画 の も と 実 施 さ れ た ITBL(Information
Tec hnology Base d Laborat ory)計 画 の中 で、組 織 を超 えた情 報 交 流 をセキュアに実
現 するための基 盤 技 術 を先 行 開 発 し、実 運 用 経 験 を蓄 積 してきた。これらの技 術 、
経 験 の礎 に、外 部 との情 報 交 流 促 進 と情 報 セキュリティ対 策 との両 立 に向 け以 下 の
最 適 化 を実 施 する。
①二 法 人 で個 別 に整 備 していた、不 正 侵 入 や攻 撃 を検 知 ・防 御 する不 正 侵 入
検 知 ・防 御 装 置 、コンピュータウィルスの侵 入 を検 知 ・駆 除 するゲートウェイ
型 ウィルス対 策 システムを集 約 し 、監 視 機 能 ・体 制 を一 本 化 する。
②原 子 力 機 構 NW と して DMZ を統 合 、整 備 する。これにより、外 部 への情 報 公
開 、他 研 究 機 関 との情 報 共 有 の活 発 化 と情 報 セキュリティ強 化 との両 立 が
期 待 できる。
③ 共 同 研 究 の 促 進 と 情 報 セキ ュ リティ 確 保 のために 、 外 来 者 への インタ ーネッ ト
接 続 サービスを提 供 するゲストネットを整 備 する。ゲストネットは原 子 力 機 構
NW から 隔 離 した 状 態 でイン ターネ ッ トに アクセ スできる よう にしたネッ ト ワー ク
である。これにより、共 同 研 究 者 等 外 来 者 の利 便 性 を確 保 しつつ、原 子 力
機 関 としての情 報 セキュリティの確 保 を図 る。
④原 子 力 機 関 としての社 会 からの信 頼 を得 るために、悪 意 のある Web へのアク
セスを遮 断 する URL フィルタリングシステムを整 備 する。
なお、原 子 力 機 構 NW の運 用 に当 たっては、「政 府 機 関 の情 報 セキュリティ対 策 の
ための統 一 基 準 」に準 拠 し、1)原 子 力 機 構 の情 報 システムセキュリティポリシーを定
める「 情 報 セキュリティ管 理 規 程 」 、2) 前 記 規 程 に基 づき遵 守 すべき行 為 及 び 判 断 の
基 準 について具 体 的 に定 める「情 報 システムセキュリティ対 策 基 準 」を遵 守 することと
する。
(7)その他
本 最 適 化 計 画 の実 施 に当 たっては、情 報 技 術 の進 展 、製 品 化 動 向 、ネットワーク
の利 用 状 況 等 を踏 まえ、経 費 及 び業 務 処 理 時 間 の削 減 効 果 を明 らかにしつつ、必
要 に応 じ最 適 化 計 画 の見 直 しを行 うこととする。
第 3.最 適 化 に係 る効 果
原 子 力 機 構 の ネ ッ ト ワ ー ク イ ン フ ラ に 関 し 、 以 上 の 最 適 化 を 行 う こ と で 年 間 約 185
百 万 円 の 経 費 削 減 効 果 を見 込 んでいる。
経 費 削 減 効 果 の内 訳 としては、拠 点 間 ネットワークの再 構 築 及 びインターネット接
続 回 線 の 統 合 、見 直 しにより年 間 163 百 万 円 、メールシステムの統 合 化 により 22 百
万 円 である。
第 4.最 適 化 工 程
別 添 1「原 子 力 機 構 ネットワーク最 適 化 工 程 表 」のとおり
第 5.
現 行 体 系 及 び将 来 体 系
別 添 2「業 務 説 明 」のとおり
別添1
「原 子 力 機 構 ネットワーク最 適 化 工 程 表 」
2003 年 度
2004 年 度
2005 年 度
2006 年 度
2007 年 度
(平 成 15 年 度 )
(平 成 16 年 度 )
(平 成 17 年 度 )
(平 成 18 年 度 )
(平 成 19 年 度 )
最適化計画策定
拠 点 間 ATM 網 (原 研 )
日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 の発 足
拠 点 間 広 域 イーサ
拠 点 間 広 域 イーサ網
網 (全 拠 点 )
拠 点 間 ATM 網 (サイクル機 構 )
インターネット接 続 回 線 の統 合 、見 直 し
SINET ノード誘 致
運 用 管 理 の合 理 化
電 話 の専 公 サービ
ス拡 大
メールシステム統 合 化
統 合 メールシステム運 用
情 報 せキュリティ対 策 強 化
・
不 正 侵 入 検 地 防 御 装 置 の統 合 等
ゲストネット運
用
将 来 体 系 での
運用
別添2
日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 ネットワーク 業 務 説 明 書
1.目 的 ・機 能
原 子 力 機 構 は、わが国 における唯 一 の原 子 力 に関 する総 合 的 研 究 開 発 機 関 であ
り、原 子 力 に関 する 様 々な研 究 開 発 及 び安 全 性 確 保 を 担 う中 核 機 関 として、原 子 力
に関 する技 術 的 な問 題 は総 て解 決 できる体 制 を整 備 ・維 持 することが求 められてい
る。原 子 力 機 構 ネットワークは、こうした期 待 に応 えるためのライフラインとして位 置 づ
け られ 、 特 に 原 子 力 と い う 巨 大 技 術 を 扱 う こ とか ら 日 本 各 地 に 分 散 す る 拠 点 間 の コミ
ュニケーションを密 にするという重 要 な役 割 を担 っている。
2.管 理 ・運 用 体 制 図
原子力機構
システム計算科学センター
システム計算科学センター長
システム計算科学センター次長
情報システム管理室
情報システム管理室長
室長代理
ネットワークチーム
セキュリティチーム
チームリーダ
チームリーダ
担当
担当
大洗駐在
関西駐在
那珂駐在
拠点担当者
3.技 術 体 系
別 添 3「ネットワーク構 成 図 ( 現 行 体 系 )」
別 添 4「メールシステム構 成 図 (現 行 体 系 )」
別 添 5「ネットワーク構 成 図 ( 将 来 体 系 )」
別 添 6「メールシステム構 成 図 (将 来 体 系 )」
別添3
ネットワーク構成図(現行体系)
福井
ふげん
敦賀
福井支援
幌延センター
瑞浪
サイクル
機構
支援研修
札幌事務所
東濃
人形峠
本社
もんじゅ
東海事業所
大洗工学
東京
インフォメーション
東京
計算科学
原研
大洗研
東海研
那珂研
ATM回線
広域イーサ回線
広域イーサ網
HSD回線
電話網専用
ダークファイバ
播磨
関西研
柏本部
高崎研
むつ
自営光ケーブル
インターネットト接続
大湊
メールシステム構成図(現行体系)
Internet
JAERI.GO.JP
Relay
サーバ
Relay
事業所
Mailサーバ
クラスタ構成
Active
Active
Standby
Standby
サーバ
クラスタ構成
Active
Active
Standby
Standby
事業所
Mailサーバ
Disk
JNC.GO.JP
Disk
原研メールサーバ
サイクル機構メールサーバ
【原研東海】
【サイクル機構大洗】
別添4
別添5
ネットワーク構成図(将来体系)
本部
大洗センター
ふげん
敦賀
高速炉研
支援研修
幌延センター
東海核サ研
札幌
那珂研
東海原科研
地域共生
福井支援
瑞浪
広域イーサ網
東濃
人形峠
播磨
関西研
システム計算科学
高崎研
むつ
大湊
東京
メールシステム構成図(将来体系)
別添6
インターネット
外部メールサーバ
新法人
Relay サーバ
JAEA.GO.JP
新法人
メールサーバ
【設置場所:東海原科研】
注)原科研:原子力科学研究所
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