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開催結果概要
北海道障がい者施策推進審議会意思疎通支援部会
第1回手話調査会開催結果概要
1 開催日時・場所 平成 28 年 3 月 18 日(金)18:00~20:00 かでる2.7 730研修室
2 出席委員 橋本委員(調査会長)
、佐藤(英)委員、佐々木委員、沖村委員、中西委員、武田委員、
佐藤(薫)委員(7名中7名出席)
3 意見交換の概要
手話を使用する聞こえない人が生活の中でどのような困難を感じているか。また、良かったと感
じられることは何かなどを中心に意見交換を行った。主な意見は次のとおり。
【生活場面で困ったこと、よかったこと】
〇 以前は「カードはありますか」
「ふくろは必要ですか」などとレジで聞かれたが理解できず、
そのような所には行きたくないと感じた。
最近では、手話で「ありがとうございます」と表現し、レジにあるカードの絵を指さして聞い
てくれるようになった。
手話がうまい人でなくても、対応方法を知っていれば、聞こえない人が困ることが少なくなる
のではないか。
〇 聞こえない人は見た目ではわからないため、他の人は聞こえる人と思い込み対応をする。
コンビニにずっと入れなかった。レジでお財布を見ているときに話しかけられても気づかずにい
ると、店員の態度がひどく変わって、嫌な思いをしたことがある。
聞こえませんと伝えるとそれなりに対応してくれる。聞こえる人たちに手話を求めるのは難し
いと思う。意思疎通支援の対応に入ると思う。
〇 郵便局の受付で、簡単な手話で表現してくれてとても助かった。
盲ろう者なので色々なコミュニケーション手段が必要だが、そういう場面で手話があるとよかっ
た。
〇 航空会社の対応はとても良くなってきている。空港のカウンターで筆記で伝えるためのボード
が用意されていたり、航空中でも必要な場合は丁寧に対応してくれる。
〇 バスも運転席にボードが用意してあることが多い。JR の対応はあまり変わらない。
〇 企業などに問い合わせをする場合、電話の音声ガイダンスを通さなければならない方法が増え
ている。そのため、聞こえない人がわざわざ自宅から手話通訳者のいる事務所まで来なければな
らないケースが増えている。
〇 聞こえない人が通訳を受けることができるのは、1日のうち2~3時間程度。それ以外のとき
にどう対応してもらえるかということが重要。
1
【手話を学ぶ環境など】
〇 中途難失聴者が聞こえなくなってから手話を覚えるのはとても大変である。盲ろう者の場合、
接近手話や点字、手書き文字等様々なコミュニケーション方法が必要である。
〇 手話を気軽に使える場所があれば、もっと手話が広がるのではないか。市民の手話教室などで
手話の初歩を学んだ人のうち、手話を気軽に使える場所がないことから、そこから先に進まない
ケースが多いのではないか。
〇 手話通訳者養成講座等が開催されていない小さな町の手話サークル員は、もっと先に進むため
に学びたいと思っても、なかなか講座に通うのが難しい。
〇 聞こえなくなってから手話を覚えることはとても難しい。
手話はろう者だけのものではなく、盲ろう者や中途難失聴者にとっても大切なので、そういう
人たちが手話を覚える足場を設けて欲しい。
【手話通訳者や手話サークル活動の現場など】
〇 手話通訳の派遣依頼は、聞こえる人の生活場面と同じだけの幅の広さがある。一番多いのは医
療関係だが、警察、裁判所、学校、就職の面接など様々な場面に手話通訳が派遣されている。
〇 通訳現場では、相手方に手話通訳者であることや業務内容を説明しなければならない。資格試
験が国家資格でないなど手話に対する社会の認識がまだまだ低い現状がある。
〇 聞こえない人は急な困りごとの時など自宅から遠い手話通訳者の事務所まで行き対応してもら
う場合もあるが、近所の手話サークル員に連絡をすることもある。
行政から届いた文書の内容がわからない時に手話サークル員の自宅を訪ねたり FAX して、サー
クル員が絵や記号などで分かりやすく内容を説明することがある。
【手話の特徴・必要とする人など】
〇 手話は聞こえない人だけではなく、聞こえる人にとっても必要である。
聞こえない人が通院の際、手話通訳者を同伴するが、その場合、医師や看護師が患者に説明す
るために手話が必要ということになる。
〇 手話通訳の派遣依頼は、聞こえる人の生活場面と同じだけの幅の広さがある。
一番多いのは医療関係だが、警察、裁判所、学校、就職の面接などからも派遣依頼がある。
(再掲)
〇 手話のいいところは、音声と同じように同時に会話ができ、コミュニケーションを楽しむこと
ができる。そういった手話の特徴から、途中で聞こえなくなった方や盲ろう者も手話を使ってい
る。
〇 聞こえなくなってから手話を覚えることはとても難しくなる。手話はろう者だけのものではな
く、盲ろう者や中途難失聴者にとっても大切なので、そういう人たちが手話を覚えることにも理
解や配慮が欲しい。
2
【手話を言語として生活する方について】
〇 通訳の場面で、聞こえる医師や看護師などから「書いたらわかるでしょ」と言われることがあ
るが、手話を使うろう者にとって、手話が一番理解ができる言葉であり、文字が手話のどちらか
一方を選ぶということではない。書いてわかるものは一部だったり、単語レベルでしかわからな
い場合もある。そのことを聞こえる人たちに理解してもらうのが難しい。
手話で生活している人には手話が必要なんだということを知っていただかなくてはならない。
〇 先天的に聞こえない子どもは、手話を身につけることで、読み書き言葉としての日本語が理解
しやすくなる。 聞こえない赤ちゃんが生まれた時に、聞こえるようになる手立て(人工内耳な
ど)だけではなく、聞こえない子には言語として認められた手話があるという理解を広めること
が必要である。
〇 手話を使う聞こえない人は、ものを理解するときや頭の中で考える言語自体が手話である。
手話の言葉の並びは日本語とは違う。
手話で考え、
手話で理解している人たちのことをもっと理解してもらうように広めていきたい。
【手話を広めるために】
〇 手話を少しでも知っている方や手話通訳による通訳を受けた聞こえる人など、手話に触れたこ
とのある人が多くいる。
そういう方々へ今度は理解を広めていくためにも条例は必要となってくる。
〇 学校の授業や社員教育、医療・福祉の研修などで相当数の方が手話を少しでも学んだ経験を持
っているが、継続的でないため覚えていない人が多いのではないか。
〇 手話に関する条例を検討していることを、手話で理解する方々に理解してもらうためには、ホ
ームページに文字による会議記録を載せるだけではなく、手話動画を貼り付けて手話で理解して
もらう方法も理解を広めることになるのではないか。
【社会の手話に対する認識について】
〇 手話をコミュニケーション支援の1つ、合理的配慮としてみている現状がある。配慮できなけ
れば仕方ないではなく、
音声言語と同じように手話が必要だと理解してもらうことが必要である。
〇 手話が言語であるという認識は、日常的に手話と接するろう者や手話通訳者の範囲でとどまっ
ているのではないか。
〇 聞こえなくなってから手話を始めたが、それまでは見たことがなかった。
コミュニケーションは双方向のものなので、ろう者と手話通訳者だけの問題ではなく、一般社
会に普及させるための対策が必要。
手話を言語として認めて、なおかつ、様々なコミュニケーションを加えた意思疎通支援対策が
必要である。
3
〇 聞こえない人のお子さんが、
自分の親が障がい者であることを周りに知られることをいやがり、
学校行事での手話通訳を見えない場所でするように頼まれることがある。また、手話通訳を頼ま
ないこともある。
手話が言語として広く理解され、聞こえない親を持ったお子さんが、友達などから「手話がで
きてうらやましいね」と言われるような社会になってほしい。
〇 手話を社会やろう学校の中でさえ禁止する時代から、ろう者の運動により法律にも言語と規定
されるまでになった。ろう者の責任ではなく禁止してきた側の人たちが、手話は言語であること
を認識すべき。
〇 手話が社会やろう学校の中で否定されてきた歴史があり、そのことがまだ社会の中に残ってい
る。
言語である手話を奪われてきた歴史も踏まえて、
手話は日本語やアイヌ語と同じ言語であり、
言語には優劣がないことの理解を広める必要がある。
【全国(道)の状況など】
〇 全国の 33 自治体で条例が施行されており、うち 31 が手話単独条例
〇 全国の地方議会すべてで手話言語法の制定を求める意見書が採択されている。
〇 全道をまわって多かった反応は三つある。
一つは手話はジェスチャーと同じという反応であるが、語彙の数が全く違う。
二つ目はろう学校で手話を教えているという反応だが、日本のろう教育は手話で教えるとい
う方針を出していない。そのことを知らない人が多い。
三つ目は日本語を崩したものが手話であるという見方。手話は日本語と対等な立場にある言
語である。これらの誤解を解消するためにも、条例が必要である。
【条例の形】
〇 障害者権利条約の第2条は「言語」と「コミュニケーション」を分離している。共生社会の
実現を目指すならば、権利条約第2条を基本とした「手話言語条例」
「コミュニケーション保
障を主とした条例」の二つが必要である。
〇 盲ろう者は色々なコミュニケーション手段が必要である。手話や接近手話、触手話、点字な
ど。手話が言語であることは理解しているが、なぜ単独の手話言語条例が必要なのかその理由
は何なのか。
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