Comments
Description
Transcript
名瀬地区漁業集落(PDF:282KB)
様式1 平成26年度離島漁業再生支援交付金による取組概要 1.集落協定の概要 都道県名:鹿児島県 市町村名:奄美市 島名:奄美大島 協定締結集落名:名瀬地区漁業集落 交付金額:4,080千円 協定参加世帯数:49人(うち漁業世帯30人) 集落漁業者平均所得:1,180,436円 2.協定締結の経緯 年々漁業者数が減少し高齢化している現状にあって、魚価の低下、水揚げ高の減少等の 課題も抱えているため、産卵場の整備や放流事業、加工品開発等により水揚げや魚価を向 上させ一人一人の所得を増やしていくことにより、新しく漁業に従事する人にとって魅力 のある環境づくりを目指して離島交付金による漁業再生活動に取組むこととした。 3.取組の内容 ①漁場の生産力の向上に関する取組状況 ・水揚げ高が減少しているため、スジアラ1,000匹、マダイ70,000匹、ト コブシ3,000個、シラヒゲウニ20,000個の放流活動や密漁監視を実施し て水揚げの向上を図った。 ・台風等によりゴミが漂着しているため海岸清掃を行った。 また、イカ柴300個を設置し、追跡調査を実施して産卵場、育成場の整備を図る こととした。 ・サメによる被害が多数報告されているため、釣り上げてきたサメの買い上げ(買い上 げ数 1 匹)やはえ縄による共同操業を行いサメの駆除(駆除数7匹)を実施した。 ・すみよう漁業集落が住用町戸玉漁港で行っている藻場造成の取組を視察調査した。 ・密漁や漁場行使料を支払っていないのに漁をしている事例が報告されているため、監視 を行った。そのうち一回は、海上保安部に協力してもらい合同で監視を実施した。 ②集落の創意工夫を生かした取組状況 ・キハダマグロのモツやイガ(ナガタチカマス)等の市場価値の低い魚等を使用してモ ツ煮や揚げ物等の加工品開発を行い、付加価値を向上させ、イベントや軽トラ市等に 出展・販売し、魚価の向上を図った。 ・魚食離れが続いている状況のため、エビ汁や加工品販売活動を行い、魚食普及を図っ た。 ・販売拡大を図るため、島外の販売会やイベント等に出店したり、島外などの加工品開 発の先進地視察と商品のパッケージや加工の研修会等を行った。また、イカ飯、メン チカツ等の加工品を開発し、名瀬漁業協同組合購買部にて試験販売を行った。 4.取組の成果 海岸清掃を実施したことにより、海洋環境の保全が図られた。 放流活動、密漁監視を実施したことにより資源の増加と乱獲や密漁の防止が図られ、水 揚げ高の向上が期待される。 イカ柴を設置したことにより産卵・育成場の整備が図られ資源回復につながった。4 月 に前年度に投入した、イカ柴の効果調査を実施し、3 月のイカ柴設置にあたっては散らば らないように設置方法を改善した。 サメ駆除を行ったことにより、有害水産動物からの漁業被害の低減が図られ、漁業者の 安全及び水揚げ高の向上に寄与した。 密漁監視の取組を新聞社に記事にしてもらい周知することにより、漁場行使料の支払が 促されると共に新しく漁をするために組合加入者が増加し密漁の抑制に寄与した。 キハダマグロのモツやイガ(ナガタチカマス)等の価値の低い魚を加工し販売を行った ところ、モツ煮や揚げ物としての新たな利用価値が見いだされた。 加工品やエビ汁等の販売により、魚を食べる機会を作ったことにより、魚食普及が図ら れた。 島外の販売会やイベント等に出店したり、視察研修や講習会に参加したことにより、島 外に対しての販路拡大とパッケージや加工方法の改善による加工の効率化を実現できた。