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3 消化と吸収の機構(1)(ノート)
3 消化と吸収の機構(1) 消化と吸収とは (4)小腸 •消化:小腸を通過できる大きさに分解(細分・微小 •幽門から大腸まで。 化)されること。 •口側から、十二指腸、空腸、回腸。 •吸収:物質が小腸から循環系に取り込まれること。 •十二指腸には膵管と総胆管が開口し、膵液や胆汁が分 泌される。 2-1 消化器の構造 •小腸は消化・吸収の主役。 •小腸粘膜には輪状ひだ・絨毛・微絨毛があり、吸収面 •消化管:口から入った食物→胃や腸で消化・吸収→残 は漿膜面(0.35m2)の600倍の200m2ほどある。 渣 は 肛 門 か ら 糞 便 と して 排 泄 。 口 か ら 肛 門 ま で の •十二指腸腺はアルカリ性の粘液を分泌。胃液の酸性を 「管」。内部の空洞を管腔。 中和し、粘膜を保護。 •消化器系は、消化管と付属器(唾液腺、膵臓、肝臓な ど)で構成。 (5)大腸 •盲腸・結腸・直腸にわけられる。結腸は上行、横行、 (1)消化管の一般構造 下行、S状結腸からなる。 •消化管壁は一般的に、管腔側から粘膜、粘膜下層、筋 層、漿膜。 (6)膵臓 •粘膜:粘液や消化液を分泌する細胞があり、つねに •胃の後ろに位置する。膵液を分泌する外分泌部と、イ 潤っている。食道は機械的損傷を受けやすいので丈夫 ンスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌する内分 な重層扁平上皮から成る。胃や腸は粘膜上皮が粘膜を 泌部(Langerhans島)がある。 保護し、物質の吸収や分泌に関与。 •膵液は消化酵素を含み、膵管をとおって十二指腸へ分 •粘膜下層:血管やリンパ管、神経組織が分布。 泌される。 •筋層:二層の平滑筋から成る。粘膜下層の神経ととも •膵液はHCO3-に富む。 に自律神経系を構成。 •漿膜:消化管の再外層の滑らか な膜。周囲との摩擦を少なく し、消化管の運動をスムーズに するのに役立つ。 (2)口腔・咽頭・食道 •歯:咀嚼により食物を細かくす る。 •舌:味覚に関与。咀嚼や嚥下を 助ける。 •唾液腺:でんぷん分解酵素のア ミラーゼを含む。咀嚼された食 塊を粥状にし嚥下しやすくす る。 •咽頭:嚥下するときには気管へ 食物が入らないように 喉頭蓋 が閉じる。 •食道:約25cmの管。横隔膜を 貫通して胃につながる。 (3)胃 •入り口を噴門、噴門より上の ドーム上の部分を胃底、胃の中 央部を胃体、出口を幽門、幽門 の手前の狭い部分を幽門前庭。 •胃粘膜には多数のヒダがある。 •胃酸(塩酸)とペプシノーゲン を分泌。 9 3 消化と吸収の機構(1) (7)肝臓 •消化管で吸収された栄養素は門脈を経由して肝臓に運 •物質代謝の中心。 ばれる。 •消化器としての役割は胆汁を消化管に送り、脂質の消 •胆汁は胆嚢に蓄えられて濃縮される。胆嚢は食事によ 化・吸収を助けること。 る刺激で収縮して、胆汁が十二指腸へ分泌される。 •胆汁に含まれる、コレステロールから合成される胆汁 酸が脂肪の消化・吸収を助ける。 10 3 消化と吸収の機構(1) 化酵素を含む。 2-2 消化の機序 •管腔内消化と膜消化:管腔内に分泌される消化酵素に (1)消化のしくみ よる消化と、小腸の微絨毛膜に分布する膜消化酵素に •物理的消化:機械的な破砕・細分化 よるものがある。 •化学的消化:化学結合の切断 •消化管の運動:分節運動・緊張性運動・蠕動運動 (2)各器官における消化 •分節運動:小腸の筋肉によって腸管が分節に分けられ •口腔:でんぷんがアミラーゼによって化学消化され たり、隣の分節と結合したりして内容物が撹拌・混 る。 和・細分化される。 •胃:胃液の水分と食物が混和・粉砕されて糜粥(び •緊張性運動:小腸のある部分を他から隔てる。内容物 じゅく)と呼ばれる半流動体になる。分泌されたペプ は移動しないが、消化産物と小腸粘膜の接触時間が長 シノーゲンが胃酸によって活性化されペプシンとなり、 くなるので吸収が促進される。 たんぱく質を消化する(ペプチドになる)。 •蠕動運動:内容物を口側から肛門側に移動させるとと •小腸:胃から送られる糜粥に、種々の消化酵素などを もに、内容物の撹拌・細分化に役立つ。 含む膵液、胆汁、腸液などが加わって消化が進む。十 •消化液の働き:①食物の水分量を増やして、消化管内 二指腸ではHCO3-が分泌され胃酸を中和。胆汁は脂質 での食塊の移動・混和を容易にしたり、粘膜を物理 をエマルジョン化(ミセル化、乳化)。管腔内消化と 的・化学的刺激から保護する②化学的消化を行なう消 膜消化の両方が行なわれる。 11 3 消化と吸収の機構(1) 12