Comments
Description
Transcript
指導の実際 1 「道徳の時間」での活用 指導計画にある「プロを夢見た
●指導の実際 1 「道徳の時間」での活用 ●指導計画にある「プロを夢見た少女」の授業の導入と終末で活用した。 ① 導入の場面で(16 ページ) 導入で 16 ページを読み, 「たいてい の場合,いろいろな壁にぶつかる」 「壁 の向こうに希望を投げ込み,それを超 えていくという強い意志が,人生を切 り拓いていく」とはどういうことかを 考えさせ,本時の展開へとつなげた。 「私たちの道徳」を導入で活用するこ とにより,本時で扱う道徳的価値につ いて,生徒の現状でのとらえ方を知る ことができた。 生徒の記述 ・習字で毛筆と硬筆の両方で特待生にな る。 ②終末の場面で(17 ページ) ・高校入試で,自分の行きたい高校に合 格する。 ・(部活動の)大会で優勝する。 ・アンサンブルコンテストで金賞をと る。 授業の感想 ・挫折しても乗り越えるところを見習 いたいです。 ・夢を追いかけることはステキだなと 思った。 ・もし自分が壁にぶつかったとして も,ひとつひとつ乗り越えたいと思 った。 ・夢をあきらめないでいられてすごい なと思った。 終末で書いた授業の感想からは,主人公の生き方を通して,その意味を深く理解できたようであっ た。挫折を乗り越える強さや周囲の支えの大切さに気付くこともできた。さらに,17 ページに自分が 達成したい目標を書かせることで,自分のことについて考えを深め,達成のために努力しようとする 意欲へとつなげることができた。 2 特別活動での活用 ① 生徒会選挙の立会演説会 スライド 1 資料名 「学校や仲間に誇りをもつ」 (194 ページ~197 ページ) 生徒会選挙に向けて,自分と学校とのかか わりを考え,生徒会の一員として役員選出を する意識付けを図るために活用した。スライ ドの写真は本校のものを使い,メッセージは 生徒達が考えた。 内容 ① 立会演説会の最初に,選挙管理委員がス スライド2 後輩に伝えたいこと ライドを使って資料を読む。(スライド 1) ② 写真を見ながら自分と学校とのかかわり について考える。 (スライド2) ③ 3年生から後輩へメッセージを伝える。 成果 単に役員を選出するだけでなく,生徒会 の一員としての自覚をもち,学校の伝統や 校風を受け継ぐ気持ちを高めることができ た。 ② 学級活動 資料名 「情報社会の光と影」 (226 ページ) 生徒間のネット上でのトラブルについて問 題意識をもたせるために活用した。 内容 ① 朝の短学活で「私たちの道徳」のPDF を各学級にある電子黒板を使って提示す る。 ② 担任が,情報社会の良さや問題点につい て説話をする。 成果 短い時間であるが,資料や写真を見ながら の説話は分かりやすく,生徒に問題意識をも たせることに効果的であった。 3 家庭との連携での活用 道徳の時間の導入と終末で読んだ資料について学級通信に掲載し,授業の感想を紹介 した。 <学級通信掲載の一部> 「行く手に大きな壁が立ちはだかっていたら, その向こうに帽子を投げろ。」 アイルランドのことわざ( 「私たちの道徳」より) 「私たちの道徳」に書いてあったことわざについて,みんなで考えました。 まだ壁にぶつかったことがないという人も多かったですね。帽子をとるため に,その壁を乗り越える。この「目に見えない帽子」は,みんなたくさん持 っています。それは「勇気」であり「希望」ではないでしょうか。その帽子 を投げるか,投げずに壁の前で引き返すか。女子プロ野球選手の梅本さんの 生き方から学ぶことが多かったのではないでしょうか。 4 成果と課題 道徳の時間の導入や終末で「私たちの道徳」を活用することで,生徒が道徳的価値 について考えを深めることにつなげることができた。また,学級通信を通して,授業 内容や生徒の記述を紹介することで,家庭との連携を生かした道徳教育の取組となっ た。 学級の短学活や学校行事などの集会においては,道徳教育推進教師が中心となって 「私たちの道徳」を活用した資料を作成し,活用を呼び掛けた。短時間であるが,口 頭だけでの説話よりも,資料や画像を見ながら聞くことで,生徒に訴える力があった。 道徳の時間の授業や特別活動での活用を進めているが,短時間での補助的な活用が 中心である。今後は,道徳の教科化に伴う「私たちの道徳」の改定も視野に入れなが ら,授業の展開部分などでの活用を工夫していきたい。