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第2章 - 名古屋市
ま え が き 近年、食物アレルギーのある児童生徒は増加の傾向を示し、学校給食でのアレルギー 事故の発生事案もしばしば耳にするようになりました。 そもそも、食物アレルギーを引き起こす原因食品を摂取しないことが食物アレルギー への効果的な対処法であることを考えると、原因食品を取り除いた学校給食の安全な実 施と、誤飲誤食をしない学校ぐるみの指導体制がきわめて重要です。くわえて、アナフ ィラキシーはその症状が急速に進行し、児童生徒の生命にかかわる疾病であることから、 日頃から緊急時に備えた対応が必要となります。 本市の学校給食における食物アレルギー対応は、すべての児童生徒が安心して、安全 な給食を食べることができるようにという願いのもとで、平成19年度より全市統一的 に始まりました。そして、食物アレルギーがある児童生徒の視点に立って、一歩ずつで はありますが学校給食の充実が図られてきました。その一方で、食物アレルギーに対す る正しい知識の定着や、安全な学校給食の実施に向けた諸問題が浮き彫りになっていま す。あわせて、アドレナリン自己注射薬の使用を含めた緊急時の迅速で適切な対応につ いては、喫緊な課題となっております。 本手引き書は、学校給食が原因となる食物アレルギー事故を防止することを第一義と して、作成しました。すべての教職員が食物アレルギーの特性や原因・症状について正 しく理解し、アレルギー対応給食の実施に向けて基本的な対応ができるように配慮しま した。また、緊急時の対処を確実に行う校内体制作りの情報を掲載しております。学校 給食にかかわる多くの教職員に活用していただき、各学校における食物アレルギー対応 がますます充実することを願っております。 手引きの作成にあたり、委員長をお務めいただきました「あいち小児保健医療総合セ ンター内科部長」の伊藤浩明先生を始めとし、多大なるご協力をいただきました委員の 皆様に厚くお礼申し上げます。 平成26年1月 名古屋市教育委員会 教育長 下 田 一 幸 目 次 第1章 食物アレルギーの基礎知識 1 食物アレルギー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 (1) 定 義 (2) 原因となる食品 (3) 症 状 (4) 仕組み (5) 食物アレルギーと間違えやすい主な病気 2 食物アレルギーのタイプ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 (1) 即時型 (2) 口腔アレルギー症候群 (3) 食物依存性運動誘発アナフィラキシー 3 食物アレルギーの検査と診断 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 第2章 食物アレルギーのある児童生徒への対応 1 食物アレルギー対応の基本的な考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2 食物アレルギーのある児童生徒の把握から実施まで ・・・・・・・・・・・・ 4 (1) 食物アレルギーのある児童生徒の把握 (2) 食物アレルギー対応委員会の設置と対応マニュアルの作成 (3) 日々の給食対応の実施 (4) 評価と見直し 3 教職員の役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 (1) 校長・教頭 (2) 学級担任 (3) 養護教諭 (4) 栄養教諭・学校栄養職員 (5) 給食主任 (6) 給食調理員 (7) 学校医 4 児童生徒への指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (1) 個別指導 (2) 学級全体への指導 5 学校生活(学校給食以外)における留意点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (1) 校内における教育活動 (2) 校外学習・宿泊を伴う行事 6 中学校スクールランチにおける食物アレルギー対応について ・・・・10 7 ヒヤリ・ハット事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 第3章 学校給食における対応 1 アレルギー対応給食の基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 (1) 対象者と申請手続き (2) 安全な給食を提供するためのポイント (3) 学校給食献立に関する基本方針 2 食物アレルギー対応給食の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 (1) 除去食 (2) 副食の除去 (3) 単品の除去 (4) 副食の一部取り除き 食物アレルギー対応給食実施上の留意点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 (1) 献立作成時 (2) 対応内容の決定 (3) 調理前・調理中 (4) 運搬・配膳時 (5) 給食の時間 (6) 後片付け 4 食物アレルギー対応給食実施日の流れ(例) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 5 給食時の教室での対応と指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 3 第4章 緊急時(アナフィラキシー発症時)の対応 1 緊急時への備え ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 (1) 職員の役割分担 (2) 連絡先の確認 (3) 緊急時に搬送する医療機関の確保 (4) 緊急時薬剤の保管 2 アレルギー症状に使用される薬の種類と特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 (1) 抗ヒスタミン薬 (2) 気管支拡張薬 (3) ステロイド薬 (4) アドレナリン自己注射薬(エピペン ) 3 緊急時対応の流れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 (1) 初発症状に気づくこと (2) 適切な場所の確保 (3) 必要な人の確保と役割分担 4 緊急時の観察と判断 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 (1) 緊急時の判断と対応の基本ポイント (2) 緊急性が高いアレルギー症状 (3) 緊急性が高いアレルギー症状への対応 (4) 緊急要請(119番通報)の留意点 5 エピペン の使い方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 6 エピペン 使用後の配慮点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 7 心肺停止状態に陥った場合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 ◆アレルギー緊急時対応マニュアル 対応の流れと役割分担 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 緊急時個別対応マニュアル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 エピペン 使用の手順 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 心肺蘇生とAEDの手順 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 ◆掲載資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28