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エピペン Q.学校給食におけるアレルギー(アナフィラキシーショック)で
Q.学校給食におけるアレルギー(アナフィラキシーショック)で配慮すべきことを教えてください。 A.平成24年12月、調布市立小学校の給食で小学5年生女児が死亡する事故が起きました。死 因は、給食による食物アレルギーによるアナフィラキシーの疑いということでした。アナフィラキシ ーとは、食物、薬物、ハチ毒などが原因で起こる即時型、いわゆる急性症状の出るアレルギーのこと で、症状は全身に表われ急速に進行します。ときに心肺停止に至る激しいショック症状までいくこと があり、そのことをアナフィラキシーショックと言います。 食物アレルギーをもつ児童・生徒に対しては、学校ではその児童・生徒の情報をしっかり収集し、 万が一の時には、全ての関係者が理解し、対応できる体制をとる必要があります。 まず、個々の児童・生徒の症状を正確に把握し、対応策を検討するには、「学校生活管理指導表」 の提出を徹底させる必要があります。このことによって、在籍する児童・生徒にどのようなアレルギ ーがあり、過去にどんな症状が出たかを把握することができます。 そして、毎月末に管理職、担任、養護教諭、給食主任、給食調理員、該当保護者で校内委員会を実 施し、翌月の給食献立表、成分表を見ながら、除去食についての確認を行いました。 次に、万が一のときの対応について、教職員の共通理解が得られるように研修を行う ことです。日本小児アレルギー学会から、エピペンを使う基準が分かりやすく示されて います。例えば、呼吸器の症状であれば、強い咳込みが続くとか、ゼーゼーする呼吸と か、息苦しいなど、どれか一つでもあれば、躊躇なくエピペンを打つことになっていま す。打つリスクより打たないリスクの方が大きいとのことです。エピペン注射液は、安 全ピンを外すと少し強く押しつけるだけで注射針が射出する構造になっています。この ため、児童・生徒がいたずらをすると非常に危険ですので、職員室や保健室で保管する 必要があります。 調布市立の小学校では、女児が入学以来5年間にわたって食物アレルギーに関する研 修を実施し、緊急時には教職員がエピペンを打つことを学び、理解していたと思われま す。しかし、研修の成果が生かされず、女児がエピペンを持っていたにも関わらず、担 任も養護教諭もエピペンを打つまでに至らなかったと報告されています。 信頼される学校づくりを進めていくには、学校安全計画・危機管理マニュアルに基 づいた学校の危機管理能力を高めていくことが不可欠です。 経験校種 小学校 エピペン