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小冊子シリーズ ビ ジ ネ ス 基 本 用 語 集 本庄忠社会保険労務士事務所 1 ビジネス基本用語集 (1)職場生活 番号 1 1-1 ① ② 1-2 1-3 1-4 1-5 1-6 1-7 1-8 1-9 2 2-1 2-2 2-3 2-4 項 目 出退勤 外勤・内勤 外勤 営業や集金、配達、警備などもっぱら社外で勤務する人、場合、またその仕事。外回りをいう。 内勤 事務職などもっぱら社内でデスクワークする人、場合、またはその仕事をいう。 勤務時間 出勤から退勤までの時間、あらかじめ会社との契約により決められている所定の時間、拘束されている 時間。休憩時間を含む。会社に出ている時間のこと。 欠勤 有給扱いにならない(給料が支払われない)休み。有給休暇として認められた範囲を超えて休む場合、 あるいは会社の了解なく無断で休んだ場合は欠勤となる。 「欠勤扱い」 コアタイムcore time ☆→フレックスタイム制参照 残業(時間外) 所定の労働時間を超えて働く場合、これを残業という。休日に働く場合も残業扱いとなる。 時短 ☆関連→労働時間 労働時間短縮のこと。労働基準法の週 40 時間制を受け、あらゆる企業に、時短に向けての努力が課せ られている。この実現のためには、いかに労働生産性をあげて、コストを押えるかがポイント。 出社・帰社・退社 勤め先へと赴くことを出社。出先から会社に戻ることを帰社。勤務時間が終わって会社から出ることを 退社という。退社は会社を辞めるという意味で使われる場合もある。 (=退職) フレックスタイム制 変形労働時間制の 1 つ。一定期間において、所定の労働時間さえ満たしていれば、1 日の就業の開始時 間と終了時間を自由に設定できる制度。ただし、一般にコアタイム(勤務が義務づけられている時間帯) が設けられている場合が多い。 有給休暇 休日以外の労働日に、労働者が勤務しなくても出勤したものとみなされ、賃金を失うことなくして与え られる休暇。労働基準法により最低基準が決まっている。 賃金 インセンティブ 目標達成を促す刺激策。企業が、従業員や販売店あるいは消費者に対して提供する報奨金や景品など。 「馬ににんじん」などで例えられる。 給料 賃金と同義。雇い主が従業員に支払う労働報酬のこと。多くの場合、月給として毎月定期的に支払われ る。給料とその他諸手当を含めた総称を給与(給与所得)という。 コミッション 手数料や斡旋料の事だが、フルコミッション(略してフルコミ)と使われるような場合は、歩合という 意味になる。 時給・日給・月給 それぞれ契約形態により、時間ごと、一日ごと、月ごとに支払われる給与の事。時給や日給はパートや アルバイトの契約形態が多い。 2 番号 2-5 項 目 賞与 一般に年二回、夏季(6~7 月)と年末(12 月)に支給される、数ヵ月分の給料に相当する一時金のこと。 ボーナスともいう。 2-6 ストックオプション ☆関連→インセンティブ 自社株を、ある一定期間中にあらかじめ決められた価格(権利行使価格)で買える権利を、会社の役員 や従業員に与える制度。 会社の株価の上昇が自分の利益に直結するため、インセンティブの一つとされる。 2-7 定昇 ☆関連→ベア、春闘 定期昇給の略。企業の設定した賃金表に基づいて、個人の賃金が定期的に昇給されること。 年齢や勤続年数に応じて自動的に昇給される分と、能力や技能のレベルに応じて昇給される分がある。 2-8 年功序列型賃金 勤続年数や年齢によって、自動的に賃金があがっていくしくみ。終身雇用を前提とした日本独特の賃金 体系。昨今の不況と高齢化、技術革新の進展によって崩壊しつつある。 2-9 年俸制 年功序列的な定期昇給の概念に対して、昨今、注目されてきている処遇制度。 過去の業績、実績に基づいて翌年度の報酬を決定するというもの。 2-10 歩合 取引高、生産高、販売額などのある割合に当たる手数料や分配金、報酬の事。 営業の募集広告で「給与○万円以上可能」という表現は完全歩合給の場合が多い。 2-11 ベア ☆関連→定昇、春闘 ベースアップの略。企業の賃金表(賃金テーブル)全体を底上げすること。一般に物価の上昇分や賃金 の世間相場などをもとに、団体交渉によって決められる。 3 職位・職務 3-1 契約社員 契約によって定められた一定期間だけ雇用される従業員。臨時社員、パート、アルバイトもこれに含ま れる。契約期間の終了時に契約更新を行うことによって雇用が継続する。 3-2 職位 主任、課長、部長など、その団体・会社が決めた形式的な階級の呼称。ポジション。これに対し、総務 部長、営業所長、経理課長など、具体的な個別の職位のことをポストという。 3-3 職務 組織において、各人が受け持つひとまとまりの仕事や任務の事。いずれの職務にも“権限”と“責任” の両面がある。 3-4 職務拡大/職務充実 従業員に対する動機づけ要因。職務拡大とは、仕事の幅を広げること、職務充実とは仕事を高度化する こと。いずれも人材育成の一環として重視されている。 3-5 派遣社員 派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業の指揮命令下で働く労働者のこと。1999 年 12 月 1 日より施行 された『改正労働者派遣法』により、派遣対象業務が原則自由化された。 4 職場行動 4-1 コミュニケーション 言葉や文字などで意思の伝達を行う事。通信という概念もあり、その場合その機関をさす事もある。 「社 員相互のコミュニケーションが大事」 4-2 就業規則 賃金や労働時間、休暇などの労働条件や、働く上でのルールを取り決めたもの。常時 10 人以上の労働者 を使用する場合、使用者は必ず作成し、労働基準監督署長に届出なければならない。また、変更に際し ては労働者に意見を聴取すること、就業規則を周知させることも義務づけられている。なお、労働基準 法や労働協約に反する就業規則は無効となる。 4-3 チームワーク ある目標に向けて共同で仕事を行うために、お互いに協力しあい、一体となって、全体としての成果を あげるよう動くこと。 3 番号 4-4 4-5 4-6 4-7 4-8 4-9 4-10 4-11 4-12 4-13 項 目 帳票 金銭の収支や物品の出入り、その他事務処理を行う上で必要となる帳面、帳簿、伝票の総称。元帳、現 金出納帳、入・出金伝票、納品伝票、出庫伝票などなど、組織の中では多くの事務手続きが帳票を介し て行われる。 直行・直帰 自宅から勤務先に立ち寄らずに、直接仕事先に出向くことを、俗に直行(または直出)という。また、 出先から勤務先に戻らずにそのまま帰宅することを、俗に直帰という。 方針 目標を達成するためにめざす方向。具体的には「守るべき条件」および「力の入れどころ」である。 報・連・相、打 「報告」 「連絡」 「相談」の略。職場において、互いに連携をとりながら仕事を進めるために、必要不可 欠なコミュニケーションの要素とされる。最近、 「打ち合わせ」も要素に入れる。 マネジメントサイクル まず計画(Plan)を立てて実行(Do)し、その結果を振り返り(See) 、反省点や成果を次の仕事の計画 に活かしていく、そのようなサイクルを回すことで仕事をレベルアップしていこうという考え方。 (PDS サイクル) 最近は、PDCA サイクル(P→D→Chck(測定・評価)→Act(行動、対策) )の方がよく使われる。 目標 マネジメント理論の中では、ある活動や課題に取り組むときに、一定期間後に実現する状態のことを指 している。これを簡略化して「活動の目的や課題に、期間と到達レベルを加えたもの」と表現されるこ とが多い。何に取り組むかだけでなく、期末までにどれだけやる、どんな状態にする、というところま でを明確にすることで、達成度評価が可能なものとなる。 モラール・モチベーション モラールとは、組織全体の労働意欲、士気のこと。これに対しモチベーションとは組織を構成する個々 人の労働意欲や動機づけという意味で使われる。 優先順位(プライオリティ) プライオリティは優先権。仕事をする際には「今しなければならない事」 「近いうちにやる事」 「いつか はやる事」などに分類して取り組む事が必要。トッププライオリテイは最優先事項。 リーダーシップ 集団をまとめながらその目的に向かって導いていく機能。もともとはリーダー個人が有する能力と考え られていた。この考え方に立つならば、リーダーシップを有するリーダーは、どんな集団においても強 力なリーダーシップを発揮できることになる。しかし実際には、ある集団でリーダーシップを発揮でき たリーダーが、別の集団ではうまくリーダーシップが発揮できないということも珍しくない。こうした 研究が進むにつれ、リーダーシップとは個人の能力のことではなく、集団が持つ機能のことであり、そ の集団で有効なリーダーシップスタイルはメンバー構成によって決まったり、集団が置かれた状況によ って決まるという考え方が主流になっている。 ルーチン(ワーク) 定型業務のこと。一定の手順に基づきパターン化された仕事。効率良く利益を上げるために定型化され た日常業務。 4 (2)組織・経営 番号 5 5-1 項 目 経営活動 アウトソーシング 本来なら自社で行う仕事を外部の業者に注文すること。外注。昨今、経費の節減を大きな目的としてア ウトソーシングが進んでいる。 5-2 経営計画 経営理念や目標、ビジョンなどをどのように事業に反映していくかを示した計画。長期・中期・短期の 計画があり、さらに、生産・販売・経理など部門別の計画に細分化される。 5-3 経営資源 企業が独自に利用できる有形・無形の存在物のすべて。具体的には、人的資源・物的資源・情報的資源 の他、チャネル、固定客、企業イメージ、ブランドなども含まれる。 一般的には、 「ヒト、モノ、カネ、情報、技術(技法) 、スピード」と言われている。 5-4 CI 企業の存在価値や、社会的な役割について社内外に意思表明を行い、イメージと行動の統一を図ること。 CI の定着にはイメージ戦略を伴うことが多いが、CI=イメージ戦略ではない。 5-5 CS 顧客満足。自社の商品やサービス、接客の態度など企業イメージのすべてを顧客の立場で考え経営戦略 を立てること。 5-6 戦略 いかにして目標を達成すべきかを明らかにするもの。市場・環境から方向性を汲み取り、自社の戦力分 析から制約と可能性を考慮して策定される。 5-7 ディスクロージャー 企業情報開示(制度)のこと。主に投資家を保護する目的で企業が情報を一般に公開すること、または その制度。大枠は証券取引法、商法が定めている。証券取引所に上場すると財務内容の開示が義務づけ られているが、昨今、企業の社会的責任の増大にともない、より多方面からの情報開示が求められてき ている。 5-8 ノウハウ 企業の活動に必要な生産・経営・管理・技術などに関する知識・経験の情報。新しい(独自の)技術やマ ーケティングテクニックなどもノウハウである。 5-9 ビジョン(ヴィジョン) 企業の未来像。会社が将来どのように発展していくのかという計画や展望、そのための方向づけ、施策。 5-10 リストラ(リストラクチャリング) 企業が時代の流れに柔軟に対応するために経営を再構築すること。 不況期では、成長の見込みのない 事業からの撤退や組織のスリム化などが行われることが多い。結果として人員削減につながることもあ るが、リストラ=人員削減ではない。 5-11 理念(経営理念) 企業が事業を通じて社会にどのような貢献をしようとしているのか、どのような価値観や規範に基づい て事業を行おうとしているのか、などを示すもの。経営戦略の上位概念とされる。 5-12 ロゴタイプ ☆関連→CI 会社名や商品名のシンボル化を図るため、一つのマークのようにまとまって扱われる合成文字。CI が流 行った時、とりあえずロゴタイプを変える企業が続出。 6 組織行動 6-1 M&A 企業の合併・買収のこと。広義では資本提携や営業権譲渡なども含まれる。対象企業の株式を過半数取 得して経営の支配権を握ることを買収といい、この場合対象企業は存続する。 一方、対象となる企業を吸収、統合してしまう形式が合併である。 従業員に譲る場合を、 「MBO」と言っている。 6-2 R&D 研究開発のこと。直接現在の利益に貢献するわけではないが、新商品の開発や新しい技術を確立するこ とで将来の売上に結びつく重要な業務。 6-3 株主 投資家として株を購入し、その金額分企業に投資することで、その企業に対して権利と義務を持つ人。 企業の業績がよくなれば、より多くの配当を得ることができ、株主総会に出席して経営方針に意見を述 べたりできる。 5 番号 6-4 6-5 6-6 6-7 6-8 6-9 6-10 6-11 6-12 6-13 7 7-1 7-2 7-3 項 目 株主総会 商法では、企業の所有者は株主であるとされるが、その株主が権利を行使する場のこと。法律上の会社 の最高機関。ただし決議できる範囲は主に次の3つに限定される。 1)会社の組織に関する事項、2)機関構成員の選任、解任等、3)株主利益(配当など)に関する事項。 なお、事業活動に関する意思決定については取締役会に委ねられる。 取締役会 株主総会で選任された取締役より構成される、経営の意思決定機関のこと。基本的には、株主利益を守 るために経営全般を監督する役割を担い、1 社に 3 人以上必要とされる(有限会社等は別) 。取締役会の 決議事項は、株主総会の権限範囲を除いた、あらゆる業務執行上の意思決定に及ぶ。 (例えば決算、新 株発行、利益処分などなど) 監査 企業の経営・会計などを監督し検査すること。監査役は株主総会において 1 名以上選出され、株主総会 で監査結果を報告する義務がある。企業のお目付け役。 事業部 商品別・地域別・顧客別などで編成された利益責任を持つ経営単位のこと。企業内企業として事業部長 に包括的な裁量権が与えられている。 系列 企業間取引を安定的に継続するために形成される、固定的なつながりのこと。通常、大企業が中小企業 を系列化し支配下におく場合が多い。 完成品メーカーと部品メーカーのように、生産工程での取引関係が定着しているのが生産系列(下請け 系列) 。メーカーと販売店あるいは小売店の関係が定着しているのが販売系列(流通系列) 。 その他、資本のつながりをもつのが資本系列、金融面でのつながりを持つのが金融系列といわれる。系 列化の排他的な側面については批判も多い。特に販売系列については、健全な競争が阻まれることがな いよう、独占禁止法によって規制されている。 ディスクロージャー 企業情報開示(制度)のこと。主に投資家を保護する目的で企業が情報を一般に公開すること、または その制度。 大枠は証券取引法、商法が定めている。証券取引所に上場すると財務内容の開示が義務づけられている が、昨今、企業の社会的責任の増大にともない、より多方面からの情報開示が求められてきている。 セクショナリズム 自部門の都合や利害を優先する思考・行動傾向のこと。セクショナリズムが横行すると、他部門が抱え ている事情を配慮せず、全社的な視点から物事を考えることができなくなるため、環境変化への適応力 が弱まる。 タスクフォース ☆→プロジェクトチーム プロジェクトチーム 新規事業の立ち上げや工場の建設などといった、特定の課題を達成するために、一時的に設置される組 織のこと。 通常、社内の各部署から必要な人材が抜擢され、横断的に編成される。プロジェクトが終了すれば、そ の時点で解散となる。 タスクフォースもほぼ同義に用いられるが、どちらかというとプロジェクトチームの方が、長期間に渡 る大きな課題を扱う場合が多い。 ライン&スタッフ ラインとは、会社が目的とする仕事を直接的に担当する部門(直接部門) 。 スタッフは、ラインの仕事を助ける働きを担当する部門(間接部門) 。 業種、業態 卸売 生産者(メーカー)や同業者から商品を仕入れて、消費者以外の企業や人(小売業者や同業者)に販売す る機能。卸売業者は問屋と同義語と考えてよい。 業界 同じ産業や商売などに携わっている人々の社会。 業種 どのような商品やサービスを取り扱っているか、によって分類される事業の種類。製造業では自動車、 鉄鋼など。小売業では食料品店、衣料品店など、一般に「○○屋」として捉えられる。 6 番号 7-4 7-5 7-6 7-7 7-8 7-9 7-10 7-11 7-12 7-13 7-14 7-15 項 目 業態 営業形態(どのような売り方をするのか)の違いを基準とした分類。例えばコンビニエンスストア・ス ーパーマーケット・百貨店・ディスカウントストア・ホームセンター・通信販売など。 小売 商品流通の最終過程で、最終需要者(消費者)に対して商品を販売すること。行商・露天商・百貨店・ スーパー・通信販売などすべて小売業である。 商社 卸売業者のうち、貿易を主とする会社。日本経済と海外の重要な橋渡しの役割を担っている時代もあっ たが、経済構造の変化やメーカーが独自に商社機能を持つところも出て、厳しい時代を迎えている。 商流(商的流通) 生産者と消費者の間を取り持ち、価格を決めたり商品の売買で所有権を移転するといった商取引活動。 代理店、特約店 一定の地域での卸売販売権について、特定メーカーと契約を結び、メーカーに代わって販売や配送を行 う卸売業者の事。資本的には独立している。本来、代理店は一次卸、特約店は二次卸とされるが、現実 にはほぼ同義。業界によってそれぞれに使い分けられている。 販売会社<ディーラー> 特定メーカーの資本系列下にあり、そのメーカーの商品のみを専売する卸売業者のことで、化粧品・自 動車・カメラ・家電品などの寡占メーカーに多く見られる。 「専属卸契約」と「メーカーの資本参加」 という二つの系列化形態がある。 物流(物的流通) 生産と消費の間の時間的・物理的隔たりを輸送・保管などでつなぐ活動。 ベンチャーキャピタル ☆→ベンチャービジネス ベンチャービジネス 高度な技術や独創性を駆使し、未開拓分野で新規事業を興す企業のこと、またはその事業。将来性があ っても経営基盤が弱く、リスクも大きい。このようなベンチャービジネス専門に融資する金融機関をベ ンチャーキャピタルという。 法人 個人では望めない、永続的な活動力をもつ人的結合体や財産の集合体であり、法律上の権利能力・行為 能力が認められた組織体。 メーカー 生産者と同義。商品を作り出す人、または企業。最近は消費者保護の観点から「製造物責任法(PL 法) 」 が制定されるなど、社会における企業の義務・責任がクローズアップされている。 流通 ある商品およびサービスがメーカー(生産者)から最終消費者へ渡るまでを取り結ぶ輸送・保管・取引 などの一連の活動。 7 (3)経理・決算・計数 番号 8 8-1 項 目 期間 会計年度 決算日から決算日までの期間を、一会計年度(事業年度)という。このスタート時点を期首、締め括り 時点を期末と呼ぶ。 8-2 上期・下期 一年間を 6 ヵ月単位で二等分した単位を、上期(上半期)と下期(下半期)と呼ぶ。 8-3 四半期 半期をさらに二等分した 3 ヵ月を四半期と呼ぶ。4 月 1 日~3 月 31 日が1会計年度ならば、4 月~9 月 までが上期、10 月~3 月が下期。4 月~6 月が第 1 四半期、7 月~9 月が第 2 四半期となる。 8-4 締日 期間の取引の合計をする期日のこと。会社ごとに月次の締め日が設定されている。例えば「月末締めの 翌 25 日払い」というのは、請求書などを月末で一度合計して、翌月の 25 日に支払うということ。 9 財務関連 9-1 キャッシュフロー 企業のある期間における現金の収支のこと。会計上の利益は、実際の現金の収支を表していない。例え ば、いくら黒字でも現金がショートする場合もあれば、赤字でも十分な資金調達が得られる場合がある。 そこで、企業の実態を正確に把握するために、現金の実際の流れ(どれだけ調達し、どれだけ支払い、 どれだけ手元に残ったか)を捉えるキャッシュフローの考え方が重視されてきている。 9-2 決算 会社が一会計期間における収支を計算・報告すること。決算によって「いくらかけて、いくら儲けたか、 会社の財産の内訳はどうなっているのか」を明らかにする。最長でも一年間に一度は決算を行う必要が ある。 9-3 減価償却 会社が保有する財産の中には、時間の経過とともに価値が下がってくると考えられるものがある(車、 機械など) 。会社の正確な資産を把握するために、その下がった分の価値を、取得したときの価値(= 購入時に支払った額面)から除去していく必要があり、これを減価償却という。 「この機械はもうとっ くに減価償却してしまった」 9-4 財務諸表 財務諸表とは、会社の活動やその成果を表す成績表で、決算により作成される。貸借対照表・損益計算 書の2つが代表的なもの。 9-5 資産 ある時点における会社の全財産。貸借対照表上では、負債と資本によって調達したお金をどう運用した か、を表わす。 9-6 資本 会社が事業を営んでいくための元手となるお金。株主からの出資のように自己調達したものを「自己資 本」といい、銀行からの借金のように、返済義務があるものを「他人資本」という。 9-7 損益計算書(P/L) 節目と節目の間にどんな活動が行われていたか、期間中の“入”と“出”をつかむための成績表。 9-8 貸借対照表(B/S) 期間の節目(決算日)において、会社の財産がどうなっているかを知るための成績表。 9-9 棚卸 決算時または在庫整理時に、その時点で在庫となっている一切の商品や原材料の種類、数、品質などを 調べ、その価格を査定すること。 9-10 負債 会社が借りているお金、あるいは一時的に預かっているお金など、いずれ支払わなければならないお金 をいう。 8 番号 10 10-1 10-2 10-3 10-4 10-5 10-6 10-7 10-8 10-9 10-10 11 11-1 11-2 11-3 項 目 利益、費用 粗利 売上高総利益のこと。売上から売上原価を引いた残り、つまり、売れた商品分の利ざやの合計をいう。 企業にとってはこれが収益の源泉で、ここから仕入れや人件費などのさまざまな費用が差し引かれて いくことになる。いくら売上が大きくても、最低限費用を賄えるだけの粗利がなくては事業は成り立 たない。 売上 企業が商品やサービスを販売することによって得る代金の総額。 経費 広義では、企業が事業を営み、利益を生み出していくためにかかる費用のこと。利益につながらない ムダな経費をいかに削減するか、は企業共通の課題である。一般的には、販管費(販売費および一般 管理費)とほぼ同様の意味で用いられる。 原価 一般に、商品やサービスを生産するためにかかったもともとの金額。または仕入の金額。費用やコス トに近い意味で用いられるが、売上に対応する費用としてこの言葉が用いられる。通常、この原価に 一定の利益を加えた金額で販売される。 コスト 用と同義。事業を開始する場合や、商品を開発する場合などの初期の投資費用をイニシャルコストと いう。 それに対し、軌道に乗せた後、維持・操業のためにかかる費用をランニングコストという。 固定費 売上の増減に関係なく、一定期間に一定額かかる費用のこと。例えば、人件費、減価償却費、家賃な ど。 損益分岐点 損失と利益の分かれ目となる売上高のこと。つまり、売上と費用が一致する収支トントンの金額をい う。 ある期間の損益分岐点が 500 万円という場合、売上がそれを上回れば利益が出るが、下回れば損失が 生じる。 費用 企業が事業活動を行う上で費やしているさまざまな金額の総称(賃金、原材料などなど) 。 変動費 売上または工場操業度の増減に比例して増減する費用のこと。例えば材料費や商品の仕入れ原価など。 売上が 0 ならば変動費も 0 となる。 利益 売上から、売上をあげるためにかかった原価やその他の費用などを差し引いて、残った金額のこと。 利益をあげるためには、売上を上げるか費用を減らすかの2通りが基本となる。 会計上の利益には、売上高総利益、営業利益、経常利益、税引前利益、当期利益の5種類がある。 このうち、 「経常利益」は会社の通常の経営活動によってもたらされた利益で、会社の実績を判断する 上での最も重要な指標となる。 決済 小切手 そこに記載された金額を、小切手の所持人に支払うことを、銀行に委託する有価証券。 小切手を切った人(振出人)の当座預金から引き出され、支払われる。 サイト 手形を振りだした日から、支払期日までの期間をいう。全く別の意味で、インターネットのウェブサ イト(Web site)の意味でも使われる。 手形 一定の金額をある時期にある場所で支払うべきことを約束した有価証券。 約束手形とは、発行人と支払者が同じものをいい、為替手形とは、発行人と支払者が違うものをいう。 9 番号 12 12-1 12-2 12-3 項 目 その他 リース 企業に委託されたリース会社が、企業に代わって機械設備などの物件を購入し、それを企業に貸し出 すこと。通常、企業が物件を購入すると、それは会社の資産として計上され、減価償却の対象となる。 リースを利用すると、物件はリース会社の資産となり、企業は月々のリース料(経費)をリース会社 に支払うことになる。一般にリースの期間は、リース物件の法定耐用年数を基準に設定される。レン タルとは異り、企業はリース物件の全額を支払う義務を負っている。 レンタル レンタル会社が所有する物品を、不特定多数の利用者に対して、比較的短期間貸し出すこと。借り手 は、期間分の使用料をレンタル会社に支払う。 ローン 融資、貸付などと呼ばれる。企業が設備などを購入する場合、その物件に相応する金額をローン会社 から借り受け、それを割賦払いで返済する方式をとる。 リースと異り、購入物件は企業の資産となる。 10 (4)取引・営業 番号 13 13-1 13-2 13-3 13-4 13-5 13-6 13-7 13-8 14 14-1 14-2 14-3 14-4 14-5 項 目 市場 オピニオン・リーダー 特定商品の購買行動や消費をリードする消費者層のこと。新しい商品・サービスが現れた時、いち早 くその商品・サービスを購入する消費者がいて、ブームを巻き起こし、そのブームに巻き込まれて市 場が形成されてくるケースが多いことから、オピニオン・リーダーの重要性が認識されるようになっ た。例えばゲームソフトにおける若年層マニアなどの存在がそれにあたる。 競合 その企業が進出している(またはしようとする)分野における他社のこと。自社とそれを取り巻く競 合との地位の状況において、それぞれ取る戦略が変わってくる。 (リーダー型戦略・チャレンジャー型 戦略・ニッチャー型戦略) シェア 占拠率または占有率。その企業の商品の売上高が、その商品分野全体の売上高に占める比率。この水 準は市場集中の程度を示す指標として、また商品の競争上の位置を示す指標として、重要な意味を持 つ。 市場におけるシェアと顧客先におけるシェアの 2 通りの意味がある。 市場(マーケット) 売り手と買い手が出会って商品やサービスの取引が行われる場所、または領域。 企業の側から見ると、商品やサービスを購買している、あるいは購買する見込のある全ての個人およ び組織体の集合といえる。 チャネル 商品(サービスを含む)の所有権が生産者から流通業者の手を経て消費者に移転し、その代金が生産 者に回収されるまでの経路。販売・物流ルートの類似語。 ニッチ戦略 大手企業が乗り出してない分野や、誰も注目していないような分野をねらって進出しようという戦略。 ニッチ戦略をとる企業をニッチャーという。いわゆる「すきま産業」のこと。 マーケティング 製品が開発されてから消費者に渡るまでの過程で行われる一切の事業活動をいう。どういう製品を作 り、いくらで、どういう経路で、どのように売るか、ということが検討対象となる。 「マーケティング は顧客から出発する」とは経営学者の P・F・ドラッガーの言葉。 マーケティング・ミックス マーケティング戦略を構成する重要な要素である、商品政策(Product)、価格政策(Price)、流通政策 (Place)、プロモーション政策(Promotion)の組み合わせのこと。各要素は、その頭文字をとって、 「マー ケティングの 4P」といわれる。 顧客関連 アフターサービス 商品を販売した後に、その顧客に対して行う各種サービスのこと。 例えば一定期間その商品の品質保証をしたり、修理・点検・使用方法の指導などの便宜をはかるなど。 アポイントメント 相手先との会合・面談の約束。アポと略される事も多い。テレアポ(テレホンアポイントメント)は 商談の約束を取りつける意味で使われている。 ウォンツ ニーズが欠乏感であるのに対し、ウォンツはその欠乏感を満たすための具体的な商品やサービスへの 欲求である。 たとえば「美」というニーズを満たすウォンツは化粧品への欲求として発生する。 クライアント 広告代理店が取引する広告主がもともとの意味。広義で顧客・得意先までを含む。 ネットワーク接続している複数のコンピュータにおいて、サーバーに対して処理を要求するコンピュ ータもクライアントという。 クレーム すでに販売した製品の品質に対して、買い手が満足せず、交換、払戻し、現状回復、損害賠償、解約 などの申し入れを製造元・販売元に行うこと。 11 番号 14-6 項 目 顧客(お客さま) 自社の商品・サービスを販売する対象。最近は「作ったものをいかに売り込むか」ではなく「いかに して顧客の望む商品を作り出すか」が大事になってきており、顧客の欲求を充足することで企業目的 を達成できると考えるのが基本である。 14-7 サービス 経済活動において顧客満足のために生産される労働・用役・役務など。企業が市場に提供する商品は、 ほとんどがサービスも同時に提供されている。 ただし、専門化・分業化がすすみ、サービス自体が商品ということもありえる。 14-8 消費者 個人的な消費を目的として商品やサービスを購買、あるいは入手するすべての個人および世帯。 14-9 ニーズ 実際に製品を使ったりサービスを受ける人。利用者。使用者。最終消費者。企業にとっては顧客の意 味もある。 ユーザーの側から考えた発想を「川下発想」という。 14-10 リコール 法律やメーカーの自主判断に基づいた欠陥商品の点検・修理、製品交換、代金の払い戻しなどの行動。 それぞれ商品によって根拠となる法律・管轄の省庁が違う。 (政治用語の「公職者の直接解任請求制度」 と混乱しないように)14-8 15 営業活動 15-1 受注・発注 ① 受注とは、品物などの注文を受けること。 「大口の案件を受注する」 ② 発注とは注文を出すこと。 「商品を発注する」 15-2 商圏 スーパー等の商業施設における、潜在的に対象とするお客様がいる地域のことを指す。 商圏は、その施設からの距離だけでなく、交通事情を考えた時の所要時間なども含めて、施設の業態 や取扱商品との関連を踏まえて設定される。 インターネットビジネスにおいては、物理的な制約が取り払われたことで、商圏の概念がグローバル に広がったとされる。 15-3 商談 お得意先・見込客などに対して、商品・サービスの取引を納得してもらうための交渉、相談の場。営 業活動にはかかせない。 15-4 新規開拓 既存の得意先ではなく新しく顧客を作るために行動を起こす事。飛び込み訪問や DM、テレアポ、広告 による告知など方法は限りない。 15-5 深耕拡大 営業場面で使われる場合)新規開拓が見込客や新たな受注を獲得する活動に対して、深耕拡大とは既 存の顧客やルートを掘り下げることで受注を拡大すること。 15-6 請求 商取引において(当然の事として)決められた代価を支払うよう求めること。請求書・請求伝票が伴 う。 15-7 相殺 プラスとマイナスを差し引きして帳尻を合わせる事。 「このミスは前回の分とで相殺に」 「先月の立替 金を今月の謝礼から相殺する」 15-8 アイドマの法則 消費者が実際に購買行動を起こすまでの過程を分類した法則で、マーケティング戦略を考える際に活 用される。 消費者の購買行動は、その商品に注意(Attention)することから始まり、興味(Interest)を持ち、欲求 (Desire)を感じ、記憶(Memory)して行動(Action)を起こすというもので、各過程の頭文字をとっ てアイドマ(AIDMA)の法則と呼ぶ。 12 番号 15-9 15-10 15-11 15-12 15-13 15-14 15-15 15-16 15-17 16 16-1 16-2 16-3 16-4 16-5 ① ② 項 目 リテールサポート メーカーまたは卸売業者が、取引先に対して経営的な支援活動を行うこと。 小売店の業績を向上させることで、結果として自社の業績向上につなげようというのがねらい。 支援活動の内容としては、例えば以下ののようなものがある。 ① 新製品、売れ筋、競合情報などの提供。 ② 従業員教育や店員の派遣。 ③ 店舗の内外装、売り場づくり、販促活動他、経営的なアドバイス。 ④ POS や EOS のシステム導入サポート。 ⑤ 貸付、信用保証等、資金的な援助。 DM(ダイレクト・メール広告) 郵便等によって直接見込客へ送り届けられる広告。ダイレクトマーケティングの手法のひとつ。デー タベースマーケティングとの組み合わせで効果が上がる。 プレゼンテーション 企画、提案内容を発表すること。略して“プレゼン”という。 最近はマルチメディアを駆使した表現が流行だが、成功の第 1 要因は何よりも企画のコンセプト(基本 概念・新しい発想)である。 プロモーション 広義では広告、販売促進、パブリシティ、人的販売の総称。狭義では販売促進、販売施策という意味 で使われる。 商品(サービス)を市場に出す際に、何種類ものプロモーションを用意してそれぞれ管理し効率を追 及することをプロモーション・ミックスという。 見積り 何かを購入するために必要な金額(経費)・物の量・期間などをあらかじめ概算すること。その計算書。 「見積書を提示する」 「見積をとる」 ルート・セールス ルートは巡回路。一定の地域で一定の順路を定めて定期的に得意先を訪問し販売活動を行う事。定時 巡回販売ともいう。 アンテナショップ 新商品などを実験的に売りだし、消費者の反応から新たなトレンドを探ることを目的とした店舗のこ と。販売目的でなく情報の受発信を目的としていることからアンテナショップといわれる。 通常、流行の先端を行く人々が集まるところに出店される。日本では原宿や六本木に多い。 エレクトリック・コマース 電子商取引。E コマースとも呼ばれる。インターネットなどの電子的なネットワーク上で、商品やサ ービス、株などを売買したり、決済を行ったりすること。 電子商取引の普及のためには、情報のセキュリティ技術を万全にする必要がある。 EDI(エレクトリック データ インターフェース) 価格 オープン価格 メーカーが希望小売価格を設定せずに、小売業者に価格設定を一任すること。 これによりメーカーの価格支配力が弱まることになるが、ディスカウントストアによる価格破壊や独 禁法の規制強化により、多くのメーカーがオープン価格制に踏み切っている。 卸値 販売価格に卸率をかけたもの。1000 円の商品の卸値が 300 円とすると、卸率は 30%ということになる。 小売店がメーカーや卸から仕入れる価格。 掛取引(売掛・買掛) 商品の売買後、将来のある期日に現金で決済することを約束する信用取引のことをいう。例えば「当 月末締め、翌月末払い」などは掛取引。 掛で売ることを売掛、掛で買うことを買掛という。 「売掛残」 「買掛残」 。 掛率 販売価格(定価)に対する卸値(購入価格)の割合。 「この商品は何掛けですか?」 「3 掛けです」の場 合、定価の 30%のこと。 指値・成行 株式や為替を売買する際、値段を指定して注文すること、またはその値段を指値という。 これに対して、値段を指定せず、売買したい数量だけを注文することを成行という。 13 番号 16-6 項 目 仕切り値 株や為替などの売買取引を第三者に委託する場合、指値注文と成行注文があるが、この成行注文で確 定した価格のことを仕切り値という。 メーカーが代理店に卸す価格も仕切値という。 16-7 上代・下代 上代は販売価格(定価) 、下代は仕入れ価格(卸値) 。 16-8 単価 商品の一個(一単位)あたりの価格。@で表す。 「その商品の単価を教えてください」 16-9 定価・売価 販売元が前もって決めた商品の売値。 「この価格は定価です」 16-10 値引き 商品の値段を定価より安くして販売すること。集客効果は期待できるものの、安易な値引きは上客を 失いかねない。バーゲンセールは値引き販売のこと。 16-11 マージン 販売手数料や利ざやの事。 バックマージンというのは、メーカーや卸などが、商品を販売した後に価格を引き下げ、その差額分 を代理店に返却すること。代理店から見れば、正規の手数料以外に、販売額に応じて上乗せされる手 数料という意味合いが強い。 16-12 リベート 流通業者(卸や小売店など)は、メーカーから商品を仕入れて販売するわけだが、リベートとは、流 通業者の取引高に応じて、メーカーがその仕入れ代金の一部を差し戻すことをいう。 14 (5)生産・商品 番号 17 17-1 17-2 17-3 17-4 17-5 17-6 17-7 17-8 17-9 17-10 17-11 17-12 17-13 項 目 品物 OEM 自社のブランドではなく、他社のブランド名がつくことを前提に、製品や部品を製造し供給すること。 規格 主に工業製品について、寸法や形、品質などの標準型が定められたもの。代表的なものが JIS(日本工 業規格) 。 「長 3 封筒」 「A4 判の紙」 。 検収 納品された品物に対して、発注時の内容(数量や品質)と一致しているかどうか、発注書や納品書な どと照合して確認すること。検品もほぼ同義。 在庫管理 原材料や仕掛かり品、製品などの品物が蓄えられている状態を在庫といい、この在庫が生産や販売な どの事業活動全体に照らして、適切な状態にあるよう維持することを在庫管理という。 「適性在庫を保つ」 「過剰在庫を見直す」 「不良在庫を処分する」 「安全在庫」 「見越在庫」 仕入 商品を生産者(メーカー)や卸売業者から消費者や小売業者や卸売業者に販売するために購入するこ と。 出庫・入庫 荷物・商品の出入り。倉庫などに自社の商品や他社からの購入・仕入れ商品が出入りする事。出し入 れするためには出庫伝票、入庫伝票などを伴う。 商品と製品 一般には同義として用いる場合が多いが、厳密には生産されたもので市場で売買の対象となるものが 「商品」 、対象とならないものが「製品」である。 クーリング・オフ制度 消費者が、ある商品やサービスの購入契約を行った場合、一定期間以内ならば、無条件で契約の取消・ 撤回が認められる制度。 クーリング・オフとは英語で「頭を冷やす」という意味で、契約者に、もう一度冷静になって考え直 す機会を与えることをいう。割賦販売や訪問販売、保険の契約、先物取引などに導入されている。 デファクトスタンダード 「事実上の標準」と訳される。 JIS や ISO のように、公的機関によって公式に定められた標準ではな く、民間企業における独自の製品や規格が、事実上その業界の標準として通用していることを言う。 実例としては、ビデオデッキにおけるVHSや、パソコン業界における「ウィンテル」などが有名。 デ ファクトは、技術革新の早い時代において競争優位に立つための重要な戦略要素でもある。 PL 法 製造物責任法。欠陥製品による被害から消費者を保護する目的で制定された。 企業の過失の有無に関わらず、製品の欠陥さえ証明できれば、企業に賠償責任があるものとされる。 1960 年代にまずアメリカで法制化され、日本では 1995 年に施行された。 プライベートブランド(PB) スーパーや百貨店などの流通業者が、メーカーに拠らず自主的に設定した商標のこと。 消費者にとっては比較的割安で、店にとっては利ざやが大きい。 プロダクト・ライフサイクル 商品が市場に投入されてから姿を消すまでのサイクルをいう。通常、商品は、導入期-成長期-成熟 期-飽和期-衰退期の5段階をたどるとされる。 近年、このサイクルはどんどん短縮化の傾向にある。 ロット(ロットサイズ) 商品・製品を取引する場合のひとまとまりの単位のこと。1 回に生産できる量、または 1 注文で売買 できる量を示す。 「1 ロット 1000 枚からお受けします」 15 番号 18 18-1 18-2 18-3 18-4 18-5 18-6 18-7 項 目 生産管理・品質管理 ISO 国際標準化機構。俗に「イソ」とも呼ばれる。国際間におけるモノやサービスの流通を円滑にするた めの品質保証規格を定めている民間組織。 国際間の取引を行う際、ISO の認定を取得していることが条件とされる場合がある。 ちなみに ISO9000 シリーズは品質管理に関する国際規格。ISO14000 シリーズは環境に関する国際規格 のこと。 ABC 分析 もともとは在庫管理のための手法。通常在庫品は、重要度の高い少数アイテムと重要度の低い大多数 のアイテムからなる。 これらを一様に管理するよりも、重要度に応じて管理のしかたを変える方が効率的であるという考え に基づいている。 この手法は、商品アイテムと売上高、または小売店と売上高の関係などにも応用され、販売戦略にも よく用いられている。 QC 製品やサービスの品質を維持し、不良品をなくすための管理活動。全社的な品質管理活動を TQC(Total Quality Control)という。 TQC は具体的には QC サークル(数名からなる小集団)によって展開される。 5S(5S 運動) 「整理」 「整頓」 「清掃」 「清潔」 「しつけ」の頭文字をとって 5S という。 もともとは製造部門を中心に、安全や品質向上を目的として取り組まれてきた活動。仕事を進める上 での基本的な行動として、製造部門以外でも取り組まれている。 かんばん方式 生産過程で、在庫を極力持たないようにするための管理方式。 もともとトヨタ自動車が考案したもので、必要なものを必要なときに必要数だけ作る、という考えに 基づいていることから、ジャストインタイム方式とも呼ばれる。 納期 金銭や品物を届ける(納品する・納入する)期限のこと。 「納期に間に合わせる」 リードタイム 商品(サービス)を発注してから納品されるまでの時間。調達時間。製造、物流をはじめあらゆる企 業において、リードタイム短縮化への努力が払われている。 16 (6)人事・労務 番号 19 19-1 ① ② 19-2 19-3 20 20-1 20-2 20-3 20-4 20-5 20-6 20-7 項 目 人事考課制度 昇格・昇進 一般に、昇格とは、組織内の資格制度において、現在の資格(等級)から上位の資格(等級)に格 付けされること。 昇進とは、現在の職位(役職などのポスト)より上位の職位に任用されること。 人事考課 従業員の能力や仕事への取り組み、成果などについて評価すること。その結果を処遇(昇進・昇格、 給与、賞与)に反映させたり、教育や配置の参考にしたりする。 目標による管理(MBO) マネジメントの方法論の1つ。目標管理とも呼ばれている。 ‘目標によって’管理する対象は仕事や 部下の活動であり、目標そのものを管理するのではない。 担当者の仕事を上司が一方的に割り振ったり細かく指示命令するのでなく、自分が担当する仕事に ついて担当者自ら目標を設定する。その目標について上司との合意がとれたら、目標達成に向けて の活動は担当者が自己統制しながら進めるというもの。上司と部下の十分な対話が成功の鍵とされ ている。 労務管理 社会保険 健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険のように、国が法律である一定の条件に当てはまる 職域・地域の人々に強制的に適用する。 不慮の事態の際の労働者とその家族の生活安定が目的で、費用は政府・使用者・労働者の三者が負 担する。 出向 企業外の組織(子会社や関連会社等)へ人事異動すること。もともとの会社の従業員としての身分 は保持されたまま、出向先の指揮命令下で仕事をする。 春闘 春季生活闘争のこと。毎年春に労働組合によって行われる賃金闘争のこと。 最近は賃上げ要求だけでなく、労働条件の改善を掲げるなど、時代の変化に応じて交渉内容も変化 してきている。 セクハラ 正しくはセクシャルハラスメント。主に職場における性的いやがらせをいうが、企業内だけでなく 学校内などでも問題視されている。 職務上の立場を利用し異性に対して性的強要をしたり、性的な言動によって相手に不快な思いをさ せるなど。 福利厚生 賃金などの基本的労働条件とは別に、企業が従業員やその家族の福祉向上のために行うさまざまな 施策のこと。法定福利と法定外福利がある。 公的年金 国によって加入が義務づけられている年金。日本の公的年金制度は「2 階建て」となっている。 まず基礎部分として国民年金(基礎年金)があり、自営業者や専業主婦も含め 20 際以上の国民全て に加入義務がある。そのうえに会社員や公務員は厚生年金や共済年金に加入しなければならない。 これらの公的年金に対し、企業が運営する企業年金や個人年金などを私的年金という。 現在、公的年金は国の財政投融資により運用されている。しかし、これを厚生省が直接市場で運用 (いわゆる公的年金の自主運営)することで高い利回りを獲得し、将来の年金給付に備えようとい う動きがある。 厚生年金 民間サラリーマンを対象とした公的年金。従業員 5 人以上の事業所に加入が義務づけられており、 その従業員を対象に支給される。 主な給付に、老齢年金・障害年金・遺族年金などがある。 17 番号 20-8 20-9 20-10 20-11 20-12 20-13 20-14 項 目 企業年金 公的年金以外に企業が設けている私的年金制度のことで、代表的なものに厚生年金基金と適格退職年 金の2つがある。 近年、従業員の高齢化、保険料の運用利回りの低下などで、企業年金の運営は苦しい状況に陥ってい る。また雇用の流動化や企業再編などを背景に、企業年金の自由化が見直されてきている。 厚生年金基金 企業年金の一つ。厚生年金の一部を国に代わって代行し、さらに給付を上乗せして支給することを目 的とする。 厚生年金基金という別法人を作り、そこで厚生年金の保険料の一部を預かり、積立と運用を行う。 これにより厚生年金を上回る給付を行うことが条件となっているのだが、長引く不況の中、株価の低 迷と金利の低下により運用実績が上がらず、解散する基金も増えている。 401k 米国の確定拠出型年金の代表モデル。米国の歳入法 401 条 k 項に要件が定められていることが名称の 由来。毎月決まった掛け金を個人の責任で運用する方式。 従来の企業年金とは異り、最終的な年金額が決められてないので、企業は不足分を穴埋めする必要は ない。また転職の際、積立分をそのまま移行できたり、運用収益分が非課税扱いになるなどのメリッ トがある。日本でも 2001 年 10 月から導入されている。 労働三法 労働法とは、労働者の権利を保護し生存を保障するための法規の総称のこと。中でも、労働基準法、 労働組合法、労働関係調整法の3つを、労働法の最も根幹となるものとして労働3法と呼ぶ。 労働基準法 賃金、労働時間、その他の労働条件に関して最低基準を定めた法律で、1947 年に制定、施行された。 もともと戦前以来の工場労働を想定して作られたものだったが、時代の変化に対応するため、1999 年 の 4 月に大幅な改正が行われた。 労働組合(労組) 労働者が使用者に対し、その労働条件の改善や経済的地位の向上のために組織する団体のこと。 労働組合法では「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を計る ことを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう」と定義。 男女雇用機会均等法 男女雇用機会均等法とは、職場や雇用関係における男女の平等を規定した法律のこと。 制定前までは昇進などにおける男女差別は民法上の不法行為とされていたが、1985 年に女子差別撤 廃条約を批准したことから、この法律が制定された。 第 5 条で「事業主は、労働者の募集及び採用について、女性に対して男性と均等な機会を与えなけれ ばならない」と定めている。 1985 年に男女雇用機会均等法が成立して 20 年、1997 年に同法が改正されて 8 年が経過している が、女性の賃金は男性の 66.8%であり、改正均等法が施行された 1999 年と比較しても、わずか 2.2 ポイントの上昇にとどまっている。また、日本政府に対する、ILO や国連女性差別撤廃委員会の勧告を 見るまでもなく、日本には賃金格差をはじめとする職場における様々な男女差別が存在おり、その原 因として、間接差別や「コース別雇用管理」などが指摘されている。 1997 年男女雇用機会均等法改正時の国会付帯決議においても、同法を適切な時期に見直すこととさ れ、現在見直しを検討している厚生労働省労働政策審議会雇用均等分科会で法改正の必要性が建議さ れれば、同法改正法案が 2006 年 10 月の通常国会に提案され、パブリックコメントの集約が終わっ ている。 以 上 18