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IMO 第1回FSA専門家中間会合

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IMO 第1回FSA専門家中間会合
参加会議:国際海事機関(IMO)第 1 回フォーマル・セーフティー・アセスメント(FSA)専門家中間会合
会議期間:2009 年 11 月 2 日~11 月 6 日
会議場所:英国ロンドン IMO 本部
会議の概要:
• 第 86 回海上安全委員会(MSC 86)からの指示に基づき、欧州 SAFEDOR プロジェクトが実施してデンマークが代表
して MSC に提出した 4 種類の船種(クルーズ客船、Ro-PAX フェリー、LNG 運搬船、コンテナ船)に関する FSA に
ついて、レビューを行った。
• 上記レビューを通じて、FSA ガイドライン及び FSA 並びに人的要因の分析方法(HEAP)の規則策定への活用方法に
ついての課題についても考察し、ガイドラインの改正が必要な事項を抽出した。
• それぞれの FSA 結果のレビューに基づく、海上安全委員会(MSC)への提言方法についても検討した。
海上技術安全研究所からの出席者
主な貢献
吉田公一(国際連携センター長:写真上)
吉田は、当該フォーマル・セーフティー・アセスメント(FSA)
小川剛孝(構造・材料部門 構造基準研究グループ長
の専門家会議(FSA-EG)の議長を務め、SAFEDOR プロジェ
/国際連携センター併任:写真下)
クトが実施し、デンマークが MSC へ提出した 4 つの FSA 結果
(クルーズ客船、Ro-PAX フェリー、LNG 運搬船、コンテナ船)
に関するレビューを取りまとめた。また、IMO の FSA ガイド
ラインの改正が必要な事項を抽出した。
小川は、同じく FSA-EG に専門家として参加し、レビュー作業
に貢献した。
さらに、復原性・満載喫水線・漁船安全(SLF)小委員会で
検討中の Ro-Ro 客船の損傷時復原性及び損傷船舶の安全な帰
港のための要件に関して、欧州造船工業会(CESA)と意見交
換を行った。同じく、クロスフラッディング装置による所要平
衡時間に係る基準についても CESA との意見交換を行った。
本件は、今後もコレスポンデンスグループ(CG)を設置し
て、次回海上安全委員会(MSC 87)への最終報告書をまとめる
ことが決まった。この CG のコーディネータは、引き続き吉田
と小川が務めることとなった。
会議結果
4 つの FSA(クルーズ客船、Ro-PAX フェリー、LNG 運搬船、コンテナ船)に関する現時点でのレビュー結果は以下
のとおり。
•
総論:各 FSA に従事した専門家はその技術的背景も含めて十分かつ適切であった。
•
クルーズ客船:FSA ガイドラインに基づいて解析が実施されている。一方、クルーズ客船の事故データは多
くないため、事故シナリオ作成において Ro-PAX フェリーの事故データも活用している。しかしながら、このことに
関する不確かさ及び/感度の解析が十分に行われていないため、得られた安全性向上方策がどこまでに確かなものか
不明確である。よって、安全性に関する研究を更に進めて検証の必要がある。
•
Ro-PAX フェリー:FSA ガイドラインに基づいて解析が行われていない箇所がある。得られた安全性向上方
策の経済性を評価する解析に不透明な箇所がある。2009 年の SOLAS 条約非損傷時復原性基準(第 II-1 章)の改正の
影響が考慮されていない。このため、防火や損傷時復原性の重要性は認識できるものの、定量的には更に検討を要す
る。
•
LNG 船:FSA ガイドラインに基づいて解析が実施されている。事故シナリオの作成において、事故データは
適切かつ透明性を持って活用されており、シナリオ作成のための仮定は適切である。不確かさ及び/感度の解析は適
切に行われている。結論として得られた安全性向上方策(ECDIS(電子海図情報表示装置)
、AIS(船舶自動識別装置)
)
は、既に規則に基づき導入されており適切である。
•
コンテナ船:FSA ガイドラインに基づいて解析が実施されている。事故データの活用と事故シナリオ作成に
おいて不十分な箇所があるものの、不確かさ及び/感度の解析は適切に行われている。得られた安全性向上方策も適
切であり、既に関係する IMO の委員会及び小委員会に提言されている。
また、上記レビューを通じて、FSA ガイドライン及び FSA 並びに人的要因の分析方法(HEAP)の規則策定への活
用方法についての課題についても考察し、安全性向上方策の選定方法やその経済性評価について更に透明性を増すた
めに必要と考えられるガイドラインの改正事項を抽出した。
次回会議予定
次回 MSC87(2010 年 5 月 12 日~5 月 21 日、於:ロンドン IMO 本部)において、今次中間会合の結果を踏まえさら
に CG で検討した 4 つの FSA(クルーズ客船、Ro-PAX フェリー、LNG 運搬船、コンテナ船)についてのレビュー結果
報告とオープントップコンテナ船の危険物輸送及びタンカーに関する FSA のレビューが行われる予定。
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