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5月27日東京証券取引所メールマガジン

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5月27日東京証券取引所メールマガジン
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東 京証 券 取引 所 CLUB CABU News (No.3722) 2015/5/27
http://www.tse.or.jp/
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【 本 日の 目 次】
1.市 場ト ピッ ク ス
◆ 新規 上場 の お知 らせ
2.市 況情 報
◆ 本日 の株 価 指標 等
◆ 第一 部前 ・ 後場 概況
3.セ ミナ ー情 報
◆ +YOU ニッ ポン 応援 全 国キ ャ ラバ ン開 催 予定
4.コ ラム
◆ 証券 取引 等 監視 委員 会 から の 寄稿
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※ 以 下に つい て は、 証券 取 引等 監 視委 員会 の ウェ ブ サイ ト 掲載 にあ た り、 上 記
目 次 4.コ ラ ムを 抜粋 して お りま す 。
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証 券取 引 等監 視委 員 会か ら の寄 稿
投 稿 No.135
大航 海 時代 と 「ハ コ企 業 」
証券 取 引等 監 視委 員 会事 務局 特別 調 査課 長 錦 織 功 政
17 世紀 は 大航 海時 代の こ と、 欧 州の 貿易 商 達は 、 イン ド や新 大陸 の 貴
重 な 物資 を 手に 入れ る べく 資 金を 出 し合 い、 冒 険家 を 雇い 上 げて 船を 出
し ま した 。 その 際、 当 時の 慣 例と し て、 航海 の 度に 出 資者 が 募ら れ、 そ
の 船 が無 事 戻れ ば持 ち 帰っ た 富を 出 資者 間で 分 配し 清 算す る とい う手 続
き が 繰り 返 され たそ う です 。 しか し これ では 長 期的 な 視点 で 事業 を継 続
的 に 実施 で きま せん し 、と き に大 き な損 失が 生 じる 場 合に は 出資 者に 出
資 額 以上 の 負担 が負 わ され る リス ク もあ りま し た。 こ うし た 問題 に対 応
す る ため 、 1602 年、 オラ ン ダで 同 国王 の勅 許 を得 て 東イ ン ド会 社が 設 立
さ れ ます 。 ここ に初 め て、「 株 主の 有限 責 任」 が確 認 され 、「持 分 の譲
渡 」 も可 能 とな った の です 。 この 二 つの 特性 こ そ、 オ ラン ダ 東イ ンド 会
社 が 今日 の 株式 会社 の 原型 で ある と いわ れる 所 以で す 。
後 に英 米 では 、法 令 に合 致 して い れば 誰で も 株式 会 社が 設 立で きる と
い う 準則 主 義が 導入 さ れ、 今 日的 な 意味 での 株 式会 社 が世 界 各地 で普 及
し て いく 訳 です が、 近 代に お ける 自 由主 義経 済 の発 展 を力 強 く推 進し て
き た のが こ の社 会シ ス テム で ある こ とに 疑い の 余地 は あり ま せん 。投 資
リ ス クの 限 定と 所有 移 転の 可 能性 が 、永 年に わ たっ て 人間 の 投資 活動 を
突 き 動か し てき たの で す。
し かし 、 どん なに 優 れた 社 会シ ス テム でも 、 それ を 悪用 す る者 がい る
限 り 、弊 害 が発 生す る のも こ れま た 歴史 の常 な ので し ょう 。 私の 所属 す
る 特 別調 査 課が 日々 調 査を 続 ける 問 題事 案の 中 にも 、 株式 会 社制 度を 悪
用 す る者 達 が後 を絶 ち ませ ん 。
皆 さん 、「ハ コ 企業 」と い う言 葉 を耳 にさ れ たこ と はあ る でし ょう か ?
一 般 に 、「 ハコ 企 業」 とは 「 箱の 中 身が 空で あ るよ う に事 業 の実 態が 無
い 企 業」 の こと を指 す とい わ れま す が、 これ を 具体 的 に定 義 する こと は
難 し く、 現 実に は何 が しか の 事業 を 実施 して い るケ ー スも あ りま す。 場
合 に よっ て は、 ウェ ブ 上に 奇 麗な ホ ーム ペー ジ を公 開 して 、 ご丁 寧に
“ 事 業概 況 ”ま で説 明 して い ると こ ろだ って あ る、 か もし れ ませ ん。 私
見 を 申し 上 げる なら ば 、実 体 の無 い 新規 事業 展 開や 業 績向 上 予想 など を
公 表 して 外 部か ら資 金 を得 、 それ に よっ て経 営 陣あ る いは そ の背 後に 蠢
く 者 達が 私 腹を 肥や す よう な パタ ー ンが 「ハ コ 企業 」 の典 型 とい える の
で は ない で しょ うか 。
そ んな 企 業の 一例 を 挙げ れ ば、 業 績低 迷の 続 く株 式 会社 が 運転 資金 欲
し さ に怪 し い紳 士の 出 資を 受 けた 途 端、 会社 を 乗っ 取 られ 、 実体 の無 い
事 業 を謳 っ て金 集め 。 会計 上 は事 業 に使 った こ とに し て、 そ の金 を外 部
に 流 出さ せ 、問 題が 発 覚し そ うに な る前 に保 有 株式 を 第三 者 に転 売し て
姿 を くら ま す、 とい っ たも の でし ょ うか 。株 式 会社 制 度の 便 利な 機能 の
ひ と つで あ る「 持分 の 譲渡 」 機能 を 悪用 する 犯 罪の 一 形態 で す。
も とよ り 、「 ハ コ企 業」 と 名札 を ブラ 下げ た 企業 が 存在 し てい る訳 で
は な いの で 、株 式投 資 の際 に は外 形 でな くそ の 資質 に 基づ い て判 断す る
よ り 他に あ りま せん 。 経営 陣 や事 業 方針 がコ ロ コロ と 入れ 替 わり 、財 務
が 安 定せ ず 、安 定株 主 によ る 経営 チ ェッ クも 行 き届 い てい な いよ うな 企
業 に は、 怪 しい 紳士 の つけ 入 るス キ があ るは ず です 。 こう し た意 味で 、
① 経 営者 の 資質 、② 企 業統 治 体制 の 確立 状況 、 そし て ③安 定 株主 の資 質 、
と い った 着 眼点 は、 投 資家 の みな ら ず監 視当 局 にと っ ても 有 用な 情報 の
は ず です 。
私 ども 監 視委 員会 は 常に マ ーケ ッ トの 動向 に 目を 光 らせ て いま す。 先
に も 書い た とお り、 株 主は 「 有限 責 任」 です が 、会 社 を弄 ん だ者 はそ の
罪 の 責任 を 一身 に背 負 わな け れば な らな い「 無 限責 任 」。当 課は 株 式会
社 制 度を 悪 用す る者 に 対し て 、引 き 続き 厳正 な 態度 で 臨ん で まい りま す 。
※ 文 中、 意 見に わた る 部分 は 、筆 者 の個 人的 見 解で す 。
■ 証 券取 引 等監 視委 員 会ウ ェ ブサ イ ト
http://www.fsa.go.jp/sesc/index.htm
■ 証 券取 引 等監 視委 員 会で は 、そ の 活動 状況 や ウェ ブ サイ ト の更 新情 報
な ど を配 信 して いま す 。
http://www.fsa.go.jp/sesc/message/index.htm
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