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平成18 年9 月13 日 PISAP ミニレポート 2006

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平成18 年9 月13 日 PISAP ミニレポート 2006
PEC 海外石油情報(ミニレポート)
平成 18 年 9 月 13 日
PISAP ミニレポート 2006-017
インド国営石油企業の動向(2006/5~7)
<企業動向>
インドの国営石油会社 Indian Oil Co.,Ltd. (IOC)、
Oil and Natural Gas Co.,Ltd.(ONGC)、
Bharat Petroleum Co.,Ltd.(BPCL)、および Hindustan Petroleum Co.,Ltd.(HPCL)の 5~7
月の間の製油所関連の動きを紹介する。
(1) IOC
6 月、Saudi Arabian Oil Co.(Aramco)および Kuwait Petroleum Co.(KPC)に対して、
IOC のParadip 製油所(計画中)およびPanipat 製油所のエチレン製造設備(計画中)への
資本参加を提案していることが明らかになった。
「Aramco は製油所に、KPC は石油化学
設備に関心がある」(2006 年 6 月 26 日、ICIS Chemical Business)と報じられた。
しかし 7 月、Aramco は Paradip 製油所の計画からの撤退を決めた。
「IOC はパラキシ
レン、ポリプロピレン、スチレン等の生産設備も含めて製油所の建設を単独で進める」
(2006 年 7 月 9 日、Financial Express)と報じられた。
8 月に入ると、
「IOC は Aramco、KPC、Royal Dutch Shell PLC(Shell)などと資本参加
を交渉していたが、Aramco は実質的に交渉から撤退し、KPC からはまだ回答がなく、
Shell との協議は決定的な段階には達していない」
(2006 年8 月5 日、
Business Line (The
Hindu) )と報じられた。
1) Panipat 製油所
北部の Haryana 州にある同製油所は、5 月下旬に処理能力 120,000 bpd の常圧蒸留
装置および減圧蒸留装置の運転を開始、原油処理能力が 240,000 bpd に増加した。
「IOC では、増産分はインドで過剰生産となっているナフサを除き、ほぼ全量が国内
市場で吸収される」(2006 年 5 月 30 日、Platts Commodity News)とみている。
IOCは、
エチレン製造設備(年産80万トン)など石油化学設備を併設する計画を2009
年の稼動開始を目指して進めている。5 月、東洋エンジニアリングおよびインドのエ
ンジニアリング会社 Larsen & Toubro Ltd. が「ABB Lummus Global の技術を採用し
たエチレン製造設備を共同で受注」(2006 年 5 月 30 日、Hindustan Times)した。
6 月、
「パラキシレン製造設備(年産 36 万トン)および高純度テレフタル酸(PTA)の
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製造設備(年産 55 万トン)が生産を開始」(2006 年 6 月 20 日、Reuters)した。PTA は
ポリエステル繊維の原料となる。
2) Paradip 製油所
東部の Orissa 州に計画されている原油処理能力 300,000 bpd の同製油所は 2009
年ないし 2010 年に稼働する予定である。併設される「パラキシレン製造設備(年産
120 万トン)、ポリプロピレン製造設備(年産 68 万トン)、スチレン製造設備(年産 60
万トン)」(2006 年 7 月 11 日、Chemical Week)などの石油化学設備は、2011 年ない
し 2012 年に稼働する予定である。
この製油所のポリプロピレン製造設備の建設の影響で、IOC の子会社 Chennai
Petroleum は、同社の Manali 製油所(原油処理能力 190,000 bpd)に計画していた「ポ
リプロピレン製造設備(年産 15 万トン)の建設を断念」(2006 年 7 月 11 日、Chemical
Week)した。
(2) ONGC
1) Mangalore 製油所
南西部の Karnataka 州にある原油処理能力 190,000 bpd の製油所で、ONGC の子会
社 Mangalore Refinery and Petrochemicals Ltd.(MRPL)が操業する。5 月、ONGC は
Mumbai 沖合にある D-1 油田から「最初の原油を MRPL 向けに出荷」(2006 年 5 月 18
日、The Press Trust of India Limited)した。
Mumbai の南西 200 km にある D-1 油田は現在 2 本の油井で 70,000 bpd 生産してい
る。ONGC は「原油価格が高騰していることから、価格低迷時には採算がとれないと
されていた D -1 油田など小規模な油田での石油生産を積極的に進めて」(2006 年 5
月 9 日、The Times of India)いる。
ONGC は、現在の製油所に隣接する Mangalore 経済特区で原油処理能力 300,000 bpd
の製油所および石油化学設備を建設する計画で、
「ONGC が 46%、MRPL が 3%を出資す
る特別目的会社によって実施」
(2006 年 6 月 23 日、
The Press Trust of India Limited)
する予定である。
2) Kakinada 製油所
南東部の Andhra Pradesh 州の Kakinada 経済特区に計画されている原油処理能力
150,000 bpd の輸出型製油所で、
7 月に Kakinada Refineries and Petrochemicals Ltd.
(KRPL)が設立された。
KRPL には、
「ONGC と MRPL が 46%、インドの大手金融会社 IL&FS と港湾管理会社
Kakinada Sea Ports Ltd. が 51% 、州の投資会社 Andhra Pradesh Industrial
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Infrastructure Corporation Ltd. が 3%を出資」(2006 年 7 月 29 日、Business Line
(The Hindu))している。
3) Rajasthan 製油所
北西部の Rajasthan 州で、ONGC と英国の Cairn Energy が共同で開発している
Rajasthan 油田からの原油を処理するために同州の Barmar に建設する計画の原油処
理能力 150,000 bpd の製油所である。
インド政府は 2005 年 9 月に、ONGC(同油田の 30%の利権を保有)および MRPL をこの
原油の受け入れ先に指名している。ONGC は「同製油所は採算が取れないとして計画
を延期、
MRPLのMangalore製油所で処理したい」
(2006年7月24日、
Oil & Gas Journal)
としている。
(3) BPCL
1) Bina 製油所
中央部の Madhya Pradesh 州に計画されている原油処理能力 120,000 bpd の製油所
で、BPCL と Oman Oil Co.が 50%ずつ出資する Bharat Oman Refinery Ltd.(BORL)が
実施する。
6 月下旬に、
「国立商業銀行 State Bank of India のほか銀行 19 社が共同で BORL
に融資することを決定」(2006 年 6 月 28 日、Business Standard)、計画が実行に移
される。2010 年の稼動を目指している。
(4) HPCL
1) Mumbai 製油所
西部の Maharashtra 州にある製油所で、原油処理能力は現在 110,000 bpd であるが
「年内に 158,000 bpd に増強」(2006 年 6 月 14 日、The Press Trust of India Ltd.)
される予定である。
(YY)
本資料は、
(財)石油産業活性化センター石油情報プラザの情報探査で得られた情報を、整理、分
析したものです。無断転載、複製を禁止します。本資料に関するお問い合わせは
[email protected] までお願いします。
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