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和光市コミュニティケア会議の概要
埼玉県模擬地域ケア会議 和光市コミュニティケア会議の概要 和光市保健福祉部長 東内 京一 埼玉県模擬地域ケア会議 和光市とはどんな所? 和光市 都道府県 面積 総人口 わこうし 埼玉県 11.04km² 79,573人 2014年5月 朝霞市、戸田市 隣接自治体 板橋区、練馬区 要介護 (要支援) 認定率 全国平均 約17.8% 和光市 約9.37% (2014年2月) 高齢化率:15.8%(H25年3月末) 1 埼玉県模擬地域ケア会議 ミクロ的な支援政策 和光市の取り組みを中心に 埼玉県模擬地域ケア会議 <和光市長寿あんしんプラン> 保険者の一翼を担う 地域包括支援センターの本質機能 地域ケア会議の重要性 3 埼玉県模擬地域ケア会議 和光市の地域包括ケアシステムの構築 長保 寿険 あ者 ん機 し能 ん 課 ネ地 ッ域 ト包 ワ括 ー支 ク援 高齢者個別の課題及び地域の課題を把握(圏域ニーズ調査等) 介護保険事業計画等へ反映・長寿あんしんプラン策定会議及び介護保険運営協議会 わがまちの高齢者等の課題の解決を図る支援基盤等を構築 (地域包括支援ネットワークの構築) 介護保険サービス ・介護予防 ・訪問介護 ・通所介護 ・特養・老健 住宅 ・サービス付き高齢者住宅 等 介護保険外サービス等 (生活支援) ・見守り・声かけ ・かかりつけ医 ・配食・会食・送迎 ・買い物・緊急通報等 ・在宅療養支援診療 ・訪問看護 等 福祉・権利擁護 医療系サービス ・法定後見 ・任意後見 ・地域市民後見人等 ・生活保護 等 要支援・要介護者に対する:家族介護者も含めた要介護者以外への支援 ・ 地域包括支援センター(地域包括ケアのコーディネート) ネ ッ ト ワ ー ク へ の 参 加 介護予防ケアマ ネジメント 包括的・継続的ケ アマネジメント 権利擁護 和光市コミュニティケア会議 チームケアの支援 他職種・他制度連結調整 総合相談支援 地域包括ケアの普及啓 発(地域力アップ) 課題抽出・解決ネットワークへの地域住民等の参加推進(社協事業等との協同) 4 埼玉県模擬地域ケア会議 介護保険法の基本条文の確認(市民への徹底周知) 【第2条第2項】 (介護保険) 前項の保険給付は、要介護状態又は要支援状態の軽減又は 悪化の防止に資するように行われるとともに、医療との連 携に充分配慮して行われなければならない。 【第4条】 (国民の努力及び義務) 国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢 に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進 に努めるとともに、要介護状態になった場合においても、 進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービ ス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能 力の維持向上に努めるものとする。 5 埼玉県模擬地域ケア会議 介護保険事業計画とケアマネジメントの関係 (コミュニティケア会議が政策機能の核) マクロ的な政策 ・介護保険事業計画 ・サービス必要量 ・サービス供給量 ・基盤整備 和光市 コミュニティケア 会議 ・保険者 ↓ ・地域包括 支援センター ミクロ的な支援 ・ケアマネジメント ・自立支援・予防 ・重度化防止 ・人材育成 ・保険者機能が介護保険事業計画の策定と事業運営を行うマ クロな政策の視点は、個々のケアマネジメントのミクロ的な支 援のあり方を考えることが重要である。そのポイントは、地域 ケア会議(和光市コミュニティケア会議)機能である。 6 埼玉県模擬地域ケア会議 和光市のケアマネジメントの機能強化概要の 高齢者(市民)尊厳とQOLの向上のために 高齢者(市民)制度 周知・理解 法第1条・2条・4条 を中心とした広報 出前講座 等 ケアマネジャーの育成 (専門性の向上) 自立支援の認識 予防・重症化遅延 保険者の独自研修 介護サービス 事業者育成 (専門性の向上) 自立支援の認識 予防・重症化遅延 保険者の独自研修 和光市コミュニティケア会議 ・・・ケースの調整、多制度他職種の連結及びOJT(ケアマネ・サービス事業者 等)の場 ・・・アセスメント統一、訪問介護や通所介護等の個別サービス計画書様式の統一(ICT) ※ 独自研修の座学は、知識習得はもとよりOJTに耐えうる考えを学ぶこと。 専門性の高いケアマネジメントの提供 →→→ 高齢者(市民)の幸福 7 埼玉県模擬地域ケア会議 和光市地域包括支援センターの事業運営体制 和光市 保健福祉部 長寿あんしん課 保険者(地域包括支援センター機能管理担当) 介護保険 医療 中央コミュニティケア会議 住まい 理学療法士・管理栄養士・歯科衛生士・薬剤師 福祉・保健 権利擁護等 多様な地域生活 支援サービス A 南地域包括支援センター B 中央地域包括支援センター C 北地域包括支援センター D 北第2地域包括支援センター ・MR主任介護支援専門員 ・看護師(ケアマネ) ・社会福祉士(ケアマネ) ・介護支援専門員 ・管理栄養士 ・MR看護師(ケアマネ) ・社会福祉士(ケアマネ) ・主任介護支援専門員 ・介護支援専門員 (認知担当) ・介護支援専門員 ・MR主任介護支援専門員 ・看護師(ケアマネ) ・社会福祉士(ケアマネ) ・管理栄養士(特健) ・介護支援専門員 (認知担当) ・MR主任介護支援専門員 ・看護師(ケアマネ) ・社会福祉士(ケアマネ) ・介護支援専門員 (認知担当) ・看護師(ケアマネ) ※地域コミュニティケア会議 ※地域コミュニティケア会議 ※地域コミュニティケア会議 ※地域コミュニティケア会議 高齢者・住民に対する地域包括ケアマネジメントの提供 介護保険事業計画に地域包括支援センターの機能を明確に位置づけ 8 埼玉県模擬地域ケア会議 具体的なコミュニティケア会議の内容① ①地域包括ケアを念頭においた自立支援に資する高齢 者(市民)対するケアプラン等の調整・支援 ②ケアマネジメントの質の向上(給付適正効果) ③地域包括職員、ケアマネ及びサービス事業者等への OJTによる専門性の向上(人材育成) ④他制度・他職種によるチームケアの編成支援 (参加メンバー) ○恒常的メンバー 保険者、地域包括支援センター(4か所20人)、外部からの助言者(管理栄養士、歯科衛生 士、理学療法士、薬剤師等) ○個別プランに関係する時のみ参加するメンバー(例) 消費生活相談員等の市役所関係者、成年後見候補者、居宅支援事業者、訪問介護事業 者、グループホーム、小規模多機能施設職員、その他社会資源関係者 ○個別ケースのケアマネはじめサービス担当者 等 9 埼玉県模擬地域ケア会議 具体的なコミュニティケア会議の内容② コミュニティケア会議の部会 ①介護予防部会(要支援1・2及び二次予防等)全件 ②給付適正部会(要介護1から要介護5)抽出・申し出 ③権利擁護虐待関係部会(支援必要案件)抽出・申し出 ④地域密着型サービス部会 (認知症「GH・小規模多機能」・24巡回サービ ス 等) (※毎週木曜午前を中心に開催) 10 埼玉県模擬地域ケア会議 和光市コミュニティケア会議(地域ケア会議) 包括的・継続的支援事業タイプ 項目 (1)プラン作成者より 概要説明 (2)事業者から評価、 今後の支援方針 所要 時間 ポイント 約4分 ●現在の状態に至った個人因子・環境因子を簡潔に説明(生活機能低下の背景を洞 察することが重要) ●【更新プランの場合】前回の支援計画に対しての評価:⇒目標に対して達成か未達 成か? ⇒未達成の場合はその原因は? ●生活機能評価の解説⇒改善可能なポイントは? ●上記を踏まえて次期プランの説明 (注)参加者は、自らの専門分野を中心に内容をチェックする。例えば、保健師・看護師 は、医療リスクの高い人の生活上の注意点や、服薬内容に対してサービス内容が妥 当かどうかという視点。社会福祉士は、独居や認知症ケース等に対する権利擁護的 な観点。 約4分 ●居宅介護支援事業者、介護予防通所介護、グループホーム、ケアハウス、食の自立 支援事業者、ゴミの戸別収集事業者、住宅改修事業者、福祉用具事業者など、利用し ているサービス提供事業者が各立場から発言 約10分 ●参加者は、挙手したうえで発言する。 ●司会は、ケースの本質(課題の本質)やプラン作成・サービス提供上の注意点などに ついて、端的に言語化してまとめ、共通認識にぶれが生じないようにする。 約2分 ●司会は、会議の最後に次回(通常3か月後または6か月後)までのケア(プラン修正含 む)の方針を確認する。 ●介護支援専門員や事業者等が当面行う必要がある課題(例えば、医師の意見の確 認、専門医の受診、追加訪問調査、家族からの事情聴取、など)がある場合には、その 漏れがないよう、最後に念押しする。 (3)全参加者から 質問、意見 (4)まとめ 11 埼玉県模擬地域ケア会議 「生活行為評価票」による現状評価と予後予測の整理票 自立度 困難度と改善 可能性 判 A D L 自立 一部介助 全介助 楽にできる 少し難しい 改善可能性 高い 改善可能性 低い 改善可能性 高い 改善可能性 低い ○1 ○2 △1 △2 ×1 ×2 定 生活機能 事前 室内歩行 ○1 屋外歩行 ○2 外出頻度 △1 排 泄 ○1 食 事 ○1 入 浴 △1 着脱 衣 ○1 事後予測 備考 限られた場所のみ。 ○2 デイサービス以外の外出は少ない。 ○2 デイサービス入浴のみになっている。 能力はある。 12 埼玉県模擬地域ケア会議 I A D L 掃 除 △1 ○2 洗 濯 ○2 買 物 △1 ○1 簡単なものは自分で。 他はヘルパーや家族。 調 理 △2 ○2 レンジアップ程度は出来る。 整 理 ○1 ごみ出し ○1 通 院 △1 ○2 家族付き添い。 服 薬 ○1 金銭管理 △1 電 話 ○2 社会参加 △1 大物以外は自立。 銀行に行くのは家族に頼む。 ○2 言語障害軽度、相手が聴き取りにくい。 限られた相手のみ。 13 埼玉県模擬地域ケア会議 生活行為評価票 • 事前…現状評価(今の状態はどうか?) • 事後…予後予測(半年後どうなっている か?) • 生活行為向上を目標とした予後予測が必要 • 身体機能向上と、生活行為向上の違いを理解 14 埼玉県模擬地域ケア会議 自立支援型プラン例 これは 目標ではなく、手段! 目標 生活全般の解決すべき課題 清潔を保持したい 長期 通所介護利用により入浴で きる 期間 短期 通所介護利用に慣れる 6か 月 期 間 3か 月 見直し 目標 生活全般の解決すべき課題 右片麻痺による歩行不安定 (転倒を繰り返す、浴槽のマタギ 動作ができない) 右片麻痺による上肢の動作に 制限。 長期 期間 短期 期 間 3か 月 浴槽のまたぎ動作が一人で できる 6か 月 介助者の体を支える介助に よりまたぎ動作ができる。 洗体動作が自立できる。 6か 月 着替えの動作が自立できる。 3か 月 (体を洗う、着替えをすることが 困難。) 脳梗塞を2度再発している。 塩分1日6g以下の食事がで 6か 月 きる 栄養士の指導に沿った食事 を覚える 3か 月 15 埼玉県模擬地域ケア会議 自立支援型ケアプラン例 通所で入浴することのみが目的 になっているサービス 援 助 内 容 サービス種別 サービス内容 清潔保持ができるよう、通所介護で入浴しましょう。できるだ け自分で洗えるところは自分で洗い、背中などは手伝っても らいましょう。 見直し 援 助 内 サービス内容 足を持ち上げる動作、麻痺側と健側の足の使い方 指導を行い、またぐ動作が自立できるよう指導す る。 その際、自宅の浴槽の環境にも注意し 必要であれば手すりの設置や改修も検討します。 体を洗う動作、背中や足指が届かず洗えません。 健側のROMを拡大できる指導、実際の動作指導、 必要であれば道具の工夫などの指導も行います。 通所介護 頻度 週2回 期間 6か月 容 サービス種別 頻度 週2回 通所介護 期間 6か 月 残存機能の活用! 通所介護 週2回 訪問リハビリ 月2回 6か 月 16 地域包括支ケアを支える人材育成(和光市) 埼玉県模擬地域ケア会議 地域包括支援を行う際の基本姿勢 意識 ○ ○ ○ ○ 人権感覚 倫理観 責任感 意欲 視点 ○ ○ ○ ○ ADL・IADLの状態 地域を基盤とするつながりの構築 個別支援から地域支援へ 人と社会のつながり 方法 ○ 住民活動支援 ○ ケアマネジメント ○ チームアプローチ 総合相談支援~マネジメント~アウトカムへ 地域の個別的・地域的な課題対応能力 ステージ1 ステージ2 ステージ3 アセスメント実施段階 プランニングから総合支援の実施段階 地域ニーズや社会資源の評価改善 開発を行う段階 ・個別アセスメント 個人の生活を支える視点を持つ ・地域アセスメント 地域の役割と資源を認識し個 々の人生の生活とその背景 にある地域との関連性を理解 ・カンファレンスコーディネート 能力 (会議の進行を通したケース調整・OJT を効果的に行える) ・地域市民の介護・保健・福祉活動 を組織化する能力 ・ニーズの把握 ・制度間調整能力 ・接遇・洞察能力 ・高度な専門性で他制度を連結し 支援を必要とする人の主訴 と専門性からの洞察 ・合意形成能力 ・政策提言能力 ・官民協働による社会資源開発 ・仕組みつくり・地域ニーズ把握 から地域制度構築へ ・組織運営管理能力 調整が図れる (専門職と専門性の違いを理解) スペシャリストとジェネラリスト 共感性をもった説明手法 ~キャリアアップステージの明確化~ 17 ◎ 事例の概要(新規・介護予防プラン) 埼玉県模擬地域ケア会議 氏名 Kさん 介護度 要支援1 個人因子 【H26年1月脳梗塞発症】 ・軽度左半身麻痺による下肢筋力低下 ・高次脳機能障害による注意力低下 ・言語障害 ・左半側空間無視 環境因子 ・夫と2人暮らし ・夫はH10年脳梗塞発症、H26年5月に再梗塞により現在老健入所中 ・長男夫婦が近住、土日の協力あり 経済状況 ・問題なし 現状 ・H26年1月脳梗塞発症、リハビリ病院を経て7月中旬に退院 ・左半身軽度麻痺により、歩行バランス悪く、左足が階段にひっかかり易い ため転倒リスクがある ・左側空間無視と注意力低下により、調理行為(火傷などの危険)に見守り が必要 検討事項 ①再梗塞予防のための食事管理・栄養指導 ②下肢筋力向上 ③調理行為の向上 (女) 66歳 18