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` - 和歌山大学 ー・・ ~ーー
其の瘍 システム学科 中島敦 司教授 の妖怪 分布 図伝 承や証言から フ ェイ スプ ック ﹁ ︵ わか やま 妖 ムご よ り︶ 、猫 ツチノコ、件︵ くだん︶ 送リオオカミ、 夜雀、 他 又、 にもまだ居る。︸ れまでの ﹂ コラムでも紹介したよう に、熊野の妖怪は、他の地 域よりも種類は少ない。 皆 が同じモノに遭遇するせ いか、話の内容は、リアル で詳しい。 熊野の妖怪には、排他的 で乱暴なモノは居るが、凶 天狗が写り込んだとされる熊野の 山中 の写真 ︵ 中央 のグリーンの部 分にさまざまな顔が見えてくる︶ 悪なモノは意外と少ない。 心持ちとしてイヤらしいモ 時には、非常に優 ノ、粘着質でし つこいモノは少ない。 しか ったりする。 退治された際には、素直に反省する。 市辺りにいくと、妖怪の種類が増え、しかも、遭遇場所 や被害範囲は限定的である。その上、執着心が深い。こ 人や家屋などにピンポイントで 熊野の妖怪には、 また、 取り憑︵つ︶ 神出鬼没で、も っぱら人里 くものが少ない。 外れた寂しい場所や山奥に潜んでいる。 遭 そのせいか、 ギ ュウキ “ではな ︵” ウシオ ニ“方百で く” は プ シ ノし、天 オ ゴランボ、 狗 、河童 ︵ 無 多数 カシャンボ、れ 熊野の妖怪 の純朴性が浮か の都市 熊野の対比から、 と び上がる。熊野の人々Q気持ち良 い“ 気質と似 ている。 遇する地占へ被害を受ける人数ともに多くなり、いつ出 没するかも不定期である。 ところが、 人口の多い和歌山 の方 言 名 称 あ り︶、 様々な海坊主、大蛇、 一本足 、ヒトクサイ、 ダレ、 ダル、 ガキ、 牛鬼 居る。ひと つダタラ、 今 でも遭遇する人が 多く残 され ている。 熊野には妖怪話が ﹁ 妖怪が教える コト﹂ 和歌 山大学 システムエ学部環境 熊野の妖怪 の種類の少なさから考察されることは、 熊野の人々は様 々な怪異 への対処方法ヽつまり危機管 理ができていたということだ。 それでも出遭 ってしま うモノは、本物中の本物 の妖怪、危機であ ったのだろ 都市の妖怪などは、怪談話として面白が っただけ う。 のものが大半 で、いわば、 見世物の範囲に過ぎない。 熊野の人 々と妖怪との付き合 い方は、自然や人間 の根源 のような話ばかり である。 熊野 の癒やしの根 源とも つなが っている。 だから、今 、熊野の妖怪に目 を向け、その意味を知ることは、熊野の社会を今後も 持続させるヒントになる。そこから得られる教訓は、 他地域や争 いの絶えない現代社会 に対して発信する 次回からは、熊野の妖怪を種別 価値 のある話となる。 デ に紹介していく予定なので、 ﹂ 笑読 いただきたい。