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金融市場ウィークリー

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金融市場ウィークリー
金融市場ウィークリー
2015 年 9 月 4 日号
[経済・金融市場動向]
◆ 金融市場見通し・内外経済指標
市場では引き続き中国リスクが懸念材料。米国の雇
用統計に加え、中国の貿易統計や週末のG20にも
注目。為替や株価が振れる可能性があり留意が必要
[トピックス]
◆ 「追加緩和」に備え始めるECB
9月3日のECB政策理事会は、追加緩和の可能性を
示唆するものとなった。今後の物価見通しを勘案す
れば、ECBはいずれ追加緩和に踏み切るだろう
◆ 投資適格維持へ正念場のブラジル
ブラジル経済はスタグフレーションが深刻化。財政
悪化で投資適格級の国債格付けを喪失するとの懸念
も高まり、レアル相場は下値を模索する展開
✣[目次]✣
今週の注目チャート ···················································· 1
Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3
金融市場見通し·································································· 3
金融市場レビュー ································································ 4
内外経済指標の解説と予測 ························································ 5
Ⅱ.トピックス ························································ 9
「追加緩和」に備え始めるECB ·················································· 9
投資適格維持へ正念場のブラジル ················································· 11
Ⅲ.参考資料 ························································· 13
今週・来週の主要経済指標 ······················································· 13
月次・四半期のスケジュール ····················································· 15
今週の金融市場の動き ··························································· 18
最新リポート一覧 ······························································· 19
〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
激変する中東情勢:イラン制裁解除は何を意味するか
調査本部本部長代理
長谷川克之
来週再開する米議会でイラン核合意を巡る審議が本格化する。17 日の決議期限を控えて、報道で
は共和党主導の議会承認を得られなくても大統領が拒否権発動により合意を履行できる見通しとな
ったようだ。本日4日には大統領とサウジアラビアのサルマン国王の面談が予定されており、大統領
は国王に対して、イラン経済制裁の解除に対する理解を求める模様だ。
中東の大国イラン。人口 8,000 万人弱、経済規模 5,500 億ドルは何れも世界で 20 位前後。石油・
天然ガスの埋蔵量は世界トップクラス。イランが国際社会に復帰することの意味は小さくない。
第一には、原油需給への影響がある。イラン石油相によれば、制裁解除により原油増産額は直ちに
日量 50 万バレル、5 カ月以内に 100 万バレルに達するという。現状でも歴史的な供給超過にある原
油需給が一層緩和し、原油価格の下落要因になることは必至だ。第二には、様々な投資機会の存在が
ある。産業の裾野が広いイランでの新たなビジネスチャンスへの期待は強い。また、イラン株式市場
はグローバル投資家にとってもフロンティア市場として有望視されており、2016 年には 10 億ドル以
上の資金がイランに向かうとの見方もある。第三には、地政学的な影響がある。イスラム教スンニー
派盟主のサウジアラビアとシーア派のイランの間には歴史的な確執がある。米国がいずれ、サウジア
ラビア以上にイランを重視する外交政策に転じるとの見方すら存在する。制裁解除は中東の、そして
世界のパワーバランスに地殻的変動を及ぼし、新たな不安定要因となる可能性もあるだろう。
もちろん、イランが合意を遵守しないケース、また、次期大統領次第では米国がイラン政策を見直
すケースなど紆余曲折もあり得る。制裁解除とその行方、そして中東情勢の多面的な変化を注視する
ことが必要だ。
〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
~今週の注目チャート~
【 中国の外貨準備残高と米国債保有額 】
中国の米国債保有動向に留意が必要
(兆ドル)
(兆ドル)
1.4
4.0
米国債保有残高
3.5
1.2
3.0
1
外貨準備残高
(右目盛)
0.8
2.5
2.0
0.6
1.5
0.4
1.0
0.2
0.5
0
0.0
01
00
02
03
04
05
06
08
07
09
10
11
12
13
15
14
(年)
(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成
【解説】人民元安に対応するための為替介入などから中国の外貨準備残高が減少している。中国景気の悪化
懸念が高まっているにも関わらず米国債利回りの低下が限定的となっている要因として、中国による米国債
売却を指摘する見方も出てきている。6 月までの統計では保有残高の大幅な減少は見られないが、中国の米
国債保有動向が米国債利回りに与える影響は大きく、今後の動向に留意が必要だ。
【 日本株の投資主体別売買動向(月次) 】
8 月の海外投資家による売り越し額は 2014 年 1 月以来の金額に
(千億円)
30
買
い
越
し
20
10
0
▲10
売
り
越
し
▲20
▲30
信託銀行(年金等)
事業法人
投資信託
個人
海外投資家
▲40
13/1
13/4
13/7
13/10
14/1
14/4
14/7
14/10
15/1
15/4
15/7
(年/月)
(注)二市場一・二部合計。
(資料)東京証券取引所
【解説】中国の景気減速懸念が高まりを受けた中国株の急落を背景に世界的にリスク回避的な株安が進んだ。
日本株についても 8 月の海外投資家による売り越し額が約 1.2 兆円に及び、大幅な下落を主導した。一方、
個人や年金資金を含む信託銀行等の国内勢は下値での押し目買いにより買い越している。米国の利上げ時期
に不透明感が残存する中、目先は海外投資家を中心に様子見姿勢が強まりやすいだろう。
^
1
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
【 ユーロドル相場と IMM 通貨先物・ユーロネットポジション 】
中国株下落を起点とする世界同時株安で、ユーロ売り持ち高が縮小
(十億ユーロ)
(ドル/ユーロ)
1.00
▲ 35 大
IMM通貨先物・ユーロネットポジション(非商業)(右目盛)
ユーロドル相場
1.05
▲ 30
▲ 25
1.15
▲ 20
1.20
▲ 15
1.25
▲ 10
1.30
▲5
1.35
1
14/09
0
ユ
ー
1.10
ロ
売
り
持
ち
高
小
14/10
14/11
14/12
15/01
15/02
15/03
15/04
15/05
15/06
15/07
15/08
15/09 (年/月)
(資料)Bloomberg、CFTC より、みずほ総合研究所作成
【解説】CFTC(米商品先物取引委員会)が公表するIMM通貨先物統計によれば、8 月中旬から下旬にかけ
てユーロ売り持ち高が縮小した。中国株下落を起点とする世界同時株安が進む中で、リスク回避通貨として
ユーロが見直されたことが背景にあると考えられる。米欧金融政策の違いから今後もユーロ安基調は続くと
みるも、再び新興国発の金融市場の混乱が起きた際には、ユーロ高圧力が高まる可能性がある。
【 世界経済の実質成長率 】
存在感を増す中国経済
(%)
7
6
5
4
先進国
3
その他新興国
2
アジア(除く中国)
1
中国
0
世界
▲1
▲2
▲3
80
85
90
95
00
05
10
(年)
(資料)IMF
【解説】中国経済に対する先行き懸念から株価や為替相場が振れる展開となっている。中国に関心が集まる
背景には、中国経済の存在感の高さがある。2014 年の世界経済の実質成長率のうち、中国経済の寄与率は 3
分の 1 を超えており、中国経済の影響を受けやすいアジア諸国まで含めると、その割合は 6 割に達する。今
週も弱含みを示す中国の景気指標を受けて世界の株価が下がるなど、中国リスクが懸念材料となっている。
2
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
Ⅰ.経済・金融市場動向
~金融市場見通し~
中国リスクを中心に動く
相場
先週後半の反発で一旦落ち着くかに見えた世界同時株安だったが、世界
の株式相場は今週再び値を下げており、中国経済の悪化に対する懸念は依
然収まっていない。米国が9月に利上げするとの見方は市場で大きく後退し
ているとはいえ、FOMC(9/16・17)を控えて、引き続き本日の雇用統計(9/4)
などの米国の経済指標やFRB関係者の発言に注目が集まっている。しか
し、市場の関心は中国経済の先行きや世界経済への影響に大きくシフトし
ているのは明らかである。今週前半に見られた世界的な株価下落も、中国
経済の悪化を懸念する市場心理が影響していたのは間違いない。中国政府
が発表する製造業PMI(9/1)が8月は50割れとなるなど、中国リスクを
意識せざるを得ない状況が続いている。
世界経済への影響も市場
の弱気材料に
中国経済の影響は世界に波及しつつあるように見える。韓国の8月の輸出
額(9/1)が前年比▲14.7%の大幅な減少となったほか、50割れの続く台湾
の日経製造業PMI(9/1)が46.1まで下落するなど、周辺国の経済指標は
芳しくない。今週後半に株価が持ち直すきっかけとなったECBによる追
加緩和への期待も、市場に安心感を与えたという意味で評価できるが、背
景にある経済・物価見通しの下方修正は、それだけ世界経済の先行きが不
透明であることを市場に印象付けたとも言える。
来週も振れの大きい相場
展開となる可能性に留意
来週発表される中国の8月の貿易統計(9/8)でも、中国の輸入額が前年
割れとなるのは確実だと見ており、予想以上に弱ければ相場が大きく振れ
る要因となろう。基本的にはドル高トレンドにあると見ている為替相場で
も、リスク回避の円買いやユーロ買いが強まる可能性があり、ドル高の進
展は抑えられよう。日米の株価も結果的に概ね横ばい圏での推移を予想す
るが、為替同様振れが大きくなる可能性がある点には留意が必要だ。米金
利は底堅い米経済が続くなかでも低位でのもみ合いになると見ている。市
場が中国リスクを懸念するなか、今週末に開催されるG20(9/4・5)の
(井上淳)
対応、また中国自身がどのようなメッセージを発するかも注目だ。
【 来週の予想 】
項目
内外金利
内外株式
為 替
予想レンジ
USD LIBOR 3カ月(%)
米10年国債(%)
円 TIBOR 3カ月(%)
10年国債(%)
ダウ平均(ドル)
NASDAQ総合指数(ポイント)
日経平均(円)
TOPIX(ポイント)
円/ドル
ドル/ユーロ
円/ユーロ
3
0.325
2.00
0.16
0.35
15,600
4,520
17,000
1,390
117.5
1.080
130.0
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
0.345
2.30
0.18
0.45
16,900
4,950
18,800
1,540
123.5
1.135
136.0
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
~金融市場レビュー~
<内外金利動向>
先週末以降の米 10 年国債利回りは週初 2.2%台に上昇するも、その後は
日本の 10 年国債利回り
2.1%台後半でのもみ合い推移となった。中国の製造業PMI指数(9/1)
は、一時 0.4%台に上昇
の 50 割れや、原油価格下落などが利回りを押し下げた。ECB政策理事会
(9/3)は金融政策を据え置く一方、景気・物価見通しが下方修正された。
ドラギ総裁が追加緩和を示唆したことに加え、量的緩和プログラムにおけ
る公的債券 1 銘柄あたりのECB保有上限引き上げなどを受け、独 10 年国
債利回りは 0.7%台前半に低下した。日本の 10 年国債利回りは一時 0.4%
台に上昇した。8 月後半以降、海外からの中長期債買い越し額がやや減少し
ていることも利回り上昇の要因になったと考えられる。
<内外株式動向>
(野口雄裕)
先週末以降の米株式相場は下落した。FRB高官の 9 月の利上げの可能
日米株とも米国の利上げ
性を否定しない発言(8/28)を受け、利上げ時期を巡る不透明感が相場の
時期と中国経済の先行き
重荷となった。さらに中国の 8 月の製造業PMIが約 3 年ぶりの低水準と
に対する不透明感が意識
なり、再び中国の景気減速懸念が高まり下落基調を強めた。週後半にかけ
され、下落
ては、割安感が意識された銘柄への買戻しやECBによる追加緩和への期
待が株価を押し上げ、一部下げ幅を縮小させた。日本株は下落した。米国
の利上げや中国経済の先行きへの警戒感から下落基調に転じた。週末にか
けては 8 月の米雇用統計を控えた様子見姿勢が強まる中、対ドル・ユーロ
(大塚理恵子)
ともに円高が進んだことも重荷となり、下落幅を拡大させた。
<為替動向>
為替相場は先週に続き、中国経済の先行き不透明感などからリスク回避
先週に続きリスク回避の
の動きがみられた。中国製造業PMI指数(9/1)が予想を下回る結果とな
円高ドル安が進む
り、中国の景気減速懸念が高まったことから、今週のドル円相場はリスク
オフの円買いが進む展開となった。その後も円高ドル安地合いが続き、足
元では 1 ドル=119 円台で推移している。ユーロドル相場も、中国の先行き
懸念に加え、米製造業ISM指数(9/1)が予想を下回ったことから一時ド
ル安ユーロ高が進んだ。しかしECB政策理事会(9/3)において、景気・
物価下振れリスクが今後顕在化した際に追加緩和を行う姿勢が示されたこ
(有田賢太郎)
となどから、ユーロドル相場はユーロ安に戻す展開となった。
<新興・資源国動向>
新興国市場では、今週も株価が大きく振れる展開となった。先週後半の
中国経済の悪化懸念から
反発によって一旦は落ち着いたかに見えた世界的な株安だったが、景気の
株価の弱含みが続く
弱含みを示す中国の経済指標を受けて再び世界中で株価が値を下げる局面
が見られた。中国では財新製造業PMI(8 月確報、9/1)に加えて、中国
政府が発表する製造業PMI(9/1)も 8 月は景気判断の境目となる 50 を
下回る結果となっている。その後は、ECBによる追加緩和への期待など
を受けて新興国株はやや持ち直しているが、その間は中国の株式市場が抗
日戦勝 70 周年記念に伴う休場(9/3・4)であったことを考えれば、先行き
は依然不透明と言えよう。
4
(井上淳)
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
~内外経済指標の解説と予測~
<国 内>
鉱工業生産は 2 カ月ぶり
7月の鉱工業生産指数(8/31)は前月比▲0.6%(6月同+1.1%)と、2カ
にマイナス
月ぶりに低下した。業種別に見ると、電子部品・デバイス(前月比▲3.7%)、
輸送機械(同▲1.4%)、情報通信機械(同▲8.4%)などが全体を押し下
げた。予測指数は、8月が同+2.8%、9月が同▲1.7%と力強さに欠けてお
り、予測指数通りなら7~9月期は前期比+0.6%(4~6月期同▲1.4%)に
とどまる計算だ。
経常利益はプラス幅が拡
4~6月期の法人企業統計調査(9/1)では、経常利益(金融・保険業を除
大
く全産業)が、前年比+23.8%(1~3月期同+0.4%)と、プラス幅が拡大
した。製造業は同+29.6%(1~3月期同▲1.3%)、非製造業も同+20.8%
(1~3月期同+1.2%)と、原油安によるコスト減が収益を押し上げ、とも
に前年比2桁の増益となった。
4~6月期の設備投資(土地除きソフトウェア含む)は、前年比+5.6%
(1~3月期同+7.3%)とプラス幅が縮小した。季節調整値では、前期比▲
2.7%(1~3月期同+6.0%)と4四半期ぶりのマイナスになった。製造業(前
期比+0.4%)が4四半期連続で増加しているものの、非製造業(同▲4.4%)
が3四半期ぶりに減少した。収益の改善が続くと見込まれる中、今後の設備
投資は製造業を中心に緩やかに回復するとみられる。
実質賃金はわずかにプラ
7月の毎月勤労統計(9/4)では、名目賃金が前年比+0.6%(6月同▲2.5%)
と増加した。内訳をみると、所定内給与(6月同+0.3%⇒7月同+0.6%)、
ス
所定外給与(6月同+0.4%⇒7月同+0.6%)ともに伸びが拡大したほか、
特別給与が同+0.3%(6月同▲6.7%)と増加に転じた。物価調整後の実質
賃金(持家の帰属家賃を除く総合消費者物価指数により実質化)も、同
+0.3%(6月同▲3.0%)と小幅ながらプラスに転じた。ただし、速報段階
ではパート労働者の比率が低く、名目賃金の水準が高めに出る傾向がある
ため、25日発表予定の確報値では下方修正される可能性がある。
【 鉱工業生産の推移 】
【 実質賃金の推移 】
(前年比、%)
(前月比、%)
5
1.0
0.5
4
化学
3
0.0
鉱工業生産指数
▲ 0.5
電気機械
2
▲ 1.0
一般
機械
1
▲ 1.5
0
▲ 2.0
▲1
▲ 2.5
▲2
情報通
信機械
電子部品・
デバイス
▲ 3.0
輸送機械
▲ 3.5
▲3
▲ 4.0
その他
▲4
14/9
14/10 14/11 14/12
15/1
15/2
15/3
15/4
15/5
15/6
15/7
▲ 4.5
2013/01
(年/月)
(注)一般機械は「はん用・生産用・業務用機械」を指す。
(資料)経済産業省「鉱工業指数」より、みずほ総合研究所作成
13/07
14/01
14/07
15/01
15/07 (年/月)
(資料)厚生労働省「毎月勤労統計調査」より、みずほ総合研究所作成
5
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
来週はGDP(2次速報)や機械受注統計などが発表される。
一致CI、先行CIともに
低下
7月の景気動向指数(9/7)は、CI一致指数が112.2(6月同112.3)、先
行指数が104.9(6月同106.5)と予想する。有効求人倍率や小売業販売
が改善する一方、生産財出荷、鉱工業生産などが悪化したことから、一
致CIは小幅ながら2カ月ぶりに低下すると見ている。先行CIについて
も、住宅着工が6月の大幅増の反動で減少したほか、商品市況(日経商品
指数)や消費者マインドも低下したため、5カ月ぶりに低下すると予測して
いる。
実質GDPは 1 次速報か
4~6月期の実質GDP(2次速報)
(9/8)は、前期比▲0.4%(年率▲1.5%)
と、1次速報(前期比▲0.4%、年率▲1.6%)から小幅な上方修正を予想す
ら小幅に上方修正
る。設備投資は下方修正、民間在庫投資・公共投資は上方修正を予想する
が、いずれも小幅な修正にとどまるとみている。個人消費や輸出が大幅に
減少することで、3四半期ぶりのマイナス成長になったという1次速報の姿
は変わらない見込みである。
経常収支は貿易赤字の縮
7月の経常収支(9/8)は、1兆6,630億円の黒字(6月+5,586億円)と予
小により黒字幅拡大
想する。輸入金額が前年比で減少したため、貿易収支は前年より赤字幅が
縮小するとみている。また、第一次所得収支は円安により拡大傾向が続く
だろう。経常収支の黒字幅は前年(2014年7月+4,036億円)から拡大する
見込みである。
7 月の機械受注(船舶・電力を除く民需)(9/10)は、前月比+4.9%(6
機械受注は前月比プラス
月同▲7.9%)と予測する。製造業を中心に増加し、全体では 2 カ月ぶりの
プラスになるとみられる。
8 月の国内企業物価指数(9/10)は、前年比▲3.3%(7 月同▲3.0%)と
国内企業物価指数は前年
予測する。石油・石炭製品のマイナス幅が拡大したほか、中国の景気減速
比マイナス幅が拡大
懸念の高まりを背景に非鉄金属が前年比下落に転じたことなどを受け、国
内企業物価の前年比マイナス幅は拡大する見通しである。
【 機械受注(船舶・電力除く民需)の推移 】
(小西祐輔)
【 国内企業物価指数の推移 】
(前年比、%)
5.0
(2010年1月=100)
140
予測値
4.0
135
予測値
3.0
月次
130
125
2.0
120
1.0
115
0.0
110
▲ 1.0
105
▲ 2.0
3カ月移動平均
100
▲ 3.0
95
90
2012/01
13/01
14/01
15/01
▲ 4.0
2013/01
(年/月)
13/07
14/01
14/07
15/01
15/07
(年/月)
(注)2015年8月は、みずほ総合研究所による予測値。
(資料)日本銀行「企業物価指数」より、みずほ総合研究所作成
(注)2015年7月は、みずほ総合研究所による予測値。
(資料)内閣府「機械受注統計調査報告」より、みずほ総合研究所作成
6
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
<海 外(米国)>
国内経済は堅調だが、外
需の弱さが目立つ結果に
今週の経済指標は、国内経済が堅調さを維持する一方で、外需の弱さが
鮮明となる結果であった。8 月の製造業ISM指数(9/1)は業況改善・悪
化の境目となる 50 の水準を上回っているものの、2 カ月連続の低下となっ
た。輸出受注指数は 3 カ月連続で 50 を下回り、ドル高や海外経済減速によ
る悪影響が示唆される。7 月の実質財輸出(9/3)は小幅に増加したが、依
然として低水準にある。他方、8 月の非製造業ISM指数(9/3)は引き続
き高い水準を維持し、企業のコメントも総じてポジティブな内容であった。
ベージュブックでは、一
8 月 24 日までの情報に基づきまとめられた地区連銀経済報告(ベージュ
部の業種で賃金上昇圧力
ブック、9/2)では、米国経済が緩やかないし適度なペースで拡大していた
が高まったことが報告。
ことが報告された。労働需給の引き締まりに伴い、一部の業種で賃金上昇
製造業活動は海外が抑制
圧力が高まっていたことが指摘された。製造業活動は、全体としてポジテ
要因に
ィブな報告がなされたが、ドル高や原油安、アジア経済の減速が抑制要因
になったとのことである。12 地区中 3 地区では、中国経済の減速を受けて、
木材、化学、ハイテク製品に対する需要が落ち込んだとの例が挙げられた。
フィッシャーFRB副議
また、ジャクソンホールでのテレビ・インタビューで、フィッシャーF
長は、利上げを先送りす
RB副議長は、利上げを先送りするかどうか「語るのはまだ早い」と発言
るかどうか言及せず
し、中国発の金融市場混乱による影響を見極める姿勢を示した(8/28)。
中国経済減速による影響については、輸出への直接的な悪影響は小さくと
も、中国と経済的繋がりが強いアジアの国々まで波及することで、影響が
大きくなる可能性があるとの懸念を述べた。
来週発表予定の経済指標
本日以降発表される経済指標は、総じて底堅さを示すと見込まれる。8 月
は、総じて底堅さを示す
の雇用統計(9/4)では、非農業部門雇用者数が前月差+20 万人超の着実な
見通し
増加が示される見通しである。また、ミシガン大消費者信頼感指数(9/11)
は高水準を維持すると予想する。株価下落は消費者マインドの悪化要因だ
が、労働市場の改善やガソリン安が下支えるだろう。
【 製造業・非製造業ISM指数 】
【 非農業部門雇用者数 】
(前月差、千人)
62
製造業ISM指数
60
600
非製造業ISM指数
500
鉱業
民間サービス業
非農業部門合計
非農業部門
雇用者数は、
着実な増加を示す見込み
400
56
300
54
200
製造業は弱含み。
非製造業は高い水準
50
48
2013/8
建設業
製造業
政府部門
59.0
58
52
(風間春香)
100
0
51.1
▲100
2014/7
2014/2
2014/8
2015/2
2014/10
2015/1
2015/4
2015/7
(年/月)
2015/8
(年/月)
(注)2015 年 8 月はみずほ総合研究所予測値。
(資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成
(資料)米サプライマネジメント協会より、みずほ総合研究所作成
7
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
<海 外(欧州)>
先週末以降に発表された指標は、ユーロ圏のインフレ率が低位にあるこ
とを示した。また、ECBは景気・物価に対する慎重姿勢を強めた。
8 月のユーロ圏インフレ
率は前月から横ばい
8 月のユーロ圏インフレ率(8/31、速報値)は前年比+0.2%と、7 月と
同水準に留まった。食品物価(7 月同+0.9%→8 月同+1.2%)が加速した
が、コア・インフレ率(同+1.0%→同+1.0%)が伸び悩んだほか、エネ
ルギー物価(同▲5.6%→同▲7.1%)の下落幅が拡大した。但し、市場で
はインフレ率が同+0.1%に低下すると予想されていたため、市場予想から
上振れた結果を受け、市場のインフレ期待は反発した。
ECBは景気・物価見通
ECB政策理事会(9/3)では金融政策の据え置きが決定された。ECB
しを下方修正。追加緩和
スタッフの見通しでは、新興国経済の減速などを反映し、2015~17 年の成
に繋がり得る発言も
長率・インフレ率の見通しが 6 月時点から下方修正された。ECBは景気・
物価の下振れリスクを従前以上に意識しており、声明文や記者会見の内容
からは、下振れリスクが顕在化した場合には、直ちに追加緩和を行おうと
する姿勢がうかがわれた。これまでの「資産購入プログラムを 2016 年 9 月
まで実施する意向」という声明文の文言は、「必要なら 9 月以降も実施の
意向」に修正された。また、同プログラムにおける公的債券 1 銘柄あたり
のECBの保有上限は引き上げられた(ECBの購入可能額の増加に繋が
り得る措置)。更に、記者会見でドラギ総裁は、必要に応じて追加緩和を
行う「意思」も「能力」もあることを強調した。
来週は主要国の生産統計
などが発表
来週は、ドイツなど主要国の 7 月の鉱工業生産、ユーロ圏の 4~6 月期実
質GDP(9/8、2 次推計値)などが発表される予定である。鉱工業生産で
は、とりわけ、6 月に低調だったドイツの生産がどの程度反発するかが注目
である。ユーロ圏GDPでは需要項目の内訳が明らかとなる。輸出や消費
(松本惇)
を中心のプラス成長であったことが確認されるだろう。
【 ユーロ圏インフレ率 】
(前年比、%)
1.2
【 主要国の鉱工業生産 】
(2014/1=100)
104
(前年比、%)
0.0
1.0
103
▲ 0.5
0.8
102
▲ 1.0
0.6
101
0.4
▲ 1.5
0.2
▲ 2.0
100
▲ 2.5
99
▲ 3.0
98
▲ 3.5
97
0.0
▲ 0.2
インフレ率は
油価下落で
伸び悩み
▲ 0.4
▲ 0.6
2014/8
14/11
15/2
15/5
2014/6
15/8
(年/月)
ユーロ圏インフレ率
コアインフレ率(エネルギー・食品等を除く)
エネルギー・食品等(右目盛)
ドイツ
フランス
14/9
14/12
15/3
スペイン
イタリア
15/6
(年/月)
(資料)各国統計局より、みずほ総合研究所作成
(資料) Eurostat より、みずほ総合研究所作成
8
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
Ⅱ.トピックス
~「追加緩和」に備え始めるECB~
追加緩和の可能性を示し
たECB政策理事会
9 月 3 日に行われた欧州中央銀行(ECB)政策理事会は、追加緩和の可
能性を示唆するものとなった。ECBは、「欧州版量的緩和(QE)」で
ある資産購入プログラム(APP)のうち、国債購入を含む公的セクター
債券購入プログラム(PSPP)について、QE対象債券の銘柄当たりの購入
上限を、現在の発行残高対比 25%から 33%に引き上げた。ただし、金額や
期間については現状のままとした。理事会後の声明文では、QEの実施期
間について「2016 年 9 月まで実施する意向」という従来の文言から、「必
要とあれば 2016 年 9 月以降も実施する意向」との修正がなされた。同時に、
QEプログラムの「規模、資産構成、期間の変更に関する十分な柔軟性」
についても新たに声明文の中に明記された。今回の理事会では、具体的な
追加緩和措置こそとられなかったものの、将来の追加緩和の可能性を意識
させる、ハト派な内容であった。
購入債券の上限引き上げを導入した理由について、ドラギ総裁は、理事
会後の記者会見の中で「円滑に(QE)プログラムを実行するため」であ
り、「(QEプログラムの)完全実施を行うというサイン」であると述べ
た。ECBにとってのQEの完全実施とは、一義的には現在行われている
毎月 600 億ユーロの債券購入を円滑に実施することを指すが、購入可能額
を増やすことによって、緩和強化に繋げるという意味合いもあろう。
新興国リスクに身構える
ECB
ECBが緩和的な方向に舵を切った背景には、中国を始めとした新興国
経済の減速と、それに伴う金融市場の急変による、物価や経済見通しの下
振れリスクの高まりがある。中でも、中国経済の減速懸念台頭により原油
価格が下落したことで、ヘッドラインのインフレ率や、市場ベースでの中
【 図表 1 ブレント原油と中期インフレ期待 】
(%)
2.4
2.2
【 図表 2 名目実効ユーロ相場 】
(ドル/バレル)
インフレスワップ・フォワード
レート(5年先スタート5年物)
ブレント原油価格(右目盛)
(1999Q1=100)
120
105
103
100
101
99
2.0
80
1.8
60
97
95
93
1.6
91
40
89
1.4
87
20
(年/月)
(年/月)
(注)インフレスワップ・フォワードレート(5年先スタート5年物)は、5年後から5年間
の平均インフレ率に対する市場参加者の予測値を示す。
(資料)Bloombergよりみずほ総合研究所作成
(注)ユーロ圏の主要貿易相手国19カ国のユーロ為替相場の加重平均。数値が大
きいほどユーロが増価していることを意味する。
(資料)ECBよりみずほ総合研究所作成
9
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
期インフレ期待を測る指標としてECBが重視している、インフレスワッ
プ・フォワードレートが大きく低下したことに、ECBは警戒感を強めた
とみられる(前頁図表 1)。また、名目実効ユーロ相場も、対ドル中心に大
きく上昇し、油価同様に物価回復の重石となり始めている(前頁図表 2)。
ECBのスタッフ見通し
実際、同時に発表されたECBのスタッフ見通しでも、インフレ率、経
は物価、GDP共に下方修
済成長率が共に引き下げられた(図表 3)。インフレ率の下方修正は、油価
正
の前提が 6 月のスタッフ見通しから大きく下方修正されたことが主因であ
るが、エネルギー、食料品の影響を除くコアインフレ率についても、2017
年の見通しが下方修正された。また、GDP成長率については、新興国経
済の減速を映じて輸出が下方修正された(図表 4)。一方で、油価下落の影
響を映じ、個人消費は上方修正された。
ECBはいずれ追加緩和
みずほ総合研究所では、2015・16 年のGDP成長率やインフレ率につい
に踏み切る公算
て、ECBの予想を依然下回る緩慢な回復に止まると予想している。いず
れ、ECBは追加緩和に踏み切らざるを得ないだろう。追加緩和の選択肢
として挙げられるのは、①毎月 600 億ユーロのQE購入額の増額、②QE
購入対象の拡大、③QE購入対象年限の延長、④声明文の変更等を通じた
QEプログラム期間の延長などとなろう。
市場の急変が収まった場合は、想定以上の物価の緩慢な回復を理由に、
④の声明文変更を通じたQEプログラム期間の延長が行われる可能性が高
いと考えている。一方で、中国を始めとした新興国経済の失速等により、
油価の続落やユーロ相場の続騰といった市場環境の悪化が更に続いた場合
は、①のQE増額や②購入対象拡大など、より即効性が高い追加緩和の可
能性が高まることになろう。今回の決定を受け、次回 10 月 22 日理事会や、
スタッフ見通しも発表される次々回 12 月 3 日理事会には、従来以上に注目
(吉田健一郎)
が集まろう。
【 図表 3 ECBスタッフのインフレ見通し 】
単位
2015年
6月予測
2015年
9月予測
予測の
差
2015
2016
2017
実質GDP
%
1.5
1.9
2.0
CPI総合
前年比、%
0.3
1.5
1.8
CPIコア
前年比、%
0.8
1.4
1.7
原油価格
ドル/バレル
63.8
71.0
73.1
ユーロ相場
ドル/ユーロ
1.12
1.12
1.12
実質GDP
%
1.4
1.7
1.8
CPI総合
前年比、%
0.1
1.1
1.7
CPIコア
前年比、%
0.9
1.4
1.6
原油価格
ドル/バレル
55.3
56.1
60.9
ユーロ相場
ドル/ユーロ
1.11
1.10
1.10
実質GDP
%pt
CPI総合
%pt
▲ 0.1
▲ 0.2
0.1
▲ 8.5
▲ 0.01
▲ 0.2
▲ 0.3
0.0
▲ 14.9
▲ 0.02
▲ 0.1
▲ 0.1
▲ 0.2
▲ 12.2
▲ 0.02
CPIコア
%pt
原油価格
ドル/バレル
ユーロ相場
ドル/ユーロ
【 図表 4 スタッフGDP見通しの修正幅 】
(%pt)
0.3
輸入(-)
輸出
在庫投資
総固定資本形成
政府消費
個人消費
GDP見通しの修正幅
0.2
0.1
0.0
▲ 0.1
▲ 0.2
▲ 0.3
▲ 0.4
▲ 0.5
2015
2016
2017
(年)
(注)折れ線グラフはGDP見通しの修正幅。棒グラフは、折れ線グラフの寄与度。
輸入は、上方修正の場合はマイナス寄与。
(資料)ECB、Eurostatよりみずほ総合研究所作成
(注)CPIコアは、エネルギー、食品を除く総合。
(資料)ECBよりみずほ総合研究所作成
10
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
~投資適格維持へ正念場のブラジル~
深刻化するスタグフレー
ブラジル経済は、景気後退と物価高騰が同時進行するスタグフレーショ
ション
ンにあえいでいる。2015 年 4~6 月期の実質GDP成長率は、前年比▲2.6%
と 2009 年 1~3 月期以来となる大幅な落ち込みとなった。輸入の急減によ
り外需はプラス寄与に転じたものの、緊縮的な財政・金融政策により、個
人消費・総固定資本形成など内需の低迷が顕著になっている(図表 1)。
景気後退にも関わらず、インフレ率は中銀が定める目標圏(4.5%±2%)
の上限を大幅に上回って推移している(2015 年 7 月前年比 9.6%)。財政
緊縮策の一環として、ガソリン・ディーゼルなどの燃料価格や公共交通運
賃、電力価格等の政府規制価格が大幅に引き上げられていることや、レア
ル安等による食品価格の上昇が、インフレ高騰の主因だ。
金融政策は、インフレ抑制のための追加利上げを余儀なくされてきたが、
景気低迷が深刻化しているため、これ以上の引き締めは難しくなっている。
ブラジル中銀は、7 月の政策決定会合で政策金利を 14.25%に引き上げると
同時に、声明文に「十分に長い期間、政策金利を現状水準に維持する」と
の新たな文言を盛り込んだ。レアル安に対する警戒は緩めていないものの、
9 月会合では政策金利を据え置き、様子見に移行している。
世界大恐慌以来となる
景気後退は、長期化が予想される。みずほ総合研究所は、実質GDP成
2 年連続マイナス成長へ
長率について、2015 年▲2.5%、2016 年▲0.8%と、2 年連続のマイナス成
長を予想している。ブラジル経済が 2 年連続でマイナス成長に陥るのは、
1930~31 年の世界大恐慌以来のことだ。
内需が低迷を脱するカギは、リーマン・ショック時を下回る水準に落ち
込んでいる企業・消費者マインドの好転にある。しかし、国営石油会社の
汚職問題への関与や 2014 年大統領選挙での違法献金など、ルセフ政権に対
する様々な疑惑が浮上し、政治的な不透明感がマインドを下押ししている。
もっとも 2016 年については、成長率のマイナス幅は縮小すると予想され
る。インフレ圧力の後退により、金融緩和の余地が広がるためだ。インフ
レ率は、政府規制料金引き上げの影響剥落などにより、2016 年に入ると大
幅に鈍化する見込みである。
【 図表1 実質GDP成長率 】
【 図表2 政策金利・インフレ率 】
(前年比、寄与度%)
14
16
個人消費
政府消費
総固定資本形成
純輸出
在庫等
実質GDP
12
10
8
政策金利(SELIC)
拡大消費者物価(前年比)
インフレ目標中央値
インフレ目標上限・下限
(%)
14
14.25
12
6
10
4
8
2
9.6
6
0
▲2
4
▲4
2
▲6
08
2008
09
10
11
12
13
14
15
0
(年)
09
2009
(資料)ブラジル地理統計院(IBGE)
10
11
12
13
14
15
(年)
(資料)ブラジル中銀
11
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
政府は財政見通しを下方
ブラジル政府は増税・歳出削減など各種の緊縮措置を実施しているが、
修正、投資適格級の国債格
景気低迷による歳入の下振れなどにより、財政収支は悪化が続いている。
付け喪失懸念が高まる
7 月の公的部門・基礎的財政収支(利払い費等を除く、12 カ月累計GDP
比)は、▲0.9%の赤字と 1998 年以来の水準となった。政府総債務残高
(GDP比)も、64.6%にまで増大している(図表 3)。
財政収支改善の遅れを受けて、政府は基礎的財政収支の黒字目標を引き
下げた(7 月 22 日。2015 年:GDP比 1.1%→0.15%、2016 年 2.0%→0.7%、
2017 年 2.0%→1.3%)。さらに、政府は 8 月末が議会提出期限だった 2016
年予算案で、2016 年の基礎的財政収支見通しを同▲0.34%の赤字とした。
主要格付け機関は、財政見通しの悪化を受けて、国債格付けを見直して
いる。投資適格級で最低水準(外貨建て長期債格付け:BBB-)を付与して
いるスタンダード・アンド・プアーズは、格付け見通しを Negative に引き
下げた(7/28)。ムーディーズも、投資適格級で最低水準(同:Baa2→Baa3)
への引き下げを決定した(8/11)。
さらに市場は、投機的水準への格下げを織り込む動きをみせている。
CDSプレミアムは、2009 年 3 月以来の高水準となる 370bp 台まで上昇し
ており、すでに投機的水準の格付け(S&P:BB+)を付与されているイン
ドネシアやトルコを上回り、ロシアに並ぶ勢いとなっている(図表 4)。
レアル相場は史上最安値
格下げ懸念などを背景に、レアル相場は急落している。9 月 3 日までの年
をうかがう展開、格下げに
初来下落率は▲29%に達し、2008 年のリーマン・ショック時(年間下落率
よる資金流出加速に警戒
▲23%)を超え、大統領選挙での左派政権発足観測でレアルが急落した 2002
が必要
年(終値ベースの史上最安値 3.95 レアル/ドル、同▲35%)に迫っている。
中国景気の減速懸念や米利上げ観測による新興国通貨への売り圧力が継
続するなか、自国の政治・経済が混迷を極めているレアル相場は、下値を
模索する展開が予想される。投資適格級の国債格付けを喪失すれば、資金
流出が加速するおそれがあり、そのインパクトは軽視できない。ルセフ政
権は、まさに背水の陣での政策運営を迫られている。
(西川珠子)
※詳細は 2015 年 9 月 1 日付みずほインサイト「投資適格維持へ正念場のブラジ
ル~世界大恐慌以来の 2 年連続マイナス成長へ~」をご覧ください。
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us150901.pdf
【 図表3 財政収支・政府債務残高 】
(GDP比、%)
7
(bp)
(GDP比、%)
66
基礎的財政収支
政府債務残高(右目盛)
6
【 図表4 CDSプレミアム(5年) 】
700
64
600
5
62
4
60
3
58
400
ブラジル
2
56
300
トルコ
1
54
0
52
500
ロシア
インドネシア
200
100
▲1
2008
08
09
10
11
12
13
14
15
50
(年)
0
132013
(注)基礎的財政収支は 12 カ月累計。
(資料)ブラジル中銀
14
15
(年)
(資料)Bloomberg
12
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
Ⅲ.参考資料
今週の主要経済指標
経 済 指 標 等
日 付
8/28(金) 米
今回実績
ミシガン大消費者信頼感指数(8月確報)
個人所得(7月)
消費支出(7月)
コアPCEデフレータ(7月)
91.9
93.0
8月速報
92.9
前月比
前月比
前年比
+0.4%
+0.3%
+1.2%
+0.4%
+0.4% R
+1.3%
+0.4%
+0.3%
+1.3%
前月比
▲0.6%
+0.1%
+1.1%
季調済年率
新設住宅着工戸数(7月)
欧 ユーロ圏消費者物価指数(8月速報)
日
法人企業統計(4~6月期)
経常利益[全産業]
前年比
設備投資[全産業](ソフトウェア除く)
前年比
91.4万戸
93.8万戸
103.3万戸
+0.2%
+0.1%
+0.2%
+23.8%
+6.6%
+2.2%
+10.9%
1~3月期
+0.4%
+8.1%
8/29(土) 米 ジャクソンホール会合(27-29日)
8/31(月) 日 鉱工業生産(7月速報)
9/1(火)
前回実績
予想
10年利付国債入札:最高利回り 0.422%、 平均利回り 0.421%、 入札倍率 3.52倍
中 製造業PMI(8月)
非製造業PMI(8月)
財新製造業PMI(8月確報)
9/2(水)
財新サービスPMI(8月)
米 製造業ISM指数(8月)
米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
9/3(木)
伯 金融政策決定会合(1・2日)
中 中国抗日戦勝70周年記念式典
米 貿易収支(7月)
財・サ収支
非製造業ISM指数(8月)
失業保険新規申請件数(~8/29)
9/4(金)
欧 ECB政策理事会
日 毎月勤労統計(7月速報)
名目賃金
前年比
49.7
49.7
50.0
53.4
N.A.
53.9
47.3
47.1
8月速報
47.1
51.5
N.A.
53.8
51.1
52.5
52.7
▲419億㌦
▲422億㌦
▲452億㌦
59.0
58.2
60.3
282千人
275千人
270千人
+0.6%
+2.0%
▲2.5%
予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters 等)の取りまとめた予想コンセンサス。米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。R は改定値。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
13
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
来週の主要経済指標
日 付
9/4(金)
9/5(土)
9/7(月)
経 済 指 標 等
米 雇用統計(8月)
失業率
非農業部門雇用者数
時間当たり賃金(全従業員ベース)
予 想
前月差
前月比
[5.3%]
[+220千人]
[+0.2%]
G20(20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議、アンカラ)(4・5日)
日
先行DI
[44.4%]
景気動向指数(7月速報)
9/8(火)
前 回
米 レーバーデー(米国休場)
日
GDP(4~6月期2次速報)
一致DI
先行CI
一致CI
[37.5%]
[104.9]
[112.2]
前期比
[▲0.4%]
経常収支 [+16,630億円]
(前年比)
[+312.0%]
貿易収支 [▲1,648億円]
(前年比)
[-]
国際収支(7月速報)
現状判断DI
景気ウォッチャー調査(8月)
前々回
5.3%
+215千人
+0.2%
5.3%
+231千人
±0.0%
90.0%
77.8%
106.5
112.3
70.0%
38.9%
106.0
111.3
4~6月期1次速報
1~3月期
+1.1%
▲0.4%
+5,586億円 +18,809億円
+266.7%
+1,026億円
▲473億円
-
52.0
51.6
51.0
N.A.
765
779
米ドル
+494億㌦
+430億㌦
+465億㌦
前年比
▲6.5%
▲8.3%
+2.8%
前年比
▲8.0%
▲8.1%
▲6.1%
N.A.
+0.3%
+0.3%
M2 前年比
M3 前年比
広義流動性 前年比
+4.1%
+3.3%
N.A.
+4.1%
+3.3%
+4.3%
+3.9%
+3.2%
+4.4%
消費者態度指数
N.A.
40.3
41.7
前月比
前年比
[+4.9%]
[+11.9%]
▲7.9%
+16.6%
+0.6%
+19.3%
前月比
前年比
[▲0.4%]
[▲3.3%]
▲0.2%
▲3.0%
▲0.2%
▲2.4%
前年比
+1.9%
+1.6%
+1.4%
[273千人]
282千人
270千人
[91.5]
91.9
93.1
▲0.1%
+0.1%
+0.2%
+0.3%
+0.4%
+0.3%
全国企業倒産件数[帝国データ](8月)
30年利付国債入札
中 貿易収支(米ドル)(8月)
輸出総額(8月)
輸入総額(8月)
米 3年国債入札
欧 ユーロ圏GDP改定(4~6月期改定)
9/9(水)
日
マネーストック(8月速報)
消費動向調査(8月)
米 10年国債入札
9/10(木) 日 機械受注(7月)
[船舶・電力を除く民需]
国内企業物価指数(8月)
5年利付国債入札
中 消費者物価指数(8月)
米 失業保険新規申請件数(~9/5)
30年国債入札
英 英中銀金融政策委員会(9・10日)
9/11(金) 日 法人企業景気予測調査(7~9月期)
米 ミシガン大消費者信頼感指数(9月速報)
生産者物価指数(8月)
[食品・エネルギーを除く]
前月比
前月比
馬 金融政策決定会合
韓 金融政策決定会合
予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
14
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
9 月のスケジュール
国
1
内
国 他
1
米 製造業ISM指数(8 月)
2
2
3
3
米 労働生産性(4~6 月期改訂)
ベージュブック(地区連銀経済報告)
製造業新規受注(7 月)
欧 ECB政策理事会
米 非製造業ISM指数(8 月),貿易収支(7 月)
中 抗日戦勝 70 周年記念式典
米 雇用統計(8 月)
4
法人企業統計調査(4~6 月期)
新車販売台数(8 月),10 年利付国債入札
米
毎月勤労統計(7 月速報)
4
5
5
6
6
7
景気動向指数(7 月速報)
8
GDP(4~6 月期 2 次速報)
国際収支(7 月速報)
景気ウォッチャー調査(8 月),30 年利付国債入札
9 マネーストック(8 月速報)
消費動向調査(8 月)
10 機械受注統計(7 月),5 年利付国債入札
企業物価指数(8 月)
11 法人企業景気予測調査(7~9 月期)
G20
(20 カ国財務大臣・中央銀行総裁会議、アンカラ、4・5 日)
7
米 レーバーデー(米国休場)
8
米 3 年国債入札
9
米 10 年国債入札
12
10 英 英中銀金融政策委員会(9・10 日)
米 30 年国債入札
11 米 連邦財政収支(8 月),PPI(8 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(9 月速報)
12
13
13
14 設備稼働率(7 月)
第 3 次産業活動指数(7 月)
15 日銀金融政策決定会合(14・15 日)
日銀総裁定例記者会見
14
16 日銀金融経済月報(9 月)
20 年利付国債入札
17 黒田日銀総裁挨拶(全国証券大会)
資金循環統計(4~6 月期速報)
貿易統計(8 月)
18 日銀金融政策決定会合議事要旨(8/6・7 分)
15 米 鉱工業生産・設備稼働率(8 月)
小売売上高(8 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(9 月)
16 米 CPI(8 月)
ネット対米証券投資(7 月)
17 米 FOMC(16・17 日)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(9 月)
住宅着工・許可件数(8 月),経常収支(4~6 月期)
18 米 景気先行指数(8 月)
19
19
20
20
21 敬老の日(日本休場)
21 米 中古住宅販売件数(8 月)
22 国民の休日(日本休場)
22 米 2 年国債入札
23 秋分の日(日本休場)
23 米 5 年国債入札
24 全産業活動指数(7 月)
26
24 独 ifo景況感指数(9 月)
米 耐久財受注(8 月),新築住宅販売件数(8 月)
7 年国債入札
25 米 ミシガン大学消費者信頼感指数(9 月確報)
GDP(4~6 月期確定)
企業収益(4~6 月期改訂)
26
27
27
28 黒田日銀総裁挨拶(大阪経済 4 団体共催懇談会)
28 米 個人所得・消費支出(8 月)
29 2 年利付国債入札
29 米 S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・7 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(9 月)
30 米 シカゴPMI指数(9 月)
25 消費者物価(8 月全国・9 月都区部)
30 鉱工業生産(8 月速報),商業動態統計(8 月速報)
住宅着工統計(8 月)
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
15
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
10 月のスケジュール
国
1
2
内
日銀短観(9 月調査),新車販売台数(9 月)
10 年利付国債入札
家計調査(8 月),労働力調査(8 月)
米
1
米 製造業ISM指数(9 月)
2
米 雇用統計(9 月),製造業新規受注(8 月)
3
3
4
4
5
毎月勤労統計(8 月速報)
6
7
8
日銀金融政策決定会合(6・7 日)
日銀総裁定例記者会見
景気動向指数(8 月速報)
機械受注統計(8 月)
日銀金融経済月報(10 月)
景気ウォッチャー調査(9 月)
国際収支(8 月速報),30 年利付国債入札
国 他
5
米 非製造業ISM指数(9 月)
6
米 貿易収支(8 月),米 3 年国債入札
7
米 10 年国債入札
8
G20(20 カ国財務大臣・中央銀行総裁会議、リマ、8 日)
英 英中銀金融政策委員会(7・8 日)
米 FOMC 議事録(9/16・17),30 年国債入札
9
9
10
10
11
11
12 体育の日(日本休場)
12 米 コロンブスデー(祝日)
13 日銀金融政策決定会合議事要旨(9/14・15 分)
13 米 連邦財政収支(9 月)
14 マネーストック(9 月速報)
企業物価指数(9 月),5 年利付国債入札
15 設備稼働率(8 月)
第 3 次産業活動指数(8 月)
17
14 米 小売売上高(9 月),PPI(9 月)
ベージュブック(地区連銀経済報告)
15 米 CPI(9 月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(10 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(10 月)
16 米 鉱工業生産・設備稼働率(9 月)
ネット対米証券投資(8 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(10 月速報)
17
18
18
19
19
20 20 年利付国債入札
20 米 住宅着工・許可件数(9 月)
21 貿易統計(9 月),全産業活動指数(8 月)
21
22 2 年利付国債入札
23
22 欧 ECB政策理事会
米 中古住宅販売件数(9 月),景気先行指数(9 月)
23
24
24
25
25
26
26 独 ifo景況感指数(10 月)
米 新築住宅販売件数(9 月)
27 米 耐久財受注(9 月),2 年国債入札
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・8 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(10 月)
28 米 FOMC(27・28 日)
5 年国債入札
29 米 GDP(7~9 月期速報),7 年国債入札
16
27 40 年利付国債入札
28 商業動態統計(9 月速報)
29 鉱工業生産(9 月速報)
30 日銀金融政策決定会合(30 日)
日銀総裁定例記者会見
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
消費者物価(9 月全国・10 月都区部),家計調査(9 月)
住宅着工統計(9 月),労働力調査(9 月)
31
30 米 雇用コスト指数(7~9 月期)
ミシガン大学消費者信頼感指数(10 月確報)
個人所得・消費支出(9 月)
シカゴPMI指数(10 月)
31
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
16
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
四半期スケジュール
11 月
日 本 2
5
6
9
10
11
12
13
16
17
19
20
25
27
30
米 国 2
4
5
6
9
10
12
13
16
17
18
19
23
24
25
30
新車販売台数(10 月)
10 年利付国債入札
景気動向指数(9 月速報)
毎月勤労統計(9 月速報)
国際収支(9 月速報)
景気ウォッチャー調査(10 月)
10 年物価連動国債入札
マネーストック(10 月速報)
企業物価指数(10 月)
30 年利付国債入札
機械受注統計(9 月)
設備稼働率(9 月)
第 3 次産業活動指数(9 月)
GDP(7~9 月期 1 次速報)
5 年利付国債入札
日銀金融政策決定会合(18・19 日)
日銀総裁定例記者会見
貿易統計(10 月)
全産業活動指数(9 月)
日銀金融経済月報(11 月)
20 年利付国債入札
消費者物価(10 月全国・11 月都区部)
2 年利付国債入札
家計調査(10 月)
労働力調査(10 月)
鉱工業生産(10 月速報)
商業動態統計(10 月速報)
製造業ISM指数(10 月)
貿易収支(9 月)
非製造業ISM指数(10 月)
労働生産性(7~9 月期暫定)
雇用統計(10 月)
米 3 年国債入札
米 10 年国債入札
連邦財政収支(10 月)
米 30 年国債入札
PPI(10 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(11 月速報)
小売売上高(10 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(11 月)
鉱工業生産・設備稼働率(10 月)
CPI(10 月)
住宅着工・許可件数(10 月)
FOMC 議事録(10/27・28)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(11 月)
景気先行指数(10 月)
中古住宅販売件数(10 月)
米 2 年国債入札
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・9 月)
GDP(7~9 月期暫定)
企業収益(7~9 月期暫定)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(11 月)
米 5 年国債入札
新築住宅販売件数(10 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(11 月確報)
個人所得・消費支出(10 月)
耐久財受注(10 月)
米 7 年国債入札
シカゴPMI指数(11 月)
12 月
1
4
8
9
10
14
17
18
21
25
28
1
2
3
4
8
9
10
11
15
16
17
22
23
28
29
30
欧 州 5
英中銀金融政策委員会(4・5 日)
1月
法人企業統計調査(7~9 月期)
新車販売台数(11 月)
毎月勤労統計(10 月速報)
GDP(7~9 月期 2 次速報)
国際収支(10 月速報)
景気ウォッチャー調査(11 月)
マネーストック(11 月速報)
企業物価指数(11 月)
法人企業景気予測調査(10~12 月期)
日銀短観(12 月調査)
設備稼働率(10 月)
第 3 次産業活動指数(10 月)
資金循環統計(7~9 月期速報)
貿易統計(11 月)
日銀金融政策決定会合(17・18 日)
日銀総裁定例記者会見
日銀金融経済月報(12 月)
全産業活動指数(10 月)
消費者物価(11 月全国・12 月都区部)
家計調査(11 月)
労働力調査(11 月)
鉱工業生産(11 月速報)
商業動態統計(11 月速報)
5 新車販売台数(12 月)
8 毎月勤労統計(11 月速報)
18 設備稼働率(11 月)
第 3 次産業活動指数(11 月)
21 全産業活動指数(11 月)
25 貿易統計(12 月)
28 商業動態統計(12 月速報)
29 鉱工業生産(12 月速報)
消費者物価(12 月全国・1 月都区部)
日銀金融政策決定会合(28・29 日)
日銀総裁定例記者会見
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
家計調査(12 月)
労働力調査(12 月)
製造業ISM指数(11 月)
労働生産性(7~9 月期改訂)
ベージュブック(地区連銀経済報告)
非製造業ISM指数(11 月)
雇用統計(11 月)
貿易収支(10 月)
米 3 年国債入札
米 10 年国債入札
連邦財政収支(11 月)
米 30 年国債入札
PPI(11 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(12 月速報)
小売売上高(11 月)
CPI(11 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(12 月)
FOMC(15・16 日)
鉱工業生産・設備稼働率(11 月)
住宅着工・許可件数(11 月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(12 月)
経常収支(7~9 月期)
景気先行指数(11 月)
中古住宅販売件数(11 月)
GDP(7~9 月期確定)
企業収益(7~9 月期改訂)
新築住宅販売件数(11 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(12 月確報)
個人所得・消費支出(11 月)
耐久財受注(11 月)
米 2 年国債入札
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・10 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(12 月)
米 5 年国債入札
米 7 年国債入札
6
12
13
14
26
27
3 ECB政策理事会
10 英中銀金融政策委員会(9・10 日)
FOMC 議事録(12/15・16)
米 3 年国債入札
米 10 年国債入札
米 30 年国債入札
米 2 年国債入札
米 5 年国債入札
FOMC(26・27 日)
28 米 7 年国債入札
14 英中銀金融政策委員会(13・14 日)
21 ECB政策理事会
*印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕
17
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
今週の金融市場の動き
[海外金利]
8/27
ドルLIBOR 3M(%)
ユーロドル金先(Dec15)
8/28
0.32440
0.32900
99.560
99.530
8/31
99.520
9/1
9/2
9/3
9/4
前週末比
0.33400
0.33250
0.33350
0.00450
99.535
99.535
99.530
0.000
米国債(10年、%)
2.184
2.181
2.218
2.152
2.184
2.160
▲ 0.021
スワップ金利(10年、%)
2.253
2.240
2.274
2.195
2.232
2.220
▲ 0.019
独国債(10年、%)
0.742
0.742
0.798
0.797
0.782
0.724
▲ 0.018
英国債(10年、%)
1.979
1.962
1.962
1.933
1.925
1.903
▲ 0.059
[内外株式]
8/27
ダウ平均(㌦)
S&P500指数
NASDAQ総合指数
日経平均(円)
TOPIX(Pt.)
8/28
8/31
9/1
9/2
9/3
9/4
前週末比
16,654.77
16,643.01
16,528.03
16,058.35
16,351.38
16,374.76
▲ 268.25
1,987.66
1,988.87
1,972.18
1,913.85
1,948.86
1,951.13
▲ 37.74
4,812.71
4,828.33
4,776.51
4,636.11
4,749.98
4,733.50
18,574.44
19,136.32
18,890.48
18,165.69
18,095.40
18,182.39
17,792.16
▲ 1,344.16
▲ 94.83
1,500.41
1,549.80
1,537.05
1,478.11
1,465.99
1,474.98
1,444.53
▲ 105.27
出来高(百万株)
2,820.18
2,959.77
2,473.60
2,664.28
2,939.96
2,222.38
2,652.58
▲ 307.19
売買代金(億円)
30,782.50
30,941.56
27,460.00
27,709.12
29,654.07
23,717.28
26,941.80
▲ 3,999.76
2,518.13
2,568.40
2,582.07
2,525.00
2,504.24
2,513.15
2,452.57
▲ 115.83
8/27
8/28
8/31
9/1
9/2
9/3
9/4
日経JASDAQ平均(円)
[円金利]
TIBOR 3カ月(%)
前週末比
0.16900
0.16900
0.16900
0.16900
0.16900
0.16900
0.16900
0.00000
ユーロ円金先(Mar16)
99.850
99.855
99.855
99.855
99.860
99.860
99.860
0.005
新発国債(10年、%)
0.385
0.380
0.380
0.360
0.395
0.400
0.365
▲ 0.015
長国先物(Sep15)
147.84
147.89
147.96
148.06
147.97
147.90
148.16
0.270
スワップ金利(5年、%)
0.233
0.229
0.228
0.220
0.220
0.218
0.208
▲ 0.022
[為替]
8/27
円/$
121.03
8/28
121.71
8/31
9/1
121.23
119.37
9/2
9/3
120.33
120.07
9/4
前週末比
119.33
▲ 2.38
$/EUR
1.1246
1.1185
1.1211
1.1315
1.1227
1.1123
1.1134
▲ 0.0051
円/EUR
136.10
136.12
135.90
135.07
135.10
133.56
132.87
▲ 3.26
(注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。
東京市場の発行日表示値は終値もしくは 15:00 時点値。
米国 10 年債、米金利スワップ 10 年物は Bloomberg の終値。
日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。
TIBOR は全銀協発表のユーロ円 TIBOR 平均値。
新発 10 年国債は日本相互証券発表の気配値。
金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3 ヵ月金利先物。
独・英 10 年国債は Bloomberg の提示する終値。
為替は NY 時間終値(発行日のみ東京時間 15:00 時点、出所:Bloomberg)
。
18
金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
最新リポート一覧
<みずほインサイト>
2015 年 9 月 4 日 緊張の秋を迎える米国の財政運営~怠れないパーフェクト・ストームへの警戒~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us150904.pdf
2015 年 9 月 3 日 債務再編で合意したウクライナ~デフォルト懸念は大きく後退も、再燃リスクが残存~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu150903.pdf
2015 年 9 月 3 日 9 月FOMCのガイドブック~指標と市場に揺れる政策判断と政策金利見通し~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us150903.pdf
2015 年 9 月 2 日 人民元切り下げを契機に不安定化リスク高まるベトナム
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as150902.pdf
<内外経済見通し>
2015 年 8 月 18 日 2015・16 年度 内外経済見通し
~減速一時的、世界経済は緩やかな回復、中国リスク増大に警戒~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_150818.pdf
2015 年 7 月 24 日 内外経済の中期見通し~長期展望も視野に、2020 年までの世界経済の行方~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_150724.pdf
2015 年 6 月 8 日 2015・16 年度 内外経済見通し(2015 年 1~3 月期 GDP2 次速報後改訂)
~米国を下方修正するも、4~6 月期以降回復の見方は不変~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_150608.pdf
執筆担当者
・市場調査部
武内浩二
野口雄裕
井上 淳
有田賢太郎
大塚理恵子
03-3591-1244
03-3591-1249
03-3591-1197
03-3591-1419
03-3591-1420
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
・欧米調査部
小野 亮
吉田健一郎
松本 惇
風間春香
03-3591-1219
03-3591-1265
03-3591-1199
03-3591-1418
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金融市場ウィークリー(2015 年 9 月 4 日号)
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