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Page 1 Page 2 研 究 成 果 ー) は じ め に 体温調節系は生体システム

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Page 1 Page 2 研 究 成 果 ー) は じ め に 体温調節系は生体システム
 昭和54年度科学研究費補助金
(一般研究C)研究成果報告書
1
題番号 355254
9瑠
究 課 題 体温調節系に基づく温熱環境評価
3
究 代表者 後 藤 滋 (横浜国立大学工学部教授)
4
究 分 担 者 川 島 美 勝 (横浜国立大学工学部助手)
5
究 経 費 昭和53年度 2,200千円
昭和54年度 400千円
計 2,600千円
盤罵翻心鍵麗
横浜国立大掌
1,
1一
℃詔
果
成
究
ダ の
研
鑑。石
3
1)はじめに
体温調節系は生体システムにおける他のサ
ブシステム(呼吸,循環,運動など)の正常
な働きの基盤を形成しているものであり,生
体の全体的な把握のためにこの解明は不可欠
である。 また人間一環境系において温熱条
件は人類を含めて全ての生物体にとってその
生存に基本的に関わるものであり,温熱環境
認
ノダ!
箆/
(a/
お
の評価は生体個有の体温調節系の存在とその
掲 13 毒6 婁9 22 25 28 3呈 34℃
犠蹴
特性を十分考慮してなされなければならない。
そのためには「人間の体温調節系の特性」.を
総合的に把握することが必要となる。
A“セur鴇癖 w@轟r
婁
ノノ
董
データ集積の一環として,被服着用時の特性
ノ’
肇50
本研究では「人間の体温調節系の特性」の
辱,。、
O
譲
を中心として測定した。全身を一様な布地で
覆った「一様被服」で先ず基本的なデータを
得た。次いで,女子が一般に着用していると
服,冬服,冬外出着の測定を行い,裸体(ビ
キニ型水着)の場合と比較した。一35℃の超
薦a
㊧A
O
考えられる標準的な被服について,夏服,合
槻
曝無“麟撫§5囎
A瞬象u湖籍 w鯉霞r
鐙
低温倉庫において防寒作業衣,極地防寒服,
乞5
作業も負荷させ安静時と比較した。
乞◎
を行った。
被服の保温機能の測定には①恒温法などの
保温性試験機による方法,②サーマルマネキ
−携ダ
m
、/ノ,,・
・
(c)
寄!
2)一様被服 ﹂&毒お2姦零莚ヌ5笛
また,温熱環境の評価方法についての検討
一必ーヤ、噸
\・\ 、//\
鼠
掛q−II漆
スキー服について測定し,トレッドミルにて
o.5
ンによる方法,③人体着用実験による方法な
。 婁。 篭3 態6 巾補 どがある。被服の保温機能を体系的に把握す
難鰭藝鍵
一 2
模浜懸立:大掌
22 2s 28 3箋 34・()
森甥罵鳶t琵蹴跨離乞し言f導
図1一般服着用時の定常状態
Kc
定法を総合して進めると有効である。ここで
も,これらの三つの方法で比較検討した・
実験に用いた被服は顔面以外を全身一様に
戯︸
“O聯慧零ζ篇O鵠選32鰺簗
るためには・理論的槍討を含めてζれらの測
A織u巾nW顯r
姻
の
︵
覆い,数式モデルとの対応を考慮して皮膚と
“\
外囲との熱伝達率が部位によって変らないよ
竃o
うにした。また被服と皮膚が密着するように
雪9 22 =∼5 28 3量 34。C
0 10 肇3 憾
A傑blentτ酬oerat雛緯
伸縮性のある布地とした。布地は糸密度:ウ
翫齢・
ェール方向:60.5本/i獄・h,コース方向87。0本/董・・h,
A壌q鱗自 矯絵轟r
沁
(bク
重さ:3149細,厚さ:0。91禰(79.碗の張力)
凝3蟻一磁頓エ
保温率17.4%(恒温法JIS, L−1079),通気性
鉛
く
←:墨
叡Y
:21.6αン冠secのポリエステル(ネナロン)で
。
ある。1枚布の場合を主とし,これを裸と4
tO 、3 奮6 糟 22 篇 28 3竃 3轟℃
工特i)織i睦 丁9購)窮ぎ轟沁嘘
枚重ね着の場合について比較した。
の時間経過は約28℃50%の前室で開眼,馴顔,
安静で約60分経過させたのち,一定条件の
人工気候室内に移動させて180分経過させ,
蜘“
(c)
D0
V0
に
合計約4時間の状態を綿録・採取した・測定
←き←・\野手
謹
項目は直腸温,耳内温,皮膚温,指血流量,
A償り痢轟 w曾3r
90
│sc
6“醤に㊥脇㎜誹︽補
着用実験の被験者は健康男子2名で,実験
30
体重制少量(総蒸散量:),代謝量:,脈拍数,
呼吸数,皮膚からの放熱量,温冷感,不快感
書,。
などである。また,大阪市大のサーマルマネ
o
キンにより,熱遮断能を測定した。
実験結果は,被服(1枚布)の着用によっ
て平均賢慮温及び指血流量は低温側に移動し
た。発汗量はほとんど変らないが,産熱量も
篭O 覧3 路 で9 22 2S 28 3笥 34℃
み要が}脅臓 了鄭贈諺誉r麟繍峨
Auヒu膿昌 w㈱r
噛
聾
質
>/
書0
低温側に移動する。これらの被服着用による
70
︶
︵
よく一致する。温冷感は低温側に移動したが,
鍵語2駄雲
影響は前に報告した数式モデルによる予測と
d
不快感はほとんど変らなかった。これらの実
験結果から(M−E)/AとQ・一Q・の関係をプ
Ami}1鰍ヒ恥胆鐸劔麟匙き囎
一 3一
図2一般服着用時の定常状態
讐
ロットし,勾配から熱伝達率を求めた。
ソをダ けが
裸体時のB:4は5.55嗣。砺h℃,従って空 8。窒
τ鈴邸鐸剛S奪縫闘bo再
//置
なまじゆ
気層の熱抵抗はα18㍗ン(陶/冠h)であるgSllg陶W・m
をねだな 1枚布のH4は4。40眠/㎡h℃であるから,油点C。。1
ま
布と境界層を含めた熱抵抗は0。22アC/ c粥
糎ry Coid
《磁穏緯拘 》蟹健轟r
㌍L_♂
,(躍/㎡h)である。従ってこの差α047℃/ c。膚翻,
C◎鐸饗Q嫁
(阻/㎡h)が1枚布の熱抵抗である。 闘倉“畑
窯19惑y
/
__滋._/
馨眠:◎飴沁r圭&bie
lclo瓢0.18℃/(團/㎡h)でclo値に換算
じ轟ζomξor亡ab蝕
せダソ
するとα26cloということになる。ま りg伽f。「t識b{e
、、 /
Ψ \\
茎3 睾6 葉3 2驚 お 認 3、 3轟 ℃
陸離蟻離き了轍矯齪a猛悪
たH4から保温率を逆算してみると20.7
図3一般服着用時の定常状態
%になり,マネキンでは2LO%であり,
恒温法による値はエ7.4%であった。4枚布についても同様にH4=330嗣/㎡h℃から熱抵抗値は
0.123.(/(限/㎡h)と求まり,0.68cloとなる。保温率は40.5%となり,マネキンによる値は40.1%,
恒温法による値はば49.1%であった。
着用実験とマネキンの値とは,ほとんど一致した。このテストが,皮膚によく密着した一様
な布地についての安静時のもので,湿度50%の低湿で行い,発汗を帯留させないようにした
ことなども,一・致した理由と思われるが,サーマルマネキンによる値の信頼性を示したと言え
る。
3)女子一般服
女子の日常着をとりあげ,聖夏服,合服,冬服,冬外出着について着用実験を行い,裸体(ビ
キユ型水着)と比較して熱遮断能を求めた。夏服は(パンティー,ブラジャー,パンティスト
ッキソグ,スリップ,ワンピース)とし,合服は(パンティー,ブラジャー,パンティストッ
キング,ガードル,スリップ,スカート,ブラウス,セーター)とした。冬服はぐ合服+ジャ
ケット)とし,冬外出着は(合服+ジャケット+オーバー)とした。
被験者は健康女子4名であり,実験の時間経過は約28℃50%の前室で開眼,三座,安静で約
60分経過させたのち,一定条件の人工気候室に移動させて18◎分経過させ,合計約4時間の
状態を記録,採取した。測定項目は,直腸温,門内温,皮膚温,指血流量,体重減少量(総蒸
散量),代謝量,脈拍数,呼吸数,皮膚からの放熱:量,温冷感,不快感,血圧である。
実験結果の1例として図1∼3に合服の定常状態を示す。図4∼5は,被験者の皮膚温の変
動の記録である。図6は体重減少と指血流量の時間変化である。各種の被服についてまとめて
ある。これらの各種の標準被服着用時の「体温調節系の特性」に関するデータは,今後,人間
熱環境系に関する諸問題を考察していくときの基礎となると思われる。着衣による影響の要点
一4一
は, 「体温調節系の特
零墨‡:憂三■L㌶1∵
℃ 7
性」がモデルで予測し
38
謁
た通り,全体的に低温
側に移行し,生理的快
3略
L_↓_駅_、縞.一_..._ L.一 二 . _綿擁.
憩\Pτ『芝ここ脳・ご∼…卜一トむ嘱。_らr繁_∴
32
\ぐミ\二 ._。....。 __ . . _
の
30
適範囲と考えられる血
炉\ζこ=...一 一一 ・ 潅館
^ニー÷
28
26
灘調節範囲が拡大する
24
ミいわゆ し
《レ・岬岬鰹 『
ことであり,温冷感申
22
黛。
告にも同じ傾向がみら
蕩1{\二ご㌃こ〉攣\藁1
編
一 …
れた。なお,血圧は着
衣によっては,ほとん
∼ ォ叫…’ Q沖一 黶@『一…一…一鳴 }
箋2
釦 参0 雪20
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ど影響されなかった。
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らないが,最低血圧が
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対しては最高血圧は変
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低温へいくに従って直
線的に上昇する知見を
得た。
図7は,(M−E)/A
と(Q,一⇔。)の関係を
量§の 雪80 r鴇5鳥
γε一34“塞3醐s3
亨… 〔 w贈丁 響 しかし,気温の変化に
ム ・・; }}}}一一 トー墾一《》 “編’ … 制
宦@ 一 ドrr ノ 伊 暫 ㎝
@ 引
@ 丁…
刀g三目嫡 県
wユ口輪群
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プロットしたもので,
勾配から熱伝達率H4が
0 30 60 き0 聾29 1$◎ 事30
vト34「欝一η
C
求まる。裸体時は6.26
嗣/㎡h℃,夏服着用時
は3.71鼠/㎡h℃,合服で
は2.52嗣/㎡h℃であり,
これより被服の熱抵抗
飛麟t昂
・器・
ノザ。
ネ,㌶.
.ミ鶏:算::薯
\凱rき受で尽咳
S駆b垂¢cセ ”警内
A戯u㈱We勘r
値は夏服でα◎944℃/
w㎡となった。
実験に用いた被服につ
いて,恒温法により保
温性試験を行い,部位
.=}ゾー 1ド:二 卍》今く肥
・、執 P 『 斬 “ 特F噛蟹
◎
また,これらの着用
ぞ『
・6℃Ambi瞬了鱒粋・∫齪
30
昏。
鵯
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葉5◎ 需喬
図4一般服着用時の内部温,皮膚温の時間変化
5
蝋n
先の着用実験で求めた値
と比較した。この結果,
スカート部分の空気層の
とり方により大きく変る
ことが判り,夏服では
α5伽,合服でLO磁のと
y←一34一雲3−55
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@_.酬.牌一一弾一一一一叫一一}側W …鼎卿」叩岬
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カ∼韓︳...﹄.,. ◎s鱒鱒︸㍉.柚燃蜘
考慮して理論計算を行い,
C 銘 36 34 32 鉛 圏 お 24 22 20 廼
別積層と被覆面積比率を
rP棚剛 噂巨 } 「
殺◎ct副 . 〔一「噌 マ∫りok
g∼}}…} D …『鯉脾
@ 一一 ㌔ ∼一一一β魚{配
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0 30 60 30 120 1§◎ !80m
きよく合った。
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竃
瞬華華∴∴÷二F二L一 “一…←一糎…・ 二一 †…一 勲 凹一『 ゆ 膨 ㎝ 莚 r} 「 「一 酎 範 禦
また,単品の保温率と
…蝋
”
髄”隔胸『 。一.・,}購還一・・,{囲一一…線?
しノ{
積層保温率の関係を検討
F噌一レ X 一■ 一職◎
し,単品の抵抗を単純に
]譲華千三 ・強一一一→…一←一論一一“一∴衡
@ ρ 械
当sb醐 1鱒
加算するのではなく,保
`ム雪u鮪凶。豫r
温率で単品それぞれを
0 3。 ㈹ 蜘 !諺。 鵬 鴇。磯熟
45%に減じて演算するこ
y琴ご葡r34脚13751
篇℃し E曲・飢i了・魎・瞳ニド丁
とで一致することが判っ
た。これは積層間の空気
_げ/蝋
酬一
一一
d脚ノ
層の厚さが減るためと考
S憾b婁㏄ビ馨踊
Autu燃W鰍r
えられる。図8一(alはそ
℃認36舗32
のまま加算したもので,
0 30 60
である。
A幽備晦・
℃
冷凍・冷蔵倉庫内での
認
・
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輝_…♂’脅r
コ
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r痴挿ct 肇胴
悼
`u書㎜w鯉曜
“
s◎
90
暗愚買
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O三ざ 粍ゆ“ 一 厚ゴ 醐rへ
4)防寒服及び運動実験
.. v『鈎蝉翫53.
1∵ニ工二二二。
箆・JIA瞬瞭墨顔磁.
ミぬがセ し
図8一(b)が修正したもの
§O l20 輩嚢} 蓬80 q爵雛口
韮5◎ 18⑪r「響n
yε一3」辱一13 −60
…_一一. ・一一・{唖一一 ▼晒「臆
作業などに着用される超
36
3購
32
屋外作業での防寒服など
℃
認
その防寒性能が重要であ
子等,スキー服,防寒作
¥E一麟一縫嘆72
廟_山k
A憾讐舗Wo解
導璽『王三二三王三口
舗
四三
四
鴻
低温倉庫内で,極地用防
。 30 6¢ 30 ㎜ 籍ゆ 惣
34 ㌧
四
る。そこで,ここでは超
ノ圃一臨『鞠一輌㌧{
ρη一島’
低温作業服,寒冷地での
については,まず第一に
σ仰
一翼ジ遍一べ一一診{∼一腔鷺磨.。『_____一_____一
…一…{…置…歴}『
O ま0 60 90
葉20 璽…治面轟
図5一心服着用時の内部温,
皮膚温の時間変化
一 6 一
業服の三種について着用実
了1㎜
虞
験を行った。
実験は一35℃の麗温冷 1.
3G
60
30
12σ
罪50
δ
蔵倉庫にて行った。広さ
\.
\
芦\
9
1,260㎡,天井高42常の一
離
堪。 醗理縫
Subゆ。ゼL
や\3琴て
Au象u燃W8ar
角を用いた。被験者は,前
室にて椅座,安静の状態で
約60分経過させた後,一35
℃に設定された超低温室内
に移動し,前室と同様の状
態を保った。被験者は健康
男子4名,女子5名であり,
低温室内に滞在した時間に
は個人差があり、約60∼120
分であった。運動を負荷さ
せた実験は,安静時間経過
一
図6一般服着用時の体重変化,指血流量変化
後トレッドミルにて軽作業を慣した。
測定項目は,皮膚温,耳内温,直腸温,代謝量:,脈拍,呼吸数,血圧,温冷感,不快感など
であった。
図9は内部温,皮膚温の測定結果の例であり,(a)は男子被験者,極地用防寒服着用時のもの
で約120分経過させたものである。(b)は同じ被験者のスキー服着用時のものであり,超低温室
に120分滞在し,後前室に出て回復を60分間記録した。(c)は防寒作業衣でのもので,120分後
からは,トレッドミルにて運動を負荷した。
末梢部の温度がある程度下がると急激に反転して増加してくる場合があり,これが足からく
る場合と手からくる場合とがあり,必らずしも一致しない。いつれにしても末梢血管の拡張の
機序の問題であるが,興味深い今後の課題であると思われる。また,末梢部の保温についての
重要性が再認識された。本実験は1超低温下での人体反応に関する貴重なデータの集積であっ
た。
防寒服については,その最も重要な防寒性能が表示されないまま市販されており,またほと
んど測定もされていない。防寒服の防寒性能の測定法,表示法の基準,規格の検討が緊急な課
題と思われる。
7一
5)温熱環境の評価法の
yE−34−2G㎞電
(団一ε)’A
K啄。・
検討
糠ここ矯
O o
温熱環境の評価をす
る上で,大気汚染等の
O
(a)
s◎
方で考えられて来た環
憐ム
筑 《
む
・髪 ロ 鷺
境の基準を設定するた
ム 臼
めの手順や考え方が参
o
5
葡5
罷臨隷島
婁0
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む
るCriteria(判定条
聯59
件)から,それを整理
したGuides(指針)を
Yε一34−20−3
《綴一ε)ノA
険弥・
作り,それにもとつい
S麟醗wW聴gr
て地域社会の公衆の健
◎
(b)
康を保護するための
50
Φ
Recommendations
o
⑳
x
叉
田
鐵
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れを参考にGuidehns
尾
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質
(推奨値)を出し,そ
o
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o
Io
5
一5
蓼5
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(指針値)をきめ,こ
れを政府機関が採用す
ればEnvirOnmental
齢50
Standards(環境基準)
になる。ここでReco−
Y§一34−2傷2
(顛一ε》’A
翫弥・
mme面ationsまでは純
A戯し撫a w驚財
粋に科学的に検討され
(c)
◎
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ム
《
▲
A
は,社会経済的,技術
ム
霞
o
▲
駆
弱
o臼
一5
また,Recommendati−
5
■
ム紛
的配慮が入ってくる。
O劇
ム
◎
臼
簸dardsを決める場合に
1
驚5
9s−e2
℃
onsが導き出されると
きにはSafty factor
一5◎
(安全係数)が考慮:さ
れ,さらに公衆の健康
を保護するというとき,
図7 熱伝達率
つまり健康に悪影響を及ぼさないというとき,健康への悪影響について幾つかの段階(レベル)
一 8一
が考えられているも)温熱環境にも
この考え方が適用できる。
¥三碧一隔一零
魂。¢
肇〆.//
ほイ る
/
人体はその深部体温保持のため,
ジξ /
いろいろの調節機構を有する。す
80
なわち,中間環境温での血管運動
墨s。
./ /
(a)
。 ● /
/
茎
/
/
/
調節域,高温側での発汗蒸発によ
/
/
/
/
8短O
/ 2.い..蝋判一(岬・〉(レP・♪…(ト幻
/
体温下降域がある。蒸発調節熱域
ノ
重紛
ノ
た低温側での行動調節冷域および
3
塁蚕
る蒸発調節熱域,体温上昇域,ま
ノ
ノ
/
や行動調節愚詠を含む高温および
/
/
/
低温域においては,体温調節のた
/
O
お るゆ わ め
鎗
凹・働三輪1総2臨牽畜伸可
めの生理反応は代謝量も増大し一
ヂ
種の緊張(ストレイン)と考えら
γ鷺鳩一{4%
贈
れる。そしてそのような反応を呼
び起こす要因を熱環境ストレスと
。2・
8◎
婦
鱒
R,b一黄議1一(1一梶)d一解ζ罵)臣増ζ2)…(1辺鱈傷)
繋操作量の使い分け”に関する作
業仮設から導いたモデル3)による
、
は,上述の事実をよく示し㌘)また
扮
︵
節系のこれまでの特性実験の結果
鱒㌔
イてき認劔萄
のであることが望まれる。体温調
.、触馬︾
(反応の強さ)とよく対応するも
L、ど㌧野恥棉、・ん
度(総合評価尺度)はストレイン
6◎
みなすことができる。ストレス尺
o
初凹、、。濃轟駈,㌦轟謂 禦
解析結果もよくその特性を示し,
多くの事柄を演えきできた亀)
図8積層保温率の計算
体温調節のための生理的反応は,
恒常性維持のための正常な適応とも考えられるが,生体調節系の中の一つのサブシステムであ
り,また他の調節システムからの影響も受ける。したがって睡眠時や運動時も含めて,これを
完全に評価するのは困難であるが,前述のような体温調節のたあの反応として単純に捉える場
合には,まず第一に最:も効率のよい,すなわち,代謝の最低になる付近での反応として血管運
動調節域を正常レベルと考えることができよう。すなわち,レベル1:全く影響が観察されな
い,に相当する。次に高温側では発汗量がストレインをよく代表する指標と考えられ,例えば
8時間就業中の発汗量についてのランク付け等が考えられてきた。そのランクの一つにレベル
2。:影響がみられるが可逆的,が対応しよう。一方短時間内における発汗限界は熱平衡と関連
し,体温上昇域に近づけば心拍数や深部体温の上昇,代謝の増加がみられる。したがって発汗
量以外の生理的反応にも着目してストレインを考慮しなければならない。そこで,体表面が
一 9一
100%ぬれた状態(ぬれ率
℃
w=1。0)での発汗放熱最大
蹴毫a忌名Sk漁丁脚射轟短腰
けひる
丁… ら娩瞭惇㈱警裡瓢r一τ…二ニ
一・廟 ‘飛㏄象掘’
値に対する実際の発汗量に
・一一” 黶嶋鼈鼕宦D戸㌧一, ドー
・多一 ごぶせ よる放熱量の割合(ぬれ率 3。
㌧「
懸こ\丸にllll 一二
A㌧
禽r餓儒
静 ・門’蟹∼㌧蟻留
wの値あるいはBeldi㎎一
でミミト謎:
・尽!
Hatchの熱ストレスインデ 2
2
\\\ミト愚1
ックスHSI/100)が熱スト 30一
レス指標の一つとして考え ,
∴二二じ 1\桐 “ 1
られる。松岡4)はその増熱 肇、 き鶴臨
匝(護睾ゴ鳥》:器1曜
収支温ECTを定義し, Ta
.。紅 ..L . 。ド 炉 . . 呵
0 30 ξゆ 90 像2C 癬9
(気温)一P(水蒸気圧)
R書。鳳&$襲inτemρ曾r轟tur要 y麟ン2P遷。
座標上における等ECT曲線
_35c緬睡・ゼ∫鱒p塵a董“r画 二 1『i :二. _。二『
; 1 一 一 } ・一 経醐”
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図9超低温に対ずる内部温,皮膚温の時間変化
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10
題となろう。したがって代謝量の増加および感覚の大きさのある限界にストレインのレベル2
を設定する。体温調節域を超えた,低・高温域はいずれもストレイン・レベル5(疾病),6
(死亡)に相当する。
引用文献
1>中央公害対策審議会:二酸化窒素の人の健康影響に係る判定条件等についての専門委員会報
告について(付言),大気汚染学会誌,13,3∼5,(1978),105∼107
2)川島美勝,後藤滋:体温調節系の特性,空気調和・衛生工学,53・8,(1979・8),31−38
3)川島美勝,山本弘:体温調節系とそのモデル,南雲仁一編“生体システム”,日刊工業新聞
社(1971)
4)S.Matsuoka:Proc.13th Intem. Co㎎r. Occup. Health,(1960),893
5)Y.:Nishiβ捻d A. R Gagge:Apsychrometric chart for graphical prediction of c◎m−
fort and heat tolerance, ASHRAE Tran.80(∬), (ユ974)
6) A.P. Gagge and Y。 Nishi:Physical Indices of the Therm、al EDvlronmerとt, ASHRAE
Joum., J an.1976
7)荘司栄徳:川鉄温熱指数(KHL);Beldi㎎とHatchのHeat Stress Indexの修正,鉄鋼労
働衛生,1Z 1,1−10.
7.研 究 発 表
(1)学 会 誌
1)川島美勝:展望,人間一一熱環境系におけるいくつかの問題点,計測と制御,17−8,
(1978)
2)川島美勝:論説鯉人間一一熱環境系シンポジウム”について,空気調和衛生工学, 53−8
(1979)
3)川島美勝,後藤滋:論説,体温調節系の特性,空気調和衛生工学,53−8 (1979)
4)川島美勝:論説,体温調節系の計測とその問題点,空気調和衛生工学,53−10(1979)
(2)口 頭 発 表
1)川島美勝,後藤滋,渡辺俊男,松本幸生,川原ゆり,永坂鉄夫,星合孝男:寒冷環境下
における発熱シートの保温効果の検討,日本生気象学会雑誌,15巻,(1978)
2)川島美勝…,中牟田浩史,後藤滋:運動時の体温調節系の特性(第22次,第25次実験),
体温調節系と温熱環境評価の研究(8),日本建築学会大会学術講演梗概集(1978)
』 11一
3)川島美勝,後藤滋,中牟田浩史,河野一男:体温調節系の特性と皮膚温分布(第19,20
次実験,女子および頭部)一一一とくに高温様斑点と皮膚血流との関係について,第2回人
間熱環境系シンポジウム報告集(1978)
4)川島美勝,中牟田浩史,後藤滋,増田順子,大平通泰,松本幸生:体温調節系の特性と被
服の熱遮断能(第25次実験,男子,一様被服),第2回人間熱環境シンポジウム報告集
(1978)
5)川島美勝,後藤滋:体温調節系の特性の測定と温熱環箋評価の考察,日本人間工学会第
20回大会論文集(1979)
6)川島美勝,後藤滋,増田順子,大平通泰,松本幸生,三平和雄,花田嘉代子:体温調節
系の特性と被服の熱遮断能の測定一着用実験,サーマルマネキン,恒温法の比較(第
25深実験,男子・一様被服) 第18回計測自動制御学会学術講演会(1979)
7)川島美勝,後藤滋,増田順子,大平通泰,・松本幸生,三平和雄,花田嘉代子:被服の熱
滋三曲の測定一着用実験,サーマルマネキZ 恒温法の比較一一一日本繊維製品消費料学
会大会(1979)
8)増田順子,川島美勝,大平通泰,後藤滋:被服の熱遮断能に関する研究(第一報),日本
家政学会総会講演要旨集(1979)
9)川島美勝,増田順子,大平通泰,後藤滋:被服の熱遮断能に関する研究(第二報),日本
家政学会総会講演要旨集(1979)
10)大堀剛,後藤滋,川島美勝:被服着用時の体温調節系の特性(女子,夏服・合服),体
温調節系と温熱環境評価の研究(9),日本建築学会大会学術講演梗概集(1979)
(3)出 版 物
1)川島美勝,後藤滋:人間の体温調節系の特性,宇都宮敏男編, 「生体の制御情報システ
ム」朝倉書店(1978)
12
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