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第1節 太陽光発電導入に向けた世界の潮流(PDF:574KB)

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第1節 太陽光発電導入に向けた世界の潮流(PDF:574KB)
第1章
第1節
日本と九州における再生可能エネルギー導入の動向
太陽光発電導入に向けた世界の潮流
1)太陽光発電とは
太陽光発電とは、太陽電池(光電変換デバイス)を利用して太陽の光エネルギーを電力
に変換する発電方式を指す。水力発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電等と並ぶ、
再生可能エネルギーの一種であり、太陽エネルギーを利用する一つの方法である。
再生可能エネルギーの中には、普及のために支援を必要とする「新エネルギー1」がある
が、新エネルギーの中でも、地球上に最も多く存在するエネルギーは、太陽光のエネルギ
ーである。地球上に届く太陽光エネルギーは、毎秒 42 兆 kcal といわれており、水力(5
億 kcal)や地熱(77 億 kcal)と比較すると非常に多いため、有効利用が期待されている。
勿論、太陽光エネルギーを利用する太陽光発電システムは、夜間に発電できないこと、
天候変化による日照量の変化により安定した発電ができないこと、現状では初期投資のコ
ストが高いために発電コストが割高であることなど、デメリットがある。その一方で、膨
大なエネルギーを長期間活用できかつ発電時に燃料が不要であることや、住宅や事業所の
屋根への設置等土地の多重利用が可能になることなど、メリットもある。そのため、太陽
光の利用による低炭素社会を構築するためには、発電コストを下げる研究開発と、太陽光
発電の普及促進が求められる。
2)普及に向けた取組と世界での需要
太陽光発電システムの導入は、1990 年代は日本やアメリカが中心となって進められてき
たが、2000 年代以降、ヨーロッパを中心とした様々な導入支援策により進められてきた。
中でも、太陽光発電の積極的な導入を始めたのがドイツである。同国は、2000 年の「再
生可能エネルギー法(EEG)」で、再生可能エネルギー源による電力の買取を義務づけ、買
取額と買取期間(20 年間保証)を定めた。このような太陽光発電システムによるエネルギ
ーの買取価格を定める方式が、所謂フィードインタリフ制度(以下 FIT)である。買取額が
保証されているため、この後ドイツでは急速に太陽光発電システムが普及した。この後、
ヨーロッパを中心に FIT を採用する国が急増している。
その結果、世界における太陽電池需要量は年々増加を続けており、2010 年は 15GW に達
し、2014 年には 30GW に迫ると見込まれている。また、世界での太陽電池の生産量は、2009
年に 10GW を超えた。国別・地域別にみると、2009 年における生産量の 35%が中国、14%
1 「石油代替エネルギーを製造、発生、利用すること等のうち、①経済性の面での制約から普及が進展しておらず、か
つ、②石油代替エネルギーの促進に特に寄与するもの」
(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法:1997 年)。具
体的には太陽光発電の他、太陽熱利用、風力発電、バイオマス発電、廃棄物発電など
5
が日本とドイツ、13%が台湾である。2007 年までは、国別の生産量の首位は日本であった
が、近年は中国や台湾を中心に、世界各国で太陽電池の生産量の増加が進んでいる。
図表1-1-1世界の太陽電池需要量の推移(左)と国別太陽電池生産量構成比(右:2009 年)
(MW)
29,975 30,000 24,595 25,000 19,090 15,515 15,405 20,000 15,000 マレーシア
743.0
7%
台湾
1,411.9
13%
10,000 7,203 6,090 5,000 アメリカ
595.0
6%
2,594 1,596 1,422 1,122 278 334 477 583 その他
1,141.1
11%
太陽電池生産量
10,660MW
(2009年)
ドイツ
1,481.9
14%
0 中国
3,779.1
35%
日本
1,508.0
14%
2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
注1)2010 年以降は予測値
注2)2010 年の世界需要は 14GW~16.5GW と推計される
資料)EPIA Global Market Outlook 2012 より JPEA 推計
6
資料)PV News をもとに資源エネルギー庁作成
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